旧名古屋の革命派
旧京都を拠点にしているライバル達革命派の元に、旧名古屋を拠点にしている革命派が訪れて話し合いをしていた。
その場にはライバルと光と烈架がいて、旧名古屋の革命派からはリーダーである吉岡と数人の仲間が参加している。
かふぇいんやフユキ達がこの場にいないのは光の提案であり、こちら側の戦力を見せる訳にはいかないとライバルに提案していた。
同じ革命派でも旧大阪のリーダーだった宮崎や現リーダーの清水のような人間を見ていたため、光は他のメンバーを参加させなかったようだ。
また革命派同士で揉めたら笑い話にもならないからだろう。
「それじゃあ旧名古屋を攻めてくる守護派の情報を聞かせてもらえるか」
ライバルはそう口にして旧名古屋のリーダーである吉岡に目を向けながら尋ねると、吉岡は固く閉じられた目をただジッとライバルに向けてゆっくり口を開いた。
「俺達が調べた情報通りなら守護派は幹部数人と駒を数百用意して攻めてくるはずだ」
「また幹部が出てくるとは。あちらも本気のようだな」
吉岡の言葉に光は肘をテーブルに置きキラリと眼鏡を光らせる。
旧大阪戦から出てくるようになった守護派の幹部。
実際に戦ったBOTUやハヤトから話を聞いたが、幹部の実力は本気の二人を倒すほどだったらしい。
光としては信じられない話だが二人の怪我を見た時にその疑惑は一瞬で消えたのを今でも覚えている。
「それで旧名古屋はどう動くつもりだ?」
「正直に言うとまだ考えていないんだ。今回守護派がどこを攻めてくるかわからない状態だからな」
ライバルの問い掛けに吉岡は肩を竦め答え小さく息を吐いていた。
何故吉岡が作戦を立てられないのかと言うと、旧名古屋はかつて東海地方最大の都市と言われるほど広い場所であり、旧名古屋にはターミナル駅も複数存在しハッキリ言って守る場所が多すぎるのだ。
旧大阪の時は宮崎と清水が二分していた事もあり、守護派がどこを攻めてくるかわかりきっていたため戦う事が出来たが、今回は場所が場所なためどこに戦力を置くべきか決められないようだ。
「烈架、お前はどう思う?」
いい作戦が浮かばない状態でライバルはチラリと烈架に視線を向けて問うと、烈架は旧名古屋の革命派の方に目を向けゆっくり口を開いた。
「アンタ達に聞きたい事がある」
「何だ?」
「旧名古屋のこの広範囲の中で重要な場所はいくつある?もしくは守護派に襲撃されてマズイ場所はどこだ?」
「…重要な場所となると三つある。だが何故そんな聞く?」
烈架の言葉に吉岡は眉間に皺を寄せつつも正直に答えると同時に疑問を烈架に返すと、烈架は目を細めライバルの方を向き意味ありげな顔をして小さく頷いた。
(成程な。守護派の狙いが烈架や俺の考え通りなら旧名古屋を数回襲撃したのも納得出来る。全てはこの時の為か)
旧名古屋が守護派に数回襲撃された事があるのを知っているライバルは険しい表情になる。
敵はただ旧名古屋を攻めていたのではなく、確実に旧名古屋を滅ぼす為に動いていた。
幹部まで出すのは旧大阪のように殺れると確信しているからだろう。
「吉岡、その重要な場所を失ったら旧名古屋はどうなる?」
「間違いなく壊滅だ。何せその三つの場所は俺達旧名古屋を支える場所だからな」
吉岡の言葉に吉岡の仲間達は同意するように小さく頷く。
旧名古屋の革命派にとってその場所は失ってはならない場所だ。
そこを失ってしまったら自分達に待っているのは壊滅の二文字だ。
「だとしたら守護派はその三つを狙うはずだ。今回幹部まで出てくるとなると確実に旧名古屋を潰すつもりだな」
「なんだとっ!?…いやっ…確かにその可能性は高いな。……待て!なら今までの旧名古屋を襲撃していた本当の理由は…!」
「おそらく場所の特定だ。守護派は駒を使って場所を探していたんだろうな。どこを襲撃したら旧名古屋を壊滅させる事が出来るかとな」
ライバルの言葉に吉岡はギュッと拳を強く握り締め、さらに眉間に皺を寄せ顔を歪めていた。
今の今まで自分達は守護派と戦って追い返しては仲間達と喜んでいたが、守護派の本当の狙いに気づけていなかった。
