聖夜の奇跡
「それでも戦うんか?」
「当たり前だ。俺達は大切な人達がいる世界を守りたいんだ。たとえ勝てなくてもただ死を待つなんてできるかよ」
「そうかい。それやったら―――今死ねや」
背筋が凍るような殺気を出し恭介は大型の魔獣三体をショウの方に向かわせる。
三体が口から巨大な砲撃を放ちショウはプロテクションで受け止めるが、それを恭介が鞭で砕き無防備になったショウに一体の魔獣が砲撃を放ちショウは剣で受け止めたもののその衝撃で吹き飛んでしまう。
「ショウ!」
「どこ見てんだよ!」
クロノがショウの元に向かおうとするが剣はクロノの前に立ち塞がり槍でクロノを突いていく。
舌打ちをし槍を受け止めるクロノは動く事ができない。
「くっ!」
吹き飛ばされ体勢を整えるショウに魔獣が迫り、ショウは剣で切り裂いて魔獣を消滅させるが魔獣は消滅する直前に自爆しショウの視界を遮ってしまう。
「これで終わりやな」
「……ッ!?」
ショウの耳に届いた恭介の冷たい声。
その声の先を確認したショウの前に迫る恭介のもう一つのデバイスである紫色に染まる刺の短剣。
心臓を狙っている一撃を防ぐにはプロテクションしかないが、今ここでプロテクションを使ったとしてもおそらく間に合わない。
『マスター!』
フローラの声がショウにはやけにゆっくりと聞こえる。
これが自分の死なのかとショウの脳裏になのは達の笑顔がよぎり短剣がショウの心臓に刺さろうとした次の瞬間、
『降り注げ、シャインニングレイン!』
ショウに迫る短剣が空から降り注いだ光の雨により破壊され、さらに光の雨は魔法陣を守っていた魔獣全てを消滅させていく。
「なっ!?」
「何やと!まっ、待てや!今のはまさか…」
その光の雨に剣と恭介は目を丸くする。
今のは自分達の記憶通りならあの男が使っていた魔法ではないか。
もしそうならありえない。
何故ならあの男はロンド・ラグナで死んだはずだ。
「まさか…!」
ショウはその光の雨にハッと我に返り空を見上げた。
すると次の瞬間、空から蒼い翼を広げて一人の男が現れたのだ。
その男は蒼い翼を広げ両手に握った双銃で剣と恭介に砲撃魔法を放ちクロノとショウから引き離し二人を守るように目の前に降り立つ。
「……クルス?」
ショウの声が掠れる。
目の前に現れた男は本当にクルスなのかと。
本当は幻でクルスに似た誰かではないかと。
でもこの魔力にこの雰囲気は自分が知る中で一人しかいない。
「……クルスなんだよな!」
ショウの悲痛に近い声に目の前の人物はゆっくり振り返り柔らかな笑みを浮かべて口を開いた。
「遅くなってごめんね」
間違いなかった。
目の前に現れた男は正真正銘のクルスだ。
ロンド・ラグナで俺達を最後に助けてくれた親友だ。
「クルス!」
「間に合ってよかったよショウ」
蒼い翼を広げ微笑むクルスの姿にショウは涙を流し、クロノもまたクルスの姿に小さく『…バカ野郎』と呟いて涙を浮かべていた。
次回予告
フェイト
「私の大好きな人クルス・アサヅキ。
皆が死んだと思っていても私は信じてた。
だから私が目にした光景は夢なんかじゃなく現実。
クルス、もう絶対に離さない。
次回S.H.D.C.
第四十八話
『決戦!光陽海鳴町!後編』にドライブイグニッション!」
「当たり前だ。俺達は大切な人達がいる世界を守りたいんだ。たとえ勝てなくてもただ死を待つなんてできるかよ」
「そうかい。それやったら―――今死ねや」
背筋が凍るような殺気を出し恭介は大型の魔獣三体をショウの方に向かわせる。
三体が口から巨大な砲撃を放ちショウはプロテクションで受け止めるが、それを恭介が鞭で砕き無防備になったショウに一体の魔獣が砲撃を放ちショウは剣で受け止めたもののその衝撃で吹き飛んでしまう。
「ショウ!」
「どこ見てんだよ!」
クロノがショウの元に向かおうとするが剣はクロノの前に立ち塞がり槍でクロノを突いていく。
舌打ちをし槍を受け止めるクロノは動く事ができない。
「くっ!」
吹き飛ばされ体勢を整えるショウに魔獣が迫り、ショウは剣で切り裂いて魔獣を消滅させるが魔獣は消滅する直前に自爆しショウの視界を遮ってしまう。
「これで終わりやな」
「……ッ!?」
ショウの耳に届いた恭介の冷たい声。
その声の先を確認したショウの前に迫る恭介のもう一つのデバイスである紫色に染まる刺の短剣。
心臓を狙っている一撃を防ぐにはプロテクションしかないが、今ここでプロテクションを使ったとしてもおそらく間に合わない。
『マスター!』
フローラの声がショウにはやけにゆっくりと聞こえる。
これが自分の死なのかとショウの脳裏になのは達の笑顔がよぎり短剣がショウの心臓に刺さろうとした次の瞬間、
『降り注げ、シャインニングレイン!』
ショウに迫る短剣が空から降り注いだ光の雨により破壊され、さらに光の雨は魔法陣を守っていた魔獣全てを消滅させていく。
「なっ!?」
「何やと!まっ、待てや!今のはまさか…」
その光の雨に剣と恭介は目を丸くする。
今のは自分達の記憶通りならあの男が使っていた魔法ではないか。
もしそうならありえない。
何故ならあの男はロンド・ラグナで死んだはずだ。
「まさか…!」
ショウはその光の雨にハッと我に返り空を見上げた。
すると次の瞬間、空から蒼い翼を広げて一人の男が現れたのだ。
その男は蒼い翼を広げ両手に握った双銃で剣と恭介に砲撃魔法を放ちクロノとショウから引き離し二人を守るように目の前に降り立つ。
「……クルス?」
ショウの声が掠れる。
目の前に現れた男は本当にクルスなのかと。
本当は幻でクルスに似た誰かではないかと。
でもこの魔力にこの雰囲気は自分が知る中で一人しかいない。
「……クルスなんだよな!」
ショウの悲痛に近い声に目の前の人物はゆっくり振り返り柔らかな笑みを浮かべて口を開いた。
「遅くなってごめんね」
間違いなかった。
目の前に現れた男は正真正銘のクルスだ。
ロンド・ラグナで俺達を最後に助けてくれた親友だ。
「クルス!」
「間に合ってよかったよショウ」
蒼い翼を広げ微笑むクルスの姿にショウは涙を流し、クロノもまたクルスの姿に小さく『…バカ野郎』と呟いて涙を浮かべていた。
次回予告
フェイト
「私の大好きな人クルス・アサヅキ。
皆が死んだと思っていても私は信じてた。
だから私が目にした光景は夢なんかじゃなく現実。
クルス、もう絶対に離さない。
次回S.H.D.C.
第四十八話
『決戦!光陽海鳴町!後編』にドライブイグニッション!」