過去との再会
クリスとミゲル達は宇宙に上がるとある場所に来ていた。
かつてキラや俺や姉さんが生み出された忌まわしき場所。
もう二度と来ることはないと思っていた因縁の場所。
まさかまた来ることになるなんてな。
「メンデルですか?」
ニコルは目の前の建物を見ながら呟いた。
「…あぁ。ここは俺や姉さんやキラが生まれた場所なんだ」
本当にここはいい思い出がない。
ラウを止めようと自分の手で討つと決めたのもこの場所だ。
クリスは悲しげな表情のままメンデルの建物を見つめている。
「でもよ、なんでこんな場所に?」
ミゲルは首を傾げながら尋ねるとクリスは真剣な表情で答えた。
「この中に何かがあるはずだ。デスティニープランだけじゃなく何か他にもな。それに気になる事がある」
あの時は出生の事もだがラウの事もあってちゃんとメンデル内を確認していなかったからな。
「ミゲル達はここで待機していてくれ。何かあったら入ってもいいから」
「……あぁ」
ミゲルが小さく頷くとニコルとラスティは心配そうにクリスを見つめていたが、クリスは心配するなと言い残してメンデル周辺を一度確認するとメンデルの中に入っていった。
『…………』
しかし…
その時クリスやミゲル達は気付かなかった。
すぐ後ろに一機のMSがクリス達をジッと見つめていた事を。
クリスはメンデルの中に入ると辺りを確認しながら目的の場所を目指していた。
かつてここでかなりのコーディネーターが生み出された。
だがバイオハザードが起こりここは閉鎖。
ここにはキラの両親を含め俺や姉さんの両親も研究員として働いていた。
人の夢の最果ての場所………か。
「本当に酷いものだな」
今でも電力は生きているようだが人の気配は全く感じられない。
こんな場所が今でも存在している事に不快しかないがそれでも俺は見つけなきゃいけない。
ギルの研究だけじゃなく俺達の両親が本当に作り出そうとしたものが何かを。
キラのようなスーパーコーディネーターを作ろうとしたようには思えない。
かつてギルに聞いた時はぐらかされたが、一緒にいたラウはニヤリと笑って俺を見ていた。
つまり俺や姉さんはコーディネーターとしてだけじゃない。
何か別の存在として作ろうとしていた。
クリスが深く考え事をしていると、目的の場所に辿り着いたようでクリスは辺りを見回す。
「見つかるといいんだが……」
両親はキラやカガリの親でもあるユーレンを嫌っていたらしい。
己の欲のために研究するユーレンに対し俺達の両親は子供に未来を創ってもらうために研究していたらしい。
だがそれは言い方を変えれば子供に世界を統治させよとうとしていたようにも思える。
そんな事果たして可能なのか?
世界を統治一一一
人を導く存在……ッ!?
まさかな一一一
「これだ……!!」
クリスは目当てのものを見つけたようでの手には古びれたノートが握られていた。
そこには一一一
『プ…ジェ…ト……コ……ド』と書かれておりノートの後ろにはアルフィード夫妻to〇〇ラと書かれていた。
クリスはノートを持ったまま歩きだそうとした時に何かを感じて足を止めた。
「……人の気配?」
クリスは自分の背後から誰かが迫ってくる気配を感じていた。
このタイミングで一体誰だ?
ミゲル達じゃないの確かだ。
何せ足音は一つしかないのだから。
クリスはその人物を確認するため物陰に隠れて、聞こえてきた足音が部屋の前に止まって気配の主が部屋に入ってくる。
(誰だ……?)
クリスはその瞬間身体が一瞬で凍りついた。
そんなはずがない。
だが入ってきた気配に身に覚えがある。
だけどそれはありえない。
だってあの人は俺とキラが追い詰めて最後は俺のスピリットで乗っていた機体を貫いたはずだ。
なのにこの胸に感じる痛みはなんだ?
まさか本当に?
「………ラウ?」
「さぁ!出てきたまえ!!クリス!」
この声は間違いなくラウだ。
本当に生きていたのかラウ!
