最後の力
二人の一言が放たれた直後大きな銃声が一発その場に響いた。
その放たれた銃弾はデュランダルを撃ち抜いて、デュランダルの胸が赤く染まり後ろへとゆっくり倒れていく。
デュランダルを撃ち抜いた一発の銃弾の正体はレイの放った銃弾だったのだ。
デュランダルが倒れるとレイはその場に泣き崩れてしまう。
「ギル…ごめんな…さい!!…でも…彼らの…明日は!!」
そう言ってレイは再び泣きじゃくる。
あのギルをレイが撃った。
今までギルの為だけに戦っていたのにレイはこの瞬間ギルではなく仲間を選んだのだ。
共に戦った仲間達を。
「ナツメ!!」
キラはデュランダルの横で座り込んでいたナツメの身体を抱えた。
「キ…ラ…」
ナツメは瞳から涙を流しながらキラを見つめ愛おしそうに名を呼んだ。
キラ……キラ……キラ……
私はただアナタに笑っていてほしかった。
戦いのない世界でアナタに幸せになってほしかっただけなの。
なのに私はどこで間違えちゃったのかな?
「キラ…ごめんな…さい…私…貴方を裏切って」
泣きじゃくるナツメをキラは優しく微笑んで頭を撫でながら口を開いた。
「ナツメ。僕はキミが帰って来てくれるだけでよかったんだよ。僕はキミといれればそれだけで幸せなんだから」
「キラ…!!」
「あの時もキミに伝えたけどもう一度だけ言うよ。ナツメ、僕はキミを誰よりも愛してる。この気持ちも言葉も嘘じゃない」
「……私もアナタが…好き。アナタの事が誰よりも……大好きよ…!!もう二度と離れない」
そう言って、ナツメはキラの胸に顔を埋めるとキラはナツメをギュッと抱きしめ優しく頭を撫でるのであった。
そしてキラ達の横ではもうすぐ息絶えるであろうデュランダルを支えるタリアがいてタリアはキラに銃口を向けて行くように伝える。
最後に…息子の事を告げて。
「キラ!!早く脱出するんだ!!」
キラはクリスの言葉に頷くとナツメを抱えてその場から去っていき、キラと入れ違うようにラウが入ってきたが、キラはラウに気づかずクリスは入ってきたラウに一度だけ視線を向けるが蹲るレイに近寄り肩に手を置く。
「レイ…」
「…クリス」
涙を流し迷子の子どものように悲しげな表情を浮かべるレイにクリスは優しく微笑む。
最後にレイは俺やキラじゃなくギルを撃った。
つまりギルの目指す世界じゃなく自分自身で創る未来を選んだ。
レイにとっての未来。
それはおそらくシン達と共に歩む未来だったんだな。
「一緒に行こう…」
「えっ…!!」
レイはクリスの言葉に驚いて涙が止まろうとした。
「言ったろ助けるって。レイはまだ死んじゃ駄目だよ。変わるんだよ今からでも」
レイはクリスを見ていたが視線をデュランダルに向けると、デュランダルはレイの視線に気づき苦しみながらも口を開いた。
「レイ…行きな…さい…。クリスなら…キミを救って…くれる…はずだ。クリス…レイを…頼んだよ」
これから先レイの力は必要になる。
何より私はレイに生きてほしいとも思っている。
クリス、キミなら私が想像している未来を変えられるかもしれない。
だから後はキミに全てを託す。
そしてデュランダルは目を閉じて息絶えた。
「ギルバートの言う通りよ、レイ。貴方は生きなさい。アナタには帰りを待っている人がいるでしょう?だから…仲間の元に行きなさい」
アナタにはクリスだけじゃない。
シンやルナマリアがいる。
ミネルバの仲間達がきっとアナタを支えてくれるはずよ。
そしてラウも一一一
「レイ、キミはクローンとしてじゃなく、一人の人間として生きるんだ。もう私のように苦しまず生きるように願っているよ」
私がラウ・ル・クルーゼという人間だったように、キミはレイ・ザ・バレルというたった一人の人間なのだから。
私のようになるなよレイ!
