地獄のペーパーテスト
~クルス低~
日曜日の朝外はポカポカといい天気だった。
そんな日曜日の朝からクルスの部屋には沢山の人がいて、ある二人組だけは呑気にTVを見ていた。
「ガンダムは名作ばかりじゃないか。ハヤテのセンスもなかなかだな」
「喜んでもらえたなら嬉しいですよ。じゃあ次はコー○ギ○スを見ることをおすすめします」
主人公でもある二人はTVを見ながら雑談していたが、
「稟とハヤテは余裕だね」
クルスが呆れたように溜め息を吐きながら視線をノートに向けながら二人にやれやれとこぼす。
「確かに、テストは明日からなのにギ○スなんか見てていいのか?」
ショウは単語帳を捲り必死に単語を覚えつつジト目になりながら言うと、
「「ウッ……!!」」
二人は息を飲んで現実へと引き戻された。
実はもうすぐテストという事で昨日から皆でクルスの家で勉強会を開いていたのだ。
それなのに―――
「二人はそんなに余裕なら、赤点は取らないだろうな」
ショウがハッキリした口調で言った瞬間、
「いえ…」
「僕達が悪かったです…」
二人は土下座をしてショウに謝った。
「全く!麻弓やシアや泉達やなのはだって真面目にやってるのにお前達は」
深く溜め息を吐くショウを見ながら二人は声を揃えて言う。
「「返す言葉もありません…」」
二人の言葉に呆れていたショウだがふと視線をある場所に向けた。
「いいい…伊澄!」
「何でしょうかワタル君?」
顔を赤くしながら伊澄に話し掛けているワタルだが動揺しすぎである。
「ここの問題あってるかな?」
「…ワタル君…不正解です」
×印の旗を出し不正解宣言をする伊澄にワタルは固まってしまった。
(得意分野だったのに…)
「ちなみになのはちゃんと泉ちゃんも間違えてるからね」
「「……ふぇぇぇん」」
亜沙の言葉になのはと泉は本気でショックを受けて頭をテーブルに打ち付けていたり、
「これで大丈夫かしら?」
「流石だなヒナ!」
「よっ!流石は生徒会長!」
「おだててもアナタ達のサボりを許してないわよ」
稟達と同じようにサボっていた美希と理沙はヒナギクによりしっかり制裁されて課題を倍に出されていたりする。
「まぁ、テストが終わったら夏休みだし赤点は回避させないとね」
クルスの言葉にショウは頷き勉強していた者達も納得していた。
「もしもの場合は赤点候補者に##NAME2##が秘密兵器を使うからなんとかなるだろうけど…」
「秘密…兵器…?」
その単語に死んだ目をしながら勉強をしていた麻弓がピクリと反応した。
「クルス、お前確かさ今回のテストで出るかもしれない問題と必須部分書いたプリント持ってたよな?」
「うん。確か鞄の中に入ってた筈だけど」
クルスは鞄の中からプリントを数枚だして赤点候補者全員が見れるようにテーブルに置いた。
そのプリントを見て赤点候補者達は目を輝かせる。
「これで少しは赤点回避は出来ると思うから」
クルスはそう言って自分の勉強を再開しようとしたが、
「クルス君、ここの問題を聞きたいんですが」
「…んっ?どの問題?」
楓に呼ばれクルスは隣に座って問題に目を向ける。
「あっ…!ここの問題は上の方式と同じだからこう解けばいいよ」
「あっ!…本当ですね!」
密着してお互いの距離が近いことに気付いた二人は、すぐに離れたが頬が少しだけ赤くなっていた。
「ごっ、ごめん…」
「いえ…」
お互い恥ずかしそうに視線をそらし何だか甘ったるい光景を作っていたが、
バキッ!!
「フェ、フェイトちゃん!?」
なのはの横にいたフェイトが思い切りシャーペンをへし折る。
「あっ…!折れちゃった」
フェイトは苦笑しながら新しいシャーペンを用意していたのだが、
(こ…怖い…)
(クルス君、気付いてください!!)
稟とハヤテは汗を流しながら固まっていた。
「…クルス」
「どうしたイヴ?」
「ここはこれで合ってる?」
「……合ってるよ。さすがだね」
いつものようにイヴの頭を優しく撫でるとイヴは嬉しそうにクルスを見つめていたが、
「……あっ」
再びフェイトのシャーペンがへし折られフェイトは不思議そうに新しいシャーペンを取り出していた。
その時フェイトの顔を見ていたはやての顔が真っ青になっていたのは言うまでもない。
(あっ、あかん!クルス君気づいて~!それは火にガソリンを注いでるんやー!)