クルーゼは辺りを見ながら大声で叫んでいる。
「クリス!どうやら驚いているようだな!なぜ私が生きているのかと。簡単な事だよ!私はあの時、キミとキラ・ヤマトに追いつめられた!そしてキミのスピリットによってコックピットを貫かれてジェネシスに撃たれた!だが私はあの時かろうじで生きていたのだよ!」
あれで生きていたなんてラウ不死身すぎない?
だけどこれで納得できた。
姉さんが生きていて姿をくらませたのもギルが事情を知っていたのもラウがいたからか。
「そういうことだったのか……」
クリスは銃を手にし構えながらクルーゼの前にゆっくり現れた。
またこうしてラウと会えるなんて。
嬉しいようで悲しいよラウ。
俺は今でもラウを討ったあの感触が忘れられないでいるのに。
「久しぶりだね………クリス」
「……ラウ」
互いに銃を構え合うラウとクリスの二人。
悲しげな表情をするクリスに対しクルーゼはニヤリと笑みを浮かべている。
クルーゼは口元をニヤリとさせながら言った。
「クリス、今までの出来事は全てギルバートから聞いた。キミがやろうとしている事も大体わかっている。それをふまえて言わせてもらうがキミの夢は叶わないよ」
「だとしても俺はこの道を選んだんだ!」
クリスは銃を発射させあえてクルーゼの頬をかすめる。
「クリス、どうだね?私と手を組まないか?今ならギルバートもキミを許してくれるだろう…」
クルーゼがにこやかな笑みを浮かべた状態でかつてクリスを導いたように柔らかな口調で手を差し伸べるがクリスは首を横に振ってそれを断った。
「俺はギルにもラウにもついていけない。俺はキラやアスラン達と共に戦うと決めたんだ。それに俺には………」
誰よりも大切な人がいる。
世界中で誰よりも愛おしくてずっと生きていきたいと思えた存在。
ラクスがいるから。
「………成程。キミは私達よりキラ・ヤマト、いや………ラクス・クラインを選んだんだな」
あの時パトリック・ザラに追われエターナルで逃亡したラクス・クラインを助けるために私の前から去ったように今もまたキミは彼女を選んだんだなクリス。
クリスが顔を歪めながらクルーゼに伝えるとクルーゼはクリスの言葉を聞いて銃をしまった。
「やはり再び戦うしかないのかキミと私は…」
「俺はもう迷いはしない!皆の未来のために俺は戦う!この手でラウをまた撃つことになっても!」
あの時は最後まで悩んだ。
この手でラウを討つことに。
だけどもう俺は迷わない。
俺は戦う。
そしてクリスの声が辺りを静まらせた時だった、
「「「クリス!!」」」
クリスの元にミゲル達がやって来てミゲル達はクルーゼの姿に驚き銃を構える。
「やぁ!ミゲル・ニコル・ラスティ。キミ達もクリスと共に私と戦うのかな?」
三人は顔を見合せる。
三人の言葉は最初から決まっている。
自分達が一緒に戦うと決めた存在はこの場にいる一人の男しかいない。
「たとえ隊長でも」
「僕らは負けません」
「俺達は未来を選べるんだから!」
クルーゼは三人のその言葉に笑みを浮かべるとその場を去っていった。
最後にクリスを見ていたが、もう自分とクリスの道が同じになる事はないと微かに淋しげに口元が震えていたようだがクリスがそれに気づく事はなかった。
「クリス、大丈夫でしたか?」
ニコルは心配したように口を開くとクリスは小さく頷くとどこか吹っ切れたように歩き出した。
「なぁ、俺達がやってる事って間違っていると思うか?」
ふとメンデルの建物内から出る時にクリスはポツリと呟きながら三人に言葉を投げると三人は真剣な表情で首を横に振った。
「クリス忘れたのか?」
「僕達はクリスについていくと言ったはずですよ
「たとえ世界を敵にまわしても、俺達は戦わなければならない。未来を守るために」
クリスは三人の言葉に『そうだな』と言って、メンデルの入り口から出ていった。
ラウ一一一
ギル一一一
姉さん一一一
たとえ…貴方達が敵になっても一一一
