尋問
旧大阪、清水一派の領域で守護派のスパイを捕らえた烈架とチカはすぐに隠れ屋に戻りライバルの前に気絶した二人を差し出す。
脚を怪我していた烈架は同じタイミングで戻ってきたリナに説教されながらも手当てをしてもらい今は大人しく座っていた。
「ご苦労だった四人とも。まさか守護派の人間がいたとは」
自分の前で転がされている守護派の二人を見ながらライバルは口を開く。
一人は片腕を失い今にも死にそうだが、もう一人は軽い火傷を負っているのみ。
烈架なりに手加減しようだが果たしてこの二人から情報を聞き出せるだろうか?
「それにしてもやりすぎだろ烈架」
床に転がる守護派の二人を見ながら呆れたようにかふぇいんが口を開く。
自分もリナと一緒に情報収集に行ったが、結局情報は得られないまま隠れ屋に戻ってきたら、一瞬死体を持ってきたのかと思うぐらいボロボロの人間を引っ張っている烈架の姿を見て顔をひきつらせていたかふぇいん。
これが烈架なりの手加減だろうが端から見たら死体にしか見えない。
「俺は俺なりに手加減したんだがな。やはりもう少し威力が小さいものにすべきだったか?」
「爆発すんならどれも一緒だろ…」
どこか天然で返す烈架にかふぇいんはため息を吐く。
本人は至って真面目に言っているようだが聞く方からしたらそれは天然としか言えないだろう。
これで威力が小さいなら、最大の時は街一つが消し飛ぶのではないだろうかと不安になる。
「あのっ!烈架さん」
「なんだ?」
「脚の怪我は本当に痛くないんですか?あんなに血が流れていたのに…」
「何回も言うつもりはないが平気だ。俺にとってあれぐらいどうということはない」
チカは烈架の脚に巻かれた包帯を見ながら心配そうな顔をする。
あれほど流れていた血をどうして平気と言えるのだろうか?
どこか我慢しているように見えたのは気のせいだったのだろうか?
「よく言うね烈架」
「んっ?」
「さっき私が手当てした時、小さな声で痛いって言ったのに」
「……」
「えっ?」
チカがどこか落ち込んでいるように見えたリナが援護射撃するかのように烈架の顔を見ながらニヤニヤ笑う。
悪戯っ子のように笑うリナにチカは首を傾げる。
自分の前では平気としか言ってなかったのに、リナさんの前では痛いと言ってた。
どうして?
「チカちゃん、深く考えなくていいよ。烈架の事だからチカちゃんに迷惑かけたくなかっただけだろうし」
「えっ?」
「チカちゃんの前で痛いなんて言ったらチカちゃんが慌てるかもしれないと思って言わなかったんだと思うよ。まぁ、手当て出来る物がなかったのも理由だと思うけど」
リナの言葉を聞いてチカは視線を烈架に向ける。
烈架は目を閉じて聞いていないかのように知らんぷりしているが、リナの言葉に眉をピクリと動かしている姿を見ると本当だったらしい。
そんな烈架の姿にチカは自然と笑みを浮かべる。
(信用されていないかと思った…)
チカが革命派にやって来て数ヶ月と月日が過ぎて、革命派のメンバーは優しく接してくれて自分は楽しい日々を過ごしていた。
しかし、ハヤトや烈架はどことなく距離を置いているような感じだった。
まるで警戒しているような二人にチカは不安な気持ちを抱いていたがリナの言葉を少しだがホッとした自分がいる。
「勘違いするな」
「へっ?」
「俺は本当に痛くなかったんだ。リナさんの手当ての仕方が荒かっただけだ」
「その言い訳は男らしくねぇぞ烈架」
目を閉じたまま口を開いた烈架にかふぇいんが苦笑しながら呟く。
まるで子供の言い訳のような烈架の言葉にチカは笑顔になり、そんなチカの姿にリナも嬉しそうに笑う。
こんな風に笑い合う瞬間がたまらなく幸せなのだ。
「ハヤトも烈架みたいにチカに優しくすればいいのにな」
