癒しの時間
「これで最後や!神よ!私に力を!」
神頼みするはやての後ろで神王がくしゃみをしていたのは余談である。
『王様だぁーれ?』
「やっとや!やっと私が王様やーー!!」
はやては嬉しそうに割り箸を掲げている。
余程嬉しかったのか、はやては満面の笑みを浮かべている。
「いくで…!1番が王様を抱き締めて耳元で…【愛してるはやて】って言う!」
はやての視線の先にはショウがいてショウは自分の番号を確認すると、
「お前の執念はもはや神クラスだ」
ショウの割り箸は1番だった。
「よっしゃぁぁぁー!」
はやてはすぐにショウの横に来るとワクワクしながら待っていると、ショウは呆れた表情でギュッとはやてを抱き寄せる。
「愛してるはやて」
耳元で愛おしそうに呟くととはやては、
「アカン!幸せすぎる」
そう言いながら気絶してしまった。
「んじゃ、これで終わるか?」
『えぇ~!』
どうやらまだ不満な人達がいたようで、ブーイングしている。
「もう時間も遅いし明日も朝から遊ぶなら寝た方がいいんじゃない?」
明日は近くの遊園地で遊ぶって話してたしね。
それにセフィリアやベルゼーやリンディさん達はいつの間にかいなくなってるし。
心宿にアイコンタクト送ったら他のメンバーを呼んで片付けを始めてくれたしね。
「クルス…」
「どうかしたシグナム?」
「温泉は入っても大丈夫なのか?」
「あぁ、温泉なら入れるけど?」
シグナムはその言葉を聞いてザフィーラ以外のヴォルケンリッターを連れて温泉に向かう。
どうやら王様ゲームで冷や汗を流したようで温泉で汗を流したいようだ。
「じゃあ自由行動にでもする?」
この時間帯ならゲーセンや映画もやってるしね。
クルスの視線がショウの方に向くと、
「わりぃけど俺は寝るわ。ちょっと疲れたしな」
「…だな」
「お嬢様も眠っちゃいましたからね」
稟は欠伸をしてハヤテはナギをお姫様抱っこをして立ち上がっていた。
寝る組や遊ぶ組で別れているようで僕はどうしようかな?
温泉にでも入りに行こうかなーとクルスが考えていると、
「じゃあ部屋に戻ろっか」
「そうですね」
亜沙とヒナギクが部屋に戻るかと苦笑しながら告げて、皆もそれに続くようにそれぞれの部屋に戻る事にしたようだ。
ちなみに―――
「樹、生きてるか?」
「……………」
「まるで屍のようだ…」
樹やジェノスは王様ゲームでダメージを受けて気絶してしまった。
△▼△▼△▼
~土帝の間~
部屋に戻った稟はベッドに横になると稟を中心にシアとネリネとカレハが抱きついた形で寝ていた。
先程まで眠たかったはずの稟だったが、
(煩悩!煩悩!煩悩!煩悩!煩悩!煩悩!)
眠気が一気になくなり理性と戦うはめになる。
(右にシアで左にネリネで上にカレハ先輩………耐えろ!耐えろ!俺!)
稟の徹夜が決定した瞬間である。
△▼△▼△▼
~風帝の間~
稟と同様にハヤテも徹夜が決定して理性と戦っていた。
しかもハヤテは心宿の策略により部屋が広くなり、
(右がヒナギクさんで左に西沢さんで上にお嬢様で右足に伊澄さんで左足に瀬川さん)
理沙と美希の二人は部屋が変わりハヤテの部屋ではハヤテとラバーズが一緒になっていたのだ。
しかもたまに―――
「んっ!ハヤテ君…」
「ハヤテ~」
ヒナギクやナギの声が聞こえて危うく理性が飛びそうになっていたらしい。
△▼△▼△▼
~炎帝の間~
そしてショウは――
(落ち着け俺!理性を保つんだ。負けるな!)
