Sognarsi Ⅵ:ヘブラスカ
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「さあ、キミ達の価値をあの方々にお見せするんだ」
ずるりと身体に何かが這いずった
慌てて目視するも時すでに遅く、まとわりついたそれは易々とシャナの身体を持ち上げた
「シャナっ!」
普段自力で飛ぶのとはわけが違う浮遊感、正直恐怖しかないが自分の状況を確認しないわけにもいかない
恐る恐る自身を見下ろすと、目に入ったのは薄く発光する触手、先端は人の指のように五本に分かれシャナの身体をつかみ上げている
そして、触手をたどって上を見上げるとそこには凡そ人とは思えない巨大な生物がいた
「イ…イ…イノ…イノセンス…」
たどたどしくしゃべる巨大生物
すると触手の先端、五本指が心臓あたりに沈み始めた
驚いてその触手をつかむと別の触手に両腕を拘束され無理矢理手を離された
痛いっ…というより気持ち悪い
ビキビキと血管が浮き、動悸が激しくなっていく
まさに心臓をじかに撫でられているような(実際そうなのかもしれない)感覚
吐き気がする
先ほどよりも強い恐怖心が全身を襲う
ああ、逃げ出したい、怖い、如何にかしたい
思考が単純化し、ただそれに身体は従順に答えようとする
ぷらぷらとまだ自由だった足がじわじわと硬質化し、重量感を増していく
振り子のように足を少し後ろに振り、次の瞬間、シャナは逆さになっていた
そして、足の重みを利用してそのまま一回転
無理矢理触手を振り払ってシャナはエレベーターの上に着地した
「あらら、まさかヘブラスカを振り切っちゃうとは…末恐ろしいね~」
「コムイさん、あれ何なんですか!」
と、抗議しながらまだ硬質化している足で回し蹴りを打ち込む
が、間一髪持っていたクリップボードで攻撃は防がれてしまった
手加減したとはいえ、自分の蹴りを防ぐという並外れた瞬発力にむしろ呆れてくる
シャナはゆっくりと足を下ろし硬質化を解いて深い深いため息を吐いた
「すまない…おどかすつもりはなかった…」
「ハハハハ、ごめんよ驚かせちゃったよね~♪怖かったね~♬」
即座に拳を握り手を硬質化、殴る準備は万端です
拳を振り上げるとさすがによした方がいいと判断したのかアレンに止められた、解せぬ
「実はね、入団するときエクソシストは必ずヘブラスカにイノセンスを調べてもらうのが決まりなんだよ」
「先に言ってくださいよ!無駄に体力消費した…」
アレンが後方で乾いた笑いを零す
まあ、アレンだったらイノセンスを無理矢理発動して身体的負荷を受ける羽目になっただろうからまだましか、とシャナは無理矢理納得することとした
その後、冷静さを取り戻したシャナとアレンはヘブラスカにシンクロ率を調べてもらいアレンは83%、シャナは79%という数値を言い渡された
「アレン・ウォーカー…お前のイノセンスはいつか黒い未来で偉大な「時の破壊者」を生むだろう…」
「破壊…者…?」
不吉なワードにアレンはぽつりと言葉を漏らす
しかし、特に返答を得られることはなくヘブラスカはシャナへと向き直った
「シャナ・ラトクリフ…お前のイノセンスはいつか白い未来で「始祖」と出会う架け橋となるだろう…」
始祖とはなんの始祖だろうか
イノセンスの始祖はさすがにないだろうし、親がいないので先祖等とも考えにくい
とりあえず心の片隅に追いやっておくかと、深く考えすぎないことに落ち着いた
「よかったね~ヘブラスカの「予言」はよく当たるんだから!キミたちには期待できそうだよ」
「はぁ…あのコムイさん、すごく今更なんですがイノセンスって何なんですか?」
「あれ、知らなかったっけ?」
「知りませんよ、むしろなんでシャナは知ってるんですか」
ずっと一緒に旅をしていたものだからつい知っているものと思っていたが、そういえばアレンと出会う前に教えられたのだったと頬をかいた
姉弟子が不甲斐ないがまあ後の祭り、気にしないことにしよう
「まあまあ、ちゃんと説明するよ」
と淵に寄りかかり、コムイは眼鏡をクイっと押し上げてから「この事実を知っているのは黒の教団とヴァチカン、そして千年伯爵だけだ」と言って説明を始めた
――――――
――――
――
イノセンスに関する長い説明をうつらうつら聞き終わると、コムイは最後に
「一緒に世界の為にがんばりましょう。一銭にもならないけどね」
とウィンクをしながら握手を求めてきた
アレン、シャナと順番に交わし「ようこそ、黒の教団へ!」と歓迎される
ああ、ようやく始まったんだなとシャナは思った
長い長い、戦争が…
「現在エクソシストはキミたちの入団で20人となった
ほとんどは世界各地に任務で点在してるけどそのうち会えることもあるだろう
ちなみにヘブラスカもエクソシストのひとりだよ」
「「えっ!?」」
「お前達と…タイプはだいぶ違うが…私は例の石箱の適合者として…教団の創設時からずっといる、イノセンスの番人だ…
たくさんの…エクソシストと出会ってきた…
お前達に…神の加護があらんことを…」