「あれでもハヤトはチカちゃんを家族だと思っているようだけどね」
「あれでか?」
「あれで」
リナの言葉にかふぇいんの脳裏に浮かぶハヤトの姿。
掃除をしているチカに悪戯したり、チカと同じ料理当番の時にチカを驚かせるために真っ赤な魚を渡したり、食事の時は能力まで使ってチカのオカズを狙っているあのハヤトが家族と思っているとは意外である。
「昔はあんなんじゃなかったんだけどね…」
「んっ?何か言ったかリナ」
「何も……」
ポツリと呟いてニッコリ笑うリナ。
昔のハヤトを知っている数少ない一人。
今のハヤトの性格はあんなんだが昔とはだいぶ違っている。
(もう見れないだろうな~)
懐かしさを胸に感じながらリナは視線をライバルに向ける。
「とりあえず起こすか。この二人がどんな情報を持っているか気になるしな」
「確かに」
死んだように気絶している守護派の二人を見つめるライバルと今まで目を閉じていた烈架。
とりあえず軽く頭を叩いてみるかと思いながら手を上げる。
加減しないと本当に死んでしまうのでライバルは二人の頭を軽く小突く程度に叩く。
小突いた瞬間、ズドンと音がしたが誰も突っ込まないようで室内には小突かれた二人の声が皆の耳に入ってくる。
「ぬぅぅぅぅ…」
「ぐぅぅぅぅ!」
気絶していたスパイ二人は唸りながら顔をゆっくり上げて辺りを見回し自分達が今どんな状況になっているのか気づいて顔色を真っ青に変える。
情報収集の為に動いていた自分達が敵に捕まり今から自分達がどんな目に合うのか理解しているからだ。
「いい夢は見れたか?守護派のスパイさん」
「なっ!何だ貴様!」
「清水一派の者か!?」
ライバルの言葉に二人は過剰に反応する。
今二人は自分達が殺される事はないだろうと内心思っている。
目的はあくまで情報を聞き出す事なら自分達を殺す訳がない。
どうにかしてこの場を切り抜ける方法を守護派のスパイは考えていた。
「守護派のくせに俺を知らねぇのか?」
「貴様のようなハゲなど知らん!」
「清水一派の仲間は全て把握していたがハゲなど見たことないわ!」
「少し黙れ」
まるで鬼のような形相とドスの低い声にスパイ二人は身体を震わせる。
目の前の男は自分達の命を簡単に消せる力を持っている。
まるで心臓を掴まれているかのような苦しみを二人は味わっているようだ。
下手に言葉を選べば命はない。
「お前ら二人に聞きたいことがある」
「何だ…」
「お前ら守護派はこの旧大阪を襲撃する為に動いているな」
「何の話……ひっ!!」
片腕を失っている男がライバルの問いに答えようとして悲鳴を上げる。
ライバルの手が肩に置かれた途端まるで骨を折られたかのように痛みが走る。
まだ折られてはいないがこのままだと確実に折られるのは間違いない。
「もう一度聞くぞ。お前達守護派は旧大阪を襲撃する為に動いているな?」
「…はい」
「狙いはどっちだ?清水一派か?宮崎一派か?」
「それは…」
肩を強く掴まれ顔を歪めたまま男は口を閉じる。
それ以上は口にしないように固く口を閉じる。
痛みに耐えながらも口を開かない男にライバルは目を細める。
(これ以上喋らないとなると横の男も話す気はないな)
「ライバルさん」
「どうした烈架?」
「チカとリナさんの二人をこの場から離してもいいですか?」
今まで黙っていた烈架がゆっくりとした口調でライバルに尋ねる。
おそらく烈架は今から女子二人には見せられない方法でスパイ二人に聞くつもりなのだろう。
烈架の目は冷たく背筋が凍るような雰囲気を出しており、スパイ二人はガタガタ震え始める。
「かふぇいん。二人と少し外の様子を見てきてくれないか?」
「……仕方ねぇか。二人ともライバルさんと烈架の邪魔になるから外の様子でも見に行くぞ」
