出会いと想いと
~??~
『エグザ、そっちに白い悪魔さんのご一行が向かったみたいよ』
「そうか…」
『こっちはプロジェクトFの生き残りに闇の書のプログラムと主か………うひひ』
『分かってると思うけど、コアの確保が最優先なのよ。戦いもいいけど目的を忘れないでね』
『あれ無視?無視はよくないぞ!!そのちょっとした行動で誰が泣くと思っている!?そうこの俺!スパー『五月蝿いわよ!ちょっと来なさい!』ひぇぇぇぇ!』
何かによる打撃音と悲鳴が聞こえたと思ったら、ブチッと通信が切れてしまった。
このやり取りはいつもの事なので男はただ呆れて溜め息を吐くだけ。
毎日のような日常なだけにエグザにとっては貴重なものだがそろそろやめてほしいのも事実である。
「にゃはは。スパーダも相変わらずだね」
「ファイか。コアの方はどうだ?」
「僕の魔力をフルに使ったら確保出来るけど…」
「ならば時間稼ぎは任せておけ。私がやつらの相手をしている。お前はその間にコアを頼んだぞ…」
「了解ッス!!」
ファイと呼ばれた少女はビシッと敬礼すると、すぐに洞窟内に向かっていった。
(全く不思議なものだ。私がまたこうして生きて友と出会えるとは…)
僅かに笑みを浮かべたエグザはゆっくり歩き出してなのは達が来るであろう場所を目指し精神を集中させてジッと待ち続ける。
目的の為にも―――
何よりコアを管理局に渡すわけにはいかないから。
あのコアは自分達が必要としている。
だから―――
「さぁ、みせてくれ。管理局のエースの力とやらを…」
そう呟いたと同時に前方からなのは達三人が現れてエグザの口元は笑っていた。
~AチームSide~
「レイジングハート、反応は?」
『反応は……微弱ですか前方に一つ!』
「気を付けろよなのは。何かわかんねぇけど、すっげえ~嫌な予感がすんだ」
「お前だけじゃない。我も同じように先程から感じている」
「って事はザフィーラもか…」
長年の戦いから身に付いたものなのだろうか。
ヴィータとザフィーラの額から微かに汗が流れている。
ヴィータに至ってはアイゼンを持つ手が震えているのだ。
(この先にいるやつはマジでやべぇかもしんねぇ)
「ヴィータちゃん大丈夫?」
「大丈夫だよ!それよりも少しは緊張しろなのは!どんなやつが待ってるかわかんねぇんだからな」
バシッとなのはの背中を叩いて気持ちを落ち着かせる。
大丈夫だ。
なのはやザフィーラだっているんだから負けはしない。
それに決めたから―――
なのはを守るって。
「…ヴィータちゃん!ザフィーラさん!見つけたよ」
なのはの声に二人はハッとした表情で前方を見るとそこには、銀髪に少しツンツンした髪型で身体は細身の男性が目を閉じて立っていた。
その男性はなのは達に気付くと固く閉ざしていた目をゆっくり開けて緑色の瞳で三人を捉える。
「よく来たな、管理局のエースに夜天の書の守護騎士達よ」
「貴方は…」
「私の名前はエグザ・シュラハト。お前達に分かりやすく伝えるなら、ジョーカーズの地帝と言わせていただく」
「ジョーカーズ…!」
エグザの言葉に警戒して身構える三人。
地帝とはまだクルス達ですら出会った事がない為どんな人間かも分からない。
今まで出会ったノヴァとケルベラの二人は好戦的なタイプだったから当然なのは達が警戒するのも当たり前だろう。
「お前達には悪いが、この先にある物を渡すわけにはいかない」
「この先にある物…………っ!!まさかロスト・ロギアを狙っているんですか!?待ってください!ロスト・ロギアは危険な物なんです!」
「それは知っている。だが私とて仲間の為に戦う男だ。そう易々と通すわけにはいかない」
穏やかな雰囲気から一変して闘志を纏い構えるエグザ。
その雰囲気にヴィータとザフィーラが息を飲むが、なのはだけは真剣な表情でレイジングハートの矛先をエグザに向けていた。
「ほぅ、この世界の人間にしては良い目をしている。その目を見ると懐かしき友を思い出す…」
エグザの表情がどこか儚げに見える。
まるで自分のいた世界から急に自分だけ取り残されたかのような顔つき。
そんなエグザの表情になのはは「えっ…」と驚いてレイジングハートを下げてしまう。
(この人、今まで戦ってきた人と違う)
「エグザさん…」
「………失言だった。気にするな」
一度目を閉じて深く息を吸って吐くとエグザは真剣な表情に変わり再び構え直した。
「さぁ戦おう。お互いの目的の為にも」
真剣な表情のエグザになのはもまた真剣な表情になりレイジングハートを構え直した。
もしかしたら分かり合えるかもしれない。
だったら今は戦う。
ロスト・ロギアも確保しなきゃいけないけど、エグザさんからも話を聞かないといけない。
「ヴィータちゃん、ザフィーラさん」
「おぅ!」
「うむ」
エグザの闘志に息を飲んでいた二人もなのはと同じように凛とした表情へと変わっていた。
「本当に良い目をしている…」
「レイジングハート!」
「アイゼン!」
「「カートリッジロード!!」」
「てぉぉぉぉぉぉ!!」
今ここになのは達三人とエグザ・シュラハトの戦いが始まろうとしていた。
互いの目的の為に―――
果たして三人を相手にしているエグザの実力とは?
