ドイツ代表とロシア代表
日本・中国・イギリス代表が決まった同時刻――
ドイツでもまた代表決定戦が行われて五人の代表がフィールドに立っていた。
ドイツ代表の司会・進行をしていたミゲルとアリシアが話をしている。
『中国・イギリスに続いてドイツ代表も決まったなアリシア』
『そうだねミゲル。あと日本にいるルイコから連絡が入って日本代表も決まったんだって』
『…って事はライバルも大人しくバトルしたんだな』
ミゲルは知らないだろう。
ランカー一位がかなり駄々をこねていたなど。
初っぱなから大爆発を喰らい黒こげになったなど。
紅い死神に引きずられていたなんて。
『さてドイツ代表に決まった選手の紹介でもするか』
『最初はAブロック代表の式波・アスカ・ラングレー選手です』
『確か彼女はドイツプロチームの【フレイヤ】の一人だったな。他のメンバーは今回の代表決定戦で勝ち抜いた、ラウラ・ボーデヴィッヒとアーニャ・アールストレイムだったな』
フィールドにいるアスカに並ぶように立つ代表決定戦を勝ち抜いたラウラとアーニャの二人。
AブロックとBブロックとCブロックを勝ち抜いた若き美少女達の姿に会場はかなり盛り上がっている。
何せこの三人はプロチームとしても有名なのだが、一人一人にファンクラブまである。
特に写真集やテレビに出演しているアスカはかなりファンがいる。
会場のフレイヤコールにアスカとラウラは満足気に笑いアーニャは無表情に携帯を触っていた。
『フレイヤの三人は省くとして、次はDブロックを勝ち抜いたカノン・ヒルベルト選手です』
カノン・ヒルベルト――
爽やかな笑みを浮かべ足元にいるマニューラを抱き上げる青年。
彼はプロチーム――
【ブレード】のメンバーでその実力から彼にはチフユ
やタバネのようにもう一つ名前がある。
そのプロネームは――
【翼ある銃】
『まさかカノンが決定戦に出場してるなんてな』
『ミゲルは知ってるの?』
『まぁな。アイツとはタッグを組んだりしてよく戦ったから実力は知ってるよ。アイツはオレが知る限り日本の有名なプロ二人チフユやタバネより強い』
『えぇ!?そんなに!?』
チフユとタバネはプロでもかなり有名な二人。
世界にはかなりのプロトレーナーがいるが、その中でもランカーに近いと言われてるのがチフユとタバネの二人。
その二人より強いとなるとカノン・ヒルベルトの実力はかなりのものである。
『そんで最後にEブロック代表は笑虎ってトレーナーか』
黒髪をポニーテールにしてどこか眠たそうにアクビをしている少年。
少年は眠いのか体がゆらゆら揺れて今にもその場で寝そうである。
『そんでこのトレーナーってどんな奴なんだ?』
『えっとね、一回戦から全てのバトルを一体のポケモンで勝ち抜いて代表に選ばれたみたい』
『おいおい。フレイヤのメンバーならまだしもあの男ってただのトレーナーだろ?』
アリシアの言葉でミゲルは目を丸くする。
あのフレイヤのメンバーすら二体のポケモンを使っていたのに、あの男は一体で勝ち抜いたのかよ?
一体で勝ち抜くってどんだけ凄いんだよ。
しかも――
(今にも寝そうなんだが)
退屈そうにアクビをする笑虎をアスカが物凄い形相で睨み付けていた。
いやいやアスカ。
その形相は放送出来なくなるからやめてくれないか。
『ドイツ代表はフレイヤの三人にカノンに笑虎ってトレーナーか。こりゃ本当に面白くなりそうだな』
ワールドチャンピオンシップ――
どうせランカー達のぶつかり合いと思っていたが、もしかしたら想像以上に面白い事になるかもな。
『……ってかミゲル』
『何だよアリシア?』
『アスカがお茶の間に見せられないほど凄い形相してるんだけど』
『……割り切れよアリシア。じゃないと死ぬぞ』
『誰が!?』
式波・アスカ・ラングレー。
フレイヤの中でもプライドが高く実力主義のトレーナー。
おそらく笑虎の実力を疑っているんだろうな。
頼むから揉め事だけは勘弁してくれよ。
ドイツ代表の紹介をしていた同時刻――
ここロシアでも代表決定戦を勝ち抜き、代表に選ばれた選手がフィールドに並んでいた。
『ロシアの激戦を見事勝ち抜いた五人の選手達!それでは早速紹介してきましょう!』
『アミタさんは相変わらずお元気ですわね』
『元気があれば何でも出来るとカガリも言ってたじゃないですか。だから私は元気よく頑張ってるんですよ!』
マテリアルズのアミタとフラワーズのラクス。
ロシア代表決定戦を進行していた二人の声に会場はほんわかと和んでいた。
『それではAブロックを勝ち抜いた選手さんから紹介しましょう!
