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2期

第 2 話 『対面』


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

「やっと着いたぁ……!」

宇宙船から下船しポートに降り立った少女は、長旅で蓄まった疲労を取る為に、体を伸ばした。

荷物受け取り場のベルトコンベアから流れてくる自分のスーツケースを手に取ると、出口に向かって歩き出す。

ポートの外は、いつもの見慣れた景色ではない世界が広がっていた。

「へぇ……ここがロカA2かぁ」

少女は物珍しそうにキョロキョロと周囲を見回し、初めて見る景色の新鮮さに感動を覚えた。

同じコロニーであるはずなのに、自分の住んでいたコロニーとはまた違った雰囲気が感じられる。

コロニーにもかつて地球にあった『国』の様に、それぞれが独特の文化や様式を持っている事が分かる。


少女が停留所止まっているタクシーに近づくと、タクシーのドアが自動で開く。

少女は「繁華街まで」と行き先を伝えるとタクシーへと乗車した。

「これで私も自由よ……!父さんの思い通りになってたまるもんですか!」

意味深な言葉を紡ぎ、自身の決意を表現するかの様に拳をグッと握りしめた。

少女を乗せたタクシーは繁華街を目指し走り出した。




繁華街に到着し、少女は運賃を払ってタクシーから降りた。

グゥ~ッと腹の虫が鳴った為、腕時計で時間を確かめると時刻は午後1時を回っていた。

少女はどこかに食事処が無いか辺りを見回すと、丁度良くレストランが目に入る。

少女はスーツケースを引きずりながら、レストランの中へと入っていった。


少女は注文したパスタを食べ終え腹を満たすと、レジへ向かい支払いをする。

「10ダールになります」

請求された料金を、少女は電子ウォレットを提示して支払う。

その様子を、店内の奥の席に座る数人の男達が不敵な笑みを浮かべて眺めていた……


レストランを後にし、少女はこれからどうしようか、と考えながら繁華街を模索する。

すると突然、数人の男達が少女を取り囲む。

「……何か用?」

少女は不機嫌そうな表情を男達に向けた。

少なくともナンパの様な軽い雰囲気ではなさそうだ、と少女は冷静に状況分析をする。

「嬢ちゃん、さっきあそこのレストランで飯食ってただろ?」

「それが?」

「その年で随分とお金持ってるんだねぇ~」

男達が「へっへっへ」と下品な笑みを浮かべている。

「実は俺達、今金に困ってんだ。嬢ちゃんの金をくれないかなぁ~?」

(あぁ……そういう事)

少女は男達の発言を聞き、現状を理解した。

自分はカツアゲされているのだ。

先程のレストランで良いカモを見つけた、と目を付けられたのだろう。

(はぁ……まさか初日からいきなり面倒な事に巻き込まれるとはね……)

「悪いけど、アンタらに構ってられるほど私もヒマじゃないの。カツアゲなら他を当たんなさい」

手をヒラヒラと振り、その場から去ろうとする少女の道を男達が立ち塞ぐ。

「邪魔よ。通しなさい」

「通してもいいぜぇ~?有り金全部置いていったらなぁ」

高笑いして道を塞ぐ男達を前に、少女の堪忍袋も限界に近づいていた。

(こういう身の程知らずのバカは、一度痛い目に遭わないと分からないようね……!今までの鬱憤うっぷんもあるし、ストレス解消にぶっ飛ばしてやるわ!!)

そんな物騒な考えに至っていた矢先、1人の少年が男の1人とぶつかった。

「ってぇな!?てめぇ、どこ見て歩いてやがる!!」

男達の視線が少女からぶつかった少年に移る。

少年は、黒髪にブラウンの瞳、服装も全身黒ずくめ、両手には買い物の帰りなのか、食材でいっぱいの袋を提げている。

数人の男達から睨まれているにも関わらず、少年は全く怖気づく様子は無い。

それどころか、

「通行の邪魔だ」

少年はそう言って逆に男達を睨み返してきた。

その殺気に、男達が怯む。

睨まれている訳でもない少女自身でさえも、その殺気を肌で感じる事が出来た。

自分と年も変わらぬ少年がこれほどの殺気を放てるものなのか、と思わず身震いしてしまった。

怯んでいた男達が気を取り直し、少年に詰め寄った。

年下にビビっていると知れたら、自分達の面目が潰れるのだろう。

男達は少年に向かって拳を振りかざした。




少女は目を疑った。

現在目の前には、先程まで自分をカツアゲしていた男達が全員、苦痛の声を洩らして地べたに転がっている。

やったのは目の前に立つ少年。

少年の両手には今もしっかりと買い物袋が握られている。

つまり、少年は数人の男達を相手に足技のみでしてしまったのだ。

両手が塞がり、重い荷物を抱えているにも関わらず、動きが鈍る様子は見られなかった。

男達の拳を流れるように躱し、相手の隙を作って蹴りを入れる……それは一種の芸術を見ているかの様に感じられた。


少女自身も武術の心得はある。

それは自身の持つ身分が故に、護身用として幼い頃から習得させられたものであった。

彼女自身、自分の強さにはある程度の自信を持っていた。

少なくとも、数人の男が相手でも負ける気がしない程に。

しかし少年の動きを目の当たりにし、少女の自信は脆く崩れ落ちていった。

そしてこの時、少女の心にある気持ちが沸き起こってきた。

心臓は高鳴り、気分は高揚している。

(コイツと……闘ってみたい……!!)