それは、自分は人ではないのだと言っているように聞こえて…すこし耳が痛い気がした
ずるりと身体に何かが這いずった
慌てて目視するも時すでに遅く、まとわりついたそれは易々とシャナの身体を持ち上げた
「シャナっ!」
普段自力で飛ぶのとはわけが違う浮遊感、正直恐怖しかないが自分の状況を確認しないわけにもいかない
恐る恐る自身を見下ろすと、目に入ったのは薄く発光する触手、先端は人の指のように五本に分かれシャナの身体をつかみ上げている
そして、触手をたどって上を見上げるとそこには凡そ人とは思えない巨大な生物がいた
「イ…イ…イノ…イノセンス…」
たどたどしくしゃべる巨大生物
すると触手の先端、五本指が心臓あたりに沈み始めた
驚いてその触手をつかむと別の触手に両腕を拘束され無理矢理手を離された
痛いっ…というより気持ち悪い
ビキビキと血管が浮き、動悸が激しくなっていく
まさに心臓をじかに撫でられているような(実際そうなのかもしれない)感覚
吐き気がする
先ほどよりも強い恐怖心が全身を襲う
ああ、逃げ出したい、怖い、如何にかしたい
思考が単純化し、ただそれに身体は従順に答えようとする
ぷらぷらとまだ自由だった足がじわじわと硬質化し、重量感を増していく
振り子のように足を少し後ろに振り、次の瞬間、シャナは逆さになっていた
そして、足の重みを利用してそのまま一回転
無理矢理触手を振り払ってシャナはエレベーターの上に着地した
「あらら、まさかヘブラスカを振り切っちゃうとは…末恐ろしいね~」
「コムイさん、あれ何なんですか!」
と、抗議しながらまだ硬質化している足で回し蹴りを打ち込む
が、間一髪持っていたクリップボードで攻撃は防がれてしまった
手加減したとはいえ、自分の蹴りを防ぐという並外れた瞬発力にむしろ呆れてくる
シャナはゆっくりと足を下ろし硬質化を解いて深い深いため息を吐いた
「すまない…おどかすつもりはなかった…」
「ハハハハ、ごめんよ驚かせちゃったよね~♪怖かったね~♬」
即座に拳を握り手を硬質化、殴る準備は万端です
拳を振り上げるとさすがによした方がいいと判断したのかアレンに止められた、解せぬ
「実はね、入団するときエクソシストは必ずヘブラスカにイノセンスを調べてもらうのが決まりなんだよ」
「先に言ってくださいよ!無駄に体力消費した…」
アレンが後方で乾いた笑いを零す
まあ、アレンだったらイノセンスを無理矢理発動して身体的負荷を受ける羽目になっただろうからまだましか、とシャナは無理矢理納得することとした
その後、冷静さを取り戻したシャナとアレンはヘブラスカにシンクロ率を調べてもらいアレンは83%、シャナは79%という数値を言い渡された
「アレン・ウォーカー…お前のイノセンスはいつか黒い未来で偉大な「時の破壊者」を生むだろう…」
「破壊…者…?」
不吉なワードにアレンはぽつりと言葉を漏らす
しかし、特に返答を得られることはなくヘブラスカはシャナへと向き直った
「シャナ・ラトクリフ…お前のイノセンスはいつか白い未来で「始祖」と出会う架け橋となるだろう…」
始祖とはなんの始祖だろうか
イノセンスの始祖はさすがにないだろうし、親がいないので先祖等とも考えにくい
とりあえず心の片隅に追いやっておくかと、深く考えすぎないことに落ち着いた
「よかったね~ヘブラスカの「予言」はよく当たるんだから!キミたちには期待できそうだよ」
「はぁ…あのコムイさん、すごく今更なんですがイノセンスって何なんですか?」
「あれ、知らなかったっけ?」
「知りませんよ、むしろなんでシャナは知ってるんですか」
ずっと一緒に旅をしていたものだからつい知っているものと思っていたが、そういえばアレンと出会う前に教えられたのだったと頬をかいた
姉弟子が不甲斐ないがまあ後の祭り、気にしないことにしよう
「まあまあ、ちゃんと説明するよ」
と淵に寄りかかり、コムイは眼鏡をクイっと押し上げてから「この事実を知っているのは黒の教団とヴァチカン、そして千年伯爵だけだ」と言って説明を始めた
――――――
――――
――
イノセンスに関する長い説明をうつらうつら聞き終わると、コムイは最後に
「一緒に世界の為にがんばりましょう。一銭にもならないけどね」
とウィンクをしながら握手を求めてきた
アレン、シャナと順番に交わし「ようこそ、黒の教団へ!」と歓迎される
ああ、ようやく始まったんだなとシャナは思った
長い長い、戦争が…
「現在エクソシストはキミたちの入団で20人となった
ほとんどは世界各地に任務で点在してるけどそのうち会えることもあるだろう
ちなみにヘブラスカもエクソシストのひとりだよ」
「「えっ!?」」
「お前達と…タイプはだいぶ違うが…私は例の石箱の適合者として…教団の創設時からずっといる、イノセンスの番人だ…
たくさんの…エクソシストと出会ってきた…
お前達に…神の加護があらんことを…」
それは、自分は人ではないのだと言っているように聞こえて…すこし耳が痛い気がした