三人の言葉にレイはクリスの手をとって立ち上がった。
「ギル、艦長、ラウ、今までありがとうございました。貴方達の事は忘れません」
レイは再び涙を流しつつも敬礼してクリスを見つめると、クリスは頷いて最後に三人に敬礼するとその場を去っていった。
これで本当にサヨナラだ。
ギル一一一
ラウ一一一
今までありがとう。
クリスがクルサードに乗り込みレイは涙を流しながらコックピットに入ると、クリスはすぐにメサイアから脱出するとメサイアはクルサードが出ていくと同時に激しい音と光を放ち崩れていく
「レイ、よく頑張ったな」
クリスはレイの頭を優しく撫でるとある場所に向かい、そこにはボロボロに大破したデスティニーやインパルスやガイアやカオスやアビスがいた。
カオスとアビスはどうやら見守っているだけのようでガイアに乗っていたステラはコックピットから飛び出してシンに抱きついており、そんなステラに対しシンは本気で困惑し抱きつくステラをルナマリアが必死に引き剥がそうとしていた。
「………とりあえず行くか」
クリスはその場に近づくとクルサードのコックピットを開いて二人の元へと近づく。
クリスが現れた事に気づいてステラは笑顔を浮かべながらクリスに駆け寄り、シンとルナマリアは真っ直ぐにクリスを見つめる。
「二人共戦いは終わったんだ。帰ろう」
二人に微笑みながらは言ったが二人は顔を微かに曇らせた。
「もういいんだよ。全部終わったんだ。二人とも生きてる。二人だけじゃない。救えた命がここにはあるんだよ」
「……クリス」
クリスの言葉にシンはステラを見つめる。
あの時俺はステラは死んだと思っていた。
ステラだけじゃない。
あそこにいるアビスのパイロットも俺が殺したはずなのに生きている。
確かにクリスの言うとおりかもしれない。
「シン、レイは助けたよ。だから安心しな」
クリスの言葉にシンは顔を歪めながら口にする。
レイ・ザ・バレル一一一
俺の親友であり俺にとって掛け替えのない戦友。
クローンでもう自分には未来がないと言ってた。
だけどそんなレイをクリスが助けた?
だってレイは一一一
「クリス、でもレイは!」
テロメアが短くてそんなに永くない。
だからレイは俺に未来を託したんだ。
それなのに一一一
「きっと助けてみせる。レイだってこの世でたった一人の人間だからな」
クリスはそう言って二人に手を差しのべた。
「帰ろう。二人とも」
「えっ…!?」
「帰るってどこに?」
困惑するシンとルナマリアに対し微笑むクリスの視線は愛おしい人がいる方向に向いている。
「俺の大切な人がいる所に…」
「クリス」
ミネルバにいた時には見せなかった微笑み。
たったそれだけでシンもルナマリアも納得してしまう。
クリスがどれだけその人を大切に想っているのかを。
「じゃあシンはステラが連れて行く!」
「…えっ?」
「ちょっと!?さっきからシンにベタベタしすぎよ!」
「ステラが連れて行くのー!」
「シン!どういうことよ!」
「……ク、クリス!た、助け!」
何やら修羅場っているようでクリスは苦笑してクルサードに戻るとコックピットを閉めてエターナルとAAがいる方に飛び去っていく。
そんなクルサードに続くようにカオスとアビスもその場から離れていき、シンはちくしょーー!と叫びしばらくステラとルナマリアによる修羅場を味わっていたようだ。
クリスはエターナルに着くとレイを抱えたままクルサードから降りてヘルメットを外すとクリスはクルサードの足元にいたメイリンを見ながらを口を開いた。
「メイリン、レイを医務室へ連れていってくれ。今は休ませてやってほしい」
「……うん!」
衰弱したレイをメイリンは一生懸命支えながらエターナルの格納庫を歩き出すと、
「……メイリン。あの時はすまなかった」
「……もういいよ。今ここにレイがいる。私はそれだけでいいの!」
たとえ命を狙われたとしても私はここにいる。
そしてレイもいる。
だからこれでいいのだ!