あのプロトレーナーの中でも最強と呼ばれプロチームゾディアックのNo.Ⅰことアクセラレータさんを決勝戦で倒したトレーナー。
カミジョウトウマ選手!』
ツンツンのウニ頭の少年がアハハと苦笑しながら頬をかく。
彼はアクセラレータとの戦いでかなり体力を使っており、実はヘトヘトだったりするが休む間もなくフィールドに連れてこられたようだ。
『あのアクセラレータさんを倒すって凄いですわね。彼はキラやアスランでも勝てないほどのトレーナーさんでしたのに』
自分の恋人でもある自由天使のキラ・ヤマトと親友のアスラン・ザラ。
二人がかつてプロリーグでアクセラレータと戦って負けた事はラクスも知っている。
『アクセラレータさんはカウンタースタイルなのに、トウマ選手は真正面から戦って倒しましたからね。手に汗握るバトルでしたよ!』
『しかも彼が一回戦から戦ってきたトレーナーは、プロチームに所属しているトレーナーばかりですわ』
アミタとラクスの会話にトウマは涙を流す。
ここまでカミジョウさんが褒められるなんて!と涙を流すトウマに、同じロシア代表の少女はジト目でトウマを見つめていた。
しかも少女の体からは何故かビリビリと放電していたりする。
『次にBブロック代表はミサカミコト選手ですわ』
『彼女は主に電気タイプをメインとしたトレーナーさんですね。特にエースポケモンのピカチュウの強さはあのランカー三位の光さんと同じぐらいだそうです』
『まぁ!あの第三位の光さんとですか。それは凄いですわ』
第三位レールガンこと光のピカチュウはかなり有名だ。
あのワタルとダイゴを相手にピカチュウだけで余裕で完封できるほど光のピカチュウは強い。
そのピカチュウと同じようにミコトのピカチュウは強いようだ。
『あとこれはプライベートな情報ですが同じロシア代表のトウマ選手と恋仲だとか……』
そのラクスの言葉にミコトは顔が真っ赤に染まる。
そしてトウマは不思議そうに首を傾げていた。
一体何が起こっているんだ?とトウマは不意に嫌な予感を感じる。
『イギリス公認カップルのアリアさんとキンジさんに負けないぐらいの恋仲らしく二人はロシア公認のカップルさんらしいですわ。一部では早く結婚しろとコメントが届いています』
『ラクス、何だか楽しそうですね』
そんな二人のやり取りにトウマは首を傾げたままだったが、背後にいたミコトに気付き体が震えていく。
ちょっと待ってミサカ!
カミジョウさんには何が何だか!?
えっ?オレとお前がカップル?何の事だ?
オレには何が何だか…………不幸だぁぁぁ!!
『さて次はCブロック代表ですね!』
『あらあら。アミタさんもだいぶスルー力が上がりましたわね』
『キリエのおかげです。それよりもCブロック代表は、ゾディアックの一人でもあるサラシキカタナ選手!』
アミタの言葉に扇子を手にし不敵に笑う少女。
扇子を広げそこに書かれた【当然】という文字をアピールし少女の笑みが深くなる。
しかし――
『確か彼女はプロトレーナーでゾディアックのお一人でしたね?』
『はい。カタナさんはプロチームに所属して実力はフレイヤのアスカさんと同じぐらいですわ。しかも彼女はあのランカーの第五位のリナさんとタッグを組んでプロリーグを優勝した経験もあるそうです』
『本当ですか!?じゃあカタナ選手の実力はかなりのものですね』
その二人の言葉に会場はざわめきが起きるが、カタナはそのやり取りに唇を噛み締めていた。
確かにリナとタッグを組んでいた時期があった。
しかしそれはリナの一人バトルで終わり、結局自分はなにも出来なかったのだ。
それどころか――
(第五位のリナに認識すらされてなかった!)
