赤き扇と剣
「クルス、この男は何なんだ?」
「ノヴァ・ヒートヘイズ。炎を司る男。そして管理局が………」
そう話し出した瞬間、クルスの表情が悲しみの色に変わった。
いやこの話をショウに話す訳にはいかない。
いやショウだけじゃないこの場にいる誰にも知られる訳には。
「管理局がなんだ?」
悲し気な顔を俯かせるクルスにショウは首を傾げていると、氷像にしていたはずのノヴァの氷にヒビが入り始める。
「もう時間切れか」
クルスが小さく呟いたと同時に氷が砕けてノヴァの姿が現れた。
「この野郎!よくも俺様を凍り付けにしてくれたな!クルス!!」
「ノヴァこそよくも僕の親友や仲間や大切な人達を傷つけてくれたね」
二人の背後から炎と冷のオーラが放出される。
「テメェは恭介の獲物だから手を出したくなかったんだけどな………!」
ノヴァは扇を両手に構えて広げるとひと振りして灼熱の竜巻を発生させた。
「焼き尽くせ!フレアウィング!」
灼熱の風がクルスに迫ってきたが、
「相殺…」
ショウが紅き剣を出して灼熱の風を消した。
「あん?何だてめぇは!?」
「クルス、こいつは俺にやらせてくれないか?」
ショウはクルスの前に立ち塞がると紅き剣を構るショウの表情はいつになく真剣だった。
「てめぇごときに俺の相手が出来るわけないだろうが!!」
ノヴァはバカにしたように笑いながらショウを見ていたが、
「お前の笑い声は虫酸が走るんだよ」
ノヴァの視界からショウの姿が消えていつの間にかノヴァの前にいた。
「なにっ!」
「消えろ!」
ショウは紅き剣に炎を纏わせて縦に切り裂いた。
「チッ!」
ノヴァは咄嗟に避けたのだが鎧を切られたようで胸部がバラバラになった。
「てめぇ…!」
「来いよ。すぐに後悔に変えてやるから」
その言葉にノヴァはブチッと切れて、
「上等だガキ!」
扇を広げたのだ。
「フレアグラビト!」
灼熱の球体が二つ出現するとノヴァの前に浮かんだ。
「ガキ!てめぇも俺と同じ炎を使うようだな」
「ガキじゃない。お前と同じぐらいだ」
「はいはい!そうかよ!」
フレアグラビトが二発同時に放たれて交わりながら巨大な竜の形に変わってショウに迫っていく、
「フローラ、いくぞ」
『はい!』
ショウの背中から二枚の翼が生えて身体が赤く光る。
「へっ!その程度の魔力でフレアグラビトが破れるか!」
「奥義…」
ショウはフレアグラビトに突っ込んで竜に飲み込まれていった。
「何が奥義だ!?バカかてめぇは!!」
ばか笑いしながらノヴァがフレアグラビトを見ていると、
「鳳凰守護陣!!」
「…んあ?」
ショウの声が聞こえた途端にフレアグラビトが煙のように消えていった。
「なんだと!?」
ノヴァが驚きながらそれを見ていたが、
「正気か?戦いの場で止まる事は命取りなんだぞ」
いつの間にか紅き剣をノヴァの顔に突きつけているショウがいた。
「何でだ…!?その程度の魔力で何故フレアグラビトを…」
信じられないような表情をしているノヴァにショウが冷静な表情で答えた。
「鳳凰守護陣は俺の身を守ってくれる結界なんだよ。まぁ、使う度に身体に負担がかかってしまうがな」
ショウはそう言いながら額から汗を流していた。
「チッ!ガキが強がるんじゃねぇ!」
ノヴァは舌打ちをして扇をショウに向けながらひと振りした。
「うわっ…!」
ショウは灼熱の風に吹き飛ばされてしまう。
「ガキが!フレアグラビトが効かなかったぐらいで勝った気でいるんじゃねぇよ!」
扇をひと振りしてノヴァは三十本のフレアニードルを出した。
「喰らいやがれ!」
一斉にフレアニードルがショウに放たれる。
「鳳凰守護…『ダメです!マスター!それは一日一回が限界です!』クソッ…!」