今にも泣きそうなはやてであった。
しばらくして――
「クルス、少しいいですか?」
勉強をしていた部屋のドアが開いてセフィリアが入ってきた。
「どうしたの?何かあった?」
「実はジェノスとベルゼーから通信が入って伝言を預かりました」
クルスはピクリと反応して立ち上がった。
「皆ちゃんと勉強やってなよ。後でデザート持ってくるから」
クルスはセフィリアと共に部屋からいなくなり、その場に沈黙の空気が流れたが――
「何かあったのか?」
「随分余裕じゃねぇか稟」
「ハハハ……気のせいだ」
クルスがいなくなって二時間後――
「かっ、完璧だ!」
喜びの表情で問題を解き終わった稟が呟いた。
「これは…いつも以上の出来ですよお嬢様!」
「どれどれ……なぬっ!完璧ではないか!」
ハヤテの方も恐ろしいぐらいの完成度だった。
「まさか我ら三人まで大丈夫だとは」
「これも全てクルス君のおかげだね~!」
「礼はフェイトの生着替えの写真でも「理沙!何でそんな写真持ってるの!?」」
顔を赤くして理沙に迫るフェイトだが理沙は笑って誤魔化していた。
ちなみに――
「ぐわぁぁぁ~!」
「ダメなのですよ!理解するのに時間が…」
III親衛隊隊長のワタルとナイチチパパラッチの麻弓だけはダメなようだ。
「二人ともまた間違っていますよ」
伊澄の指摘にワタルはさらに頭を抱えてしまった。
「そういえばクルスの奴遅くねぇか?」
「もう二時間たってんのに戻ってこないよな」
稟とショウが互いに顔を見合わせながら話していると、
「皆さんお待たせしました。デザートと紅茶をお持ちしました」
ドアが開いてシャオが全員分のデザートと紅茶を持ってきた。
デザートはどれも美味しそうで紅茶からもいい香りがしている。
「シャオ、クルスは?」
イヴの問いにシャオは首を傾げて思い出しながら答えた。
「クルスでしたら出掛けてると思いますよ」
「出掛けたってどこにだ?」
稟が一瞬視線をシャオに向けた時だった、
「土見君!スキアリ!」
「まっ、麻弓ーー!!」
稟のデザートが麻弓に奪われて食べられてしまった。
「俺の!俺のデザートがー!!」
稟の叫び声が家中に響いていた。
~夕方~
「なにっ!最終巻のDVDがないだと~!」
「…はい。最終巻だけ他の方が借りていてなかったんです」
稟は肩を落としてショックを受けている。
「全くこいつらは」
「にゃははは、まぁ稟君とハヤテ君らしいよ」
「そうやでショウ君。たまにはこんな風景も新鮮で私はいいと思うで」
ショウの両隣にいるなのはとはやてが苦笑しながら呟いていた。
すると――
『ちょっと、落ち着けって!クルスは多分…』
ドォォォン!
『――さん!クルスは――にいますから家を破壊しないでください』
バァァアン!
『…って!?何で僕まで~!?』
下から物凄い爆発音が聞こえてきた。
「何か騒がしくないか?」
「ちょっと見てくる…(今の声まさか――)」
怪訝な表情を浮かべながらイヴは立ち上がり下の様子を見に行った。
~数分後~
イヴが様子を見に行って数分後下がいきなり静かになった。
「何が起こった?」
不審に思ったメンバーは部屋から出て下に降りると、
「あっ…!」
気絶している二人がいる。
一人はジェノスのようだがもう一人は見たことがない男の人だった。
「うぅ~…」
背中に二体のドラゴンをつけている男の人は目を回し気絶している。
「イヴちゃんはどこに行かれたのでしょうか?」
ネリネが辺りを見回しながら言葉を放つと、
「アイツらは地下室だ…」
気絶していたはずのジェノスが答えたがジェノスは再び気絶していい顔で笑っていた。
「地下室…?」
メンバー全員が下の階段に気付いて下に降りていく。
△▼△▼△▼
~地下室~
「とりあえず開けてみるか?」
ショウがドアを開けて最初に見たものは、
「あっ…!」
「どうした?……ってあぁ!?」
ショウが唖然とした表情で固まりそのショウに首を傾げた稟も同じように扉の先の光景を見て固まってしまう。
ショウと稟が固まった事に後ろいたメンバーは不思議そうにしていたが、二人が扉の先で見たものは何なんだろうか?
