VSサカキ(後編)
サトシVSサカキの最後の一体となるバトル。
ピカチュウVSスピアーのエース対決はすでに一時間を過ぎて、サトシもサカキも額から汗を流しながら自分のポケモンに指示を出していた。
「ピカチュウ!10万ボルト!」
「スピアー、こうそくいどうからのダブルニードルだ」
ピカチュウの電撃を高速で交わしたスピアーは二本のハリを、ピカチュウに突きさしダメージを与えるとピカチュウは地面に転がり苦しそうな声を上げる。
このバトル中ピカチュウはすでに、ダブルニードルを喰らい続けてかなりダメージを負っておりふらふらの状態だ。
それでも倒れないのはサトシの夢を守るため。
その為ならピカチュウはいつだって戦える。
「私のスピアーを相手によくここまで戦えたものだ」
サカキはいまだに自分と対峙しているサトシを嬉しそうに見つめていた。
サトシはすでにワタルやダイゴを越えている。
ワタルのカイリューもダイゴのメタグロスもピカチュウほどダブルニードルを喰らわず戦闘不能となったのだ。
サトシのピカチュウもサトシもかなり強くなったのだな。
「負けるものか。オレとピカチュウはもっと強くなるんだ!だから日本代表になるんだ!」
「……ピカッ!」
この時全ランカー達はふと直感してしまう。
根拠はないがランカー達一人一人は確かに反応していた。
自分達と同じ存在が小さくだが生まれたことに。
自分達しか辿り着けない領域に誰かが踏み込んできたと。
「…おいおい」
サトシVSサカキ戦を観戦していたライバルは少しだけ驚きながらサトシに目を向けていた。
あれはサカキから感じた力ではない。
あれはサトシという少年から感じた力だ。
まさかこんな代表決定戦で同じ力を持つトレーナーと会えるなんて嬉しい誤算である。
「…こいつはランカー達の順位変更もありえるか」
一位のオレと二位のアイツには関係ないが、三位からは荒れるだろうな。
何せあのサトシというトレーナーは今目覚めて成長していくのだから。
潜在能力だけなら三位と同じである。
こいつは楽しみだ。
「んっ、何を笑っているんだライバル?」
「なんもねーよ」
チフユの言葉にライバルはただ笑うのみ。
まるで新しい玩具を見つけた子供のように。
サトシとサカキがバトルしている状況を観戦していたセレナ達はギュッと手を握り締めてサトシを応援していた。
「サトシーー!」
「負けないでー!」
「私達がついてるわよー!」
セレナがハルカがヒカリが声を揃えて応援する。
サトシに勝ってほしいから。
サトシの日本代表を心から願っているから。
だから三人は声を上げる。
「サトシのやついい顔をするじゃないか」
「昔と比べて成長したよなサトシもピカチュウも」
「サトシさん」
Aブロックの戦いを見つめるタケシとリトとミカン。
タケシはサトシと付き合いも長くいろんなサトシの姿を目にしていた。
そしてサトシが日本代表の為にかなり修行したのも知っている。
昔と比べて本当に強くなったよなサトシ。
「さっくーん!」
「負けるなサトシ!お前ならサカキに勝てるぞ!修行の成果を見せてやれ!」
タバネもチフユもサトシを応援する。
それと同時にスタジアム内にサトシコールが響き渡り、負けじとサカキコールも上がるがサトシコールにかきけされてしまう。
「サトシ…!アナタ…!」
ハナコはただ手を握り締める。
大切な息子と大切な夫の本気のバトル。
どちらにも負けてほしくない。
だからハナコはどちらの応援もする。
どんな決着になろうとも全て受け入れるつもりなのだ。
「サカキ!これがオレとピカチュウの全力だ!」
「ピカッ!」
スタジアムの声に答えるようにサトシの体から蒼いオーラが放出し、ピカチュウの体からバチバチと雷光が発生してその現象にサカキは目を細める。
(この現象は――まさか『波導』か?)