シールドも張れずショウは身を守る事ができず迫り来るフレアニードルに目を閉じてしまう。
「ふぅ…アクアシェル」
するど次の瞬間、誰かの声が聞こえてショウの身体がゼリー状のドームに包まれた。
「えっ…」
ショウが驚く中でフレアニードルがゼリー状のドームに直撃したがショウには当たらなかった。
さらに―――
「人を呼んどいていきなり戦うのかよ?」
ノヴァの真横から黒髪で金色の瞳の青年が頭を掻きながら立っていた。
「誰だてめぇ!?」
ノヴァがその青年に視線を向けた瞬間、
「アイツの仲間達を傷つけた報い、その身で払ってもらうぞ」
その青年はノヴァよりも高速に動いて一瞬で五回の斬撃を叩き込んだ。
「炎龍閃…」
そう口にした途端、
「ぐぁぁぁぁぁ~!」
ノヴァの片腕が灰になりノヴァは肩を押さえて青年から離れた。
「何が起こったんだ?」
突然の展開にクルス以外のメンバーは驚いているがそんな中でクルスはというと、
「助かったよ。マサキに悠季」
クルスが二人の青年の名前を口にすると、いつの間にかクルスの横に二人の青年の姿があった。
「よっ!久しぶりだな」
「お前に呼ばれたから来てみたんだが、何だあの品性の欠片も感じない男は?」
悠季はそう言いながら肩を押さえるノヴァを見つめていた。
『ハァァァァァ~!』
先ほどまで魔獣と戦っていたクロード達の声と同時に魔獣達が全部灰になっていった。
魔獣が全て消滅して残る敵はノヴァだけとなった。
「残るはお前だけだぞノヴァ」
ノヴァを囲んでクルス達は武器を構えていた。
(チッ…!さすがにこの数じゃ無理があるか………だがアイツだけは!)
ノヴァは殺気を込めながらショウを見つめ、
「ガキ!てめぇだけは許せねぇんだよ!」
扇をひと振りして十五本のフレアニードルを出して一斉に放った。
しかもそのフレアニードルは―――
「バラバラに動いてやがる!」
マサキや悠季やトレイン達が破壊していったが、二本だけ残ってしまいショウの眼前に迫っていた。
「ショウ君!」
なのはが悲痛の声を上げてショウは目を閉じたが、
「ショウ!」
クルスが守るようにショウの前に現れてフレアニードルがクルスの背中に二本刺さった。
「チッ!クルスめ邪魔をしやがって…」
ノヴァは舌打ちをしながら転移を始めた。
「今日はここで退いといてやる!だけど覚えておきな!俺は………俺達ナイトジョーカーズは必ずてめぇらを消してやる!」
笑い声を上げながらノヴァは消えていくとノヴァがいなくなった瞬間、
「ノヴァ!」
クルスの背中の傷が露になってそのまま地面に落下していく。
それをディアスが受け止めてマントを身体にかけた。
「すぐにホテルに戻るぞ。治療も必要だ」
「もう隠し事もできねぇしな」
ディアスやトレインは真剣な表情でクルスを見ていた。
△▼△▼△▼
~???~
「グハッ…!」
アジトに戻ってきたノヴァは肩を押さえながら廊下を歩いていた。
「あのガキ共次こそは」
殺気を放ちながらノヴァが歩いていると、
「おっ!見てみぃ…!組織内じゃ炎帝と呼ばれている男が怪我してるで!」
「本当だね。クルス達を甘く見すぎたからだよ」
背後に二つの気配を感じてノヴァが振り向くと、
「恭介にアリシアか…」
そこには灰色のポニーテールをした恭介と赤いリボンをして笑っているアリシアがいた。
「うるせぇんだよ!入りたての毒帝と雷帝が!」
ノヴァはギラリと二人を睨んでいたが恭介はニコリと笑い何も気にしないままノヴァに近づいていく。
「ただ力を使ってるようじゃ一生そのまんまやで」
「黙ってろ三下!次こそは………ガキ共も!てめぇの獲物のクルスも俺が血祭りにして………!!」
ドンッ!
