最後の力
「予想していたけどきついな」
クリスは溜め息まじりに呟いている。
目の前で戦闘不能にしているはずなのに数が減った気がしない。
これじゃ第一中継ステーションにたどり着けないのではないか?
それほどにデスティニープランが求められているのか?
「クリス急がないと」
「分かってる」
キラの言葉にクリスは顔を歪めながら答えた。
ライフルでザクやグフを戦闘不能にするがこのままじゃ間に合わなくなる。
その時だった三機のMSにレーダーが警報アラームを鳴らしその警報と同時に凄まじい勢いで閃光が前方から放たれた。
「あれは…」
「ミネルバ…」
「くっ……!!」
クリス達の見つめた先にはミネルバ。
かつては戦友として一一一
仲間として共に戦った場所一一一
しかしミネルバは完全にこちらに対して攻撃体勢に入っていた。
「アスラン!」
「…あぁ」
もう彼らは自分達とは別な道を歩いた存在一一一
戦わなければやられるだけだ。
その頃ある男が眉を寄せながらモニターを見ていた。
「あぁ!!なんだ!?あのMSは!?」
「そんな事より、どーすんだよ隊長?俺達は?」
「あ?」
イザークは機体内で待機していたディアッカの言葉に耳を傾けた。
「一応出てって瞬殺されてくる?」
「馬鹿者!!そんな根性なら最初から出るな!!」
「いやっ…だってな…」
冗談で言ったつもりだったがイザークはディアッカの言葉を一喝した。
「俺が出る!!」
「はぁ!?」
「隊長!?」
この言葉にはディアッカだけではなく艦長も驚いていた。
それもそのはず。イザークの性格も分かっているディアッカでも、こんな言葉を言うイザークは珍しかったからだ。
「ボルテールは後ろから支援だけしていろ!!いいな!前に出るなよ…死ぬぞ!!」
そう言ってイザークがブリッジから消えていくと、艦長はイザークの言葉に唖然とするしかなかった。
「けどどうすんだよイザーク?…お前まさか!!」
「今俺が殴りたいのはあいつらだけだ!!」
「はぁ?」
「よくもおめおめと…こんな処にぃぃっ!!」
スピリットに似た機体やジャスティスの後継機のような機体。
あれに乗っているのは間違いなくアイツラだ。
本当にアイツラは!
いつもいつも勝手にーーー!
ディアッカはイザークのこの性格に思わず溜め息をついてしまった。
「貴様ら!!またこんな処で何をやっている!!」
「「イザーク!!」」
ポカンとした表情でアスランとクリスはその名を呼んだ。
「何をって…こいつを落とそうとしてんじゃんかよ」
「ディアッカ?」
ディアッカの言葉にイザークが再び口を開いた。
「俺が言っているのはそういう事じゃない!!」
相変わらずだなイザーク。
どうやら心配できてくれたようだな。
現れたイザークに笑みを浮かべるクリスに対してアスランは状況が把握できていなかったようだ。
「イザークいいのか?」
「……フンッ!!」
イザークはクリス言葉に鼻を鳴らした。
「忘れたのかクリス?道を間違うなと言ったのは貴様だろ?」
「まっ!!そういう事だよ」
「お前ら……」
なんだかんだで味方になってくれるだな二人共。
俺やアスランと違ってザフトの軍人なのに。
本当に感謝する、イザーク!ディアッカ!
「だったら一緒に行こうぜ」
クリスの言葉にイザークもディアッカも笑みを浮かべて頷いていると、
「こらっクリス!!」
「僕達を忘れないで下さい!!」
「俺達も仲間だろうが!!」
突然聞こえてきた声にイザークとディアッカは固まった。
「その声は…」
「ミゲル…ニコル…ラスティ……!!」
イザークとディアッカは目を見開いていた。
何故なら三人共死んだはずの人間。
それなのに自分達の目の前で話している。
これは一体何の冗談だ?
「お久しぶりです!!イザーク!!ディアッカ!!」
ニコルの言葉に固まったいた二人は正気に戻った。
「生きていたのか…お前ら」
「当たり前だ!!」
「だから勝手に殺すな!!」
イザークの言葉にミゲルとラスティは怒鳴った。
「行こう…皆!!あれを…落とさなきゃ」
困惑していた空気にクリスが声を掛けてステーションワンへと向かった。
「そうですね。今はこの戦いを終わらせましょう」
「…だな」
それに続くようにニコル達もクリスを追った。
「キラ!!アスラン!!」
イザーク達やミゲル達の援護によってキラとアスランはステーションワンに辿りつくと、
「うん!!」
「まかせろ!!」
クリスの声に二人は頷いてミーティアでステーションワンを破壊して成功するとクリス達はすぐにデュランダルの元へ向かう。
「私も行くわね」
「ナツメ、キミには何度も助けられたよ。ありがとう」
ナツメはギルバートの言葉に笑みを浮かべる。
助けられたのは私の方よ。
ありがとうギル。
「私も貴方に助けてもらったわ。だからその言葉だけで充分よ」
後はクリスを倒すだけ。
今度こそ決着をつけるわよクリス!