少年は何事も無かったかの様にその場から立ち去ろうとする。

「ま……待ちなさい!!」

後ろから呼び止められ、少年は歩みを止めて視線を少女へと向けた。

「何だ?」

「わ……私と勝負しなさい!!」

「……は?」

少年は、少女のとんでもない要求に怪訝な顔を向ける。

「人の獲物を奪ったんたがら責任とりなさいよね!!」

「……獲物?お前カツアゲでもしてたのか?」

少年は呆れた様な眼差しを向けた。

「私をアイツらと同類にすんな!!私がぶっ飛ばそうとしてた獲物を横取りすんなって言ってんのよ!!」

少女は噛み付く様に少年に訴える。

「俺は降りかかった火の粉を払ったまでだ」

少年はそう返し、再び歩き始めた。

「ちょっ……待ちなさいよ!!」

少女の呼び止めにも、少年も今度は歩みを止めない。

「無視してんじゃないわよ!!勝負しろって……言ってんでしょーが!!」

少年の態度に激昂した少女が、後頭部目がけて蹴りを放つ。

しかし、少年は振り返る事無く、首だけを動かしてそれを避けた。

「な……!?」

少女は驚愕した。

少年の動きは人智を越えている、そう思わずにはいられなかった。

「な……何で避けられるのよ……?振り向いてもいないのに……」

少女の声が震える。

目の前に立つ少年が、得体の知れない人外か何かに感じてならない。

「それだけ殺気を放っていれば、見なくても動きが読める」

少年はそれが当たり前であるかの様に簡単に言いのけた。

「脱獄囚と闘った時の方が遥かに厄介だったしな」

「だ……脱獄……囚?何よ……それ……?」

少女の質問に答える事無く少年はその場から立ち去って行った。

少女は後を追い掛ける事も出来ず、その場に立ち尽くしていた。




少年との出会いは、少女の運命を大きく変える事となった。

彼に会わなければ、あのままいつものように絡んできた男達を適当にあしらい、自分が強い人間だと自惚れたまま生きていく事になったに違いない。

自分が井の中の蛙であった事を思い知らされた……


『強くなりたい……!』


それは少女の中を満たす切実な思いとなった。


それから少女は少年を探した。

彼の背中を追っていけば、自らも高みに行ける気がする。

そうすれば、自分を取り巻く強大な『敵』にも立ち向かえるはず。

不思議とそんな確信があった。


少年に関する情報は、思わぬ形で少女の耳に入る事となった。

「君と同じくらいの年齢なら、どこかの学校に通っているんじゃないか?」

それは少女にとって盲点であった。

さっそくロカA2に所存する学校についてネットで調べると、少女が最も目を引く学園の名が出てきた。

「この学園って……」




そして少年との出会いから3日後──

「……本当によろしいのですか?シャオメイさん」

「はい。4月から私は……ソリア学園に転校します」

ソリア学園校長の質問に対し、少女──リン・シャオメイは毅然とした態度で返答した。

「……分かりました。そこまで決意されているのなら、私からはもう何も言いません。しかし覚えておいてください。あなたがやろうとしている事は、あなたのお父上に対する敵対行為であるという事。そしてそれはいずれあなた自身に牙を向けてくるであろうという事を」

「全て覚悟の上です」

シャオメイは凛とした瞳で返した。


シャオメイがやろうとしている事……

それは、ライバル企業ともいえるハワード財閥から多額の寄付金を受け取って運営しているソリア学園に転校し、そしてその入学金や授業料諸々は全て奨学金特待制度を利用する事。

レイズ・カンパニーの社長令嬢が、ライバル企業の傘下にある学園に転校し、あまつさえハワード財閥の財源ともいえる奨学金まで受けるという行為は、レイズ・カンパニーがハワード財閥に下ったという事につながりかねない大問題である。