レイとまたお話ができる。
今はそれだけで充分だよレイ。
メイリンとレイを見送りながらクリスは一度息を吐くと、辺りを見回してある事に気付く。
格納庫にはいつの間にかクリスとラクスだけしかいなかったのだ。
静まり返る格納庫一一一
クリスはラクスに近づいて微笑みながら口を開いた。
「ラクス………ただいま」
クリスの言葉にラクスも微笑んで答えた。
「おかえりなさいませクリス」
戦いは終わった。
しかし一一一
全てが終わったわけじゃない一一一
これからが一一一
始まりでもある。
明日がある戦いのない世界を。
愛する人と創るためにも。
その放たれた銃弾はデュランダルを撃ち抜いて、デュランダルの胸が赤く染まり後ろへとゆっくり倒れていく。
デュランダルを撃ち抜いた一発の銃弾の正体はレイの放った銃弾だったのだ。
デュランダルが倒れるとレイはその場に泣き崩れてしまう。
「ギル…ごめんな…さい!!…でも…彼らの…明日は!!」
そう言ってレイは再び泣きじゃくる。
あのギルをレイが撃った。
今までギルの為だけに戦っていたのにレイはこの瞬間ギルではなく仲間を選んだのだ。
共に戦った仲間達を。
「ナツメ!!」
キラはデュランダルの横で座り込んでいたナツメの身体を抱えた。
「キ…ラ…」
ナツメは瞳から涙を流しながらキラを見つめ愛おしそうに名を呼んだ。
キラ……キラ……キラ……
私はただアナタに笑っていてほしかった。
戦いのない世界でアナタに幸せになってほしかっただけなの。
なのに私はどこで間違えちゃったのかな?
「キラ…ごめんな…さい…私…貴方を裏切って」
泣きじゃくるナツメをキラは優しく微笑んで頭を撫でながら口を開いた。
「ナツメ。僕はキミが帰って来てくれるだけでよかったんだよ。僕はキミといれればそれだけで幸せなんだから」
「キラ…!!」
「あの時もキミに伝えたけどもう一度だけ言うよ。ナツメ、僕はキミを誰よりも愛してる。この気持ちも言葉も嘘じゃない」
「……私もアナタが…好き。アナタの事が誰よりも……大好きよ…!!もう二度と離れない」
そう言って、ナツメはキラの胸に顔を埋めるとキラはナツメをギュッと抱きしめ優しく頭を撫でるのであった。
そしてキラ達の横ではもうすぐ息絶えるであろうデュランダルを支えるタリアがいてタリアはキラに銃口を向けて行くように伝える。
最後に…息子の事を告げて。
「キラ!!早く脱出するんだ!!」
キラはクリスの言葉に頷くとナツメを抱えてその場から去っていき、キラと入れ違うようにラウが入ってきたが、キラはラウに気づかずクリスは入ってきたラウに一度だけ視線を向けるが蹲るレイに近寄り肩に手を置く。
「レイ…」
「…クリス」
涙を流し迷子の子どものように悲しげな表情を浮かべるレイにクリスは優しく微笑む。
最後にレイは俺やキラじゃなくギルを撃った。
つまりギルの目指す世界じゃなく自分自身で創る未来を選んだ。
レイにとっての未来。
それはおそらくシン達と共に歩む未来だったんだな。
「一緒に行こう…」
「えっ…!!」
レイはクリスの言葉に驚いて涙が止まろうとした。
「言ったろ助けるって。レイはまだ死んじゃ駄目だよ。変わるんだよ今からでも」
レイはクリスを見ていたが視線をデュランダルに向けると、デュランダルはレイの視線に気づき苦しみながらも口を開いた。
「レイ…行きな…さい…。クリスなら…キミを救って…くれる…はずだ。クリス…レイを…頼んだよ」
これから先レイの力は必要になる。
何より私はレイに生きてほしいとも思っている。
クリス、キミなら私が想像している未来を変えられるかもしれない。
だから後はキミに全てを託す。
そしてデュランダルは目を閉じて息絶えた。
「ギルバートの言う通りよ、レイ。貴方は生きなさい。アナタには帰りを待っている人がいるでしょう?だから…仲間の元に行きなさい」
アナタにはクリスだけじゃない。
シンやルナマリアがいる。
ミネルバの仲間達がきっとアナタを支えてくれるはずよ。
そしてラウも一一一
「レイ、キミはクローンとしてじゃなく、一人の人間として生きるんだ。もう私のように苦しまず生きるように願っているよ」
私がラウ・ル・クルーゼという人間だったように、キミはレイ・ザ・バレルというたった一人の人間なのだから。
私のようになるなよレイ!