△▼△▼△▼
~BチームSide~
なのは達三人がエグザと戦う少し前にフェイト達も同じようにジョーカーズのメンバーと出会っていた。
一人は腰まで届く長い水色の髪に緋色の瞳をもつグラマーな女性。
もう一人は適当に切り揃えた長さの薄い髪に細目の少年。
「私は時空管理局捜査官の八神はやてです。貴方達は一体…」
はやての問いに細目の少年が胸を張り声高らかに答えた。
「聞いて驚け!見て震えろ!俺の名前はスパーダ・ディシーズ。ジョーカーズの風帝さ」
少年の言葉にフェイト達は目を見開いて驚く。
「ジョーカーズ!!クルスが言ってた…」
確かに一つの可能性として予想はしていたがまさか本当に当たるとは思わなかったようだ。
警戒するフェイト達に対してスパーダはそんな反応をまるで気にしておらずズカズカとフェイト達に近付いていき、犬のように鼻をクンクンさせてフェイトとはやてを見た瞬間クワッ!と目を見開いて口を開いた。
「あぁっ!!?……こいつらからは俺の最も嫌いな臭いがする!この他人を不愉快にするミルクセーキに砂糖大匙10杯かけるくらい甘ったるいこの臭い…!!……貴様らは彼氏とバカみたいにイチャイチャしてるやつらだな!?他人は誤魔化せても俺の目と鼻は誤魔化せねぇぞ……!なぜなら!バカップルが大嫌いだからっ!!だって今まで、彼女出来た事ないから!!故にバカップルは意地でも排除するッ!!ゼッタイゼッタイぶっとばーす!!」
「その意見に反論や!バカップルはフェイトちゃんだけやで!今日もイチャイチャしとったからな」
「はやて!?」
興奮しながらフェイトとはやてに言い切った悲しき男スパーダにはやても何故か興奮して反論しながら矛先をフェイトに向けてまさかの言葉にフェイトは顔を赤くして驚く。
しかしスパーダはそんな言葉を無視するように女性の方を見て、
「ボルキア!アイツらをこの手で倒す…………ヒデブッ!!」
興奮していたスパーダはいつの間にか地面に沈んでいた。
頭には巨大なたん瘤を作り煙まで出ている。
どうやらスパーダはボルキアと呼ばれた女性の手により地面とキスをするはめになったようで、起き上がろうと頑張ったがボルキアがスパーダの頭を踏んだままとてもいい笑顔をしていた。
「スパーダ、貴方って人はつくづく私を楽しませてくれるわね。いいわ。この子達を八つ裂きにしたら次は貴方を三日三晩かけて殺してあげる。指先からヤスリがけしてね…」
うっとりするような表情で言うボルキアにスパーダがカタカタ震えるが、ボルキアはそれを無視してスパーダから離れるとフェイト達をジッと見つめる。
敵意を丸出しなのがよく分かる。
ボルキアの目は冷たくまるで憎しみをぶつけているようにも見える。
「初めまして時空管理局の皆さん。私はジョーカーズの一人氷帝のボルキア・ダ・デラス。以後お見知りおきを」
不適に笑うボルキアにフェイト達はグッと息を飲む。
(こっ…怖いです…)
しかしはやての傍にいるリインだけは涙目ではやてにしがみついている。
「フフフ、貴方達管理局がこの星に来たという事は本当にあるのねロスト・ロギアが…」
「………ッ!!ロスト・ロギアをどうするつもりだ!?あれは危険な物なんだぞ」
「そんな事ぐらい知ってるわよ……闇の書のプログラムさん」
「違う!シグナムはプログラムなんかやない!私の大切な家族や!」
シグナムをプログラムだと言ったボルキアに真剣な表情で言い放つはやてだがボルキアは、
