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春の嵐は、女の修羅場

「静かに、じわじわと──お仕置きの時間」
──太宰治、今宵、完全に詰んだ。


「どうぞ。そこに、おかけになって?」

声は静かで、どこまでも穏やか。
笑顔も柔らかく、微塵も怒りを見せていない。

──が、太宰はもう、背中に冷や汗をかいている。

「ねぇ、太宰さん。
今日はお忙しい中、突撃してくださった方がいらっしゃいましたよね?」

「……はい」

「“太宰さんの彼女って誰!?”って叫んでましたよね?」

「……うん、叫んでたね……」

「ねぇ、太宰さん。
あれは一体どういうご関係で?」

「そ、それは、ちょっとだけ知り合いだった頃があったというか……」

「“私の方が先だったのに”って、仰ってましたけれど?」

「う……あ、あれはっ、えっと……!! ほんの、1週間だけ、ほんの……!」

「“ほんの”で関係性が発生するなら、この事務所全員と“関係”あることになりますよ?」

ぴたりと、空気が止まる。
彼女の笑顔が、ほんのすこし、輪郭を濃くする。

「ちなみに、SNSに“彼女と朝ごはん”って投稿、したんですよね?」

「し、したけど……君のことだったんだけどなぁ……!」

「えぇ、知ってます。でもそれを知らない女性がああして来るってことは、
**“その前に期待を持たせるような言動があった”**としか思えませんね?」

太宰、言い返せない。

「では。
“何をどう言って、どう誤解を生んだか”──逐一ご報告いただけますか?」

「……ひ、ひとつ聞いてもいい?」

「どうぞ?」

「僕、今日、死なないよね?」

「さぁ?それはあなたの**“誠意次第”**ですね?」

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