こちらも稟とハヤテ同様に理性との戦いをしていた。
「ショウく~ん」
「ショウちゃ~ん」
まずショウの左右になのはと亜沙がいて、二人の顔が物凄く至近距離ありショウの腕をガッチリ抱き締めていた。
さらに―――
「ショウ…」
「幸せや~」
咲夜とはやてが両足にしがみついて眠っていたのだ。
皆の表情は本当に幸せそうでショウも溜め息を吐きながらも笑っていた。
(まっ!いいか)
ショウはゆっくり目を閉じて皆と眠り始めていく。
どうやら理性よりも睡魔を優先したようだ。
他の二人と違いそこら辺の精神力は違ったショウである。
そして皆が寝静まった頃クルスは一人温泉に入っていた。
シグナム達は先に温泉から出て今は女性側の方にも誰もいない状態でクルスは貸し切りで温泉に入っている。
クルスの視線は星空に向きクルスは浜辺で睨み合いをしていた恭介との会話を思い返していた。
△▼△▼△▼
『お前は知ってるんか?神王と魔王の子供に二つの魂が存在しとるの?』
シアとネリネの身体にはもう一つの魂が存在している………か。
確かに二人と会った時に違和感は感じていたが、
『お前にはもう引き返せる道はあらへん。楽園大戦以上の悲劇をお前自身が経験したやろ?』
決して忘れる事のできない悲劇。
あのおぞましい事件は一生僕の記憶に残り続けるだろう。
『お前らがいくら頑張っても俺らには勝てへんで。ジョーカーズだけやない。聖騎士団にクローン兵士に魔獣がこっちにはおる。それでも俺らと戦うつもりか?』
『覚悟ならとっくにできてるさ』
『………それを聞いて安心したわ。精々頑張ってくれやクルス』
△▼△▼△▼
「今のままじゃ勝てないだろうな」
今の戦力ではこちらが負ける確率が高い。
ショウやなのは達がいてもセフィリア達やクロード達がいてもそれは変わらない。
戦力もだがまだ皆には強くなってもらわないと困る。
「……まだ死ぬ訳にはいかないしな」
自分の身体に刻まれた黒いタトゥーを見つめるクルス。
まだ時間は残っている。
自分の目的の為にもこんな所で死ぬ訳にはいかない。
「さて……」
温泉から出て部屋に戻るかとクルスが出ようとした瞬間、
「見つけたよクルス!」
「フェイトちゃん、クルス君はいましたか?」
「クルスとお風呂は初めて」
「は、恥ずかしい!」
「……………えっ!?」
脱衣場の扉が開いてそこからフェイト達が身体にタオルを巻いて入ってきたのだ。
「ななな、何をしているんだい皆!?」
さすがのクルスも動揺してフェイト達を見ないように背を向けていた。
ちなみにタトゥーは見えないように認識害魔法をかけている。
フェイト達は頬を赤く染めながらゆっくりと温泉に入ってくる。
四人とも恥ずかしそうにクルスに近寄ると、
「クルスを待ってたのに部屋に来ないから」
「心宿さんに聞いたら温泉だと教えてくれたので」
フェイトと楓がクルスに近付き二人は寄り添うように引っ付く。
タオル越しとはいえ二人の身体の感触にクルスは顔を赤くした。
心宿め、今ごろいい仕事したと他のメンバーに伝えているだろうな。
後で覚えておけよ心宿。
「私達ももう一回温泉に入りたかったから」
「ついでに一緒に入ろうってなったの」
イヴがクルスの正面に来て背中を向けて寄り掛かり、レナはクルスの背中にそっと触れるように抱きついていた。
美少女四人に引っ付かれてクルスはもはや固まるしかない。
「クルス…」
「どうかした?」
どうにか冷静にならないと稟やハヤテやショウのように狼になってしまう。
※まだ三人は理性のリミッターは外れていません。
「クルスのドキドキが凄く聞こえてくる」
イヴの言葉にクルスは恥ずかしそうに視線をそらす。
この状態で冷静になんか出来る訳ないだろう。
もうギリギリの理性なんだけど、
「クルス、私ね恥ずかしいけど今幸せだよ」
頬を赤く染めるフェイトは幸せそうに微笑む。
それはフェイトだけじゃなく楓もイヴもレナも同じなのか三人も微笑んでいた。
「……そうだね」
星空に視線を向けながらクルスは小さく呟く。
願わくばこの日常が続いてくれればいい。
今の僕が願うのはそれだけだ。
次回予告
ショウ
「シアとネリネの秘密を知った##NAME2##…」
稟
「そして俺達を狙う影が少しずつ迫っていた…」
樹
「ついに激しい戦いが始まる」
ハヤテ
「そして――その戦いで現れた人物達は?」
クルス
「次回S.H.D.C.――
第七話――
【赤き扇と剣】」
?
「いきなり呼び出して…お前は」
?
