新たなメンバー
~クルス邸~
「んっ…」
目覚ましが鳴りクルスはそれを止めてゆっくり起き上がって、目をこすりながらベッドから出ようとした瞬間布団の膨らみに気付いて動きが止まった。
(…何だろ?)
布団を捲り膨らみを確認すると、
「!?」
クルスは驚愕の表情になり布団を再び閉じてしまった。
(落ち着け!今のはきっと幻だ。疲れてるから幻を見たんだ)
自分に言い聞かせてクルスは再び布団を捲った。
そこには――
「…スゥ~」
パジャマ姿のフェイトがいて所々がはだけておりクルスは顔を赤くして口元を手で隠した。
(そういえばリンディさんがフェイトを暫く宜しくって言ってたっけ。でも部屋は別にしたような)
首を傾げて考えているクルスだったがフェイトが手を伸ばしまるでクルスを探すかのような素振りに、苦笑して手を握るとグッと引き寄せられて再び布団に入ってしまった。
「クルス…」
「寝てるよね?」
クルスの呟きにフェイトが答えるはずがなく時間だけが過ぎていくのである。
△▼△▼△▼
~ショウの家~
「何だこの重みは?」
朝爽やかに起きたつもりが両腕の重みに気付いてショウはゆっくり起き上がろうとしたが、
「うっ…動かない(まさか金縛りか!?)」
両腕にくる重みに勝手な解釈をしていたが何やら両方から人の気配を感じ視線を向けると、
「ショウ…くん…」
「んにゃ…」
「……なん…だと…」
そこにはなのはとはやてがいて二人ともパジャマ姿で眠っていた。
しかも二人ともショウの腕をガッチリホールドしている為、なのはとはやての女性特有の膨らみにショウの理性が吹っ飛びそうになっていた。
(せめて二人が起きるまでは理性よ耐えてくれ!稟やハヤテのように狼になりたくねぇ)
ちなみに稟とハヤテはまだ狼にはなっていません。
「ぐふっ…」
ショウはなのはにギュッと抱き締められて余計に動けなくなってしまった。
こうして五人の遅刻は決まった。
しかも今日はキキョウやレナ達の転入の日だというのに。
~鳳凰学園~
【二年一組】
「今日は遅刻かな?」
「かもなって……いつ来た!?」
工藤の後ろからひょっこり現れいつも通り欠伸をしている湊。
湊の後ろにはことみもいて工藤に頭を下げて挨拶している。
「そういえば、今日このクラスと隣のクラスに転入生が来るんだって」
「へぇ~それって誰から聞いたんだ?」
「杉「非公式新聞部に不可能はない!!」並…」
「あぁ…」
湊の床下からいきなり現れた杉並は工藤の肩を掴んで答えていた。
湊は杉並が現れても無表情で動揺していないのに、工藤は呆れて溜め息を吐いていた。
「それでどんな人?」
「一人は男であと二人は女だ。ちなみに隣のクラスは『ハァ…ハァ…ハァ』おや…?」
杉並の言葉を遮り後ろのドアから純一と朋也と音夢と渚が現れた。
四人とも息切れして急いで席をついた。
それを見て杉並は一言――
「…フッ!朝からお盛んだな四人とも」
「「何言ってんだ!!」」
杉並の言葉に純一と朋也はツッコンで音夢と渚は首を傾げていた。
△▼△▼△▼
【二年二組】
「シリア下がってろ」
「コレットもちょっとごめんな」
悠季と将輝はドアの前に立ち扉を開けると、
「………あれ?」
「おかしいなクラスを間違えたか?」
四人が中に入ると普通はいる筈の人間がいなく数人しかいなかった。
「あっ!そういえば今日は…」
「キキョウ達が来るからか」
クラスの謎に気付いた四人は机で仕事をしていたヒナギクに話し掛けた。
「よっ!ヒナギク」
「えぇ、四人ともおはよう」
誰よりも早く学校に来て生徒会の仕事をしていたヒナギクが柔らかな笑みで挨拶した。
「クラスの大半が転入生を見に行ったのは分かったが、ショウやクルス達も来てないのか?」
「えぇ。ちなみに土見君とハヤテ君はグランドでランニングしてるみたいだけど二人はまだ来てないわよ」
「おいおい、今日はキキョウやレナ達が来るっていうのに」
「案外寝てたりして」
将輝の予想は見事に的中している。
そうあの五人はいまだに眠っているのだ。
すると――
「皆さんおはようございます」
「おはようッス!」