三人の言葉にレイはクリスの手をとって立ち上がった。
「ギル、艦長、ラウ、今までありがとうございました。貴方達の事は忘れません」
レイは再び涙を流しつつも敬礼してクリスを見つめると、クリスは頷いて最後に三人に敬礼するとその場を去っていった。
これで本当にサヨナラだ。
ギル一一一
ラウ一一一
今までありがとう。
クリスがクルサードに乗り込みレイは涙を流しながらコックピットに入ると、クリスはすぐにメサイアから脱出するとメサイアはクルサードが出ていくと同時に激しい音と光を放ち崩れていく
「レイ、よく頑張ったな」
クリスはレイの頭を優しく撫でるとある場所に向かい、そこにはボロボロに大破したデスティニーやインパルスやガイアやカオスやアビスがいた。
カオスとアビスはどうやら見守っているだけのようでガイアに乗っていたステラはコックピットから飛び出してシンに抱きついており、そんなステラに対しシンは本気で困惑し抱きつくステラをルナマリアが必死に引き剥がそうとしていた。
「………とりあえず行くか」
クリスはその場に近づくとクルサードのコックピットを開いて二人の元へと近づく。
クリスが現れた事に気づいてステラは笑顔を浮かべながらクリスに駆け寄り、シンとルナマリアは真っ直ぐにクリスを見つめる。
「二人共戦いは終わったんだ。帰ろう」
二人に微笑みながらは言ったが二人は顔を微かに曇らせた。
「もういいんだよ。全部終わったんだ。二人とも生きてる。二人だけじゃない。救えた命がここにはあるんだよ」
「……クリス」
クリスの言葉にシンはステラを見つめる。
あの時俺はステラは死んだと思っていた。
ステラだけじゃない。
あそこにいるアビスのパイロットも俺が殺したはずなのに生きている。
確かにクリスの言うとおりかもしれない。
「シン、レイは助けたよ。だから安心しな」
クリスの言葉にシンは顔を歪めながら口にする。
レイ・ザ・バレル一一一
俺の親友であり俺にとって掛け替えのない戦友。
クローンでもう自分には未来がないと言ってた。
だけどそんなレイをクリスが助けた?
だってレイは一一一
「クリス、でもレイは!」
テロメアが短くてそんなに永くない。
だからレイは俺に未来を託したんだ。
それなのに一一一
「きっと助けてみせる。レイだってこの世でたった一人の人間だからな」
クリスはそう言って二人に手を差しのべた。
「帰ろう。二人とも」
「えっ…!?」
「帰るってどこに?」
困惑するシンとルナマリアに対し微笑むクリスの視線は愛おしい人がいる方向に向いている。
「俺の大切な人がいる所に…」
「クリス」
ミネルバにいた時には見せなかった微笑み。
たったそれだけでシンもルナマリアも納得してしまう。
クリスがどれだけその人を大切に想っているのかを。
「じゃあシンはステラが連れて行く!」
「…えっ?」
「ちょっと!?さっきからシンにベタベタしすぎよ!」
「ステラが連れて行くのー!」
「シン!どういうことよ!」
「……ク、クリス!た、助け!」
何やら修羅場っているようでクリスは苦笑してクルサードに戻るとコックピットを閉めてエターナルとAAがいる方に飛び去っていく。
そんなクルサードに続くようにカオスとアビスもその場から離れていき、シンはちくしょーー!と叫びしばらくステラとルナマリアによる修羅場を味わっていたようだ。
クリスはエターナルに着くとレイを抱えたままクルサードから降りてヘルメットを外すとクリスはクルサードの足元にいたメイリンを見ながらを口を開いた。
「メイリン、レイを医務室へ連れていってくれ。今は休ませてやってほしい」
「……うん!」
衰弱したレイをメイリンは一生懸命支えながらエターナルの格納庫を歩き出すと、
「……メイリン。あの時はすまなかった」
「……もういいよ。今ここにレイがいる。私はそれだけでいいの!」
たとえ命を狙われたとしても私はここにいる。
そしてレイもいる。
だからこれでいいのだ!
レイとまたお話ができる。
今はそれだけで充分だよレイ。
メイリンとレイを見送りながらクリスは一度息を吐くと、辺りを見回してある事に気付く。
格納庫にはいつの間にかクリスとラクスだけしかいなかったのだ。
静まり返る格納庫一一一
クリスはラクスに近づいて微笑みながら口を開いた。
「ラクス………ただいま」
クリスの言葉にラクスも微笑んで答えた。
「おかえりなさいませクリス」
戦いは終わった。
しかし一一一
全てが終わったわけじゃない一一一
これからが一一一
始まりでもある。
明日がある戦いのない世界を。
愛する人と創るためにも。