ノヴァが言い終える前に真横を拳が通り過ぎて壁にめり込んだ。
「言葉には注意せい。クルスは俺の獲物や。お前ごときに殺られるほどアイツは弱くない…」
「クッ…!」
壁から拳を抜いて恭介はアリシアに視線を向けた。
「アリシア、行くで」
「うん!」
アリシアはその後をついていき二人は廊下からいなくなった。
残されたノヴァは、
「舐めやがって!」
憎しみを込めた瞳で恭介とアリシアを見つめていた。
~大広間~
ノヴァとの戦いを終えて怪我人は医務室で治療を受けて、クルスは背中に包帯を巻いてマサキ達と話していた。
「すまいな。せっかくの夏休みなのに」
「気にするな。時間をもて余していたし、シリアも楓やナギ達に会いたがっていたしな」
シリアという女性は今医務室で治癒魔法を怪我人にかけていた。
「マサキにコレットも次元を渡ってまで来てくれて」
「だから気にすんなって。俺はもう一度お前に会いたかったしな。あの時…俺が言った言葉を分かってくれたか気になって」
「私は…マサキについていきたかったから気にしなくていいよ」
クルスは三人に頭を下げて皆の元に向かった。
「レナ、怪我をしたメンバーの状態は?」
「なのはとフェイトは火傷でクロノとイヴは火傷に打撲よ。樹は………腹部が重症だけど命に別状はないわ。あと楓やヒナギク達は眠っているみたい。多分あんな戦いを見ちゃったからだと思うの」
レナの言葉にクルスは顔を歪めて拳を握り締める。
「クルス、怪我をしているところ悪いんだけど話してくれるか…」
ショウが冷たいお茶を一口飲みながらクルスに言った。
「ナイトジョーカーズ………それが彼らの組織の名前」
ポツリと呟きながらクルスが話し始めた。
「彼らは………管理局のとある人間が極秘で生み出した人工生命体で魔導師なんだ」
「なっ…!?」
次回予告
シリア
「クルスが語り出した管理局の裏とナイトジョーカーズの真実。はい!次はマサキよ」
マサキ
「そして稟とハヤテに芽生えた決意………でいいんだっけ?」
悠季
「守るために生きるために………二人はただ望む。……ちゃんと言え」
コレット
「次回S.H.D.C.――
第八話――
【真実と決意】……マサキ!ちゃんと言えたよ!」
「ノヴァ・ヒートヘイズ。炎を司る男。そして管理局が………」
そう話し出した瞬間、クルスの表情が悲しみの色に変わった。
いやこの話をショウに話す訳にはいかない。
いやショウだけじゃないこの場にいる誰にも知られる訳には。
「管理局がなんだ?」
悲し気な顔を俯かせるクルスにショウは首を傾げていると、氷像にしていたはずのノヴァの氷にヒビが入り始める。
「もう時間切れか」
クルスが小さく呟いたと同時に氷が砕けてノヴァの姿が現れた。
「この野郎!よくも俺様を凍り付けにしてくれたな!クルス!!」
「ノヴァこそよくも僕の親友や仲間や大切な人達を傷つけてくれたね」
二人の背後から炎と冷のオーラが放出される。
「テメェは恭介の獲物だから手を出したくなかったんだけどな………!」
ノヴァは扇を両手に構えて広げるとひと振りして灼熱の竜巻を発生させた。
「焼き尽くせ!フレアウィング!」
灼熱の風がクルスに迫ってきたが、
「相殺…」
ショウが紅き剣を出して灼熱の風を消した。
「あん?何だてめぇは!?」
「クルス、こいつは俺にやらせてくれないか?」
ショウはクルスの前に立ち塞がると紅き剣を構るショウの表情はいつになく真剣だった。
「てめぇごときに俺の相手が出来るわけないだろうが!!」
ノヴァはバカにしたように笑いながらショウを見ていたが、
「お前の笑い声は虫酸が走るんだよ」
ノヴァの視界からショウの姿が消えていつの間にかノヴァの前にいた。
「なにっ!」
「消えろ!」
ショウは紅き剣に炎を纏わせて縦に切り裂いた。
