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ランタナ

──「ランタナ」。
紫陽花に似ているが、似ていない。
小さな花が幾重にも色を変えて咲く姿は、
まるで彼女そのものだ。

今日も、彼女は美しい。
けれどそれは、自分のための“美”じゃない。
誰かの目を引くため、誰かの目を逸らすため、誰かの隙を作るため。
──任務の一部。
自らを盾に、華やかに、儚く咲いてみせる。

まるで毒を宿した花のように。
気を抜けば触れた指先を焼き、見た者を惑わせる──
だけどその棘すら、愛おしい。

「七変化」。
誰のためにでも姿を変えられるというのに、
僕の前ではいつも素直で、不器用で、
笑って誤魔化しながらも、ちゃんと僕を見ている。

ああ、やっぱり、
僕の恋人は──美しき災厄だ。

触れて、壊して、壊されて。
毒にあてられて、なおも離れられない。
それでも、僕の腕の中では
色を変えないままでいてくれる。

そんな彼女が今日も、
誰かのために“花”になるのなら──

せめて、
“根”にいるのは僕でありたいと思った。

──太宰治(彼女を見つめながら)

次は、どんな姿の“君”が見られるだろうね?
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