それは―――
「私…クルスじゃなきゃダメなの!クルスじゃなきゃ…私!」
「レナ、キミが無事でいてくれてよかった」
女の子が泣きながらクルスに抱きついてクルスはその女の子の頭を撫でていた。
「クルス!殴っていいかい?その幸せを銀河に轟かせるまで…!」
それを見た樹が拳を握り締めてクルスに迫ってきたが、
「返り討ちしていいなら殴っていいよ」
樹は勢いよく殴りかかってきたが、
「邪魔しないで!」
レナが樹の腹をおもいっきり殴って樹は泡を吹いて気絶してしまった。
「レナ、とりあえず離れて」
「うん…」
レナはクルスから離れて頬を赤くしながら隣に並ぶと、クルスは皆に視線を向けて申し訳なさそうに口を開く。
「困惑させてごめん!話しは上でするから」
そうクルスが言った瞬間、
「クルス、じっくりお話ししようね」
「彼女との関係もですが…」
「さっきの行動はさすがに許せないよ」
ラバーズの三人がニッコリ笑いながらクルスを引っ張っていった。
△▼△▼△▼
~クルスの部屋~
「つまり、彼女はクルス達が二番目に行った世界の子だと?」
「うん。彼女とは森で出会ってね」
事情を話しているが部屋の中は空気がかなり重かった。
何故なら――
クルスの両隣に座っているフェイトと楓や背中に引っ付いているイヴの笑みが怖いからだ。
「それで彼女との関係は?」
麻弓がメモを持ちながら目を輝かせている。
先程まで死んだ目をしていた麻弓などいなかったようだ。
「レナとの関係は…」
クルスはジッとレナに視線を向けるとレナは頬を赤くしてニッコリと笑った。
「はいはいごちそうさま」
それを見た麻弓がしっかりとメモをして、
「撮れたか泉!?」
「バッチグーだよ!」
「フフフ…ネタGET!」
三人娘もちゃっかり写真を撮っていた。
「………………」
クルスは固まりまるで石像のようになってしまう。
(あぁ~可哀想な奴だな…)
((同志が増えた!))
ショウは呆れて稟とハヤテは何故か泣きながら喜んでいた。
その後勉強会が終わるまでクルスはラバーズの罰を受けてボロボロになってしまった。
日曜日の朝外はポカポカといい天気だった。
そんな日曜日の朝からクルスの部屋には沢山の人がいて、ある二人組だけは呑気にTVを見ていた。
「ガンダムは名作ばかりじゃないか。ハヤテのセンスもなかなかだな」
「喜んでもらえたなら嬉しいですよ。じゃあ次はコー○ギ○スを見ることをおすすめします」
主人公でもある二人はTVを見ながら雑談していたが、
「稟とハヤテは余裕だね」
クルスが呆れたように溜め息を吐きながら視線をノートに向けながら二人にやれやれとこぼす。
「確かに、テストは明日からなのにギ○スなんか見てていいのか?」
ショウは単語帳を捲り必死に単語を覚えつつジト目になりながら言うと、
「「ウッ……!!」」
二人は息を飲んで現実へと引き戻された。
実はもうすぐテストという事で昨日から皆でクルスの家で勉強会を開いていたのだ。
それなのに―――
「二人はそんなに余裕なら、赤点は取らないだろうな」
ショウがハッキリした口調で言った瞬間、
「いえ…」
「僕達が悪かったです…」
二人は土下座をしてショウに謝った。
「全く!麻弓やシアや泉達やなのはだって真面目にやってるのにお前達は」
深く溜め息を吐くショウを見ながら二人は声を揃えて言う。
「「返す言葉もありません…」」
二人の言葉に呆れていたショウだがふと視線をある場所に向けた。
「いいい…伊澄!」
「何でしょうかワタル君?」
顔を赤くしながら伊澄に話し掛けているワタルだが動揺しすぎである。
「ここの問題あってるかな?」
「…ワタル君…不正解です」
×印の旗を出し不正解宣言をする伊澄にワタルは固まってしまった。
(得意分野だったのに…)
「ちなみになのはちゃんと泉ちゃんも間違えてるからね」
「「……ふぇぇぇん」」
亜沙の言葉になのはと泉は本気でショックを受けて頭をテーブルに打ち付けていたり、
「これで大丈夫かしら?」
「流石だなヒナ!」
「よっ!流石は生徒会長!」
「おだててもアナタ達のサボりを許してないわよ」
稟達と同じようにサボっていた美希と理沙はヒナギクによりしっかり制裁されて課題を倍に出されていたりする。
「まぁ、テストが終わったら夏休みだし赤点は回避させないとね」
クルスの言葉にショウは頷き勉強していた者達も納得していた。
「もしもの場合は赤点候補者に##NAME2##が秘密兵器を使うからなんとかなるだろうけど…」
「秘密…兵器…?」