「チッ!」
ノヴァは咄嗟に避けたのだが鎧を切られたようで胸部がバラバラになった。
「てめぇ…!」
「来いよ。すぐに後悔に変えてやるから」
その言葉にノヴァはブチッと切れて、
「上等だガキ!」
扇を広げたのだ。
「フレアグラビト!」
灼熱の球体が二つ出現するとノヴァの前に浮かんだ。
「ガキ!てめぇも俺と同じ炎を使うようだな」
「ガキじゃない。お前と同じぐらいだ」
「はいはい!そうかよ!」
フレアグラビトが二発同時に放たれて交わりながら巨大な竜の形に変わってショウに迫っていく、
「フローラ、いくぞ」
『はい!』
ショウの背中から二枚の翼が生えて身体が赤く光る。
「へっ!その程度の魔力でフレアグラビトが破れるか!」
「奥義…」
ショウはフレアグラビトに突っ込んで竜に飲み込まれていった。
「何が奥義だ!?バカかてめぇは!!」
ばか笑いしながらノヴァがフレアグラビトを見ていると、
「鳳凰守護陣!!」
「…んあ?」
ショウの声が聞こえた途端にフレアグラビトが煙のように消えていった。
「なんだと!?」
ノヴァが驚きながらそれを見ていたが、
「正気か?戦いの場で止まる事は命取りなんだぞ」
いつの間にか紅き剣をノヴァの顔に突きつけているショウがいた。
「何でだ…!?その程度の魔力で何故フレアグラビトを…」
信じられないような表情をしているノヴァにショウが冷静な表情で答えた。
「鳳凰守護陣は俺の身を守ってくれる結界なんだよ。まぁ、使う度に身体に負担がかかってしまうがな」
ショウはそう言いながら額から汗を流していた。
「チッ!ガキが強がるんじゃねぇ!」
ノヴァは舌打ちをして扇をショウに向けながらひと振りした。
「うわっ…!」
ショウは灼熱の風に吹き飛ばされてしまう。
「ガキが!フレアグラビトが効かなかったぐらいで勝った気でいるんじゃねぇよ!」
扇をひと振りしてノヴァは三十本のフレアニードルを出した。
「喰らいやがれ!」
一斉にフレアニードルがショウに放たれる。
「鳳凰守護…『ダメです!マスター!それは一日一回が限界です!』クソッ…!」
シールドも張れずショウは身を守る事ができず迫り来るフレアニードルに目を閉じてしまう。
「ふぅ…アクアシェル」
するど次の瞬間、誰かの声が聞こえてショウの身体がゼリー状のドームに包まれた。
「えっ…」
ショウが驚く中でフレアニードルがゼリー状のドームに直撃したがショウには当たらなかった。
さらに―――
「人を呼んどいていきなり戦うのかよ?」
ノヴァの真横から黒髪で金色の瞳の青年が頭を掻きながら立っていた。
「誰だてめぇ!?」
ノヴァがその青年に視線を向けた瞬間、
「アイツの仲間達を傷つけた報い、その身で払ってもらうぞ」
その青年はノヴァよりも高速に動いて一瞬で五回の斬撃を叩き込んだ。
「炎龍閃…」
そう口にした途端、
「ぐぁぁぁぁぁ~!」
ノヴァの片腕が灰になりノヴァは肩を押さえて青年から離れた。
「何が起こったんだ?」
突然の展開にクルス以外のメンバーは驚いているがそんな中でクルスはというと、
「助かったよ。マサキに悠季」
クルスが二人の青年の名前を口にすると、いつの間にかクルスの横に二人の青年の姿があった。
「よっ!久しぶりだな」
「お前に呼ばれたから来てみたんだが、何だあの品性の欠片も感じない男は?」
悠季はそう言いながら肩を押さえるノヴァを見つめていた。
『ハァァァァァ~!』
先ほどまで魔獣と戦っていたクロード達の声と同時に魔獣達が全部灰になっていった。
魔獣が全て消滅して残る敵はノヴァだけとなった。
「残るはお前だけだぞノヴァ」
ノヴァを囲んでクルス達は武器を構えていた。
(チッ…!さすがにこの数じゃ無理があるか………だがアイツだけは!)