あの時カタナはかなりの屈辱を味わった。
だからこそカタナは血の滲む努力をして今この場に立っている。
『次はDブロックを勝ち抜いたヘルメン選手です』
紫色の髪に白衣を身に纏い顔にタトゥーが刻まれた男。
彼はトレーナーと言うより博士じゃね?と思う人もいるがとりあえず二人は紹介していく。
『この方はあのキハラアマタ博士の助手さんらしいですわ』
『……えぇ!?あのエビワラーと殴りあいをしてサワムラーとプロレスをしたアマタ博士の!?』
キハラアマタ博士。
主に格闘タイプのポケモンのエキスパートであり、日々新しい力を見出だしている博士。
一部ではアクセラレータを倒す為だけに執念を燃やしていると噂されている。
『……って事はヘルメン選手は格闘タイプのトレーナーさんですか?』
『それが彼のポケモンは悪や毒タイプメインでしたわ。アマタ博士とは違いますわね』
それでもヘルメンはアマタの助手なのだ。
絶対に似ている部分があるに違いない。
『それでは最後はEブロックを勝ち抜いた烈架選手です!』
青色の髪に耳にはピアスをしている少年はニコニコ笑いながら手を振っていた。
実に嬉しそうに笑っているが彼の頭をデデンネが噛んでいるせいか実際は笑えない状況だったりする。
『彼はよく覚えてます』
『そうですわね……』
アミタとラクスはどこか遠い目をしていた。
何せこのEブロックでのバトルはとんでもないバトルだったのだ。
開始早々――
『ルナトーンとソルロックの大爆発に……』
『ゴウカザルのブラストバーンですもの。本当にポケモンバトルなのかと…』
ちなみにEブロックのフィールドは使い物にならないほどボロボロなフィールドに変わり果てていたりする。
『ロシア代表は個性豊かな方々ばかりですねラクス!』
『えぇ。それでもロシア代表さん達なら優勝する気がしますわね』
こうして次々と代表が決まっていく国々。
次は果たしてどの国の代表が決まるのか?
ドイツでもまた代表決定戦が行われて五人の代表がフィールドに立っていた。
ドイツ代表の司会・進行をしていたミゲルとアリシアが話をしている。
『中国・イギリスに続いてドイツ代表も決まったなアリシア』
『そうだねミゲル。あと日本にいるルイコから連絡が入って日本代表も決まったんだって』
『…って事はライバルも大人しくバトルしたんだな』
ミゲルは知らないだろう。
ランカー一位がかなり駄々をこねていたなど。
初っぱなから大爆発を喰らい黒こげになったなど。
紅い死神に引きずられていたなんて。
『さてドイツ代表に決まった選手の紹介でもするか』
『最初はAブロック代表の式波・アスカ・ラングレー選手です』
『確か彼女はドイツプロチームの【フレイヤ】の一人だったな。他のメンバーは今回の代表決定戦で勝ち抜いた、ラウラ・ボーデヴィッヒとアーニャ・アールストレイムだったな』
フィールドにいるアスカに並ぶように立つ代表決定戦を勝ち抜いたラウラとアーニャの二人。
AブロックとBブロックとCブロックを勝ち抜いた若き美少女達の姿に会場はかなり盛り上がっている。
何せこの三人はプロチームとしても有名なのだが、一人一人にファンクラブまである。
特に写真集やテレビに出演しているアスカはかなりファンがいる。
会場のフレイヤコールにアスカとラウラは満足気に笑いアーニャは無表情に携帯を触っていた。
『フレイヤの三人は省くとして、次はDブロックを勝ち抜いたカノン・ヒルベルト選手です』
カノン・ヒルベルト――
爽やかな笑みを浮かべ足元にいるマニューラを抱き上げる青年。
彼はプロチーム――
【ブレード】のメンバーでその実力から彼にはチフユ
やタバネのようにもう一つ名前がある。
そのプロネームは――
【翼ある銃】
『まさかカノンが決定戦に出場してるなんてな』
『ミゲルは知ってるの?』
『まぁな。アイツとはタッグを組んだりしてよく戦ったから実力は知ってるよ。アイツはオレが知る限り日本の有名なプロ二人チフユやタバネより強い』
『えぇ!?そんなに!?』
チフユとタバネはプロでもかなり有名な二人。
世界にはかなりのプロトレーナーがいるが、その中でもランカーに近いと言われてるのがチフユとタバネの二人。
その二人より強いとなるとカノン・ヒルベルトの実力はかなりのものである。
『そんで最後にEブロック代表は笑虎ってトレーナーか』
黒髪をポニーテールにしてどこか眠たそうにアクビをしている少年。
少年は眠いのか体がゆらゆら揺れて今にもその場で寝そうである。
『そんでこのトレーナーってどんな奴なんだ?』
『えっとね、一回戦から全てのバトルを一体のポケモンで勝ち抜いて代表に選ばれたみたい』
『おいおい。フレイヤのメンバーならまだしもあの男ってただのトレーナーだろ?』
アリシアの言葉でミゲルは目を丸くする。
あのフレイヤのメンバーすら二体のポケモンを使っていたのに、あの男は一体で勝ち抜いたのかよ?
