決戦!光陽海鳴町(後編)
突如、空から降り注いだ大量の光の雨。
それは魔法陣を守護していた魔獣はもちろん、##NAME1##に迫っていた短剣をも全て跡形もなく消滅させていた。
その魔法を使った人物はショウとクロノに背を向けていたが、その人物の背中に雰囲気にたまらずショウは口を開いていた。
「クルス、本当にクルスなんだよな!」
「遅くなってごめんねショウ。でも間に合ってよかったよ」
「クルス…」
ショウとクロノの前に現れた青年は、蒼い翼をゆっくりと羽ばたかせ二人の方に振り返り微笑んでいた。
その青年を目にし二人はうっすらと涙を浮かべる。
二人の前に現れた青年は間違いなく自分達の親友で、ロンド・ラグナで自分達を助ける為に命を落としたはずのクルスだったからだ。
「クルス…」
「クロノ、詳しい話は後だよ。キミは魔法陣にいる雅の方を頼む。剣と恭介は僕とショウで相手をするから」
「分かった!」
クロノは真剣な表情で頷くと魔法陣の方に向かうが、その進行を槍を手にしていた剣が立ち塞がる。
しかし---
「ツイン・アブソリュート・バースト!」
「…チッ!」
クルスの持つ双銃から放たれた氷結魔法が剣に直撃して、剣は咄嗟にプロテクションで受け止めたもののクロノを止める事が出来ず舌打ちをする。
クロノ・ハラオウンが雅を捕らえるのは時間の問題だ。
だとしたらこの戦いはこちらが不利になる。
どうする!どうすんだよ恭介!
「…恭介!こうなったら雅だけでも囮にして…」
剣はこのままではヤバいと思い隣にいた恭介に声を掛けたが、恭介の顔を見て言葉を止めてしまう。
恭介は先程までショウを殺そうとしたあの時まで笑っていたのだ。
なのに今は剣が見たことがないほど動揺して目を見開いていた。
しかも---
「なっ、何でお前がここに現れたんや!何でやねん!」
恭介はいまだに信じられなかったのだ。
あの男…クルスはロンド・ラグナで死んだはず。
自分はそれを目にしていたし、生きているなんて考えもしなかった。
何故こいつは生きている?
何故こいつが俺の目の前にいて笑っている?
「恭介!どうするんだよ!」
「……」
「おいっ!恭介!」
剣は恭介の肩を揺さぶり必死に恭介に呼び掛ける。
その剣の声に揺さぶりに恭介は我に返ると、目を細めて視線をクルスに向けて口を開く。
「何でお前が生きてんねん。お前はロンド・ラグナで死んだはずやろ」
「僕だってあそこで死ぬつもりだったさ。けど死ねなかった。この戦いを終わらせる為には僕とショウのデバイスがカギだと教えられたからね。だから死ぬわけにはいかなかった」
僕を助けたあの男はクレープを口にしながらそう僕に伝えて、僕をロンド・ラグナの洞窟から救ってくれた。
そして僕は急いでこの世界に戻ってきたのだ。
本当に間に合ってよかったよ。
「ふざけんなや」
恭介は殺意を込めたように手に持つ剣をクルスめがけて降り下ろすと、剣はまるで鞭のように伸びてクルスの体に触れる。
その瞬間、激しい爆発を起こしてクルスは顔を歪めるが、その降り下ろされた鞭を手で掴み無理やり引きちぎり両手に双銃を握る。
「死ぬつもりやったんならそのまま死んどけや。死にたがりが生きて、何で死にたくなかったやつらが死ぬんや。何で……」
恭介は一度深く息を吐いて顔を雪が降る空に向ける。
とんだ皮肉めいた神様もいたもんや。
こいつが生きてて、何でアイツらがあんな目に合うんや。
「やったら…」
自分は自分のやりたいようにやらせてもらう。
ここでクルスと決着をつける。
