第一章
夢小説設定
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1
学校からのいつもの帰り道。今日は私が所属する演劇部は休みだし、早く帰ってゲームでもしよう!ソニアド2のチャオ育成でもしようかな。
そうして、チャオ育成について思考を巡らせていると、
コン、と私のローファーに石が当たる音がした。そう、した気がしたのだ。石ころを蹴ったと思ったら目の前が真っ白になり、ぐにゃあ…と自分の身体が曲がりくねる感覚がする。
あ、これは吐く。お昼に食べたお弁当が食道まで出てきてますわコレ。
口元に手を当て吐き気に耐えていると、体が前に押し出される感覚があり、次の瞬間には、目の前に辺り一面の綺麗な青色のお花畑が広がっていた。
「え…ここは……お、ろろろろろろぼぇっ…」
ある意味綺麗なお花畑になってしまった。ゲロ畑だ。しくしく…どうか、お花の栄養分になってくれマイゲロディ。
というかここは一体どこ?
「これは、夢だな…ふふーん、明晰夢ってやつだ!いやそれにしてもゲロ臭いな。とりあえずここから移動しないと、ゲロの匂いでまた吐く」
お花ちゃんごめんね〜っと、なるべく踏まないように移動する。
地面に落ちていたスクールバッグを肩にかけ、ガサガサと花を掻き分け前へと進む。しかし、前へ進んだところで、辺りは人の住む気配などない。緑、緑の大自然だった。あと、白い大きな灯台がひとつ。現在地は海が近いらしい。
「ひぇーん、ここどこー!!夢にしては歩くと疲れるんですけど……助けてド◯えも〜ん!どんなに歩いても疲れない道具だしてよぉ〜!」
そんなこんなで進んでいると、海が見えてきた。潮の匂いがする。きゃっほーい!海だー!と自然と駆け足になり、何歩目か足を運んだ瞬間、あれ?地面がない?
断崖絶壁。
「あ、ああああああああー!!死っ……あぎゃあああ!!!!!」
ふわぁっと落ちる感覚。死ぬ瞬間って、本当にスローモーションになるんだぁ……いやでもこれは夢だから大丈夫か。多分。………大丈夫だよね?
落ちる重力によって、スカートが完全に捲りあがりダサいスパッツが丸見えになったと思ったら、次の瞬間には落ちてなかった。花畑の中に戻っていた。
つまり、落ちなかったのである。
「Hey、レディ。大丈夫か?」
それはそれは、青い花畑に負けないくらい鮮やかなブルー。きれいなエメラルドグリーンの瞳。どことなく香る、優しい風の匂い。
「あわ…あわわわわわわわわ」
ガチ恋距離で私の顔を覗き込んでくる、彼は、彼は!!!
多分、私の顔面は茹でタコの如く赤く染まっているだろう。だってこんなに近くに推しがいるのだもの。しかも横抱きにされている!!ソニック・ザ・ヘッジホッグに!!!!
「見たところ怪我はなさそうだな。立てるかい?」
「だ、だいじょうぶ!!!なんのこれしき!ありがとうございます!なははははは!!!」
私は恥ずかしさのあまり、青いハリネズミも驚くくらいの速さで立ち上がった。ソニックはそんな私を見て、一瞬目を丸くしたがすぐに微笑んでくれた。私はその素晴らしい笑顔を心のシャッターで納める。
「しかし、女の子がこんなところに一人でいるなんて、随分と珍しいな。家が近くなのか?」
……今されて一番難しい質問だ。しかし、これは夢に違いないので、どんなヘンテコな回答をしても許される筈……ここは嘘をついても仕方ないから正直に答えよう。
「いやぁ、どういう訳か、ここは私が居た世界とは別の世界みたいで」
「Umm…つまり、アンタは異世界から来たと?」
「そう!!あ、でも正直な話、明晰夢の線が高いなぁとも思ってるんだ」
「夢?少なくとも俺は、今が現実だと思ってるが……世の中何が起こるかわからないからな。」
流石ソニック、話が早い。普段はお調子者って感じで振る舞っているけど、たまに見せる頭の回転の早さに物凄く憧れる。ぶっちゃけ私は、元の世界に戻る事などどうでもいいので1秒でも長くソニックの姿を目に焼き付けたい。例え目がバキバキになっても。
「ま、そのことは後で考えればいいか。とりあえず、今の状況を考えるとアンタは帰る家がないんだろう。行く当てはあるのか?」
…ない。
確実にこのままいくと野宿コースである。
「え〜と…初対面でこんな不躾なお願いするのもなんだけど、とりあえず街がある場所まで私を連れて行ってくれると嬉しいなぁ……出来れば宿泊施設がありそうな所で……」
いや、そもそも日本円は使えるのか。ソニックの世界の通貨ってなんだ。アメリカっぽいからドル?もしかして、ソニックがいつも集めているリング…?試しに、ソニックに手持ちの日本円を見せてみる。首をかしげて、「ここら辺じゃ見たことないな」と言われた。一文なし決定。これではホテルなんか泊まれやしない。意気消沈して俯いている私を見て、彼は言った。
「行く場所がないのなら俺に着いてくるか?」
「え!!嬉し過ぎて死!天国?!」
「ハハッ!愉快なレディだな!俺はソニック。ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
あんたの名前は?