やはりサトシはアーロンと同じ波導使いのようだ。
素晴らしいぞ我が息子よ。
それでこそ私の血を受け継ぐ者だサトシ。
「ピカチュウ、全ての力を込めてスピアーにボルテッカー!」
雷光を発生させたピカチュウがスピアーに向かい突進攻撃を仕掛けていくと、スピアーのトレーナーであるサカキは一度目を閉じて息を吐くとキッと鋭い目付きになりゆっくり口を開く。
「スピアー!はかいこうせんだ!」
スピアーの全力とも言えるはかいこうせんと、ピカチュウのボルテッカーがぶつかりフィールドが光に包み込まれていく。
サトシもサカキも光を腕で遮断して真っ直ぐフィールドに目を向け自分達の相棒を見つめている。
「ピカチュウ!」
「スピアー!」
この時サトシとサカキだけが気付く。
ピカチュウがはかいこうせんを喰らいながらもスピアーに接近している事に。
それは小さな一歩だが次第にスピアーに接近していくと、ピカチュウは大きな鳴き声と同時にスピアーに突進してスピアーはピカチュウのボルテッカーをもろに喰らって壁に向かって吹き飛んでしまう。
「スピアー!」
サカキの声にスピアーは立ち上がろうとするが、スピアーの体は限界だったようでゆっくりと意識を失いその体を地面に倒してしまう。
「スピアー戦闘不能!ピカチュウの勝ち!よってAブロック優勝はマサラタウンからの出場者サトシ選手です!これによりサトシ選手日本代表決定です!」
審判の志乃の言葉にスタジアム内は静まり返るが、一人の少女の声がスタジアム内を歓喜に包み込む。
「やったーー!!サトシがサトシが勝ったー!!」
セレナの声にハルカとヒカリも涙を浮かべながら喜んで、タケシやリトやミカンは笑顔で拍手していく。
まるでカーニバルのように盛り上がるスタジアム。
「私の負けだな」
「俺が勝ったのか?」
最初は信じられなかったサトシだったが、次第に自分の勝利を実感していくサトシの顔は喜びに染まる。
初めての優勝。
日本代表決定入り。
その事実にサトシはピカチュウを抱き上げ喜びの声を上げていく。
「やったぜーーー!!」
ピカチュウVSスピアーのエース対決はすでに一時間を過ぎて、サトシもサカキも額から汗を流しながら自分のポケモンに指示を出していた。
「ピカチュウ!10万ボルト!」
「スピアー、こうそくいどうからのダブルニードルだ」
ピカチュウの電撃を高速で交わしたスピアーは二本のハリを、ピカチュウに突きさしダメージを与えるとピカチュウは地面に転がり苦しそうな声を上げる。
このバトル中ピカチュウはすでに、ダブルニードルを喰らい続けてかなりダメージを負っておりふらふらの状態だ。
それでも倒れないのはサトシの夢を守るため。
その為ならピカチュウはいつだって戦える。
「私のスピアーを相手によくここまで戦えたものだ」
サカキはいまだに自分と対峙しているサトシを嬉しそうに見つめていた。
サトシはすでにワタルやダイゴを越えている。
ワタルのカイリューもダイゴのメタグロスもピカチュウほどダブルニードルを喰らわず戦闘不能となったのだ。
サトシのピカチュウもサトシもかなり強くなったのだな。
「負けるものか。オレとピカチュウはもっと強くなるんだ!だから日本代表になるんだ!」
「……ピカッ!」
この時全ランカー達はふと直感してしまう。
根拠はないがランカー達一人一人は確かに反応していた。
自分達と同じ存在が小さくだが生まれたことに。
自分達しか辿り着けない領域に誰かが踏み込んできたと。
「…おいおい」
サトシVSサカキ戦を観戦していたライバルは少しだけ驚きながらサトシに目を向けていた。
あれはサカキから感じた力ではない。
あれはサトシという少年から感じた力だ。
まさかこんな代表決定戦で同じ力を持つトレーナーと会えるなんて嬉しい誤算である。
「…こいつはランカー達の順位変更もありえるか」
一位のオレと二位のアイツには関係ないが、三位からは荒れるだろうな。
