小道をぬけて
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不思議と同じ夢を見る
優しいそよ風と温かい日差し
綺麗な黄緑色の木々や野花を抜け
小鳥達が仲良く鳴いている
落ち着いた音色のする小道を
1人の小さな足が歩いていく
白色の小花柄ワンピースに身を包み、
ピンクのリボンが揺れる麦わら帽子。
右手には小さなバック。
鼻歌を歌いながら
栗色の髪色と背中まで届くのではないかと思うほど
綺麗に伸びた髪。
肌は白く透き通っていて
目もパチリとした可愛い印象
見たところ小学生くらいの女の子は
1人黙々と小道を抜けていく。
どのくらい歩いたのだろうか
ふと目の前に人の姿。
陽気に歩いていた少女の足取りが止まる。
同じくらいの子がひとり、
小さな花畑にポツリと立ったまま
目の前の樹木を眺めているのだ。
花畑に囲まれながら立派に立っている樹木を
見つめるその子は少年のように見え、
視線を感じたのか振り返る。
少女と目が合うと
綺麗な声でぽつりと言うのだ。
『やっと会えた』
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