憎しみの果てに
「おいおい…」
「ありかよあんなシールド」
舌打ちする悠季と将輝の横でショウは何やら考え事をしている。
(シールドを破壊してもさっきのシールドが出現してしまう。つまりシールドの層は厚い。こうなったら……あのシールドと身体の鎧事破るしかねぇか)
ショウはなのはに視線を向けて何かを閃いてユニゾンを解除した。
「フローラ、なのはとのユニゾンは可能か?」
「可能です。しかし時間は五分しかもちませんよ」
「充分だ」
フローラをなのはに渡してユニゾンさせるとショウは悠季と将輝に視線を向けた。
「五分間あの犬の注意を俺達に向けるぞ」
「へ~い」
「やるか…」
三人は再び地上に降りて剣を構えてケルベラに突っ込んだ。
「ハァ!」
ショウの剣がケルベラの周りに配置されていた木々を薙ぎ払った。
その瞬間、将輝と悠季が駆け出してケルベラに切りかかった。
「おらぁ!」
「ハァッ!」
「無駄だぁぁぁぁぁーーー!!」
ケルベラは衝撃波を放ち近づいてきた二人を吹き飛ばした。
吹き飛ばされた二人はトレインとクロードに受け止めてもらい衝撃はこなかったが舌打ちをした。
「悪い助かった」
「気にすんなよ。それよりどうすんだ?」
トレインの問いに悠季は答えずただ視線を上空に向けた。
トレインもつられるように上空に視線を向けると、
「なぁ、あの巨大な砲撃はなんだ?」
「ショウの恋人だったか?その子の砲撃に賭けてんだよ」
上空にいるなのはは髪の毛と瞳が真っ赤に変わり背中にも赤い羽がはえていた。
「あと三分あれば充分なんだが…」
そう言った悠季に身体を休めていたシャオが立ち上がり真剣な表情で口を開いた。
「お願いがあります。ケルベラは僕の手で決着をつけさせてもらえませんか」
そう言ったシャオの表情はいつにかく真剣で何かを覚悟していた。
「ケルベラも僕との戦いを望んでいましたしね」
「……わかった。けど無理はすんなよ」
「お優しいですねトレインさん」
「バーカ。お前に何かあったらアイツが心配するからだよ」
アイツというトレインの言葉にシャオリーは苦笑しつつも頷く。
彼の為にもこんなところで死ぬわけにはいきませんからね。
「ショウ、俺達でシャオの援護をするぞ」
「分かった」
シャオは羽衣を纏うとゆっくりケルベラに歩み寄った。
「リン・シャオリー!!見つけた!見つけたぞーーー!!」
ケルベラの理性はすでに切れているようで目も血走っていた。
「ケルベラ、貴方との因縁これで終わりにします」
羽衣が光ると鋭い刃に変わるとシャオは飛び上がり光の刃を降り下ろした。
光の刃は木の鎧で貫く事が出来なかったがシャオは再び飛び上がり周りに光の剣を出現させた。
「シャイニングブレード!」
光の剣はケルベラの足元に降り注ぎケルベラの動きを止めた。
「がぁぁぁぁぁーーー!!」
動きを封じられたケルベラは怒声を叫びシャオに衝撃波を放つが、
「フレアシールド」
シャオを守るようにショウが炎の障壁を張り衝撃波をかきけした。
「光よ集いたまえ!ジャッジメント!」
シャオは己の奥義に全魔力をかけて放った。
光の閃光はケルベラの身体に降り注いでケルベラは次の瞬間身体がグラリと揺らいだ。
そして次の瞬間――
「なのは!今だ!」
ショウが上空にいるなのはに合図を送るとなのはは力強く頷いてレイジングハートを振り上げた。
「いくよ!レイジングハート!」
『OK!』
「フローラちゃん、今の私なら炎も使えるんだよね」
『使えますよ。今私とユニゾン中なので』
なのはは一度息を吐いて真剣な表情になるとゆっくりレイジングハートを降り下ろした。
「全力!全開!スターインフェルノブレイカーー!!」
星と炎の混ざり合った砲撃が上空から放たれて恭夜目掛けて降り注いだ。
「バカが!」
ケルベラは強固なシールドを張ってバカにしたように笑っていたが、
「ブレイクシュート!」
