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赤いドレスの歌姫と、その目撃者たち

広まれば社内で話題にならない訳もなく

◆ 国木田独歩
「…………は?」

一言目、それだった。
資料に目を通していた手が止まり、
写真を見たあと、視線がカメラから君へ。

「これは、どういうことだ。説明を求める」

「任務です」と答えても、眉間の皺は深まるばかり。

「任務であっても、露出が多すぎる! ガーターベルトだと!?
 第一、君は事務員だろう!何を……いや……待て……その歌詞、何だ!?」

「“おあずけチェリー”……?
 これは……破廉恥だ!教育に悪い!!」

誰に向けた教育かは謎だが、
国木田はこの後「社内規定に“過度な露出を含む任務服装の報告義務”を追加すべきか」と
ノートに書き始めていた。

(※最終的には福沢さんに止められた)

 

◆ 江戸川乱歩
「……あー、やっぱり君だったかぁー。うんうん、知ってたよー」

まさかの既知アピール。

「ドレスの布の動きと、階段降りるときの重心の置き方でわかった。
 あれ、“訓練された所作”だからねぇ〜」

「むしろ気づかない方が失礼でしょ?」

「でもさー……いや〜、まいったなぁ……あの色気、もはや武器だよ武器。
 敵より僕が先に倒れちゃいそうだったもん」

なぜか会場にいたことになっていたが、
実際は太宰から聞き出して映像を観たらしい。

「あれはね〜、事務仕事じゃない。“人間を黙らせる才能”だよ」

しばらく彼の机には《赤ドレス似のぬいぐるみ》が飾られていた。

 

◆ 谷崎潤一郎
「………………っ」

彼はね、
“妹推し”で有名な男だったけれど、
写真を見た瞬間──絶句。

「あ、あの……これ、ほんとに、君……?」

「……うん、任務で……」

「そっか……いや、すごいよ……似合ってたし、セクシーだったし……でも……うん……」

**

──10秒ほどの沈黙ののち、真っ赤な顔でつぶやいた。

「……太宰さんが羨ましすぎる」

**

以降、「いいなぁ……俺も守りたい人生だった……」と
現実逃避モードに突入。
一週間ほど無言でナオミの服選びに付き合っていた。

 

◆ おまけ・敦
(やっぱり赤面して目を合わせられない)
「……し、仕方ないですよね、任務、ですもんね……でも……」
(やっぱりちょっと、見ちゃいけないものを見た感)

 

そして、その日の昼。
太宰はこっそり君に近づいてきて、耳元でこう囁いた。

「……ふふ、みんな動揺しちゃってるね。
 でも、彼らは知らないんだよ──“その衣装を外すときの君の表情”を」

「……もう黙っててください、ほんとに」

 
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