かふぇいんはゆっくり立ち上がり二人をこの場から離す為に口を開く。
リナは小さく頷いて納得しているが、チカはよく分かっていないのか不思議そうな顔をしている。
「どうしたのチカちゃん?」
「どうして外に行くのかと思って…」
不思議そうな顔をするチカにリナは首を傾げて問う。
チカは今からこの場で何が起こるかわかっていないため疑問を口にしたが、リナはライバルと烈架の二人がやる事を理解していた。
おそらく二人は拷問しながらスパイ二人から情報を聞き出すつもりだ。
革命派の女子メンバーはこの時だけ外に出ており結果を後から聞いていた。
それに関してチカに話していなかったリナは自分の失態だと一人頷きながらも、とりあえずチカの手を握りこの部屋から去る事にした。
「さてと…」
部屋に残ったスパイ二人とライバルと烈架の二人。
ここから先は問答無用で吐かせるのみ。
この二人の身体がどうなろうと関係ない。
泣こうが喚こうが自分達がやることはただ一つ。
「覚悟しろよ。こっからは加減なしで聞くからな」
「どっ!どんな事をしようと俺達は話すつもりはない!」
「守護派をなめるなハゲが!」
「そうかい」
殺気を込めた目付きでライバルはスパイ二人の首を掴む。
握力を込めた力にスパイ二人はただただ自分達の命が消されるのだろうと覚悟するのであった。
「本命は宮崎一派か」
「しかも俺達が聞き出している間に始まっていたとは」
長い拷問による尋問で入手した情報に二人はすでに屍とかした二つの塊に目を向ける。
自分達が尋問していた間もおそらく時間稼ぎの為になかなか吐かなかったに違いない。
宮崎一派が狙いならすでに戦いは始まって、あちらにいるハヤト達は守護派と戦っている。
今回の襲撃には守護派の幹部が動いているとなると嫌な予感がする。
「今すぐ宮崎一派の所に行くぞ烈架」
「はい」
外で待機しているかふぇいんとリナとチカにすぐ伝えて五人は宮崎一派のいる梅田屋に向かう。
すでにそこは戦場となり血生臭い場所になっているとも知らずに。
第七話
END
脚を怪我していた烈架は同じタイミングで戻ってきたリナに説教されながらも手当てをしてもらい今は大人しく座っていた。
「ご苦労だった四人とも。まさか守護派の人間がいたとは」
自分の前で転がされている守護派の二人を見ながらライバルは口を開く。
一人は片腕を失い今にも死にそうだが、もう一人は軽い火傷を負っているのみ。
烈架なりに手加減しようだが果たしてこの二人から情報を聞き出せるだろうか?
「それにしてもやりすぎだろ烈架」
床に転がる守護派の二人を見ながら呆れたようにかふぇいんが口を開く。
自分もリナと一緒に情報収集に行ったが、結局情報は得られないまま隠れ屋に戻ってきたら、一瞬死体を持ってきたのかと思うぐらいボロボロの人間を引っ張っている烈架の姿を見て顔をひきつらせていたかふぇいん。
これが烈架なりの手加減だろうが端から見たら死体にしか見えない。
「俺は俺なりに手加減したんだがな。やはりもう少し威力が小さいものにすべきだったか?」
「爆発すんならどれも一緒だろ…」
どこか天然で返す烈架にかふぇいんはため息を吐く。
本人は至って真面目に言っているようだが聞く方からしたらそれは天然としか言えないだろう。
これで威力が小さいなら、最大の時は街一つが消し飛ぶのではないだろうかと不安になる。
「あのっ!烈架さん」
「なんだ?」
「脚の怪我は本当に痛くないんですか?あんなに血が流れていたのに…」
「何回も言うつもりはないが平気だ。俺にとってあれぐらいどうということはない」
チカは烈架の脚に巻かれた包帯を見ながら心配そうな顔をする。
あれほど流れていた血をどうして平気と言えるのだろうか?
どこか我慢しているように見えたのは気のせいだったのだろうか?