カートリッジを数発ロードすると砲撃の威力がさらに上がりシールドが粉々に砕け散った。
「バッ…バカな…!?」
なのはの放った砲撃はそのままケルベラに直撃して恭夜の身体にヒビが入り始めた。
「あり得ない!俺が負けるものか…」
砲撃を受け続けるケルベラはまだ諦めてはいなかったのだが、
「つらぬけ…」
フラフラのシャオが一本の光の剣を出してケルベラの心臓を貫いた。
「何故だ…何故勝てないんだ!?」
身体の鎧が全て破壊され生身の身体で喰らっていたケルベラにシャオがフッと笑って答えた。
「なぁに、相手が悪かっただけさ」
自分だけだったらケルベラには勝てなかっただろう。
一緒に戦ってくれる仲間達がいたからケルベラは負けたのだ。
「くそがぁぁぁぁぁーーー!!」
ケルベラはシャオを見つめながら憎しみを込めて叫ぶが、ついにケルベラの身体はバラバラになり灰となって消えていった。
(終わった…)
戦いが終わりシャオの身体がガクッと地面に落ちた。
「シャオ!」
ショウや悠季達が急いでシャオの元へ駆け寄ると、戦いによってボロボロになったシャオは苦笑いを浮かべたまま口を開き、
「すみません。少しだけ………休ませてください」
そう言ってシャオはゆっくり目を閉じると、すぐにシャオの寝息が聞こえてきてショウ達は安心したように息を吐く。
「しっかし、これからもあんな化け物と戦うのかよ」
項垂れる将輝にショウが、
「これは両王に相談するしかないな」
皆が疲れきった表情で頷いてシャオはトレインに運ばれながらホテルに帰っていった。
△▼△▼△▼
~ジョーカーズ本部~
薄暗い会議室の中で二人の男が何やら話をしていた。
一人は灰色の髪をポニーテールにしている恭介と、もう一人は茶髪の髪に耳にはピアスをしている男。
この男は先日管理局の研究所を破壊した一人でもある。
「どうやらケルベラは負けたようだな」
「予想通りな男やな。所詮アイツはその程度って事か」
話をしている二人はアンリと恭介だった。
二人は恭夜の死に悲しむどころかニヤリと笑っていた。
「しかしどうする?木帝の席が空いてしまったが…」
「それなら大丈夫やで。あの方も何か考えがあるようやしな」
二人はそう言って会議室から消えていった。
(あの二人一体何を考えてやがる。ケルベラの死は計算してたって事かよ)
二人の話を立ち聞きしていた悠太は鋭い目付きのまま会議室から姿を消した。
~ホテル~
戦いを終えたメンバーがホテルに戻るとそこはある意味戦場となっていた。
「フェイトちゃーん!助けてぇ~な!」
「リンちゃーん、教えてくださいッス~~!」
「ヒナちゃ~ん!ヘルブ~~!」
夏休みの宿題をしている者達がいたのたがショウはその光景に呆れるしかなかった。
「全く、俺達が戦っていたというのにお前らは」
ショウの言葉に稟とハヤテは、
「それも大事だがこっちも重要なんだよ!」
「補習は嫌です。補習は嫌です」
補習がトラウマなのか二人は顔色が悪かった。
(まぁ…こんな光景を守れただけでもよかったかな)
ショウはフッと笑って宿題の手伝いをした。
△▼△▼△▼
~初音島~
「そうか、恭夜を倒したのか」
『あぁ、今は皆休んでいるがお前はどうする?』
通信の相手であるジェノスにクルスは、
「僕はこっちにいるよ。皆には新しい学校で会おうって伝えてくれないか」
『…分かった』
通信を切ってクルスは枯れない桜を見つめながら口を開いた。
「これは増援を呼ぶしかないかな」
そう言って携帯を取り出してクルスはある人物達に電話をかけた。
次回予告
ショウ
「新しくなった学校に誰もが驚く…」
クルス
「そのお陰で親衛隊は増える訳で…」
稟
「誰か俺に平和をくれないか…」
ハヤテ
「ですが新しい友達に出会える事はいい事です!」
純一
「次回S.H.D.C.――
第12話――
『楽しい学校の始まり』って……かったるいな」