その単語に死んだ目をしながら勉強をしていた麻弓がピクリと反応した。
「クルス、お前確かさ今回のテストで出るかもしれない問題と必須部分書いたプリント持ってたよな?」
「うん。確か鞄の中に入ってた筈だけど」
クルスは鞄の中からプリントを数枚だして赤点候補者全員が見れるようにテーブルに置いた。
そのプリントを見て赤点候補者達は目を輝かせる。
「これで少しは赤点回避は出来ると思うから」
クルスはそう言って自分の勉強を再開しようとしたが、
「クルス君、ここの問題を聞きたいんですが」
「…んっ?どの問題?」
楓に呼ばれクルスは隣に座って問題に目を向ける。
「あっ…!ここの問題は上の方式と同じだからこう解けばいいよ」
「あっ!…本当ですね!」
密着してお互いの距離が近いことに気付いた二人は、すぐに離れたが頬が少しだけ赤くなっていた。
「ごっ、ごめん…」
「いえ…」
お互い恥ずかしそうに視線をそらし何だか甘ったるい光景を作っていたが、
バキッ!!
「フェ、フェイトちゃん!?」
なのはの横にいたフェイトが思い切りシャーペンをへし折る。
「あっ…!折れちゃった」
フェイトは苦笑しながら新しいシャーペンを用意していたのだが、
(こ…怖い…)
(クルス君、気付いてください!!)
稟とハヤテは汗を流しながら固まっていた。
「…クルス」
「どうしたイヴ?」
「ここはこれで合ってる?」
「……合ってるよ。さすがだね」
いつものようにイヴの頭を優しく撫でるとイヴは嬉しそうにクルスを見つめていたが、
「……あっ」
再びフェイトのシャーペンがへし折られフェイトは不思議そうに新しいシャーペンを取り出していた。
その時フェイトの顔を見ていたはやての顔が真っ青になっていたのは言うまでもない。
(あっ、あかん!クルス君気づいて~!それは火にガソリンを注いでるんやー!)
今にも泣きそうなはやてであった。
しばらくして――
「クルス、少しいいですか?」
勉強をしていた部屋のドアが開いてセフィリアが入ってきた。
「どうしたの?何かあった?」
「実はジェノスとベルゼーから通信が入って伝言を預かりました」
クルスはピクリと反応して立ち上がった。
「皆ちゃんと勉強やってなよ。後でデザート持ってくるから」
クルスはセフィリアと共に部屋からいなくなり、その場に沈黙の空気が流れたが――
「何かあったのか?」
「随分余裕じゃねぇか稟」
「ハハハ……気のせいだ」
クルスがいなくなって二時間後――
「かっ、完璧だ!」
喜びの表情で問題を解き終わった稟が呟いた。
「これは…いつも以上の出来ですよお嬢様!」
「どれどれ……なぬっ!完璧ではないか!」
ハヤテの方も恐ろしいぐらいの完成度だった。
「まさか我ら三人まで大丈夫だとは」
「これも全てクルス君のおかげだね~!」
「礼はフェイトの生着替えの写真でも「理沙!何でそんな写真持ってるの!?」」
顔を赤くして理沙に迫るフェイトだが理沙は笑って誤魔化していた。
ちなみに――
「ぐわぁぁぁ~!」
「ダメなのですよ!理解するのに時間が…」
III親衛隊隊長のワタルとナイチチパパラッチの麻弓だけはダメなようだ。
「二人ともまた間違っていますよ」
伊澄の指摘にワタルはさらに頭を抱えてしまった。
「そういえばクルスの奴遅くねぇか?」
「もう二時間たってんのに戻ってこないよな」
稟とショウが互いに顔を見合わせながら話していると、
「皆さんお待たせしました。デザートと紅茶をお持ちしました」
ドアが開いてシャオが全員分のデザートと紅茶を持ってきた。
デザートはどれも美味しそうで紅茶からもいい香りがしている。
「シャオ、クルスは?」
イヴの問いにシャオは首を傾げて思い出しながら答えた。
「クルスでしたら出掛けてると思いますよ」
「出掛けたってどこにだ?」
稟が一瞬視線をシャオに向けた時だった、
「土見君!スキアリ!」
「まっ、麻弓ーー!!」
稟のデザートが麻弓に奪われて食べられてしまった。
「俺の!俺のデザートがー!!」
稟の叫び声が家中に響いていた。
~夕方~
「なにっ!最終巻のDVDがないだと~!」
「…はい。最終巻だけ他の方が借りていてなかったんです」
稟は肩を落としてショックを受けている。
「全くこいつらは」
「にゃははは、まぁ稟君とハヤテ君らしいよ」
「そうやでショウ君。たまにはこんな風景も新鮮で私はいいと思うで」
ショウの両隣にいるなのはとはやてが苦笑しながら呟いていた。
すると――
『ちょっと、落ち着けって!クルスは多分…』
ドォォォン!
