ズバッ！！！


「フカボシお兄様ぁ～～～！！！」


再びホーディに斬られるフカボシ

しらほしの叫び声がこだまする中、ルフィが持っていた子電伝虫から通信が入った


〈麦わらのルフィさん！！〉

「！？」

『！』

〈こちら“貯空庫（エア・タンク）”、先程お会いした者です！！〉


その通信の主は、フカボシが事前に貯空庫へと向かわせていた魚人島の兵士達だった


〈とんでもない状況は全て聞いておりました！！上空に光を纏って止まっている“ノア”も視界に入っております！！準備が整いました！！〉

「ソラ様！！ルフィ様！！お兄様方がみんな……！！」


涙目のままこちらへと泳いで来るしらほしを見て、ルフィは真剣な表情でソラに言った


「……ソラ、悪ィ…本当は、今すぐにでもやめてほしいけどよ…」


ルフィの言葉の続きを、ソラは静かに待つ


「もう少し、おれに力を貸してくれ」

『……うん、お安い御用だよ』


二人同時に頷くと、ルフィは子電伝虫に向かって大声を上げた


「おい！！もしもし！！空気ってどうやってくれるんだ！？」

〈！ “貯空庫”にある全ての空気を使い、シャボンで飛ばせば“ノア”を包み込む事が可能です！！〉


シャボンは浮力を無効化しますので、取り囲んだ空気が“ノア”を浮かす事はありません！！

つまり、お仲間の…ソラさんの助けになる訳ではない！！


〈心苦しいですが、もうあなた方に全てを託すしか！！〉

「難しい事はいいからすぐやってくれ！！空気さえありゃ何とかなる！！！」

〈了解しました！！ルフィさん！！ソラさん！！魚人島を頼みます！！！〉

「麦わらァ…クソガキ…！！この状況から一体何ができるんだ！！？人間如きがよォオ！！！“キリサメ”！！！」

『……！！』

「！！！」


ソラに向かって突進してきたホーディをルフィが迎え撃ち、その背ビレに装着していた刃をへし折った

そしてその流れで再び殴り飛ばし、ホーディは後方へと吹っ飛ばされる


「ぐゥ…！！ぅアァア～～！！！」

「『！！』」

「何だあのしぶとさ！！」


まるで地響きの様な雄叫びを上げるホーディに、さすがのルフィも冷や汗を垂らした


「諦めろ人間！！！おい人間！！！ハァ…おれはお前達を見るだけでムシズが走る！！！たとえ命を削っても！！どれ程の犠牲を払っても！！！おれは必ずお前ら人間への復讐を果たす！！！」

「………！！」

「『………』」


そのあまりの執念と圧力に、しらほしはゾッと身の毛がよだった

ソラとルフィは、ただ黙ってホーディを見据える

そんな時、ルフィが持っていた子電伝虫から声が聞こえた


〈おい、麦わら…ソラ…聞こえるか？〉

「『！』」

「フカボシお兄様の声！」


ノアの頭上で斬られた状態のまま浮いていたフカボシは、息も絶え絶えにこう告げた


「ホーディ・ジョーンズの……ハァ…ハァ……“正体”がわかった……！！！」

『！！ “正体”…？』

「ホーディの“正体”って！！？兄ほし！！！」


フカボシはハッキリと、その続きを言い放った