「ありかよあんなシールド」
舌打ちする悠季と将輝の横でショウは何やら考え事をしている。
(シールドを破壊してもさっきのシールドが出現してしまう。つまりシールドの層は厚い。こうなったら……あのシールドと身体の鎧事破るしかねぇか)
ショウはなのはに視線を向けて何かを閃いてユニゾンを解除した。
「フローラ、なのはとのユニゾンは可能か?」
「可能です。しかし時間は五分しかもちませんよ」
「充分だ」
フローラをなのはに渡してユニゾンさせるとショウは悠季と将輝に視線を向けた。
「五分間あの犬の注意を俺達に向けるぞ」
「へ~い」
「やるか…」
三人は再び地上に降りて剣を構えてケルベラに突っ込んだ。
「ハァ!」
ショウの剣がケルベラの周りに配置されていた木々を薙ぎ払った。
その瞬間、将輝と悠季が駆け出してケルベラに切りかかった。
「おらぁ!」
「ハァッ!」
「無駄だぁぁぁぁぁーーー!!」
ケルベラは衝撃波を放ち近づいてきた二人を吹き飛ばした。
吹き飛ばされた二人はトレインとクロードに受け止めてもらい衝撃はこなかったが舌打ちをした。
「悪い助かった」
「気にすんなよ。それよりどうすんだ?」
トレインの問いに悠季は答えずただ視線を上空に向けた。
トレインもつられるように上空に視線を向けると、
「なぁ、あの巨大な砲撃はなんだ?」
「ショウの恋人だったか?その子の砲撃に賭けてんだよ」
上空にいるなのはは髪の毛と瞳が真っ赤に変わり背中にも赤い羽がはえていた。
「あと三分あれば充分なんだが…」
そう言った悠季に身体を休めていたシャオが立ち上がり真剣な表情で口を開いた。
「お願いがあります。ケルベラは僕の手で決着をつけさせてもらえませんか」
そう言ったシャオの表情はいつにかく真剣で何かを覚悟していた。
「ケルベラも僕との戦いを望んでいましたしね」
「……わかった。けど無理はすんなよ」
「お優しいですねトレインさん」
「バーカ。お前に何かあったらアイツが心配するからだよ」
アイツというトレインの言葉にシャオリーは苦笑しつつも頷く。
彼の為にもこんなところで死ぬわけにはいきませんからね。
「ショウ、俺達でシャオの援護をするぞ」
「分かった」
シャオは羽衣を纏うとゆっくりケルベラに歩み寄った。
「リン・シャオリー!!見つけた!見つけたぞーーー!!」
ケルベラの理性はすでに切れているようで目も血走っていた。
「ケルベラ、貴方との因縁これで終わりにします」
羽衣が光ると鋭い刃に変わるとシャオは飛び上がり光の刃を降り下ろした。
光の刃は木の鎧で貫く事が出来なかったがシャオは再び飛び上がり周りに光の剣を出現させた。
「シャイニングブレード!」
光の剣はケルベラの足元に降り注ぎケルベラの動きを止めた。
「がぁぁぁぁぁーーー!!」
動きを封じられたケルベラは怒声を叫びシャオに衝撃波を放つが、
「フレアシールド」
シャオを守るようにショウが炎の障壁を張り衝撃波をかきけした。
「光よ集いたまえ!ジャッジメント!」
シャオは己の奥義に全魔力をかけて放った。
光の閃光はケルベラの身体に降り注いでケルベラは次の瞬間身体がグラリと揺らいだ。
そして次の瞬間――
「なのは!今だ!」
ショウが上空にいるなのはに合図を送るとなのはは力強く頷いてレイジングハートを振り上げた。
「いくよ!レイジングハート!」
『OK!』
「フローラちゃん、今の私なら炎も使えるんだよね」
『使えますよ。今私とユニゾン中なので』
なのはは一度息を吐いて真剣な表情になるとゆっくりレイジングハートを降り下ろした。
「全力!全開!スターインフェルノブレイカーー!!」
星と炎の混ざり合った砲撃が上空から放たれて恭夜目掛けて降り注いだ。
「バカが!」
ケルベラは強固なシールドを張ってバカにしたように笑っていたが、
「ブレイクシュート!」