何せあのサトシというトレーナーは今目覚めて成長していくのだから。
潜在能力だけなら三位と同じである。
こいつは楽しみだ。
「んっ、何を笑っているんだライバル?」
「なんもねーよ」
チフユの言葉にライバルはただ笑うのみ。
まるで新しい玩具を見つけた子供のように。
サトシとサカキがバトルしている状況を観戦していたセレナ達はギュッと手を握り締めてサトシを応援していた。
「サトシーー!」
「負けないでー!」
「私達がついてるわよー!」
セレナがハルカがヒカリが声を揃えて応援する。
サトシに勝ってほしいから。
サトシの日本代表を心から願っているから。
だから三人は声を上げる。
「サトシのやついい顔をするじゃないか」
「昔と比べて成長したよなサトシもピカチュウも」
「サトシさん」
Aブロックの戦いを見つめるタケシとリトとミカン。
タケシはサトシと付き合いも長くいろんなサトシの姿を目にしていた。
そしてサトシが日本代表の為にかなり修行したのも知っている。
昔と比べて本当に強くなったよなサトシ。
「さっくーん!」
「負けるなサトシ!お前ならサカキに勝てるぞ!修行の成果を見せてやれ!」
タバネもチフユもサトシを応援する。
それと同時にスタジアム内にサトシコールが響き渡り、負けじとサカキコールも上がるがサトシコールにかきけされてしまう。
「サトシ…!アナタ…!」
ハナコはただ手を握り締める。
大切な息子と大切な夫の本気のバトル。
どちらにも負けてほしくない。
だからハナコはどちらの応援もする。
どんな決着になろうとも全て受け入れるつもりなのだ。
「サカキ!これがオレとピカチュウの全力だ!」
「ピカッ!」
スタジアムの声に答えるようにサトシの体から蒼いオーラが放出し、ピカチュウの体からバチバチと雷光が発生してその現象にサカキは目を細める。
(この現象は――まさか『波導』か?)
やはりサトシはアーロンと同じ波導使いのようだ。
素晴らしいぞ我が息子よ。
それでこそ私の血を受け継ぐ者だサトシ。
「ピカチュウ、全ての力を込めてスピアーにボルテッカー!」
雷光を発生させたピカチュウがスピアーに向かい突進攻撃を仕掛けていくと、スピアーのトレーナーであるサカキは一度目を閉じて息を吐くとキッと鋭い目付きになりゆっくり口を開く。
「スピアー!はかいこうせんだ!」
スピアーの全力とも言えるはかいこうせんと、ピカチュウのボルテッカーがぶつかりフィールドが光に包み込まれていく。
サトシもサカキも光を腕で遮断して真っ直ぐフィールドに目を向け自分達の相棒を見つめている。
「ピカチュウ!」
「スピアー!」
この時サトシとサカキだけが気付く。
ピカチュウがはかいこうせんを喰らいながらもスピアーに接近している事に。
それは小さな一歩だが次第にスピアーに接近していくと、ピカチュウは大きな鳴き声と同時にスピアーに突進してスピアーはピカチュウのボルテッカーをもろに喰らって壁に向かって吹き飛んでしまう。
「スピアー!」
サカキの声にスピアーは立ち上がろうとするが、スピアーの体は限界だったようでゆっくりと意識を失いその体を地面に倒してしまう。
「スピアー戦闘不能!ピカチュウの勝ち!よってAブロック優勝はマサラタウンからの出場者サトシ選手です!これによりサトシ選手日本代表決定です!」
審判の志乃の言葉にスタジアム内は静まり返るが、一人の少女の声がスタジアム内を歓喜に包み込む。
「やったーー!!サトシがサトシが勝ったー!!」
セレナの声にハルカとヒカリも涙を浮かべながら喜んで、タケシやリトやミカンは笑顔で拍手していく。
まるでカーニバルのように盛り上がるスタジアム。
「私の負けだな」
「俺が勝ったのか?」
最初は信じられなかったサトシだったが、次第に自分の勝利を実感していくサトシの顔は喜びに染まる。
初めての優勝。
日本代表決定入り。
その事実にサトシはピカチュウを抱き上げ喜びの声を上げていく。
「やったぜーーー!!」