「友達じゃねェか！！」


その言葉を聞き、ソラは優しく微笑んだ


『……… (……ああ、そうだ)』


それでこそ、ルフィだ

ソラはノアを止めたまま、その場で“大鳴き”をした

その声は美しい光の輪と共に辺りへ響き、フカボシや魚人島の住人達の心に深く染み渡った

フカボシの瞳からは、涙が流れ続けていた


「ルフィ様！ソラ様！ノアに空気が！！」

「ああ！！ソラ！！まだいけそうか！？」

『僕は大丈夫だよ。しらほし、君は僕の傍にいて』

「は！！はいっ！！」


金色の“光”が漏れ出ていても尚、ノアを留め続けるソラ

だがそのノアが徐々に高度を下げている事に気付いたルフィは、こちらへ向かって来ているホーディへと拳を構えた


「ソラの為にも、あっという間に終わらせるぞ！！！」

「何も終わらねェさ！！おれ達には…！！天より授かる薬（チカラ）がある！！！」

「“ギア2（セカンド）武装”！！！“ゴムゴムの”ォ～～！！！」

「次こそ、その腕食いちぎって……！！！」


武装色の覇気を纏ったルフィの拳に炎が宿る

真正面から向かって来たホーディ目掛け、その拳は放たれた


「“火拳銃（レッドホーク）”！！！！」


ボォンッ！！！

ドゴォォンッ！！！


ルフィに殴り飛ばされ、ホーディはノアの甲板へと吹っ飛ぶ

それを見たソラは、片手をルフィの方へ翳した


『……ッ！』

「！！ うおっ！？身体が勝手に動くぞ！！？」


手を翳した瞬間ルフィを紫色の光が覆い、そのまま甲板の方へと素早く動いた

ノアのシャボンの中へ入ったルフィは、ソラがここまで運んでくれた事に気付き、笑顔で大手を振る


「ぷはァ！！！空気だ！！おーいソラ！！ありがとなァ！！」

『……ッ…うん、後は任せたよルフィ！』

「おう！！！」


既に大きな声を出す事すらしんどそうなソラを見て、ルフィは顔を引き締めた

どこからか取り出した錠剤をバリバリと咀嚼しながら立ち上がるホーディを見据え、大きく膨らませた拳を掲げる


「“ギア3（サード）”！！」

「おれのキバは見せかけじゃねェ…！！効いてるハズだぞ麦わらァ……！！！」

「タフさは億超えだな……」


ホーディの言う通り、ルフィの肩からは止めどなく血が溢れている

だがそんな事は気にも留めず、ルフィはホーディを睨み付けた

そんなホーディもまた、ルフィへと攻撃を仕掛ける


「魚人柔術“水心”！！！“群鮫（ムラサメ）”ェ！！！！」

「“ゴムゴムの”ォ～～～！！！」


ホーディの“群鮫”を躱したルフィは、武装色を纏ったその大きな拳でホーディを殴った


「“象銃（エレファント・ガン）”！！！」

「！！！！」


ドッゴォンッ！！！


その衝撃で、ホーディ諸共ノアの一部が崩壊する


「おおおお～～～！！！」


それでも尚、ルフィはノアを殴るのを止めない

どうやらそのままノアを破壊するつもりのようだ


「ソラが止めてくれてんだ！！！このままここで壊しきってやる！！！」

「ルフィ様……！！傷が…開いて……！！！」


血を流しながらも、ノアを殴り続けるルフィ

そんなルフィをソラの隣で見ていたしらほしは、涙目のまま顔を青ざめさせた

そんな時、隣から“バキンッ”と何かが割れる音がした


「！！ ……！！？ ソラ様……！！！」


ハッとして振り返った先にいたソラを見て、しらほしは血の気が引いた様に感じた