「アハハハハハハ!!家族ですって?面白いわよ闇の書の主八神はやてさん。そんなプログラムが家族だなんて本気で言ってるのかしら?」
大変愉快そうに笑いながら肩を揺らしていた。
目からは涙まで見えているようでどうやら本当に愉快なのだろう。
そんなボルキアにはやてはシュベルトクロイツをギュッと握り締める。
「八神はやてさん。貴方は本当に何も知らないようね。闇の書で過去に多くの犠牲があったというのに」
「バカな!?私達は過去に人を殺した事など…」
「知らないだけよ。現に闇の書の主になってしまって人生がどん底に落ちた人がいたのよ」
そう――ボルキアが言った事は事実である。
その人物が誰なのかは言えないが過去に闇の書でどん底に落ちた人間がいる。
「そして……フェイト・T・ハラオウン」
「えっ?」
「貴方は知らなきゃいけないわ」
「何をですか…」
動揺するフェイトにボルキアはニヤリと口元を緩めて悪魔的な笑みを浮かべて言い放つ。
フェイトのトラウマを抉るかのように――
「私達ジョーカーズと同じ人造魔導師でプロジェクトFの生き残りでもある貴方がどれほど罪深いのかね…」
次回予告
なのは
「私達が戦う事になったエグザさんは本当に強い…」
『加減は出来ないと言ったはずだ』
フェイト
「ボルキアは私を嘲笑うかのように信じられない事を話す」
『お人形さん』
ヴィータ
「私は守ると決めたのに何も出来ねぇのか!」
『なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
はやて
「次回S.H.D.C.――
第23話――
『接触と疑念』に…」
ザフィーラ
「ドライブ!」
シャマル
「イグニッション!」
ツヴァイ
「はやてちゃんを泣かせる人は許さないです!」
『エグザ、そっちに白い悪魔さんのご一行が向かったみたいよ』
「そうか…」
『こっちはプロジェクトFの生き残りに闇の書のプログラムと主か………うひひ』
『分かってると思うけど、コアの確保が最優先なのよ。戦いもいいけど目的を忘れないでね』
『あれ無視?無視はよくないぞ!!そのちょっとした行動で誰が泣くと思っている!?そうこの俺!スパー『五月蝿いわよ!ちょっと来なさい!』ひぇぇぇぇ!』
何かによる打撃音と悲鳴が聞こえたと思ったら、ブチッと通信が切れてしまった。
このやり取りはいつもの事なので男はただ呆れて溜め息を吐くだけ。
毎日のような日常なだけにエグザにとっては貴重なものだがそろそろやめてほしいのも事実である。
「にゃはは。スパーダも相変わらずだね」
「ファイか。コアの方はどうだ?」
「僕の魔力をフルに使ったら確保出来るけど…」
「ならば時間稼ぎは任せておけ。私がやつらの相手をしている。お前はその間にコアを頼んだぞ…」
「了解ッス!!」
ファイと呼ばれた少女はビシッと敬礼すると、すぐに洞窟内に向かっていった。
(全く不思議なものだ。私がまたこうして生きて友と出会えるとは…)
僅かに笑みを浮かべたエグザはゆっくり歩き出してなのは達が来るであろう場所を目指し精神を集中させてジッと待ち続ける。
目的の為にも―――
何よりコアを管理局に渡すわけにはいかないから。
あのコアは自分達が必要としている。
だから―――
「さぁ、みせてくれ。管理局のエースの力とやらを…」
そう呟いたと同時に前方からなのは達三人が現れてエグザの口元は笑っていた。
~AチームSide~
「レイジングハート、反応は?」