「おはようございます」
教室の扉が開いてネリネやシアや楓達が教室に入ってきた。
いつも通りそこに伊澄の姿はなかった。
いや伊澄だけではない、今日はナギもそこにはいなかった。
「あら?今日はナギは休みかしら?」
「昨日のアイスでお腹を壊したってマリアさんから連絡があったぞ」
昨日のアイスタワーやピラミッドアイスを平らげたナギの姿を思い出してヒナギクは頭を抱えてしまった。
「それにしても伊澄さんはまた迷子かいな?」
「なに!!伊澄がいないだと!?探してくる!」
咲夜の呟きを聞いていたワタルは血相変えて教室から飛び出していった。
さすがはIII親衛隊の隊長なだけあり行動力も凄まじい。
そんな時――
「「ハァ…ハァ…ハァ」」
教室の扉が勢いよく開いて稟とハヤテが息切れして入ってきた。
ギリギリ間に合って罰は阻止できたが二人は汗をかいて机に倒れ込んでいる。
「間に合ったなヒモ」
「いきなり何言ってんだ!!?」
将輝の言葉に稟は激しくツッコミを入れたがキレもスピードも若干衰えている。
「やっぱり魔力の枷はキツイか?」
「えぇ、日常生活にもたまに影響しますから」
実は稟とハヤテの両手には目には見えない枷があり二人は気や魔力の分だけ身体に負担がかかっていた。
「これも修行の一つだから耐えろ」
「分かってる。………あれショウやクルス達は?」
「寝てるんじゃない?」
シリアはそう答えて視線をイヴに向けるとイヴは何故か不機嫌な顔をしている。
理由はおそらく――
「クルスだな」
将輝の言葉にその場にいた全員が頷いた。
(クルスのバカ。昨日からフェイトが泊まりに来てるからって…)
実はイヴは朝クルスを起こしに行った時に見てしまったのだ。
クルスとフェイトがお互いを抱きしめ合いながらベットで眠っていた光景を。
それを見てイヴは唇を強く噛んでクルスを叩き起こそうとしたのだが、
(あんなに安心した寝顔のクルスを見たら無理だよ)
悔しい。悔しい。悔しい。
でも絶対に諦めないしフェイトには負けない。
そして、チャイムが鳴り全員が席に座った。
当然このクラスの担任である紅女史が教室に入ってきたが何故か溜め息を吐いていた。
「えーとだな、新学期始まって早々なんだが転入生を紹介する」
「この反応は!四人が美女で野郎が一人のようだね!俺様のレーダーが反応している!」
「そうか!僕のこの震えはそのせいだったのか!?」
紅女史の言葉に変態二人が反応して興奮しているが、麻弓とヒナギクによって一瞬で地面とキスをしていた。
「ハァ~この状況に慣れてしまった私はどうすればいいのか?……転入生よ!入って「おいっ!あれ見ろよ!」…」
紅女史の言葉を勇気ある戦士が遮った。
その戦士は名もなき戦士だが彼の犠牲より全員がグランドを見つめた。
そこには――
「またか」
「一度紅女史や暦先生に制裁を受けたのに懲りないね~」
理沙と泉が呆れて溜め息を吐きながら校庭でバイクを乗り回している不良を見ていた。
「ヒナギク出番だって……もういねぇ!!」
「ヒナなら、ほら風紀委員と一緒に校庭にいるぞ」
将輝の驚く声に美希は指を校庭に向けると、そこには木刀を握って不良を遥か彼方に吹っ飛ばすヒナギクの姿や大量の辞書を投げている音夢やバナナカッターで不良をハゲにしている美春もいた。
「…んっ?あれってショウ達じゃないか?」
稟の言葉に皆は校門の方に視線を向けると、校門の方から遅刻していた五人が走ってきて校庭で足を止めていた。
ショウとクルスはなのは達を先に教室に行かせて二人は不良達に近づいていた。
「もしかしたら面白いもん見られるかもな。稟とハヤテはよく見ておけよ。お前ら二人が目指す強さってのはアイツらと同じ場所だからな」
「あぁ…」
「わかりました」
将輝の言葉に稟とハヤテは真剣な表情でショウとクルスを見つめると改めて稟とハヤテは気づいたようだ。
不良達に近づく二人はいつでも反撃できるように歩いている。
その一手や一歩に隙がない。
あれが俺やハヤテが目指す強さって事なのか。
~校庭~
「姉ちゃん可愛いね!どうデートしない?」
