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静かなる女帝と、優しいお兄さんたち

探偵社に寄せられた依頼は、某商店街裏の空きスペースにたむろする少年たちの件。
強制排除を求められるような案件ではないが、近隣住民が怯えるような事態になるのは避けたい。

出動したのは、太宰治・江戸川乱歩・そして君。

到着してみれば、想像よりも騒がしい現場だった。
推定13〜16歳、明らかに周囲を威圧しようとする言動と態度。
子供が苦手そうな職員が行っても、舐められるだけなのが目に見えている。

けれど、
“彼女を舐めたやつから沈む”
──これは、知る人ぞ知る鉄則である。

君の静かな怒り
「ババァの言うことなんて聞けるかよ」
と、あざ笑うように言い放った少年に、君は一歩前に出た。

細い腕が、するりとその少年の胸元を掴む。

「……おやおや、どこにババァがいるのかな?」

さらりと、そして静かに。
けれど、その声はまるで地を這うように重い。

持ち上げられた少年は、突然の出来事に顔を青くする。
何もしていないはずなのに、背筋が凍る。
“こいつ、何かやばい”
と、本能が警鐘を鳴らしていた。

「きれいなお姉さんしか居ないはずだよ……ねぇ?」

他の少年たちも一気に硬直する。
冷ややかな微笑みにすら見えるその瞳の奥に、何か“静かな狂気”を感じ取ったのかもしれない。

「こういう時、なんて言うんだっけ?」

問いかけに、少年は蚊の鳴くような声で「ごめんなさい」と答える。
“本能的な屈服”──それは腕力でも知識でもなく、“精神の優位”がもたらしたものだった。


優しいお兄さん登場
そこで君が一歩引き、後ろから太宰と乱歩が現れる。

太宰「おやおや、怖い思いをしたねぇ。大丈夫。優しいお兄さんたちが、お話を聞いてあげるよ」

乱歩「で、キミたち。ちょっと座ってもらえるかな。名探偵の推理ショー、始めようか」

優しげに見えて、逃げ場を与えない。
探偵社の“飴と鞭”が、完璧に発動した瞬間だった。

その後
少年たちは事情を話し、背後にいた悪質な大人の影もあぶり出された。
探偵社が関与したことで地域からの信頼も厚くなる。

君はというと、乱歩に

「ねぇねぇ、さっきの“お姉さん”ムーブ、最高だったよね!動画撮っておけばよかったなぁ〜」
とニヤニヤされ、

太宰からは

「……あれ見て、“怒らせちゃいけない人”って、また再確認しちゃった」
と、妙にしみじみした声で言われるのでした。

この一件以来、
一部の少年たちの間では、「事務員のお姉さんにだけは逆らうな」が合言葉になったという、噂。
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