「……剣」
「何だよ?」
「俺のわがまま聞いてもらうで。えぇやろ?」
恭介は己のデバイスをリカバリーして強く握り締める。
恭介の真剣な表情と言葉に剣は、一度溜め息を吐いてやれやれと呟く。
「仕方ねぇな。お前一人で戦わせる訳にはいかないよな」
一度逃げようとしたが剣は槍の先をショウに向け恭介は殺意のこもった瞳でクルスを見つめショウは、ただ真っ直ぐにその殺意を受け止めるように見つめ返すだけ。
「ショウ、いくよ」
「あぁ。俺とお前ならどんな敵だって負けない!だからクルス」
ショウは拳をクルスに向けて、クルスは苦笑しながらも拳をぶつけ二人は頷きあう。
~フェイトside~
なのはとはやてと一緒にショウとクロノが戦っている海上に私達は向かっていた。
大量の魔獣が私達の前に現れたけど、なのはやはやてのおかげですぐに二人の近くまで来ることはできた。
ジョーカーズの毒帝と協力者の二人と対峙しているショウとクロノの二人を見つけすぐにでも援護しようとしたけどそこにいた協力者の一人が召喚した魔獣のせいで進めなかった。
「あかんで、このままやとショウ君とクロノ君の方に行かれへん」
「あと少しなのに」
はやてとなのはが顔を歪め魔獣を殲滅し私もハーケンセイバーで魔獣を切り裂くがそれでも魔獣の数は減らない。
「やっぱりあの召喚している女性を先に拘束するしかない」
「そやけど、あの召喚者はジョーカーズの後ろにいてる。どうやってあそこに行くか」
なのはのレイジングハートから放たれたディバイン・バスターで魔獣は消滅したが、前に進めた訳じゃない。
こうなったら―――
「クルスの力をもう一度…」
氷帝のボルキアとの戦いで使った、クルスの力を使えばこの状況をなんとかできるかもしれない。
そう私が目を閉じようとした時だった、
「「ショウ君!!」」
なのはとはやての悲鳴に近い声が耳に届く。
一体何が起こったのかと顔をショウの方に向けて、目を見開いてしまう。
ショウの心臓を狙うように短剣が投げられ、それが吸い込まれるようにショウに向かっていた。
(ダメ!間に合わない!)
なのはやはやてだけじゃない。
私も戦っているクロノも目を見開いていたその瞬間―――
『降り注げ!シャイニング・レイン!』
空から大量の光の雨が降り注ぎ、ショウに迫る短剣だけではなく周りにいた魔獣を全て消滅させただけじゃなく。
「…嘘」
空から一人の青年がショウとクロノを守るように現れたのだ。
嘘…となのはとはやてが目を丸くしていた。
だってそこに現れたのは、皆を守るために死んだと思われていた人。
でも私は私だけは信じていたよ。
「……クルス!」
振り返ったクルスの顔を見て私は涙が止まらなくなった。
「フェイトちゃん!はやてちゃん!」
なのはもクルスの姿を見て泣いているのか声が震えていた。
はやては逆に安心したように笑っていたけど……
何か想像してたリアクションと違うような。
もしかしてはやてはクルスが生きてること知ってた?
まさかね……
「クルス君が来てくれたならもう大丈夫やな。私らは今のうちにクロノ君の所に行こか」
はやての言葉に頷き、私達はクロノの元に向かう。
早くこの戦いを終わらせてクルスと話をしたい。
私がユリナさんに捕まってから今までの事を。
―――――
「紅蓮一閃!」
「……ッチ!」
ショウの放った一撃は剣の体を切り裂きその一撃でダメージを喰らった剣は顔を歪めてしまう。
先程までのショウの動きとは比べ物にならない。
これがフューチャーが揃った時の力かよ!