「じゃあ俺はそっちの子」
下品な笑いでヒナギクや音夢達に近づいていく不良達や三人を囲うように他の不良達がバイクでバリケードを作っていた。
ヒナギクや音夢よりも怯えている美春の腕を不良の一人が掴んだ瞬間、
「おらぁぁーーー!!」
一人の青年が拳に炎を宿してバリケードをぶち破ると、
「邪魔だよ」
さらにもう一人の青年が手のひらから氷の魔法を使って不良達をヒナギク達から離した。
「二人とも遅刻よ!」
「今はそれなし!」
「とりあえず片付けてから」
ヒナギクの言葉に二人は真剣な表情になり不良達を一掃していく。
美春の腕を掴んでいた不良はショウの蹴りで空高く旅立っていた。
「えっと、純一の後輩だったよな?大丈夫か?」
「はっ、はい!ありがとうございました!」
美春は顔を赤くして礼を言うとショウとクルスはヒナギク達を守るように立ち塞がった。
「このガキ共!!」
「調子に乗るんじゃねぇ!」
「ペッタンコ最高!」
「ちょっ、おまっ!?」
不良達はショウとクルスを睨み付けながら次々と木材や鉄パイプといった武器を出してきた。
「ショウ」
「殺るか!」
二人は拳を握り締めて魔力を纏い不良達に突っ込んだ。
「おりゃ!」
不良の大群を殴り飛ばしショウとクルスは互いに背を合わせた。
「キツイか?」
「まさか?僕とショウが一緒に戦って負けるなんてありえないよ」
「へっ!当たり前だろうが!」
二人はフッと笑い再び不良に突っ込んでいく。
武器を持ったりバイクで突っ込んでくる不良達を二人は息を全く乱す事なく撃退していく。
「これでラスト!」
ショウが筋肉質の男を地に沈めると不良達は全て屍に変わっていた。
ちなみに数人だけ意識不明中である。
「さて教室に行くか」
「音夢!後はよろしく」
二人が背を向けた瞬間ゆらりと不良の二人が立ち上がり武器を振りかざしていたが、
「ハアッ!」
一人の銀髪の女子生徒が二人の背後に現れて足を振り上げて不良を蹴り飛ばした。
「ムッ!やりすぎたか?」
女子生徒は飛んでいった不良を見ながらポツリと呟いていた。
「んっ…」
目覚ましが鳴りクルスはそれを止めてゆっくり起き上がって、目をこすりながらベッドから出ようとした瞬間布団の膨らみに気付いて動きが止まった。
(…何だろ?)
布団を捲り膨らみを確認すると、
「!?」
クルスは驚愕の表情になり布団を再び閉じてしまった。
(落ち着け!今のはきっと幻だ。疲れてるから幻を見たんだ)
自分に言い聞かせてクルスは再び布団を捲った。
そこには――
「…スゥ~」
パジャマ姿のフェイトがいて所々がはだけておりクルスは顔を赤くして口元を手で隠した。
(そういえばリンディさんがフェイトを暫く宜しくって言ってたっけ。でも部屋は別にしたような)
首を傾げて考えているクルスだったがフェイトが手を伸ばしまるでクルスを探すかのような素振りに、苦笑して手を握るとグッと引き寄せられて再び布団に入ってしまった。
「クルス…」
「寝てるよね?」
クルスの呟きにフェイトが答えるはずがなく時間だけが過ぎていくのである。
△▼△▼△▼
~ショウの家~
「何だこの重みは?」
朝爽やかに起きたつもりが両腕の重みに気付いてショウはゆっくり起き上がろうとしたが、
「うっ…動かない(まさか金縛りか!?)」
両腕にくる重みに勝手な解釈をしていたが何やら両方から人の気配を感じ視線を向けると、
「ショウ…くん…」
「んにゃ…」
「……なん…だと…」
そこにはなのはとはやてがいて二人ともパジャマ姿で眠っていた。
しかも二人ともショウの腕をガッチリホールドしている為、なのはとはやての女性特有の膨らみにショウの理性が吹っ飛びそうになっていた。
(せめて二人が起きるまでは理性よ耐えてくれ!稟やハヤテのように狼になりたくねぇ)
ちなみに稟とハヤテはまだ狼にはなっていません。
「ぐふっ…」
ショウはなのはにギュッと抱き締められて余計に動けなくなってしまった。
こうして五人の遅刻は決まった。
しかも今日はキキョウやレナ達の転入の日だというのに。
~鳳凰学園~
【二年一組】
「今日は遅刻かな?」