カートリッジを数発ロードすると砲撃の威力がさらに上がりシールドが粉々に砕け散った。
「バッ…バカな…!?」
なのはの放った砲撃はそのままケルベラに直撃して恭夜の身体にヒビが入り始めた。
「あり得ない!俺が負けるものか…」
砲撃を受け続けるケルベラはまだ諦めてはいなかったのだが、
「つらぬけ…」
フラフラのシャオが一本の光の剣を出してケルベラの心臓を貫いた。
「何故だ…何故勝てないんだ!?」
身体の鎧が全て破壊され生身の身体で喰らっていたケルベラにシャオがフッと笑って答えた。
「なぁに、相手が悪かっただけさ」
自分だけだったらケルベラには勝てなかっただろう。
一緒に戦ってくれる仲間達がいたからケルベラは負けたのだ。
「くそがぁぁぁぁぁーーー!!」
ケルベラはシャオを見つめながら憎しみを込めて叫ぶが、ついにケルベラの身体はバラバラになり灰となって消えていった。
(終わった…)
戦いが終わりシャオの身体がガクッと地面に落ちた。
「シャオ!」
ショウや悠季達が急いでシャオの元へ駆け寄ると、戦いによってボロボロになったシャオは苦笑いを浮かべたまま口を開き、
「すみません。少しだけ………休ませてください」
そう言ってシャオはゆっくり目を閉じると、すぐにシャオの寝息が聞こえてきてショウ達は安心したように息を吐く。
「しっかし、これからもあんな化け物と戦うのかよ」
項垂れる将輝にショウが、
「これは両王に相談するしかないな」
皆が疲れきった表情で頷いてシャオはトレインに運ばれながらホテルに帰っていった。
△▼△▼△▼
~ジョーカーズ本部~
薄暗い会議室の中で二人の男が何やら話をしていた。
一人は灰色の髪をポニーテールにしている恭介と、もう一人は茶髪の髪に耳にはピアスをしている男。
この男は先日管理局の研究所を破壊した一人でもある。
「どうやらケルベラは負けたようだな」
「予想通りな男やな。所詮アイツはその程度って事か」
話をしている二人はアンリと恭介だった。
二人は恭夜の死に悲しむどころかニヤリと笑っていた。
「しかしどうする?木帝の席が空いてしまったが…」
「それなら大丈夫やで。あの方も何か考えがあるようやしな」
二人はそう言って会議室から消えていった。
(あの二人一体何を考えてやがる。ケルベラの死は計算してたって事かよ)
二人の話を立ち聞きしていた悠太は鋭い目付きのまま会議室から姿を消した。
~ホテル~
戦いを終えたメンバーがホテルに戻るとそこはある意味戦場となっていた。
「フェイトちゃーん!助けてぇ~な!」
「リンちゃーん、教えてくださいッス~~!」
「ヒナちゃ~ん!ヘルブ~~!」
夏休みの宿題をしている者達がいたのたがショウはその光景に呆れるしかなかった。
「全く、俺達が戦っていたというのにお前らは」
ショウの言葉に稟とハヤテは、
「それも大事だがこっちも重要なんだよ!」
「補習は嫌です。補習は嫌です」
補習がトラウマなのか二人は顔色が悪かった。
(まぁ…こんな光景を守れただけでもよかったかな)
ショウはフッと笑って宿題の手伝いをした。
△▼△▼△▼
~初音島~
「そうか、恭夜を倒したのか」
『あぁ、今は皆休んでいるがお前はどうする?』
通信の相手であるジェノスにクルスは、
「僕はこっちにいるよ。皆には新しい学校で会おうって伝えてくれないか」
『…分かった』
通信を切ってクルスは枯れない桜を見つめながら口を開いた。
「これは増援を呼ぶしかないかな」
そう言って携帯を取り出してクルスはある人物達に電話をかけた。
次回予告
ショウ
「新しくなった学校に誰もが驚く…」
クルス
「そのお陰で親衛隊は増える訳で…」
稟
「誰か俺に平和をくれないか…」
ハヤテ
「ですが新しい友達に出会える事はいい事です!」
純一
「次回S.H.D.C.――
第12話――
『楽しい学校の始まり』って……かったるいな」