あぁ、爽やかな風が通り過ぎるような笑顔。その眩しい笑顔に、私は赤面を通り過ぎて赤黒い顔面を晒しながら自分の名前を言った。
NEXT……
学校からのいつもの帰り道。今日は私が所属する演劇部は休みだし、早く帰ってゲームでもしよう!ソニアド2のチャオ育成でもしようかな。
そうして、チャオ育成について思考を巡らせていると、
コン、と私のローファーに石が当たる音がした。そう、した気がしたのだ。石ころを蹴ったと思ったら目の前が真っ白になり、ぐにゃあ…と自分の身体が曲がりくねる感覚がする。
あ、これは吐く。お昼に食べたお弁当が食道まで出てきてますわコレ。
口元に手を当て吐き気に耐えていると、体が前に押し出される感覚があり、次の瞬間には、目の前に辺り一面の綺麗な青色のお花畑が広がっていた。
「え…ここは……お、ろろろろろろぼぇっ…」
ある意味綺麗なお花畑になってしまった。ゲロ畑だ。しくしく…どうか、お花の栄養分になってくれマイゲロディ。
というかここは一体どこ?
「これは、夢だな…ふふーん、明晰夢ってやつだ!いやそれにしてもゲロ臭いな。とりあえずここから移動しないと、ゲロの匂いでまた吐く」
お花ちゃんごめんね〜っと、なるべく踏まないように移動する。
地面に落ちていたスクールバッグを肩にかけ、ガサガサと花を掻き分け前へと進む。しかし、前へ進んだところで、辺りは人の住む気配などない。緑、緑の大自然だった。あと、白い大きな灯台がひとつ。現在地は海が近いらしい。
「ひぇーん、ここどこー!!夢にしては歩くと疲れるんですけど……助けてド◯えも〜ん!どんなに歩いても疲れない道具だしてよぉ〜!」
そんなこんなで進んでいると、海が見えてきた。潮の匂いがする。きゃっほーい!海だー!と自然と駆け足になり、何歩目か足を運んだ瞬間、あれ?地面がない?
断崖絶壁。
「あ、ああああああああー!!死っ……あぎゃあああ!!!!!」
ふわぁっと落ちる感覚。死ぬ瞬間って、本当にスローモーションになるんだぁ……いやでもこれは夢だから大丈夫か。多分。………大丈夫だよね?
落ちる重力によって、スカートが完全に捲りあがりダサいスパッツが丸見えになったと思ったら、次の瞬間には落ちてなかった。花畑の中に戻っていた。
つまり、落ちなかったのである。
「Hey、レディ。大丈夫か?」
それはそれは、青い花畑に負けないくらい鮮やかなブルー。きれいなエメラルドグリーンの瞳。どことなく香る、優しい風の匂い。
「あわ…あわわわわわわわわ」
ガチ恋距離で私の顔を覗き込んでくる、彼は、彼は!!!
多分、私の顔面は茹でタコの如く赤く染まっているだろう。だってこんなに近くに推しがいるのだもの。しかも横抱きにされている!!ソニック・ザ・ヘッジホッグに!!!!
「見たところ怪我はなさそうだな。立てるかい?」
「だ、だいじょうぶ!!!なんのこれしき!ありがとうございます!なははははは!!!」
私は恥ずかしさのあまり、青いハリネズミも驚くくらいの速さで立ち上がった。ソニックはそんな私を見て、一瞬目を丸くしたがすぐに微笑んでくれた。私はその素晴らしい笑顔を心のシャッターで納める。
「しかし、女の子がこんなところに一人でいるなんて、随分と珍しいな。家が近くなのか?」
……今されて一番難しい質問だ。しかし、これは夢に違いないので、どんなヘンテコな回答をしても許される筈……ここは嘘をついても仕方ないから正直に答えよう。
「いやぁ、どういう訳か、ここは私が居た世界とは別の世界みたいで」
「Umm…つまり、アンタは異世界から来たと?」
「そう!!あ、でも正直な話、明晰夢の線が高いなぁとも思ってるんだ」
「夢?少なくとも俺は、今が現実だと思ってるが……世の中何が起こるかわからないからな。」
流石ソニック、話が早い。普段はお調子者って感じで振る舞っているけど、たまに見せる頭の回転の早さに物凄く憧れる。ぶっちゃけ私は、元の世界に戻る事などどうでもいいので1秒でも長くソニックの姿を目に焼き付けたい。例え目がバキバキになっても。
「ま、そのことは後で考えればいいか。とりあえず、今の状況を考えるとアンタは帰る家がないんだろう。行く当てはあるのか?」
…ない。
確実にこのままいくと野宿コースである。
「え〜と…初対面でこんな不躾なお願いするのもなんだけど、とりあえず街がある場所まで私を連れて行ってくれると嬉しいなぁ……出来れば宿泊施設がありそうな所で……」
いや、そもそも日本円は使えるのか。ソニックの世界の通貨ってなんだ。アメリカっぽいからドル?もしかして、ソニックがいつも集めているリング…?試しに、ソニックに手持ちの日本円を見せてみる。首をかしげて、「ここら辺じゃ見たことないな」と言われた。一文なし決定。これではホテルなんか泊まれやしない。意気消沈して俯いている私を見て、彼は言った。
「行く場所がないのなら俺に着いてくるか?」
「え!!嬉し過ぎて死!天国?!」
「ハハッ!愉快なレディだな!俺はソニック。ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
あんたの名前は?
あぁ、爽やかな風が通り過ぎるような笑顔。その眩しい笑顔に、私は赤面を通り過ぎて赤黒い顔面を晒しながら自分の名前を言った。
NEXT……
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