「かもなって……いつ来た!?」
工藤の後ろからひょっこり現れいつも通り欠伸をしている湊。
湊の後ろにはことみもいて工藤に頭を下げて挨拶している。
「そういえば、今日このクラスと隣のクラスに転入生が来るんだって」
「へぇ~それって誰から聞いたんだ?」
「杉「非公式新聞部に不可能はない!!」並…」
「あぁ…」
湊の床下からいきなり現れた杉並は工藤の肩を掴んで答えていた。
湊は杉並が現れても無表情で動揺していないのに、工藤は呆れて溜め息を吐いていた。
「それでどんな人?」
「一人は男であと二人は女だ。ちなみに隣のクラスは『ハァ…ハァ…ハァ』おや…?」
杉並の言葉を遮り後ろのドアから純一と朋也と音夢と渚が現れた。
四人とも息切れして急いで席をついた。
それを見て杉並は一言――
「…フッ!朝からお盛んだな四人とも」
「「何言ってんだ!!」」
杉並の言葉に純一と朋也はツッコンで音夢と渚は首を傾げていた。
△▼△▼△▼
【二年二組】
「シリア下がってろ」
「コレットもちょっとごめんな」
悠季と将輝はドアの前に立ち扉を開けると、
「………あれ?」
「おかしいなクラスを間違えたか?」
四人が中に入ると普通はいる筈の人間がいなく数人しかいなかった。
「あっ!そういえば今日は…」
「キキョウ達が来るからか」
クラスの謎に気付いた四人は机で仕事をしていたヒナギクに話し掛けた。
「よっ!ヒナギク」
「えぇ、四人ともおはよう」
誰よりも早く学校に来て生徒会の仕事をしていたヒナギクが柔らかな笑みで挨拶した。
「クラスの大半が転入生を見に行ったのは分かったが、ショウやクルス達も来てないのか?」
「えぇ。ちなみに土見君とハヤテ君はグランドでランニングしてるみたいだけど二人はまだ来てないわよ」
「おいおい、今日はキキョウやレナ達が来るっていうのに」
「案外寝てたりして」
将輝の予想は見事に的中している。
そうあの五人はいまだに眠っているのだ。
すると――
「皆さんおはようございます」
「おはようッス!」
「おはようございます」
教室の扉が開いてネリネやシアや楓達が教室に入ってきた。
いつも通りそこに伊澄の姿はなかった。
いや伊澄だけではない、今日はナギもそこにはいなかった。
「あら?今日はナギは休みかしら?」
「昨日のアイスでお腹を壊したってマリアさんから連絡があったぞ」
昨日のアイスタワーやピラミッドアイスを平らげたナギの姿を思い出してヒナギクは頭を抱えてしまった。
「それにしても伊澄さんはまた迷子かいな?」
「なに!!伊澄がいないだと!?探してくる!」
咲夜の呟きを聞いていたワタルは血相変えて教室から飛び出していった。
さすがはIII親衛隊の隊長なだけあり行動力も凄まじい。
そんな時――
「「ハァ…ハァ…ハァ」」
教室の扉が勢いよく開いて稟とハヤテが息切れして入ってきた。
ギリギリ間に合って罰は阻止できたが二人は汗をかいて机に倒れ込んでいる。
「間に合ったなヒモ」
「いきなり何言ってんだ!!?」
将輝の言葉に稟は激しくツッコミを入れたがキレもスピードも若干衰えている。
「やっぱり魔力の枷はキツイか?」
「えぇ、日常生活にもたまに影響しますから」
実は稟とハヤテの両手には目には見えない枷があり二人は気や魔力の分だけ身体に負担がかかっていた。
「これも修行の一つだから耐えろ」
「分かってる。………あれショウやクルス達は?」
「寝てるんじゃない?」
シリアはそう答えて視線をイヴに向けるとイヴは何故か不機嫌な顔をしている。
理由はおそらく――
「クルスだな」
将輝の言葉にその場にいた全員が頷いた。
(クルスのバカ。昨日からフェイトが泊まりに来てるからって…)
実はイヴは朝クルスを起こしに行った時に見てしまったのだ。
クルスとフェイトがお互いを抱きしめ合いながらベットで眠っていた光景を。
それを見てイヴは唇を強く噛んでクルスを叩き起こそうとしたのだが、
(あんなに安心した寝顔のクルスを見たら無理だよ)
悔しい。悔しい。悔しい。
でも絶対に諦めないしフェイトには負けない。
そして、チャイムが鳴り全員が席に座った。