(どうする?このままだとやられる。……恭介の野郎はクルスと戦ってて援護は期待できねぇ)
舌打ちしながら剣はチラリと恭介の方に目を向ける。
恭介はクルスのシャインスフィアを鞭で消滅させるが、クルスはその隙に恭介の懐に入り込み至近距離からツイン・アブソリュート・バーストを放ち恭介に確実にダメージを与えていた。
「よそ見してていいのか?」
「よそ見するぐらい余裕なんだよ。もっと楽しませろよ管理局」
槍を天に掲げてその槍の先端に魔力が込める。
その先端から感じる魔力にショウはギュッと剣を握る力を強くする。
おそらく強力な一撃がくるとショウが構えていたその次の瞬間、
「ショウ!下がって!」
「クルス!」
クルスの声にすぐに後方に下がった瞬間、まるで狙ったように恭介と剣が並びその二人を光の砲撃が呑み込んでいく。
その一撃を放った本人はゆっくりとショウの隣に並び息を吐きながら、光に呑み込まれた恭介と剣の方をただジッと見つめる。
「やったと思うか?」
「手応えはあった。だけど……」
そう口にしながらもクルスは銃口を向けたまま前を見つめる。
そして煙が消えてショウとクルスの目に入ったのは、バリアジャケットがボロボロで額や腕から血を流していた恭介と剣の姿だった。
それは魔法陣を守護していた魔獣はもちろん、##NAME1##に迫っていた短剣をも全て跡形もなく消滅させていた。
その魔法を使った人物はショウとクロノに背を向けていたが、その人物の背中に雰囲気にたまらずショウは口を開いていた。
「クルス、本当にクルスなんだよな!」
「遅くなってごめんねショウ。でも間に合ってよかったよ」
「クルス…」
ショウとクロノの前に現れた青年は、蒼い翼をゆっくりと羽ばたかせ二人の方に振り返り微笑んでいた。
その青年を目にし二人はうっすらと涙を浮かべる。
二人の前に現れた青年は間違いなく自分達の親友で、ロンド・ラグナで自分達を助ける為に命を落としたはずのクルスだったからだ。
「クルス…」
「クロノ、詳しい話は後だよ。キミは魔法陣にいる雅の方を頼む。剣と恭介は僕とショウで相手をするから」
「分かった!」
クロノは真剣な表情で頷くと魔法陣の方に向かうが、その進行を槍を手にしていた剣が立ち塞がる。
しかし---
「ツイン・アブソリュート・バースト!」
「…チッ!」
クルスの持つ双銃から放たれた氷結魔法が剣に直撃して、剣は咄嗟にプロテクションで受け止めたもののクロノを止める事が出来ず舌打ちをする。
クロノ・ハラオウンが雅を捕らえるのは時間の問題だ。
だとしたらこの戦いはこちらが不利になる。
どうする!どうすんだよ恭介!
「…恭介!こうなったら雅だけでも囮にして…」
剣はこのままではヤバいと思い隣にいた恭介に声を掛けたが、恭介の顔を見て言葉を止めてしまう。
恭介は先程までショウを殺そうとしたあの時まで笑っていたのだ。
なのに今は剣が見たことがないほど動揺して目を見開いていた。
しかも---
「なっ、何でお前がここに現れたんや!何でやねん!」
恭介はいまだに信じられなかったのだ。
あの男…クルスはロンド・ラグナで死んだはず。
自分はそれを目にしていたし、生きているなんて考えもしなかった。
何故こいつは生きている?
何故こいつが俺の目の前にいて笑っている?
「恭介!どうするんだよ!」
「……」
「おいっ!恭介!」
剣は恭介の肩を揺さぶり必死に恭介に呼び掛ける。
その剣の声に揺さぶりに恭介は我に返ると、目を細めて視線をクルスに向けて口を開く。
「何でお前が生きてんねん。お前はロンド・ラグナで死んだはずやろ」
「僕だってあそこで死ぬつもりだったさ。けど死ねなかった。この戦いを終わらせる為には僕とショウのデバイスがカギだと教えられたからね。だから死ぬわけにはいかなかった」
僕を助けたあの男はクレープを口にしながらそう僕に伝えて、僕をロンド・ラグナの洞窟から救ってくれた。
そして僕は急いでこの世界に戻ってきたのだ。
本当に間に合ってよかったよ。
「ふざけんなや」
恭介は殺意を込めたように手に持つ剣をクルスめがけて降り下ろすと、剣はまるで鞭のように伸びてクルスの体に触れる。
その瞬間、激しい爆発を起こしてクルスは顔を歪めるが、その降り下ろされた鞭を手で掴み無理やり引きちぎり両手に双銃を握る。
「死ぬつもりやったんならそのまま死んどけや。死にたがりが生きて、何で死にたくなかったやつらが死ぬんや。何で……」
恭介は一度深く息を吐いて顔を雪が降る空に向ける。
とんだ皮肉めいた神様もいたもんや。
こいつが生きてて、何でアイツらがあんな目に合うんや。
「やったら…」
自分は自分のやりたいようにやらせてもらう。
ここでクルスと決着をつける。
「……剣」
「何だよ?」