これでは守護派の手のひらで踊らされていたに過ぎないではないかと吉岡は悔しそうに震える。
「ライバル…」
「何だ?」
「お前達旧京都革命派は旧大阪で守護派と戦ったと聞いた。だからこそ聞きたい事がある。守護派の幹部の実力はどれほどのものなんだ?」
ゆっくり顔を上げ目を閉じたまま吉岡はライバルに問いかける。
実際吉岡は旧名古屋で守護派と戦ったがそれはあくまでも駒だけであり、幹部がいるという事だけは知っているが実力までは知らない。
だからこそ戦った事があるライバルに聞いたが、ライバルはその問いに一度目を閉じ息を吐くと真剣な表情で吉岡を見つめ口を開いた。
「ハッキリ言うなら普通の人間と思わない方がいいだろうな。駒と違って幹部は一人一人が化け物クラスのはずだ」
ライバルが知る限りBOTUとハヤトはかなりの実力を持っていた。
そんな二人を幹部は倒した上にいまだに怪我が完治していない。
それをふまえてライバルは吉岡に答えると、吉岡はフッと笑って閉じていた目をゆっくり開いて光のない灰色の瞳で旧京都の革命派であるライバルと光と烈架の方を見つめ神妙な表情で口を開いた。
「旧名古屋の革命派は旧京都と同じぐらい守護派と戦ってきた組織だ。このまま守護派に滅ぼされたくはない。だからこそ旧京都の革命派であるお前達に頼みがある」
吉岡はゆっくり立ち上がり仲間達に目で合図をし、仲間達は小さく頷くとその頭を下げた。
吉岡もまたライバルに頭を下げた状態で再び言葉を発した。
「共に戦ってくれ。力をかしてほしい」
頭を下げて頼む吉岡とその吉岡の想いを込め頭を下げる仲間達の姿を見てライバル達は互いの顔を見合せ笑みを浮かべながら小さく頷いた。
ライバル達の答えは最初から決まっている。
守護派とは戦うつもりなのだ。
旧大阪で家族を傷つけられたカリもあるし幹部の顔を見る機会でもあるのだから。
「頭を上げてくれよ旧名古屋の革命派さん。俺達はお前達と共に戦うつもりで今日話しているんだからな。力を合わせて守護派を倒そうじゃねぇか」
「ありがとうライバル」
ライバルが吉岡に手を伸ばし吉岡はその手を掴み、二人は力強く握手を交わす。
こうして旧京都と旧名古屋が手を組んで守護派と戦うことになるのであった。
旧京都と旧名古屋が手を組んでいた時、別室で待機していたチカやリナ達はとある雑談をしていた。
「えっ?リナさんは行かないんですか?」
「えぇ。ちょっと残って調べたいことがあるの」
今回旧名古屋まで行くことになるだろうとリナはチカに話しており、チカは今回の戦いで伝令や怪我人の手当てをする人員として同行するだろうとリナに言われていた。
チカとしてはリナも行くだろうと思っていたらしく、不安気な表情でリナを見つめていた。
「ごめんねチカちゃん。どうしても今調べないとダメなの。多分本人も今じゃないと調べさせてくれないだろうし」
リナはそう口にしてどこか寂しそうな表情をして顔を俯かせる。
リナの調べたい事とはとある人物の身体の事であり、その人物はおそらくライバルが屋敷にいる時は絶対に調べさせたりしないだろうとリナは確信していた。
「安心しろよチカ」
不安気な顔をするチカにかふぇいんが優しく頭を撫でながら言葉を発する。
かふぇいんの行動にチカはへっ?と目を丸くするが、かふぇいんはフッと笑いながらチカの頭を撫でる。
「お前の事は俺達が守るし、ライバルさんだっているんだ。あの人の傍にいれば大丈夫だよ」
「かふぇいんさん」
「そうだぜチカ。ライバルさんもそうだがオレやちゃり娘もいるんだから心配すんなって」
「フユキさん」
かふぇいんに続くようにチカの頭を撫で微笑みフユキにチカは安心したように頷いて笑みを浮かべた。
家族を守る為ならこの人達は無茶をするだろう。
もし家族が怪我をしたら自分は今度こそ助けて見せる。
旧大阪の時のように悔しい思いはもうしたくない。
「チカちゃん」
「はい。リナさん」
「皆をよろしくね」
「はいっ!」
力強く返したチカにリナは嬉しそうに微笑むのであった。
フレンド第十二話
