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再依頼、ギャラの誘惑と苦悩

──探偵社の一角、午後の陽射しがほんのり差し込むデスク。
カタカタとキーボードを叩く音が止まり、
一人の女性が、画面をじっと見つめていた。

そこには、ある式場から届いた1通のメール。

件名:
【前回の撮影について/再度ご依頼のご相談】

本文:
──“御社所属のモデル様にお願いできればと考えております。
大変好評でして、ぜひドレスフェアのビジュアルメインモデルに……”──

 


「………………くっ……ギャラがいい……!!」

経理担当の君は、
つい低くつぶやいた。

 

──“出演料、当社基準の3倍。
交通費、衣装調整費、昼食付。撮影日数2日。”──

その下に添付されていたのは、
前回の君のドレス姿をメインに使った仮ポスター案。

【花嫁の見本は、あの人だった──】

……なんか、煽り文句が既にエモい。

「……でも、また“あれ”を着るんですよね……」
「また社内で回覧されて“処罰対象”って書かれるんですよね……」

机に突っ伏す君。
なのに、視線はスプレッドシートの報酬金額から離せない。

**

そんな葛藤の最中──
太宰がのそのそと現れて、後ろからそっと画面を覗き込んでくる。

「へぇ〜。君、またお嫁さんやってくれって頼まれてるんだ?
 で、報酬3倍って……これはもう“副業”じゃなくて本職じゃない?」

「やめてください……こっちは経理もやってるから現実的な誘惑がキツいんです……」

「僕がもうちょっと稼げたら、
 “モデルやらせたくない税”として君に払いたいくらいだけど……」

太宰は肩をすくめながら、
君の後ろに立って囁く。

「ねぇ、それ着てる君は、
 “僕の女”を通り越して“誰も手を出せない美”なんだから。
 ……また見られると思うと、夜中に抱きしめたくなっちゃうよ」

「…………ギャラ3倍よりそっちがずるい」

 

結局、
経理を睨みながら、
カレンダーを見てスケジュールを確認する君は、
小さくため息をついたあと──

「……これは仕事。ええ、仕事ですとも。
 でもギャラ分、ドレス姿は“あなたのため”に事後再演しますから」

と、
とんでもない“条件交渉”を自分に突きつけていた。

太宰の反応?

「……それ、今夜ってことでいい?」

 
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