ノヴァは殺気を込めながらショウを見つめ、
「ガキ!てめぇだけは許せねぇんだよ!」
扇をひと振りして十五本のフレアニードルを出して一斉に放った。
しかもそのフレアニードルは―――
「バラバラに動いてやがる!」
マサキや悠季やトレイン達が破壊していったが、二本だけ残ってしまいショウの眼前に迫っていた。
「ショウ君!」
なのはが悲痛の声を上げてショウは目を閉じたが、
「ショウ!」
クルスが守るようにショウの前に現れてフレアニードルがクルスの背中に二本刺さった。
「チッ!クルスめ邪魔をしやがって…」
ノヴァは舌打ちをしながら転移を始めた。
「今日はここで退いといてやる!だけど覚えておきな!俺は………俺達ナイトジョーカーズは必ずてめぇらを消してやる!」
笑い声を上げながらノヴァは消えていくとノヴァがいなくなった瞬間、
「ノヴァ!」
クルスの背中の傷が露になってそのまま地面に落下していく。
それをディアスが受け止めてマントを身体にかけた。
「すぐにホテルに戻るぞ。治療も必要だ」
「もう隠し事もできねぇしな」
ディアスやトレインは真剣な表情でクルスを見ていた。
△▼△▼△▼
~???~
「グハッ…!」
アジトに戻ってきたノヴァは肩を押さえながら廊下を歩いていた。
「あのガキ共次こそは」
殺気を放ちながらノヴァが歩いていると、
「おっ!見てみぃ…!組織内じゃ炎帝と呼ばれている男が怪我してるで!」
「本当だね。クルス達を甘く見すぎたからだよ」
背後に二つの気配を感じてノヴァが振り向くと、
「恭介にアリシアか…」
そこには灰色のポニーテールをした恭介と赤いリボンをして笑っているアリシアがいた。
「うるせぇんだよ!入りたての毒帝と雷帝が!」
ノヴァはギラリと二人を睨んでいたが恭介はニコリと笑い何も気にしないままノヴァに近づいていく。
「ただ力を使ってるようじゃ一生そのまんまやで」
「黙ってろ三下!次こそは………ガキ共も!てめぇの獲物のクルスも俺が血祭りにして………!!」
ドンッ!
ノヴァが言い終える前に真横を拳が通り過ぎて壁にめり込んだ。
「言葉には注意せい。クルスは俺の獲物や。お前ごときに殺られるほどアイツは弱くない…」
「クッ…!」
壁から拳を抜いて恭介はアリシアに視線を向けた。
「アリシア、行くで」
「うん!」
アリシアはその後をついていき二人は廊下からいなくなった。
残されたノヴァは、
「舐めやがって!」
憎しみを込めた瞳で恭介とアリシアを見つめていた。
~大広間~
ノヴァとの戦いを終えて怪我人は医務室で治療を受けて、クルスは背中に包帯を巻いてマサキ達と話していた。
「すまいな。せっかくの夏休みなのに」
「気にするな。時間をもて余していたし、シリアも楓やナギ達に会いたがっていたしな」
シリアという女性は今医務室で治癒魔法を怪我人にかけていた。
「マサキにコレットも次元を渡ってまで来てくれて」
「だから気にすんなって。俺はもう一度お前に会いたかったしな。あの時…俺が言った言葉を分かってくれたか気になって」
「私は…マサキについていきたかったから気にしなくていいよ」
クルスは三人に頭を下げて皆の元に向かった。
「レナ、怪我をしたメンバーの状態は?」
「なのはとフェイトは火傷でクロノとイヴは火傷に打撲よ。樹は………腹部が重症だけど命に別状はないわ。あと楓やヒナギク達は眠っているみたい。多分あんな戦いを見ちゃったからだと思うの」
レナの言葉にクルスは顔を歪めて拳を握り締める。
「クルス、怪我をしているところ悪いんだけど話してくれるか…」
ショウが冷たいお茶を一口飲みながらクルスに言った。
「ナイトジョーカーズ………それが彼らの組織の名前」
ポツリと呟きながらクルスが話し始めた。
「彼らは………管理局のとある人間が極秘で生み出した人工生命体で魔導師なんだ」
「なっ…!?」
次回予告
シリア
「クルスが語り出した管理局の裏とナイトジョーカーズの真実。はい!次はマサキよ」
マサキ
「そして稟とハヤテに芽生えた決意………でいいんだっけ?」
悠季
「守るために生きるために………二人はただ望む。……ちゃんと言え」
コレット
「次回S.H.D.C.――
第八話――
【真実と決意】……マサキ!ちゃんと言えたよ!」