「じゃあ行きましょう……ラウ」
「……ああ」
二人はそう言って自分達の機体の元へ向かった。
オーブ艦隊がレクイエム本体に到着し攻撃を開始したのだが、本体はシールドで守られて攻撃は全く通らず破壊できなかった。
そしてデュランダルは遂に動き出す。
何とクリス達の目の前には巨大な要塞が出現したのだ。
「これは要塞?」
クリスが首を傾げてそれを見ていると、巨大な要塞からは高エネルギー反応が、
「艦隊を…!!」
「くっそぉぉ!!」
高エネルギーが一気に放出され主力艦隊めがけて放たれる光景にクリスは目を見開く。
その光景はまるで先の大戦に使われたジェネシスに似ていたのだ。
レクイエムだけじゃない。
ギルはジェネシスも用意していたのか?
あれがどんな兵器か分かったうえで。
「デスティニー・レジェンド・ビトゥレイ発進!!」
さらに巨大な要塞からギルバートの声と同時に、ナツメ達が発進した。
「レイ・ザ・バレル、レジェンド発進する!!」
「シン・アスカ、デスティニー行きます!!」
「ナツメ・アルフィード、ビトゥレイ行くわよ!!」
メサイアからはザクとグフの他に見慣れたMSが出てきた。
キラもアスランもクリスも自分達に向かってくるMSに目を鋭くさせる。
「さぁ!今度こそ消えてもらおう。ラクス・クライン。そしてクリス・アルフィード」
私の計画のために二人仲良くあの世へ一一一
「キラ!!アスラン!!」
「うん」
「あぁ…行くぞ!!キラ、クリス!!」
フリーダムとジャスティスはミーティアを外してレジェンドとデスティニーと戦闘を始め、クルサードはビトゥレイを探しながらザクとグフを倒していた。
キラ・ヤマト一一一
お前の存在だけは一一一
許さない……!!
クリスは溜め息まじりに呟いている。
目の前で戦闘不能にしているはずなのに数が減った気がしない。
これじゃ第一中継ステーションにたどり着けないのではないか?
それほどにデスティニープランが求められているのか?
「クリス急がないと」
「分かってる」
キラの言葉にクリスは顔を歪めながら答えた。
ライフルでザクやグフを戦闘不能にするがこのままじゃ間に合わなくなる。
その時だった三機のMSにレーダーが警報アラームを鳴らしその警報と同時に凄まじい勢いで閃光が前方から放たれた。
「あれは…」
「ミネルバ…」
「くっ……!!」
クリス達の見つめた先にはミネルバ。
かつては戦友として一一一
仲間として共に戦った場所一一一
しかしミネルバは完全にこちらに対して攻撃体勢に入っていた。
「アスラン!」
「…あぁ」
もう彼らは自分達とは別な道を歩いた存在一一一
戦わなければやられるだけだ。
その頃ある男が眉を寄せながらモニターを見ていた。
「あぁ!!なんだ!?あのMSは!?」
「そんな事より、どーすんだよ隊長?俺達は?」
「あ?」
イザークは機体内で待機していたディアッカの言葉に耳を傾けた。
「一応出てって瞬殺されてくる?」
「馬鹿者!!そんな根性なら最初から出るな!!」
「いやっ…だってな…」
冗談で言ったつもりだったがイザークはディアッカの言葉を一喝した。
「俺が出る!!」
「はぁ!?」
「隊長!?」
この言葉にはディアッカだけではなく艦長も驚いていた。
それもそのはず。イザークの性格も分かっているディアッカでも、こんな言葉を言うイザークは珍しかったからだ。
「ボルテールは後ろから支援だけしていろ!!いいな!前に出るなよ…死ぬぞ!!」
そう言ってイザークがブリッジから消えていくと、艦長はイザークの言葉に唖然とするしかなかった。
「けどどうすんだよイザーク?…お前まさか!!」
「今俺が殴りたいのはあいつらだけだ!!」
「はぁ?」
「よくもおめおめと…こんな処にぃぃっ!!」
スピリットに似た機体やジャスティスの後継機のような機体。
あれに乗っているのは間違いなくアイツラだ。
本当にアイツラは!
いつもいつも勝手にーーー!