俺は……俺達は負けない。
世界を守るために一一一
未来を選ぶことができるのは一一一
俺達人間なんだから。
かつてキラや俺や姉さんが生み出された忌まわしき場所。
もう二度と来ることはないと思っていた因縁の場所。
まさかまた来ることになるなんてな。
「メンデルですか?」
ニコルは目の前の建物を見ながら呟いた。
「…あぁ。ここは俺や姉さんやキラが生まれた場所なんだ」
本当にここはいい思い出がない。
ラウを止めようと自分の手で討つと決めたのもこの場所だ。
クリスは悲しげな表情のままメンデルの建物を見つめている。
「でもよ、なんでこんな場所に?」
ミゲルは首を傾げながら尋ねるとクリスは真剣な表情で答えた。
「この中に何かがあるはずだ。デスティニープランだけじゃなく何か他にもな。それに気になる事がある」
あの時は出生の事もだがラウの事もあってちゃんとメンデル内を確認していなかったからな。
「ミゲル達はここで待機していてくれ。何かあったら入ってもいいから」
「……あぁ」
ミゲルが小さく頷くとニコルとラスティは心配そうにクリスを見つめていたが、クリスは心配するなと言い残してメンデル周辺を一度確認するとメンデルの中に入っていった。
『…………』
しかし…
その時クリスやミゲル達は気付かなかった。
すぐ後ろに一機のMSがクリス達をジッと見つめていた事を。
クリスはメンデルの中に入ると辺りを確認しながら目的の場所を目指していた。
かつてここでかなりのコーディネーターが生み出された。
だがバイオハザードが起こりここは閉鎖。
ここにはキラの両親を含め俺や姉さんの両親も研究員として働いていた。
人の夢の最果ての場所………か。
「本当に酷いものだな」
今でも電力は生きているようだが人の気配は全く感じられない。
こんな場所が今でも存在している事に不快しかないがそれでも俺は見つけなきゃいけない。
ギルの研究だけじゃなく俺達の両親が本当に作り出そうとしたものが何かを。
キラのようなスーパーコーディネーターを作ろうとしたようには思えない。
かつてギルに聞いた時はぐらかされたが、一緒にいたラウはニヤリと笑って俺を見ていた。
つまり俺や姉さんはコーディネーターとしてだけじゃない。
何か別の存在として作ろうとしていた。
クリスが深く考え事をしていると、目的の場所に辿り着いたようでクリスは辺りを見回す。
「見つかるといいんだが……」
両親はキラやカガリの親でもあるユーレンを嫌っていたらしい。
己の欲のために研究するユーレンに対し俺達の両親は子供に未来を創ってもらうために研究していたらしい。
だがそれは言い方を変えれば子供に世界を統治させよとうとしていたようにも思える。
そんな事果たして可能なのか?
世界を統治一一一
人を導く存在……ッ!?
まさかな一一一
「これだ……!!」
クリスは目当てのものを見つけたようでの手には古びれたノートが握られていた。
そこには一一一
『プ…ジェ…ト……コ……ド』と書かれておりノートの後ろにはアルフィード夫妻to〇〇ラと書かれていた。
クリスはノートを持ったまま歩きだそうとした時に何かを感じて足を止めた。
「……人の気配?」
クリスは自分の背後から誰かが迫ってくる気配を感じていた。
このタイミングで一体誰だ?
ミゲル達じゃないの確かだ。
何せ足音は一つしかないのだから。
クリスはその人物を確認するため物陰に隠れて、聞こえてきた足音が部屋の前に止まって気配の主が部屋に入ってくる。
(誰だ……?)
クリスはその瞬間身体が一瞬で凍りついた。
そんなはずがない。
だが入ってきた気配に身に覚えがある。
だけどそれはありえない。
だってあの人は俺とキラが追い詰めて最後は俺のスピリットで乗っていた機体を貫いたはずだ。
なのにこの胸に感じる痛みはなんだ?
まさか本当に?
「………ラウ?」
「さぁ!出てきたまえ!!クリス!」
この声は間違いなくラウだ。
本当に生きていたのかラウ!