END
その場にはライバルと光と烈架がいて、旧名古屋の革命派からはリーダーである吉岡と数人の仲間が参加している。
かふぇいんやフユキ達がこの場にいないのは光の提案であり、こちら側の戦力を見せる訳にはいかないとライバルに提案していた。
同じ革命派でも旧大阪のリーダーだった宮崎や現リーダーの清水のような人間を見ていたため、光は他のメンバーを参加させなかったようだ。
また革命派同士で揉めたら笑い話にもならないからだろう。
「それじゃあ旧名古屋を攻めてくる守護派の情報を聞かせてもらえるか」
ライバルはそう口にして旧名古屋のリーダーである吉岡に目を向けながら尋ねると、吉岡は固く閉じられた目をただジッとライバルに向けてゆっくり口を開いた。
「俺達が調べた情報通りなら守護派は幹部数人と駒を数百用意して攻めてくるはずだ」
「また幹部が出てくるとは。あちらも本気のようだな」
吉岡の言葉に光は肘をテーブルに置きキラリと眼鏡を光らせる。
旧大阪戦から出てくるようになった守護派の幹部。
実際に戦ったBOTUやハヤトから話を聞いたが、幹部の実力は本気の二人を倒すほどだったらしい。
光としては信じられない話だが二人の怪我を見た時にその疑惑は一瞬で消えたのを今でも覚えている。
「それで旧名古屋はどう動くつもりだ?」
「正直に言うとまだ考えていないんだ。今回守護派がどこを攻めてくるかわからない状態だからな」
ライバルの問い掛けに吉岡は肩を竦め答え小さく息を吐いていた。
何故吉岡が作戦を立てられないのかと言うと、旧名古屋はかつて東海地方最大の都市と言われるほど広い場所であり、旧名古屋にはターミナル駅も複数存在しハッキリ言って守る場所が多すぎるのだ。
旧大阪の時は宮崎と清水が二分していた事もあり、守護派がどこを攻めてくるかわかりきっていたため戦う事が出来たが、今回は場所が場所なためどこに戦力を置くべきか決められないようだ。
「烈架、お前はどう思う?」
いい作戦が浮かばない状態でライバルはチラリと烈架に視線を向けて問うと、烈架は旧名古屋の革命派の方に目を向けゆっくり口を開いた。
「アンタ達に聞きたい事がある」
「何だ?」
「旧名古屋のこの広範囲の中で重要な場所はいくつある?もしくは守護派に襲撃されてマズイ場所はどこだ?」
「…重要な場所となると三つある。だが何故そんな聞く?」
烈架の言葉に吉岡は眉間に皺を寄せつつも正直に答えると同時に疑問を烈架に返すと、烈架は目を細めライバルの方を向き意味ありげな顔をして小さく頷いた。
(成程な。守護派の狙いが烈架や俺の考え通りなら旧名古屋を数回襲撃したのも納得出来る。全てはこの時の為か)
旧名古屋が守護派に数回襲撃された事があるのを知っているライバルは険しい表情になる。
敵はただ旧名古屋を攻めていたのではなく、確実に旧名古屋を滅ぼす為に動いていた。
幹部まで出すのは旧大阪のように殺れると確信しているからだろう。
「吉岡、その重要な場所を失ったら旧名古屋はどうなる?」
「間違いなく壊滅だ。何せその三つの場所は俺達旧名古屋を支える場所だからな」
吉岡の言葉に吉岡の仲間達は同意するように小さく頷く。
旧名古屋の革命派にとってその場所は失ってはならない場所だ。
そこを失ってしまったら自分達に待っているのは壊滅の二文字だ。
「だとしたら守護派はその三つを狙うはずだ。今回幹部まで出てくるとなると確実に旧名古屋を潰すつもりだな」
「なんだとっ!?…いやっ…確かにその可能性は高いな。……待て!なら今までの旧名古屋を襲撃していた本当の理由は…!」
「おそらく場所の特定だ。守護派は駒を使って場所を探していたんだろうな。どこを襲撃したら旧名古屋を壊滅させる事が出来るかとな」
ライバルの言葉に吉岡はギュッと拳を強く握り締め、さらに眉間に皺を寄せ顔を歪めていた。
今の今まで自分達は守護派と戦って追い返しては仲間達と喜んでいたが、守護派の本当の狙いに気づけていなかった。
これでは守護派の手のひらで踊らされていたに過ぎないではないかと吉岡は悔しそうに震える。