ディアッカはイザークのこの性格に思わず溜め息をついてしまった。
「貴様ら!!またこんな処で何をやっている!!」
「「イザーク!!」」
ポカンとした表情でアスランとクリスはその名を呼んだ。
「何をって…こいつを落とそうとしてんじゃんかよ」
「ディアッカ?」
ディアッカの言葉にイザークが再び口を開いた。
「俺が言っているのはそういう事じゃない!!」
相変わらずだなイザーク。
どうやら心配できてくれたようだな。
現れたイザークに笑みを浮かべるクリスに対してアスランは状況が把握できていなかったようだ。
「イザークいいのか?」
「……フンッ!!」
イザークはクリス言葉に鼻を鳴らした。
「忘れたのかクリス?道を間違うなと言ったのは貴様だろ?」
「まっ!!そういう事だよ」
「お前ら……」
なんだかんだで味方になってくれるだな二人共。
俺やアスランと違ってザフトの軍人なのに。
本当に感謝する、イザーク!ディアッカ!
「だったら一緒に行こうぜ」
クリスの言葉にイザークもディアッカも笑みを浮かべて頷いていると、
「こらっクリス!!」
「僕達を忘れないで下さい!!」
「俺達も仲間だろうが!!」
突然聞こえてきた声にイザークとディアッカは固まった。
「その声は…」
「ミゲル…ニコル…ラスティ……!!」
イザークとディアッカは目を見開いていた。
何故なら三人共死んだはずの人間。
それなのに自分達の目の前で話している。
これは一体何の冗談だ?
「お久しぶりです!!イザーク!!ディアッカ!!」
ニコルの言葉に固まったいた二人は正気に戻った。
「生きていたのか…お前ら」
「当たり前だ!!」
「だから勝手に殺すな!!」
イザークの言葉にミゲルとラスティは怒鳴った。
「行こう…皆!!あれを…落とさなきゃ」
困惑していた空気にクリスが声を掛けてステーションワンへと向かった。
「そうですね。今はこの戦いを終わらせましょう」
「…だな」
それに続くようにニコル達もクリスを追った。
「キラ!!アスラン!!」
イザーク達やミゲル達の援護によってキラとアスランはステーションワンに辿りつくと、
「うん!!」
「まかせろ!!」
クリスの声に二人は頷いてミーティアでステーションワンを破壊して成功するとクリス達はすぐにデュランダルの元へ向かう。
「私も行くわね」
「ナツメ、キミには何度も助けられたよ。ありがとう」
ナツメはギルバートの言葉に笑みを浮かべる。
助けられたのは私の方よ。
ありがとうギル。
「私も貴方に助けてもらったわ。だからその言葉だけで充分よ」
後はクリスを倒すだけ。
今度こそ決着をつけるわよクリス!
「じゃあ行きましょう……ラウ」
「……ああ」
二人はそう言って自分達の機体の元へ向かった。
オーブ艦隊がレクイエム本体に到着し攻撃を開始したのだが、本体はシールドで守られて攻撃は全く通らず破壊できなかった。
そしてデュランダルは遂に動き出す。
何とクリス達の目の前には巨大な要塞が出現したのだ。
「これは要塞?」
クリスが首を傾げてそれを見ていると、巨大な要塞からは高エネルギー反応が、
「艦隊を…!!」
「くっそぉぉ!!」
高エネルギーが一気に放出され主力艦隊めがけて放たれる光景にクリスは目を見開く。
その光景はまるで先の大戦に使われたジェネシスに似ていたのだ。
レクイエムだけじゃない。
ギルはジェネシスも用意していたのか?
あれがどんな兵器か分かったうえで。
「デスティニー・レジェンド・ビトゥレイ発進!!」
さらに巨大な要塞からギルバートの声と同時に、ナツメ達が発進した。
「レイ・ザ・バレル、レジェンド発進する!!」
「シン・アスカ、デスティニー行きます!!」
「ナツメ・アルフィード、ビトゥレイ行くわよ!!」
メサイアからはザクとグフの他に見慣れたMSが出てきた。
キラもアスランもクリスも自分達に向かってくるMSに目を鋭くさせる。
「さぁ!今度こそ消えてもらおう。ラクス・クライン。そしてクリス・アルフィード」
私の計画のために二人仲良くあの世へ一一一
「キラ!!アスラン!!」
「うん」
「あぁ…行くぞ!!キラ、クリス!!」
フリーダムとジャスティスはミーティアを外してレジェンドとデスティニーと戦闘を始め、クルサードはビトゥレイを探しながらザクとグフを倒していた。
キラ・ヤマト一一一
お前の存在だけは一一一
許さない……!!