当然このクラスの担任である紅女史が教室に入ってきたが何故か溜め息を吐いていた。
「えーとだな、新学期始まって早々なんだが転入生を紹介する」
「この反応は!四人が美女で野郎が一人のようだね!俺様のレーダーが反応している!」
「そうか!僕のこの震えはそのせいだったのか!?」
紅女史の言葉に変態二人が反応して興奮しているが、麻弓とヒナギクによって一瞬で地面とキスをしていた。
「ハァ~この状況に慣れてしまった私はどうすればいいのか?……転入生よ!入って「おいっ!あれ見ろよ!」…」
紅女史の言葉を勇気ある戦士が遮った。
その戦士は名もなき戦士だが彼の犠牲より全員がグランドを見つめた。
そこには――
「またか」
「一度紅女史や暦先生に制裁を受けたのに懲りないね~」
理沙と泉が呆れて溜め息を吐きながら校庭でバイクを乗り回している不良を見ていた。
「ヒナギク出番だって……もういねぇ!!」
「ヒナなら、ほら風紀委員と一緒に校庭にいるぞ」
将輝の驚く声に美希は指を校庭に向けると、そこには木刀を握って不良を遥か彼方に吹っ飛ばすヒナギクの姿や大量の辞書を投げている音夢やバナナカッターで不良をハゲにしている美春もいた。
「…んっ?あれってショウ達じゃないか?」
稟の言葉に皆は校門の方に視線を向けると、校門の方から遅刻していた五人が走ってきて校庭で足を止めていた。
ショウとクルスはなのは達を先に教室に行かせて二人は不良達に近づいていた。
「もしかしたら面白いもん見られるかもな。稟とハヤテはよく見ておけよ。お前ら二人が目指す強さってのはアイツらと同じ場所だからな」
「あぁ…」
「わかりました」
将輝の言葉に稟とハヤテは真剣な表情でショウとクルスを見つめると改めて稟とハヤテは気づいたようだ。
不良達に近づく二人はいつでも反撃できるように歩いている。
その一手や一歩に隙がない。
あれが俺やハヤテが目指す強さって事なのか。
~校庭~
「姉ちゃん可愛いね!どうデートしない?」
「じゃあ俺はそっちの子」
下品な笑いでヒナギクや音夢達に近づいていく不良達や三人を囲うように他の不良達がバイクでバリケードを作っていた。
ヒナギクや音夢よりも怯えている美春の腕を不良の一人が掴んだ瞬間、
「おらぁぁーーー!!」
一人の青年が拳に炎を宿してバリケードをぶち破ると、
「邪魔だよ」
さらにもう一人の青年が手のひらから氷の魔法を使って不良達をヒナギク達から離した。
「二人とも遅刻よ!」
「今はそれなし!」
「とりあえず片付けてから」
ヒナギクの言葉に二人は真剣な表情になり不良達を一掃していく。
美春の腕を掴んでいた不良はショウの蹴りで空高く旅立っていた。
「えっと、純一の後輩だったよな?大丈夫か?」
「はっ、はい!ありがとうございました!」
美春は顔を赤くして礼を言うとショウとクルスはヒナギク達を守るように立ち塞がった。
「このガキ共!!」
「調子に乗るんじゃねぇ!」
「ペッタンコ最高!」
「ちょっ、おまっ!?」
不良達はショウとクルスを睨み付けながら次々と木材や鉄パイプといった武器を出してきた。
「ショウ」
「殺るか!」
二人は拳を握り締めて魔力を纏い不良達に突っ込んだ。
「おりゃ!」
不良の大群を殴り飛ばしショウとクルスは互いに背を合わせた。
「キツイか?」
「まさか?僕とショウが一緒に戦って負けるなんてありえないよ」
「へっ!当たり前だろうが!」
二人はフッと笑い再び不良に突っ込んでいく。
武器を持ったりバイクで突っ込んでくる不良達を二人は息を全く乱す事なく撃退していく。
「これでラスト!」
ショウが筋肉質の男を地に沈めると不良達は全て屍に変わっていた。
ちなみに数人だけ意識不明中である。
「さて教室に行くか」
「音夢!後はよろしく」
二人が背を向けた瞬間ゆらりと不良の二人が立ち上がり武器を振りかざしていたが、
「ハアッ!」
一人の銀髪の女子生徒が二人の背後に現れて足を振り上げて不良を蹴り飛ばした。
「ムッ!やりすぎたか?」
女子生徒は飛んでいった不良を見ながらポツリと呟いていた。