『反応は……微弱ですか前方に一つ!』
「気を付けろよなのは。何かわかんねぇけど、すっげえ~嫌な予感がすんだ」
「お前だけじゃない。我も同じように先程から感じている」
「って事はザフィーラもか…」
長年の戦いから身に付いたものなのだろうか。
ヴィータとザフィーラの額から微かに汗が流れている。
ヴィータに至ってはアイゼンを持つ手が震えているのだ。
(この先にいるやつはマジでやべぇかもしんねぇ)
「ヴィータちゃん大丈夫?」
「大丈夫だよ!それよりも少しは緊張しろなのは!どんなやつが待ってるかわかんねぇんだからな」
バシッとなのはの背中を叩いて気持ちを落ち着かせる。
大丈夫だ。
なのはやザフィーラだっているんだから負けはしない。
それに決めたから―――
なのはを守るって。
「…ヴィータちゃん!ザフィーラさん!見つけたよ」
なのはの声に二人はハッとした表情で前方を見るとそこには、銀髪に少しツンツンした髪型で身体は細身の男性が目を閉じて立っていた。
その男性はなのは達に気付くと固く閉ざしていた目をゆっくり開けて緑色の瞳で三人を捉える。
「よく来たな、管理局のエースに夜天の書の守護騎士達よ」
「貴方は…」
「私の名前はエグザ・シュラハト。お前達に分かりやすく伝えるなら、ジョーカーズの地帝と言わせていただく」
「ジョーカーズ…!」
エグザの言葉に警戒して身構える三人。
地帝とはまだクルス達ですら出会った事がない為どんな人間かも分からない。
今まで出会ったノヴァとケルベラの二人は好戦的なタイプだったから当然なのは達が警戒するのも当たり前だろう。
「お前達には悪いが、この先にある物を渡すわけにはいかない」
「この先にある物…………っ!!まさかロスト・ロギアを狙っているんですか!?待ってください!ロスト・ロギアは危険な物なんです!」
「それは知っている。だが私とて仲間の為に戦う男だ。そう易々と通すわけにはいかない」
穏やかな雰囲気から一変して闘志を纏い構えるエグザ。
その雰囲気にヴィータとザフィーラが息を飲むが、なのはだけは真剣な表情でレイジングハートの矛先をエグザに向けていた。
「ほぅ、この世界の人間にしては良い目をしている。その目を見ると懐かしき友を思い出す…」
エグザの表情がどこか儚げに見える。
まるで自分のいた世界から急に自分だけ取り残されたかのような顔つき。
そんなエグザの表情になのはは「えっ…」と驚いてレイジングハートを下げてしまう。
(この人、今まで戦ってきた人と違う)
「エグザさん…」
「………失言だった。気にするな」
一度目を閉じて深く息を吸って吐くとエグザは真剣な表情に変わり再び構え直した。
「さぁ戦おう。お互いの目的の為にも」
真剣な表情のエグザになのはもまた真剣な表情になりレイジングハートを構え直した。
もしかしたら分かり合えるかもしれない。
だったら今は戦う。
ロスト・ロギアも確保しなきゃいけないけど、エグザさんからも話を聞かないといけない。
「ヴィータちゃん、ザフィーラさん」
「おぅ!」
「うむ」
エグザの闘志に息を飲んでいた二人もなのはと同じように凛とした表情へと変わっていた。
「本当に良い目をしている…」
「レイジングハート!」
「アイゼン!」
「「カートリッジロード!!」」
「てぉぉぉぉぉぉ!!」
今ここになのは達三人とエグザ・シュラハトの戦いが始まろうとしていた。
互いの目的の為に―――
果たして三人を相手にしているエグザの実力とは?