「俺のわがまま聞いてもらうで。えぇやろ?」
恭介は己のデバイスをリカバリーして強く握り締める。
恭介の真剣な表情と言葉に剣は、一度溜め息を吐いてやれやれと呟く。
「仕方ねぇな。お前一人で戦わせる訳にはいかないよな」
一度逃げようとしたが剣は槍の先をショウに向け恭介は殺意のこもった瞳でクルスを見つめショウは、ただ真っ直ぐにその殺意を受け止めるように見つめ返すだけ。
「ショウ、いくよ」
「あぁ。俺とお前ならどんな敵だって負けない!だからクルス」
ショウは拳をクルスに向けて、クルスは苦笑しながらも拳をぶつけ二人は頷きあう。
~フェイトside~
なのはとはやてと一緒にショウとクロノが戦っている海上に私達は向かっていた。
大量の魔獣が私達の前に現れたけど、なのはやはやてのおかげですぐに二人の近くまで来ることはできた。
ジョーカーズの毒帝と協力者の二人と対峙しているショウとクロノの二人を見つけすぐにでも援護しようとしたけどそこにいた協力者の一人が召喚した魔獣のせいで進めなかった。
「あかんで、このままやとショウ君とクロノ君の方に行かれへん」
「あと少しなのに」
はやてとなのはが顔を歪め魔獣を殲滅し私もハーケンセイバーで魔獣を切り裂くがそれでも魔獣の数は減らない。
「やっぱりあの召喚している女性を先に拘束するしかない」
「そやけど、あの召喚者はジョーカーズの後ろにいてる。どうやってあそこに行くか」
なのはのレイジングハートから放たれたディバイン・バスターで魔獣は消滅したが、前に進めた訳じゃない。
こうなったら―――
「クルスの力をもう一度…」
氷帝のボルキアとの戦いで使った、クルスの力を使えばこの状況をなんとかできるかもしれない。
そう私が目を閉じようとした時だった、
「「ショウ君!!」」
なのはとはやての悲鳴に近い声が耳に届く。
一体何が起こったのかと顔をショウの方に向けて、目を見開いてしまう。
ショウの心臓を狙うように短剣が投げられ、それが吸い込まれるようにショウに向かっていた。
(ダメ!間に合わない!)
なのはやはやてだけじゃない。
私も戦っているクロノも目を見開いていたその瞬間―――
『降り注げ!シャイニング・レイン!』
空から大量の光の雨が降り注ぎ、ショウに迫る短剣だけではなく周りにいた魔獣を全て消滅させただけじゃなく。
「…嘘」
空から一人の青年がショウとクロノを守るように現れたのだ。
嘘…となのはとはやてが目を丸くしていた。
だってそこに現れたのは、皆を守るために死んだと思われていた人。
でも私は私だけは信じていたよ。
「……クルス!」
振り返ったクルスの顔を見て私は涙が止まらなくなった。
「フェイトちゃん!はやてちゃん!」
なのはもクルスの姿を見て泣いているのか声が震えていた。
はやては逆に安心したように笑っていたけど……
何か想像してたリアクションと違うような。
もしかしてはやてはクルスが生きてること知ってた?
まさかね……
「クルス君が来てくれたならもう大丈夫やな。私らは今のうちにクロノ君の所に行こか」
はやての言葉に頷き、私達はクロノの元に向かう。
早くこの戦いを終わらせてクルスと話をしたい。
私がユリナさんに捕まってから今までの事を。
―――――
「紅蓮一閃!」
「……ッチ!」
ショウの放った一撃は剣の体を切り裂きその一撃でダメージを喰らった剣は顔を歪めてしまう。
先程までのショウの動きとは比べ物にならない。
これがフューチャーが揃った時の力かよ!
(どうする?このままだとやられる。……恭介の野郎はクルスと戦ってて援護は期待できねぇ)
舌打ちしながら剣はチラリと恭介の方に目を向ける。
恭介はクルスのシャインスフィアを鞭で消滅させるが、クルスはその隙に恭介の懐に入り込み至近距離からツイン・アブソリュート・バーストを放ち恭介に確実にダメージを与えていた。
「よそ見してていいのか?」
「よそ見するぐらい余裕なんだよ。もっと楽しませろよ管理局」
槍を天に掲げてその槍の先端に魔力が込める。
その先端から感じる魔力にショウはギュッと剣を握る力を強くする。
おそらく強力な一撃がくるとショウが構えていたその次の瞬間、
「ショウ!下がって!」
「クルス!」
クルスの声にすぐに後方に下がった瞬間、まるで狙ったように恭介と剣が並びその二人を光の砲撃が呑み込んでいく。
その一撃を放った本人はゆっくりとショウの隣に並び息を吐きながら、光に呑み込まれた恭介と剣の方をただジッと見つめる。
「やったと思うか?」
「手応えはあった。だけど……」
そう口にしながらもクルスは銃口を向けたまま前を見つめる。
そして煙が消えてショウとクルスの目に入ったのは、バリアジャケットがボロボロで額や腕から血を流していた恭介と剣の姿だった。