一体で勝ち抜くってどんだけ凄いんだよ。
しかも――
(今にも寝そうなんだが)
退屈そうにアクビをする笑虎をアスカが物凄い形相で睨み付けていた。
いやいやアスカ。
その形相は放送出来なくなるからやめてくれないか。
『ドイツ代表はフレイヤの三人にカノンに笑虎ってトレーナーか。こりゃ本当に面白くなりそうだな』
ワールドチャンピオンシップ――
どうせランカー達のぶつかり合いと思っていたが、もしかしたら想像以上に面白い事になるかもな。
『……ってかミゲル』
『何だよアリシア?』
『アスカがお茶の間に見せられないほど凄い形相してるんだけど』
『……割り切れよアリシア。じゃないと死ぬぞ』
『誰が!?』
式波・アスカ・ラングレー。
フレイヤの中でもプライドが高く実力主義のトレーナー。
おそらく笑虎の実力を疑っているんだろうな。
頼むから揉め事だけは勘弁してくれよ。
ドイツ代表の紹介をしていた同時刻――
ここロシアでも代表決定戦を勝ち抜き、代表に選ばれた選手がフィールドに並んでいた。
『ロシアの激戦を見事勝ち抜いた五人の選手達!それでは早速紹介してきましょう!』
『アミタさんは相変わらずお元気ですわね』
『元気があれば何でも出来るとカガリも言ってたじゃないですか。だから私は元気よく頑張ってるんですよ!』
マテリアルズのアミタとフラワーズのラクス。
ロシア代表決定戦を進行していた二人の声に会場はほんわかと和んでいた。
『それではAブロックを勝ち抜いた選手さんから紹介しましょう!
あのプロトレーナーの中でも最強と呼ばれプロチームゾディアックのNo.Ⅰことアクセラレータさんを決勝戦で倒したトレーナー。
カミジョウトウマ選手!』
ツンツンのウニ頭の少年がアハハと苦笑しながら頬をかく。
彼はアクセラレータとの戦いでかなり体力を使っており、実はヘトヘトだったりするが休む間もなくフィールドに連れてこられたようだ。
『あのアクセラレータさんを倒すって凄いですわね。彼はキラやアスランでも勝てないほどのトレーナーさんでしたのに』
自分の恋人でもある自由天使のキラ・ヤマトと親友のアスラン・ザラ。
二人がかつてプロリーグでアクセラレータと戦って負けた事はラクスも知っている。
『アクセラレータさんはカウンタースタイルなのに、トウマ選手は真正面から戦って倒しましたからね。手に汗握るバトルでしたよ!』
『しかも彼が一回戦から戦ってきたトレーナーは、プロチームに所属しているトレーナーばかりですわ』
アミタとラクスの会話にトウマは涙を流す。
ここまでカミジョウさんが褒められるなんて!と涙を流すトウマに、同じロシア代表の少女はジト目でトウマを見つめていた。
しかも少女の体からは何故かビリビリと放電していたりする。
『次にBブロック代表はミサカミコト選手ですわ』
『彼女は主に電気タイプをメインとしたトレーナーさんですね。特にエースポケモンのピカチュウの強さはあのランカー三位の光さんと同じぐらいだそうです』
『まぁ!あの第三位の光さんとですか。それは凄いですわ』
第三位レールガンこと光のピカチュウはかなり有名だ。
あのワタルとダイゴを相手にピカチュウだけで余裕で完封できるほど光のピカチュウは強い。
そのピカチュウと同じようにミコトのピカチュウは強いようだ。
『あとこれはプライベートな情報ですが同じロシア代表のトウマ選手と恋仲だとか……』
そのラクスの言葉にミコトは顔が真っ赤に染まる。
そしてトウマは不思議そうに首を傾げていた。
一体何が起こっているんだ?とトウマは不意に嫌な予感を感じる。
『イギリス公認カップルのアリアさんとキンジさんに負けないぐらいの恋仲らしく二人はロシア公認のカップルさんらしいですわ。一部では早く結婚しろとコメントが届いています』
『ラクス、何だか楽しそうですね』
そんな二人のやり取りにトウマは首を傾げたままだったが、背後にいたミコトに気付き体が震えていく。
ちょっと待ってミサカ!