「別に………が来たから私も来たんじゃないからね!」
神頼みするはやての後ろで神王がくしゃみをしていたのは余談である。
『王様だぁーれ?』
「やっとや!やっと私が王様やーー!!」
はやては嬉しそうに割り箸を掲げている。
余程嬉しかったのか、はやては満面の笑みを浮かべている。
「いくで…!1番が王様を抱き締めて耳元で…【愛してるはやて】って言う!」
はやての視線の先にはショウがいてショウは自分の番号を確認すると、
「お前の執念はもはや神クラスだ」
ショウの割り箸は1番だった。
「よっしゃぁぁぁー!」
はやてはすぐにショウの横に来るとワクワクしながら待っていると、ショウは呆れた表情でギュッとはやてを抱き寄せる。
「愛してるはやて」
耳元で愛おしそうに呟くととはやては、
「アカン!幸せすぎる」
そう言いながら気絶してしまった。
「んじゃ、これで終わるか?」
『えぇ~!』
どうやらまだ不満な人達がいたようで、ブーイングしている。
「もう時間も遅いし明日も朝から遊ぶなら寝た方がいいんじゃない?」
明日は近くの遊園地で遊ぶって話してたしね。
それにセフィリアやベルゼーやリンディさん達はいつの間にかいなくなってるし。
心宿にアイコンタクト送ったら他のメンバーを呼んで片付けを始めてくれたしね。
「クルス…」
「どうかしたシグナム?」
「温泉は入っても大丈夫なのか?」
「あぁ、温泉なら入れるけど?」
シグナムはその言葉を聞いてザフィーラ以外のヴォルケンリッターを連れて温泉に向かう。
どうやら王様ゲームで冷や汗を流したようで温泉で汗を流したいようだ。
「じゃあ自由行動にでもする?」
この時間帯ならゲーセンや映画もやってるしね。
クルスの視線がショウの方に向くと、
「わりぃけど俺は寝るわ。ちょっと疲れたしな」
「…だな」
「お嬢様も眠っちゃいましたからね」
稟は欠伸をしてハヤテはナギをお姫様抱っこをして立ち上がっていた。
寝る組や遊ぶ組で別れているようで僕はどうしようかな?
温泉にでも入りに行こうかなーとクルスが考えていると、
「じゃあ部屋に戻ろっか」
「そうですね」
亜沙とヒナギクが部屋に戻るかと苦笑しながら告げて、皆もそれに続くようにそれぞれの部屋に戻る事にしたようだ。
ちなみに―――
「樹、生きてるか?」
「……………」
「まるで屍のようだ…」
樹やジェノスは王様ゲームでダメージを受けて気絶してしまった。
△▼△▼△▼
~土帝の間~
部屋に戻った稟はベッドに横になると稟を中心にシアとネリネとカレハが抱きついた形で寝ていた。
先程まで眠たかったはずの稟だったが、
(煩悩!煩悩!煩悩!煩悩!煩悩!煩悩!)
眠気が一気になくなり理性と戦うはめになる。
(右にシアで左にネリネで上にカレハ先輩………耐えろ!耐えろ!俺!)
稟の徹夜が決定した瞬間である。
△▼△▼△▼
~風帝の間~
稟と同様にハヤテも徹夜が決定して理性と戦っていた。
しかもハヤテは心宿の策略により部屋が広くなり、
(右がヒナギクさんで左に西沢さんで上にお嬢様で右足に伊澄さんで左足に瀬川さん)
理沙と美希の二人は部屋が変わりハヤテの部屋ではハヤテとラバーズが一緒になっていたのだ。
しかもたまに―――
「んっ!ハヤテ君…」
「ハヤテ~」
ヒナギクやナギの声が聞こえて危うく理性が飛びそうになっていたらしい。
△▼△▼△▼
~炎帝の間~
そしてショウは――
(落ち着け俺!理性を保つんだ。負けるな!)