クルーゼは辺りを見ながら大声で叫んでいる。
「クリス!どうやら驚いているようだな!なぜ私が生きているのかと。簡単な事だよ!私はあの時、キミとキラ・ヤマトに追いつめられた!そしてキミのスピリットによってコックピットを貫かれてジェネシスに撃たれた!だが私はあの時かろうじで生きていたのだよ!」
あれで生きていたなんてラウ不死身すぎない?
だけどこれで納得できた。
姉さんが生きていて姿をくらませたのもギルが事情を知っていたのもラウがいたからか。
「そういうことだったのか……」
クリスは銃を手にし構えながらクルーゼの前にゆっくり現れた。
またこうしてラウと会えるなんて。
嬉しいようで悲しいよラウ。
俺は今でもラウを討ったあの感触が忘れられないでいるのに。
「久しぶりだね………クリス」
「……ラウ」
互いに銃を構え合うラウとクリスの二人。
悲しげな表情をするクリスに対しクルーゼはニヤリと笑みを浮かべている。
クルーゼは口元をニヤリとさせながら言った。
「クリス、今までの出来事は全てギルバートから聞いた。キミがやろうとしている事も大体わかっている。それをふまえて言わせてもらうがキミの夢は叶わないよ」
「だとしても俺はこの道を選んだんだ!」
クリスは銃を発射させあえてクルーゼの頬をかすめる。
「クリス、どうだね?私と手を組まないか?今ならギルバートもキミを許してくれるだろう…」
クルーゼがにこやかな笑みを浮かべた状態でかつてクリスを導いたように柔らかな口調で手を差し伸べるがクリスは首を横に振ってそれを断った。
「俺はギルにもラウにもついていけない。俺はキラやアスラン達と共に戦うと決めたんだ。それに俺には………」
誰よりも大切な人がいる。
世界中で誰よりも愛おしくてずっと生きていきたいと思えた存在。
ラクスがいるから。
「………成程。キミは私達よりキラ・ヤマト、いや………ラクス・クラインを選んだんだな」
あの時パトリック・ザラに追われエターナルで逃亡したラクス・クラインを助けるために私の前から去ったように今もまたキミは彼女を選んだんだなクリス。
クリスが顔を歪めながらクルーゼに伝えるとクルーゼはクリスの言葉を聞いて銃をしまった。
「やはり再び戦うしかないのかキミと私は…」
「俺はもう迷いはしない!皆の未来のために俺は戦う!この手でラウをまた撃つことになっても!」
あの時は最後まで悩んだ。
この手でラウを討つことに。
だけどもう俺は迷わない。
俺は戦う。
そしてクリスの声が辺りを静まらせた時だった、
「「「クリス!!」」」
クリスの元にミゲル達がやって来てミゲル達はクルーゼの姿に驚き銃を構える。
「やぁ!ミゲル・ニコル・ラスティ。キミ達もクリスと共に私と戦うのかな?」
三人は顔を見合せる。
三人の言葉は最初から決まっている。
自分達が一緒に戦うと決めた存在はこの場にいる一人の男しかいない。
「たとえ隊長でも」
「僕らは負けません」
「俺達は未来を選べるんだから!」
クルーゼは三人のその言葉に笑みを浮かべるとその場を去っていった。
最後にクリスを見ていたが、もう自分とクリスの道が同じになる事はないと微かに淋しげに口元が震えていたようだがクリスがそれに気づく事はなかった。
「クリス、大丈夫でしたか?」
ニコルは心配したように口を開くとクリスは小さく頷くとどこか吹っ切れたように歩き出した。
「なぁ、俺達がやってる事って間違っていると思うか?」
ふとメンデルの建物内から出る時にクリスはポツリと呟きながら三人に言葉を投げると三人は真剣な表情で首を横に振った。
「クリス忘れたのか?」
「僕達はクリスについていくと言ったはずですよ
「たとえ世界を敵にまわしても、俺達は戦わなければならない。未来を守るために」
クリスは三人の言葉に『そうだな』と言って、メンデルの入り口から出ていった。
ラウ一一一
ギル一一一
姉さん一一一
たとえ…貴方達が敵になっても一一一
俺は……俺達は負けない。
世界を守るために一一一
未来を選ぶことができるのは一一一
俺達人間なんだから。