ようこそ喫茶東方へ(東方)

【幻想郷】

博麗大結界により外の世界と隔離された世界。

外の世界では幻想やその存在が忘れられた者達がそこには住んでいた。

幻想郷に住まう者達はいずれも幽霊や妖怪や妖精や神といった常識外れの存在ばかり。

一応人間もいるのだがやはり妖怪達の存在と比べれば小さな存在となってしまう。


そんな幻想郷という世界にはとある喫茶店が存在する。

その喫茶店は人間達が住まう人里から少し離れた平地に建っておりそれはとても頑丈に建ち見る者によっては感嘆の息をつかせるであろう。


そんな喫茶店には一人の青年と一人の少女が働いていた。

青年がどんな人間かと問うと様々な意見が返ってくる。

紅い館の主はお菓子製造機と呼んでいる。

冥界の主はお菓子職人と呼んでいる。

人里の男達からは鬼畜ロリコン大魔王と呼ばれている。


そんな喫茶店で主人でもある青年はエプロンを身に付け口笛を吹きながらお菓子を作っており、もう一人の少女は猫がプリントされている可愛らしいエプロンを身に付け店内をわはーと言いながら動いていた。

そして今日の喫茶店の日常は――


「聞いてくれよ群青!最近もこたんが素っ気ないんだ!もう俺耐えきれなくてハゲそう」

「とりあえず落ち着きましょう。話はそれからです」


喫茶店の主人でもある群青はカウンター越しに苦笑しながら客の一人である男と話していた。

その男はバナナジュースを飲みながら酔っ払いのように興奮しており群青はその姿に苦笑する。


「またライバルさんが何かしたんじゃないんですか?」

「失敬な。最近は自重してもこたんの着替えを覗いていないというのに」

「原因が分かってるじゃねぇか」


何故それでわからないんだと群青はため息を吐く。

前も夜這いを仕掛けて燃やされたと言うのに何故この人は懲りないんだろう?


「なにっ!?もこたんの着替えだと!」

「なにっ!?もこたんと一つ屋根の下だと!?」

「おのれぇぇぇ~!!」


ライバルの言葉を聞いていた人里の男達が赤い悔し涙を流していたがどうでもいい事なので群青は無視をする事に決めた。


「とりあえず妹紅さん用にお菓子を作りますから仲直りしてください」

「ありがとう群青!やっぱり持つべき者は変態という名で作り上げた絆だな」

「ルーミア、この人食べていいよ~」

「冗談だから許して!ルーミアも口を開けながら来ないで!」


嬉しそうに笑いながら迫るルーミアを必死に止めるライバルに笑みを溢す群青。

ルーミア自身本気で食べるつもりはないようだが、ライバルは本気にしているようで本気で焦っている。

見た目幼女に迫られ焦る男という光景にこれまた人里の男達が口を開く。


「ルーミアたん!こっち!こっちに美味しい人がいるよ~!」

「遠慮なのだ~」

「ユニバァァァァス!!」


自分の命を捧げている男にルーミアは笑いながら断り、男はそのルーミアの仕草に眼鏡が割れ雄叫びを上げながら気絶するのであった。


「俺はまだ死ねない!もこたんの下着を全て見るまでは死ねない!」


不純すぎる理由で何も言えない群青だがライバルの背後にいる人物を見て固まる。

その人物はライバルに気づかれないまま背後に立ちニッコリ笑いながら口を開いた。


「まだ反省していないようね」

「‥‥‥えっ?」


ライバルの肩にポンッと置かれた手と耳に聞こえてきた声にライバルはギギギっと振り返り大量の汗を流す。

ライバルの背後にはいつもなら女神のように見える存在が今は悪魔のように笑って立っていた。


「最近まともに話してなかったから探してたのに全く反省してなかったのねライバル」

「お待ちください!これは何かの間違いです!このライバルが反省していなどと‥」


滅茶苦茶焦るライバルを見ながらルーミアがふと何かを思いだし手を叩き妹紅に目を向けて口を開いた。


「そういえばライバルが言ってたのだ~。もこたんの純白に染められた下着が胸をドキドキさせるって」

「ちょっ!?待って!嘘だよもこたん!!俺はもこたんのふりふり下着が好きだっでやァァァァァァァァ!!」

「へぇ~」


成る程これが自業自得と言われる光景か。

顔を赤くさせた妹紅にライバルは瞬時に燃やされライバルはそのままダイナミックに退出し、妹紅は群青に申し訳なさそうに謝りお金を置いてライバルを追っていくのであった。


「後片付けは任せるのだ~」

「ありがとうルーミア」


ライバルがダイナミック退出したせいでガラスが割れ床に散らばるがルーミアがすぐに片付けを始めるのであった。

そんなルーミアの姿をまたまた男達が興奮していたが群青のお菓子により気絶したのは言うまでもない。
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