それを理解していながら、シャオメイは実行した。

強大な『敵』──自らの父への宣戦布告として。

そして、世界の広さを教えてくれたあの少年にもう一度会い、本当の意味で強くなる為……。

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


朝の通学路をカオルが走る。

本来カオルが登校時に走る事は無いが、今は事情が違う。

何せ、後ろから鬼の形相で追い掛けてくる人間がいるのだ。

「待てっつってんでしょ、コラァーッ!!」

そんな事を叫びながら、1週間前に転校してきたばかりの少女がカオルの背中を全力で追う。

学園が見えてきた所で、カオルはフェンスを跳び越えて追っ手を撒く作戦を思い付く。

メノリにまたグチグチと説教されるだろうが、この状況よりは遥かにマシだと判断し、助走を付けてフェンスを跳び越えた。

「なっ!?」

シャオメイは走るスピードを緩め、フェンスの前で立ち止まった。

さすがにこれを跳び越えるのは厳しい。

「アンタそこを動くんじゃないわよ!?すぐにそっちに行ってやるからね!!」

どうやら彼女以上の身体能力の高さを見せつけてしまった事で、火に油を注いでしまったようだ。

シャオメイはフェンスの向こう側へ呼び掛け、回り込む為ゲートへと駆け出して行った。

シャオメイの足音が遠のくのを確認すると、カオルは溜息を1つ落とし、また追い回されぬうちにそそくさと校内へと足早に向かっていった。


「どこだぁー!!出て来ーい!!」

朝の校舎にシャオメイの叫び声が響く。

始めこそ、周囲の生徒もシャオメイに対するイメージに激しいギャップを感じ戸惑いを見せていたが、それも1週間も続くとすっかり慣れてしまい、今では特に気にする者はいない。

「朝から騒がしいぞシャオメイ」

見兼ねたメノリの口から叱声が飛ぶ。

隣には苦笑いをするシンゴの姿もある。

「あ!メノリ、シンゴおはよう」

特に気にする様子も無くシャオメイは挨拶をした。

「ねぇ、カオルの奴見てない!?」

「カオル?いや見てないが。そもそもこんな朝早くカオルは登校して来ないだろう?」

「それが最近登校時間を早めやがったのよ、あの野郎……!」

「……口が悪いぞ。仮にも社長令嬢だろう」

半ば呆れ気味にメノリは注意した。

「そういえば、前からずっと聞きたかったんだけど、どうしてシャオメイはカオルをいつも追い回してるの?」

「ちょっと!その言い方まるで私がストーカーみたいに聞こえるじゃない!!」

シンゴの言い回しが勘に触ったのか、シャオメイが声を荒げて言い返した。

「……いや、実際そのとおりじゃん」

シャオメイには聞こえぬ大きさでシンゴはそっと呟いた。

「で?結局の所、何が原因で追い回してるんだ?」

メノリが腕を組みながらシャオメイに尋ねる。

「勝負しろって言ってるのに、一向に相手してくれないのよアイツ!!」

シャオメイが地団駄を踏んで癇癪かんしゃくを起こす。

「まさか、そんなくだらない理由で追い回していたのか?」

メノリは額に手を当て、深い溜息をついた。

「何て理不尽な理由……」

シンゴは毎日の様に追い回されているカオルに同情した。


そんな様子を、ルナとシャアラが教室の入り口から静かに眺めていた。

「何だかシャオメイって変わった子よね?自由奔放というか……」

「うん、そうね……」

シャアラの言葉にルナは元気無く答える。

「ルナはシャオメイともう話した?」

「ううん、まだ」

ルナは苦笑いを浮かべ、首を横に振った。

「え!?そうなの?ルナの事だからてっきり転校初日にはもう話して仲良くなっているものだとばかり思ってたけど……」

シャアラが意外そうに驚いた。

「うん……何でだろう?よく分かんないけど、話しかけづらいというか……苦手な感じがするの。酷いよね?私ったら、話してもないのに……」

「ルナでもそう思う人がいるんだ?」

俯いて答えるルナを見て、シャアラはクスクスと笑った。

ルナはシャアラが笑っている意味が分からず俯く顔を少し上げた。

「ルナって誰とでもすぐ仲良くなれるイメージがあるから。でもそうじゃないって分かって、私と同じ所もあるんだってちょっと安心した!」

「……シャアラにも苦手な人がいるの?」

「私なんて、数えきれない程いたわ。ハワードやカオルだって始めは苦手だったもの。でもみんなと一緒に過ごすうちに、良い所も段々分かっていって、今では2人とも大切な仲間って思ってるわ。だからいいんじゃないかしら?無理してでも最初から仲良くなろうって思わなくても」

シャアラの言葉が胸に響く。

自分は少し難しく考えすぎていたのかもしれない。

「……ありがとう、シャアラ」

ルナは、漂流を経て心身共に頼もしくなった親友に感謝に言葉を述べた。




放課後になり、ルナは展望フロアへとやって来た。

カオルは、また追い回されるのを避ける為、帰りのホームルームが終わると同時にバイトへ行ってしまった。

最近カオルとはバイトのシフトが一緒になっている土日しかゆっくりと話せていない。

それ以外の時間のほとんどは、シャオメイがカオルを追い回している。

(もしかしたら、私がシャオメイを苦手を思っているのは……カオルと一緒にいる時間を取られたように感じたから……?)