カミジョウさんには何が何だか!?
えっ?オレとお前がカップル?何の事だ?
オレには何が何だか…………不幸だぁぁぁ!!
『さて次はCブロック代表ですね!』
『あらあら。アミタさんもだいぶスルー力が上がりましたわね』
『キリエのおかげです。それよりもCブロック代表は、ゾディアックの一人でもあるサラシキカタナ選手!』
アミタの言葉に扇子を手にし不敵に笑う少女。
扇子を広げそこに書かれた【当然】という文字をアピールし少女の笑みが深くなる。
しかし――
『確か彼女はプロトレーナーでゾディアックのお一人でしたね?』
『はい。カタナさんはプロチームに所属して実力はフレイヤのアスカさんと同じぐらいですわ。しかも彼女はあのランカーの第五位のリナさんとタッグを組んでプロリーグを優勝した経験もあるそうです』
『本当ですか!?じゃあカタナ選手の実力はかなりのものですね』
その二人の言葉に会場はざわめきが起きるが、カタナはそのやり取りに唇を噛み締めていた。
確かにリナとタッグを組んでいた時期があった。
しかしそれはリナの一人バトルで終わり、結局自分はなにも出来なかったのだ。
それどころか――
(第五位のリナに認識すらされてなかった!)
あの時カタナはかなりの屈辱を味わった。
だからこそカタナは血の滲む努力をして今この場に立っている。
『次はDブロックを勝ち抜いたヘルメン選手です』
紫色の髪に白衣を身に纏い顔にタトゥーが刻まれた男。
彼はトレーナーと言うより博士じゃね?と思う人もいるがとりあえず二人は紹介していく。
『この方はあのキハラアマタ博士の助手さんらしいですわ』
『……えぇ!?あのエビワラーと殴りあいをしてサワムラーとプロレスをしたアマタ博士の!?』
キハラアマタ博士。
主に格闘タイプのポケモンのエキスパートであり、日々新しい力を見出だしている博士。
一部ではアクセラレータを倒す為だけに執念を燃やしていると噂されている。
『……って事はヘルメン選手は格闘タイプのトレーナーさんですか?』
『それが彼のポケモンは悪や毒タイプメインでしたわ。アマタ博士とは違いますわね』
それでもヘルメンはアマタの助手なのだ。
絶対に似ている部分があるに違いない。
『それでは最後はEブロックを勝ち抜いた烈架選手です!』
青色の髪に耳にはピアスをしている少年はニコニコ笑いながら手を振っていた。
実に嬉しそうに笑っているが彼の頭をデデンネが噛んでいるせいか実際は笑えない状況だったりする。
『彼はよく覚えてます』
『そうですわね……』
アミタとラクスはどこか遠い目をしていた。
何せこのEブロックでのバトルはとんでもないバトルだったのだ。
開始早々――
『ルナトーンとソルロックの大爆発に……』
『ゴウカザルのブラストバーンですもの。本当にポケモンバトルなのかと…』
ちなみにEブロックのフィールドは使い物にならないほどボロボロなフィールドに変わり果てていたりする。
『ロシア代表は個性豊かな方々ばかりですねラクス!』
『えぇ。それでもロシア代表さん達なら優勝する気がしますわね』
こうして次々と代表が決まっていく国々。
次は果たしてどの国の代表が決まるのか?