「よく言うね烈架」
「んっ?」
「さっき私が手当てした時、小さな声で痛いって言ったのに」
「……」
「えっ?」
チカがどこか落ち込んでいるように見えたリナが援護射撃するかのように烈架の顔を見ながらニヤニヤ笑う。
悪戯っ子のように笑うリナにチカは首を傾げる。
自分の前では平気としか言ってなかったのに、リナさんの前では痛いと言ってた。
どうして?
「チカちゃん、深く考えなくていいよ。烈架の事だからチカちゃんに迷惑かけたくなかっただけだろうし」
「えっ?」
「チカちゃんの前で痛いなんて言ったらチカちゃんが慌てるかもしれないと思って言わなかったんだと思うよ。まぁ、手当て出来る物がなかったのも理由だと思うけど」
リナの言葉を聞いてチカは視線を烈架に向ける。
烈架は目を閉じて聞いていないかのように知らんぷりしているが、リナの言葉に眉をピクリと動かしている姿を見ると本当だったらしい。
そんな烈架の姿にチカは自然と笑みを浮かべる。
(信用されていないかと思った…)
チカが革命派にやって来て数ヶ月と月日が過ぎて、革命派のメンバーは優しく接してくれて自分は楽しい日々を過ごしていた。
しかし、ハヤトや烈架はどことなく距離を置いているような感じだった。
まるで警戒しているような二人にチカは不安な気持ちを抱いていたがリナの言葉を少しだがホッとした自分がいる。
「勘違いするな」
「へっ?」
「俺は本当に痛くなかったんだ。リナさんの手当ての仕方が荒かっただけだ」
「その言い訳は男らしくねぇぞ烈架」
目を閉じたまま口を開いた烈架にかふぇいんが苦笑しながら呟く。
まるで子供の言い訳のような烈架の言葉にチカは笑顔になり、そんなチカの姿にリナも嬉しそうに笑う。
こんな風に笑い合う瞬間がたまらなく幸せなのだ。
「ハヤトも烈架みたいにチカに優しくすればいいのにな」
「あれでもハヤトはチカちゃんを家族だと思っているようだけどね」
「あれでか?」
「あれで」
リナの言葉にかふぇいんの脳裏に浮かぶハヤトの姿。
掃除をしているチカに悪戯したり、チカと同じ料理当番の時にチカを驚かせるために真っ赤な魚を渡したり、食事の時は能力まで使ってチカのオカズを狙っているあのハヤトが家族と思っているとは意外である。
「昔はあんなんじゃなかったんだけどね…」
「んっ?何か言ったかリナ」
「何も……」
ポツリと呟いてニッコリ笑うリナ。
昔のハヤトを知っている数少ない一人。
今のハヤトの性格はあんなんだが昔とはだいぶ違っている。
(もう見れないだろうな~)
懐かしさを胸に感じながらリナは視線をライバルに向ける。
「とりあえず起こすか。この二人がどんな情報を持っているか気になるしな」
「確かに」
死んだように気絶している守護派の二人を見つめるライバルと今まで目を閉じていた烈架。
とりあえず軽く頭を叩いてみるかと思いながら手を上げる。
加減しないと本当に死んでしまうのでライバルは二人の頭を軽く小突く程度に叩く。
小突いた瞬間、ズドンと音がしたが誰も突っ込まないようで室内には小突かれた二人の声が皆の耳に入ってくる。
「ぬぅぅぅぅ…」
「ぐぅぅぅぅ!」
気絶していたスパイ二人は唸りながら顔をゆっくり上げて辺りを見回し自分達が今どんな状況になっているのか気づいて顔色を真っ青に変える。
情報収集の為に動いていた自分達が敵に捕まり今から自分達がどんな目に合うのか理解しているからだ。
「いい夢は見れたか?守護派のスパイさん」
「なっ!何だ貴様!」
「清水一派の者か!?」
ライバルの言葉に二人は過剰に反応する。
今二人は自分達が殺される事はないだろうと内心思っている。
目的はあくまで情報を聞き出す事なら自分達を殺す訳がない。
どうにかしてこの場を切り抜ける方法を守護派のスパイは考えていた。
「守護派のくせに俺を知らねぇのか?」