そう思い至り、ルナは深い溜息をついた。

苦手意識を持った原因が嫉妬とは、シャアラには恥ずかしくて口が裂けても言えない。


ルナがしばらく物思いにふけっていると、展望フロアのエレベータードアが開き、元気な声が響き渡った。

「カオルはここかー!?」

やって来たのはシャオメイであった。

放課後もずっとカオルを探していたとは恐れ入る。

ルナに緊張が走る。

何と声をかけるべきか……

いや、そもそも声自体をかけるべきなのか?

そんな事を考えていると、シャオメイがルナの存在に気がつく。

「あれ?あなたは確か……」

シャオメイがルナをジッと見つめる。

1週間の間を経て、2人はついに対面した。

シャオメイがゆっくりとルナに近づく。

「あなた確か、私が転校してきた時にカオルの隣にいた……」

あの一瞬で顔まで覚えていたシャオメイの記憶力の良さに感心する。

「えっと……私はルナ。よろしく」

そう言ってルナはいつもの笑顔を向けた。

「私はシャオメイ。よろしくね!」

シャオメイも笑顔を向けて応じる。

「ねぇ、カオルの奴知らない?」

「カオルなら今日はバイトよ」

「バイト?アイツもしかして生活が苦しい……とか?」

シャオメイはルナの話に少し驚き、おずおずとした口調で尋ねた。

カオルの予定も無視して追い回していた自分に罪悪感を感じたのだろうか?

「それは私の方。カオルは宇宙飛行士養成学校へ行く学費を稼ぐ為に働いてるの」

「宇宙飛行士!?アイツ、そんなすごい夢を持ってるの!?」

「うん。1年後にはその夢の為に、中等部卒業を機に養成学校へ編入する予定なの」

ルナは笑顔で説明する。

シャオメイには、その笑顔がどこかしら寂しげに感じられた。

この時、シャオメイは1つの疑念を抱き、それについてルナに問いかけてみる事に決めた。

「……ねぇ、ルナ?」

「ん?どうしたの?」

「もし違ってたらゴメンね?ルナってもしかして、カオルの事が好きだったり……する?」


シャオメイの発言を聞き、ルナは頭の中が真っ白になった。

(え!?何で!?どうしてシャオメイが知ってるの!?)

固まるルナの顔が真っ赤になる。

これは完全に自白しているようなものだ。

「あー……やっぱり図星かぁ~」

シャオメイはルナの様子に苦笑いして頬をポリポリと掻いた。

「だとしたら悪い事したわね。ルナの気持ちを知らなかったとはいえ、2人でいる時間を奪っちゃって……」

「そ、そんな事ないわ!!」

ルナは慌てて首を横に振った。

同時にシャオメイに対して苦手意識を持っていた自分を恥じた。

(シャオメイはこんなにいい子なのに……!カオルと一緒にいられる時間が減った位で苦手に思うなんて……私最低だ!!)

ルナは心の中で自分自身を叱責すると、シャオメイの首に手を回して優しく抱きしめた。

「え!?ル、ルナ!?」

シャオメイはルナの突然の行動に戸惑った。

同性といえど、こんな事されるとやはり照れる。

「シャオメイ……ゴメンね?」

「え!?どうしてルナが謝るの?」

耳元で囁かれた謝罪の訳が分からず、シャオメイはルナに尋ねた。

「理由は聞かないで……自分でも呆れる程くだらない事だから」

「……そっか。うん、分かったわ」

シャオメイは理解を示し、小さく頷いた。


天球が夕暮れのパノラマへと変わり、コロニー全土、そして展望フロアにいる2人をオレンジ色に染める。

ルナに、もうシャオメイに対する苦手意識は無い。

しばらくして、ルナはゆっくりとシャオメイから離れた。

「ねぇ、シャオメイ」

ルナはシャオメイの前に手を差し出した。

「1週間も経っちゃったけど……仲良くしてくれるかな?」

ルナの言葉に、シャオメイはキョトンとするも、その意味を理解すると、「もちろん」と柔らかく微笑んでルナが差し出した手を優しく握った。

「じゃあ、改めて自己紹介するね?私はリン・シャオメイ。カオルと勝負する為に転校してきた、しがない女子中学生よ」

シャオメイの言い回しにルナはクスリと笑った。

「私はルナ。カオルの事が大好きな、普通の恋する女子中学生よ」

お互いの妙な言い回しの自己紹介に、2人は声を上げて笑い合った。

2人はこうして出会い、彼女達を取り巻く歯車はゆっくりと音をたてて動き始めた。

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