「ライバル…」
「何だ?」
「お前達旧京都革命派は旧大阪で守護派と戦ったと聞いた。だからこそ聞きたい事がある。守護派の幹部の実力はどれほどのものなんだ?」
ゆっくり顔を上げ目を閉じたまま吉岡はライバルに問いかける。
実際吉岡は旧名古屋で守護派と戦ったがそれはあくまでも駒だけであり、幹部がいるという事だけは知っているが実力までは知らない。
だからこそ戦った事があるライバルに聞いたが、ライバルはその問いに一度目を閉じ息を吐くと真剣な表情で吉岡を見つめ口を開いた。
「ハッキリ言うなら普通の人間と思わない方がいいだろうな。駒と違って幹部は一人一人が化け物クラスのはずだ」
ライバルが知る限りBOTUとハヤトはかなりの実力を持っていた。
そんな二人を幹部は倒した上にいまだに怪我が完治していない。
それをふまえてライバルは吉岡に答えると、吉岡はフッと笑って閉じていた目をゆっくり開いて光のない灰色の瞳で旧京都の革命派であるライバルと光と烈架の方を見つめ神妙な表情で口を開いた。
「旧名古屋の革命派は旧京都と同じぐらい守護派と戦ってきた組織だ。このまま守護派に滅ぼされたくはない。だからこそ旧京都の革命派であるお前達に頼みがある」
吉岡はゆっくり立ち上がり仲間達に目で合図をし、仲間達は小さく頷くとその頭を下げた。
吉岡もまたライバルに頭を下げた状態で再び言葉を発した。
「共に戦ってくれ。力をかしてほしい」
頭を下げて頼む吉岡とその吉岡の想いを込め頭を下げる仲間達の姿を見てライバル達は互いの顔を見合せ笑みを浮かべながら小さく頷いた。
ライバル達の答えは最初から決まっている。
守護派とは戦うつもりなのだ。
旧大阪で家族を傷つけられたカリもあるし幹部の顔を見る機会でもあるのだから。
「頭を上げてくれよ旧名古屋の革命派さん。俺達はお前達と共に戦うつもりで今日話しているんだからな。力を合わせて守護派を倒そうじゃねぇか」
「ありがとうライバル」
ライバルが吉岡に手を伸ばし吉岡はその手を掴み、二人は力強く握手を交わす。
こうして旧京都と旧名古屋が手を組んで守護派と戦うことになるのであった。
旧京都と旧名古屋が手を組んでいた時、別室で待機していたチカやリナ達はとある雑談をしていた。
「えっ?リナさんは行かないんですか?」
「えぇ。ちょっと残って調べたいことがあるの」
今回旧名古屋まで行くことになるだろうとリナはチカに話しており、チカは今回の戦いで伝令や怪我人の手当てをする人員として同行するだろうとリナに言われていた。
チカとしてはリナも行くだろうと思っていたらしく、不安気な表情でリナを見つめていた。
「ごめんねチカちゃん。どうしても今調べないとダメなの。多分本人も今じゃないと調べさせてくれないだろうし」
リナはそう口にしてどこか寂しそうな表情をして顔を俯かせる。
リナの調べたい事とはとある人物の身体の事であり、その人物はおそらくライバルが屋敷にいる時は絶対に調べさせたりしないだろうとリナは確信していた。
「安心しろよチカ」
不安気な顔をするチカにかふぇいんが優しく頭を撫でながら言葉を発する。
かふぇいんの行動にチカはへっ?と目を丸くするが、かふぇいんはフッと笑いながらチカの頭を撫でる。
「お前の事は俺達が守るし、ライバルさんだっているんだ。あの人の傍にいれば大丈夫だよ」
「かふぇいんさん」
「そうだぜチカ。ライバルさんもそうだがオレやちゃり娘もいるんだから心配すんなって」
「フユキさん」
かふぇいんに続くようにチカの頭を撫で微笑みフユキにチカは安心したように頷いて笑みを浮かべた。
家族を守る為ならこの人達は無茶をするだろう。
もし家族が怪我をしたら自分は今度こそ助けて見せる。
旧大阪の時のように悔しい思いはもうしたくない。
「チカちゃん」
「はい。リナさん」
「皆をよろしくね」
「はいっ!」
力強く返したチカにリナは嬉しそうに微笑むのであった。
フレンド第十二話
END
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