こちらも稟とハヤテ同様に理性との戦いをしていた。
「ショウく~ん」
「ショウちゃ~ん」
まずショウの左右になのはと亜沙がいて、二人の顔が物凄く至近距離ありショウの腕をガッチリ抱き締めていた。
さらに―――
「ショウ…」
「幸せや~」
咲夜とはやてが両足にしがみついて眠っていたのだ。
皆の表情は本当に幸せそうでショウも溜め息を吐きながらも笑っていた。
(まっ!いいか)
ショウはゆっくり目を閉じて皆と眠り始めていく。
どうやら理性よりも睡魔を優先したようだ。
他の二人と違いそこら辺の精神力は違ったショウである。
そして皆が寝静まった頃クルスは一人温泉に入っていた。
シグナム達は先に温泉から出て今は女性側の方にも誰もいない状態でクルスは貸し切りで温泉に入っている。
クルスの視線は星空に向きクルスは浜辺で睨み合いをしていた恭介との会話を思い返していた。
△▼△▼△▼
『お前は知ってるんか?神王と魔王の子供に二つの魂が存在しとるの?』
シアとネリネの身体にはもう一つの魂が存在している………か。
確かに二人と会った時に違和感は感じていたが、
『お前にはもう引き返せる道はあらへん。楽園大戦以上の悲劇をお前自身が経験したやろ?』
決して忘れる事のできない悲劇。
あのおぞましい事件は一生僕の記憶に残り続けるだろう。
『お前らがいくら頑張っても俺らには勝てへんで。ジョーカーズだけやない。聖騎士団にクローン兵士に魔獣がこっちにはおる。それでも俺らと戦うつもりか?』
『覚悟ならとっくにできてるさ』
『………それを聞いて安心したわ。精々頑張ってくれやクルス』
△▼△▼△▼
「今のままじゃ勝てないだろうな」
今の戦力ではこちらが負ける確率が高い。
ショウやなのは達がいてもセフィリア達やクロード達がいてもそれは変わらない。
戦力もだがまだ皆には強くなってもらわないと困る。
「……まだ死ぬ訳にはいかないしな」
自分の身体に刻まれた黒いタトゥーを見つめるクルス。
まだ時間は残っている。
自分の目的の為にもこんな所で死ぬ訳にはいかない。
「さて……」
温泉から出て部屋に戻るかとクルスが出ようとした瞬間、
「見つけたよクルス!」
「フェイトちゃん、クルス君はいましたか?」
「クルスとお風呂は初めて」
「は、恥ずかしい!」
「……………えっ!?」
脱衣場の扉が開いてそこからフェイト達が身体にタオルを巻いて入ってきたのだ。
「ななな、何をしているんだい皆!?」
さすがのクルスも動揺してフェイト達を見ないように背を向けていた。
ちなみにタトゥーは見えないように認識害魔法をかけている。
フェイト達は頬を赤く染めながらゆっくりと温泉に入ってくる。
四人とも恥ずかしそうにクルスに近寄ると、
「クルスを待ってたのに部屋に来ないから」
「心宿さんに聞いたら温泉だと教えてくれたので」
フェイトと楓がクルスに近付き二人は寄り添うように引っ付く。
タオル越しとはいえ二人の身体の感触にクルスは顔を赤くした。
心宿め、今ごろいい仕事したと他のメンバーに伝えているだろうな。
後で覚えておけよ心宿。
「私達ももう一回温泉に入りたかったから」
「ついでに一緒に入ろうってなったの」
イヴがクルスの正面に来て背中を向けて寄り掛かり、レナはクルスの背中にそっと触れるように抱きついていた。
美少女四人に引っ付かれてクルスはもはや固まるしかない。
「クルス…」
「どうかした?」
どうにか冷静にならないと稟やハヤテやショウのように狼になってしまう。
※まだ三人は理性のリミッターは外れていません。
「クルスのドキドキが凄く聞こえてくる」
イヴの言葉にクルスは恥ずかしそうに視線をそらす。
この状態で冷静になんか出来る訳ないだろう。
もうギリギリの理性なんだけど、
「クルス、私ね恥ずかしいけど今幸せだよ」
頬を赤く染めるフェイトは幸せそうに微笑む。
それはフェイトだけじゃなく楓もイヴもレナも同じなのか三人も微笑んでいた。
「……そうだね」
星空に視線を向けながらクルスは小さく呟く。
願わくばこの日常が続いてくれればいい。
今の僕が願うのはそれだけだ。
次回予告
ショウ
「シアとネリネの秘密を知った##NAME2##…」
稟
「そして俺達を狙う影が少しずつ迫っていた…」
樹
「ついに激しい戦いが始まる」
ハヤテ
「そして――その戦いで現れた人物達は?」
クルス
「次回S.H.D.C.――
第七話――
【赤き扇と剣】」
?
「いきなり呼び出して…お前は」
?
「別に………が来たから私も来たんじゃないからね!」