『――さん!クルスは――にいますから家を破壊しないでください』
バァァアン!
『…って!?何で僕まで~!?』
下から物凄い爆発音が聞こえてきた。
「何か騒がしくないか?」
「ちょっと見てくる…(今の声まさか――)」
怪訝な表情を浮かべながらイヴは立ち上がり下の様子を見に行った。
~数分後~
イヴが様子を見に行って数分後下がいきなり静かになった。
「何が起こった?」
不審に思ったメンバーは部屋から出て下に降りると、
「あっ…!」
気絶している二人がいる。
一人はジェノスのようだがもう一人は見たことがない男の人だった。
「うぅ~…」
背中に二体のドラゴンをつけている男の人は目を回し気絶している。
「イヴちゃんはどこに行かれたのでしょうか?」
ネリネが辺りを見回しながら言葉を放つと、
「アイツらは地下室だ…」
気絶していたはずのジェノスが答えたがジェノスは再び気絶していい顔で笑っていた。
「地下室…?」
メンバー全員が下の階段に気付いて下に降りていく。
△▼△▼△▼
~地下室~
「とりあえず開けてみるか?」
ショウがドアを開けて最初に見たものは、
「あっ…!」
「どうした?……ってあぁ!?」
ショウが唖然とした表情で固まりそのショウに首を傾げた稟も同じように扉の先の光景を見て固まってしまう。
ショウと稟が固まった事に後ろいたメンバーは不思議そうにしていたが、二人が扉の先で見たものは何なんだろうか?
それは―――
「私…クルスじゃなきゃダメなの!クルスじゃなきゃ…私!」
「レナ、キミが無事でいてくれてよかった」
女の子が泣きながらクルスに抱きついてクルスはその女の子の頭を撫でていた。
「クルス!殴っていいかい?その幸せを銀河に轟かせるまで…!」
それを見た樹が拳を握り締めてクルスに迫ってきたが、
「返り討ちしていいなら殴っていいよ」
樹は勢いよく殴りかかってきたが、
「邪魔しないで!」
レナが樹の腹をおもいっきり殴って樹は泡を吹いて気絶してしまった。
「レナ、とりあえず離れて」
「うん…」
レナはクルスから離れて頬を赤くしながら隣に並ぶと、クルスは皆に視線を向けて申し訳なさそうに口を開く。
「困惑させてごめん!話しは上でするから」
そうクルスが言った瞬間、
「クルス、じっくりお話ししようね」
「彼女との関係もですが…」
「さっきの行動はさすがに許せないよ」
ラバーズの三人がニッコリ笑いながらクルスを引っ張っていった。
△▼△▼△▼
~クルスの部屋~
「つまり、彼女はクルス達が二番目に行った世界の子だと?」
「うん。彼女とは森で出会ってね」
事情を話しているが部屋の中は空気がかなり重かった。
何故なら――
クルスの両隣に座っているフェイトと楓や背中に引っ付いているイヴの笑みが怖いからだ。
「それで彼女との関係は?」
麻弓がメモを持ちながら目を輝かせている。
先程まで死んだ目をしていた麻弓などいなかったようだ。
「レナとの関係は…」
クルスはジッとレナに視線を向けるとレナは頬を赤くしてニッコリと笑った。
「はいはいごちそうさま」
それを見た麻弓がしっかりとメモをして、
「撮れたか泉!?」
「バッチグーだよ!」
「フフフ…ネタGET!」
三人娘もちゃっかり写真を撮っていた。
「………………」
クルスは固まりまるで石像のようになってしまう。
(あぁ~可哀想な奴だな…)
((同志が増えた!))
ショウは呆れて稟とハヤテは何故か泣きながら喜んでいた。
その後勉強会が終わるまでクルスはラバーズの罰を受けてボロボロになってしまった。