「貴様のようなハゲなど知らん!」
「清水一派の仲間は全て把握していたがハゲなど見たことないわ!」
「少し黙れ」
まるで鬼のような形相とドスの低い声にスパイ二人は身体を震わせる。
目の前の男は自分達の命を簡単に消せる力を持っている。
まるで心臓を掴まれているかのような苦しみを二人は味わっているようだ。
下手に言葉を選べば命はない。
「お前ら二人に聞きたいことがある」
「何だ…」
「お前ら守護派はこの旧大阪を襲撃する為に動いているな」
「何の話……ひっ!!」
片腕を失っている男がライバルの問いに答えようとして悲鳴を上げる。
ライバルの手が肩に置かれた途端まるで骨を折られたかのように痛みが走る。
まだ折られてはいないがこのままだと確実に折られるのは間違いない。
「もう一度聞くぞ。お前達守護派は旧大阪を襲撃する為に動いているな?」
「…はい」
「狙いはどっちだ?清水一派か?宮崎一派か?」
「それは…」
肩を強く掴まれ顔を歪めたまま男は口を閉じる。
それ以上は口にしないように固く口を閉じる。
痛みに耐えながらも口を開かない男にライバルは目を細める。
(これ以上喋らないとなると横の男も話す気はないな)
「ライバルさん」
「どうした烈架?」
「チカとリナさんの二人をこの場から離してもいいですか?」
今まで黙っていた烈架がゆっくりとした口調でライバルに尋ねる。
おそらく烈架は今から女子二人には見せられない方法でスパイ二人に聞くつもりなのだろう。
烈架の目は冷たく背筋が凍るような雰囲気を出しており、スパイ二人はガタガタ震え始める。
「かふぇいん。二人と少し外の様子を見てきてくれないか?」
「……仕方ねぇか。二人ともライバルさんと烈架の邪魔になるから外の様子でも見に行くぞ」
かふぇいんはゆっくり立ち上がり二人をこの場から離す為に口を開く。
リナは小さく頷いて納得しているが、チカはよく分かっていないのか不思議そうな顔をしている。
「どうしたのチカちゃん?」
「どうして外に行くのかと思って…」
不思議そうな顔をするチカにリナは首を傾げて問う。
チカは今からこの場で何が起こるかわかっていないため疑問を口にしたが、リナはライバルと烈架の二人がやる事を理解していた。
おそらく二人は拷問しながらスパイ二人から情報を聞き出すつもりだ。
革命派の女子メンバーはこの時だけ外に出ており結果を後から聞いていた。
それに関してチカに話していなかったリナは自分の失態だと一人頷きながらも、とりあえずチカの手を握りこの部屋から去る事にした。
「さてと…」
部屋に残ったスパイ二人とライバルと烈架の二人。
ここから先は問答無用で吐かせるのみ。
この二人の身体がどうなろうと関係ない。
泣こうが喚こうが自分達がやることはただ一つ。
「覚悟しろよ。こっからは加減なしで聞くからな」
「どっ!どんな事をしようと俺達は話すつもりはない!」
「守護派をなめるなハゲが!」
「そうかい」
殺気を込めた目付きでライバルはスパイ二人の首を掴む。
握力を込めた力にスパイ二人はただただ自分達の命が消されるのだろうと覚悟するのであった。
「本命は宮崎一派か」
「しかも俺達が聞き出している間に始まっていたとは」
長い拷問による尋問で入手した情報に二人はすでに屍とかした二つの塊に目を向ける。
自分達が尋問していた間もおそらく時間稼ぎの為になかなか吐かなかったに違いない。
宮崎一派が狙いならすでに戦いは始まって、あちらにいるハヤト達は守護派と戦っている。
今回の襲撃には守護派の幹部が動いているとなると嫌な予感がする。
「今すぐ宮崎一派の所に行くぞ烈架」
「はい」
外で待機しているかふぇいんとリナとチカにすぐ伝えて五人は宮崎一派のいる梅田屋に向かう。
すでにそこは戦場となり血生臭い場所になっているとも知らずに。
第七話
END