△▼△▼△▼
~BチームSide~
なのは達三人がエグザと戦う少し前にフェイト達も同じようにジョーカーズのメンバーと出会っていた。
一人は腰まで届く長い水色の髪に緋色の瞳をもつグラマーな女性。
もう一人は適当に切り揃えた長さの薄い髪に細目の少年。
「私は時空管理局捜査官の八神はやてです。貴方達は一体…」
はやての問いに細目の少年が胸を張り声高らかに答えた。
「聞いて驚け!見て震えろ!俺の名前はスパーダ・ディシーズ。ジョーカーズの風帝さ」
少年の言葉にフェイト達は目を見開いて驚く。
「ジョーカーズ!!クルスが言ってた…」
確かに一つの可能性として予想はしていたがまさか本当に当たるとは思わなかったようだ。
警戒するフェイト達に対してスパーダはそんな反応をまるで気にしておらずズカズカとフェイト達に近付いていき、犬のように鼻をクンクンさせてフェイトとはやてを見た瞬間クワッ!と目を見開いて口を開いた。
「あぁっ!!?……こいつらからは俺の最も嫌いな臭いがする!この他人を不愉快にするミルクセーキに砂糖大匙10杯かけるくらい甘ったるいこの臭い…!!……貴様らは彼氏とバカみたいにイチャイチャしてるやつらだな!?他人は誤魔化せても俺の目と鼻は誤魔化せねぇぞ……!なぜなら!バカップルが大嫌いだからっ!!だって今まで、彼女出来た事ないから!!故にバカップルは意地でも排除するッ!!ゼッタイゼッタイぶっとばーす!!」
「その意見に反論や!バカップルはフェイトちゃんだけやで!今日もイチャイチャしとったからな」
「はやて!?」
興奮しながらフェイトとはやてに言い切った悲しき男スパーダにはやても何故か興奮して反論しながら矛先をフェイトに向けてまさかの言葉にフェイトは顔を赤くして驚く。
しかしスパーダはそんな言葉を無視するように女性の方を見て、
「ボルキア!アイツらをこの手で倒す…………ヒデブッ!!」
興奮していたスパーダはいつの間にか地面に沈んでいた。
頭には巨大なたん瘤を作り煙まで出ている。
どうやらスパーダはボルキアと呼ばれた女性の手により地面とキスをするはめになったようで、起き上がろうと頑張ったがボルキアがスパーダの頭を踏んだままとてもいい笑顔をしていた。
「スパーダ、貴方って人はつくづく私を楽しませてくれるわね。いいわ。この子達を八つ裂きにしたら次は貴方を三日三晩かけて殺してあげる。指先からヤスリがけしてね…」
うっとりするような表情で言うボルキアにスパーダがカタカタ震えるが、ボルキアはそれを無視してスパーダから離れるとフェイト達をジッと見つめる。
敵意を丸出しなのがよく分かる。
ボルキアの目は冷たくまるで憎しみをぶつけているようにも見える。
「初めまして時空管理局の皆さん。私はジョーカーズの一人氷帝のボルキア・ダ・デラス。以後お見知りおきを」
不適に笑うボルキアにフェイト達はグッと息を飲む。
(こっ…怖いです…)
しかしはやての傍にいるリインだけは涙目ではやてにしがみついている。
「フフフ、貴方達管理局がこの星に来たという事は本当にあるのねロスト・ロギアが…」
「………ッ!!ロスト・ロギアをどうするつもりだ!?あれは危険な物なんだぞ」
「そんな事ぐらい知ってるわよ……闇の書のプログラムさん」
「違う!シグナムはプログラムなんかやない!私の大切な家族や!」
シグナムをプログラムだと言ったボルキアに真剣な表情で言い放つはやてだがボルキアは、
「アハハハハハハ!!家族ですって?面白いわよ闇の書の主八神はやてさん。そんなプログラムが家族だなんて本気で言ってるのかしら?」
大変愉快そうに笑いながら肩を揺らしていた。
目からは涙まで見えているようでどうやら本当に愉快なのだろう。
そんなボルキアにはやてはシュベルトクロイツをギュッと握り締める。
「八神はやてさん。貴方は本当に何も知らないようね。闇の書で過去に多くの犠牲があったというのに」
「バカな!?私達は過去に人を殺した事など…」
「知らないだけよ。現に闇の書の主になってしまって人生がどん底に落ちた人がいたのよ」
そう――ボルキアが言った事は事実である。
その人物が誰なのかは言えないが過去に闇の書でどん底に落ちた人間がいる。
「そして……フェイト・T・ハラオウン」
「えっ?」
「貴方は知らなきゃいけないわ」
「何をですか…」
動揺するフェイトにボルキアはニヤリと口元を緩めて悪魔的な笑みを浮かべて言い放つ。
フェイトのトラウマを抉るかのように――
「私達ジョーカーズと同じ人造魔導師でプロジェクトFの生き残りでもある貴方がどれほど罪深いのかね…」
次回予告
なのは
「私達が戦う事になったエグザさんは本当に強い…」
『加減は出来ないと言ったはずだ』
フェイト
「ボルキアは私を嘲笑うかのように信じられない事を話す」
『お人形さん』
ヴィータ
「私は守ると決めたのに何も出来ねぇのか!」
『なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
はやて
「次回S.H.D.C.――
第23話――
『接触と疑念』に…」
ザフィーラ
「ドライブ!」
シャマル
「イグニッション!」
ツヴァイ
「はやてちゃんを泣かせる人は許さないです!」