Sognarsi Ⅴ:寄生型
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「シャナちゃん、だったわよね?」
暫く天井のシミを数えていた頃、リナリーにこっちと促されて別室に通された
先ほどの医務室とは違い、机と椅子のみ置かれた、まるで尋問室のような殺風景な部屋だった
ここでふと、門番の言っていたことを思い出す
お前はレントゲンに映らなかったんだ…再び、引っ込んだ冷や汗が垂れてきた
「あれ、シャナちゃんじゃなかった…?」
焦りでリナリーの声が聞こえていなかったシャナははっと我に返った
慌てて首を横に振って自分の名前を肯定する
「よかった。で、ここに呼んだ理由なんだけど一度武器を発動してもらおうと思って」
「…え?」
弟弟子同様、シャナは素っ頓狂な声をあげた
「シャナちゃんの武器って大きそうだから別室で見せてもらおうと思ったのよ」
「あ…そうなんですね」
ふっと安堵のため息をつく
一応敵として疑われているわけではないようだった
リナリーはテキパキと机や椅子を端に避け、十分なスペースが確保してからお願いねとシャナに笑いかけた
いつも危機的状況で義務的に発動していた武器なだけに、改めて発動するのはどうにも緊張した
再度息を吐いて、ゆっくりと力を抜く
すると、ばさっと一つ大きな音を立ててシャナの背に美しい純白の翼が姿を現した
数枚の羽根を床に撒き、その存在を見せつけるように緩慢な動作で翼は静かに首を垂れた
「綺麗な羽ね…一枚貰っても大丈夫?」
「どうぞ」
「硬くならなくていいからね」
リナリーはそういうと床に落ちた一枚の羽根を手に取り、じっくりと眺めてから持っていた瓶に詰めた
その中でも光沢を失うことなく、羽根は存在を主張している
「発動を解いてみてくれる?」
そういわれて羽をしまうと瓶の中の羽根も一緒に姿を消した
「もう一度発動して」
発動すると瓶に羽根が現れることはなく、その代わりに再度翼は床に羽根を撒き散らした
なるどね…とリナリーは唸るとサラサラとペンを走らせた
書き終えると今度は普段どのように武器を扱っているのかを聞いてきた
「普段は形を変えて戦闘に使っています」
「例えばどんな形?」
「そうですね…斧の形をとったり、盾の形をとったり、羽形状を保ったまま刃物として扱うこともあります」
言葉に合わせて羽の形状をコロコロと変えていくとリナリーはへーと感心したように一声上げた
「武器として使うと飛行能力は失われるみたいです。あと、身体から一瞬でも離れると羽に強制的に戻ります」
「てことは、シャナちゃんは寄生型なのね」
「寄生型、ですか?」
クロス師匠の修行中に一度として聞いたことのない言葉にオウム返しに尋ねる
「人体を武器化する適合者のことを言うの。シャナちゃんの場合は多分内臓に寄生しているんだと思うわ
もしかしたら、臓器をイノセンスが肩代わりしていて、身体全体にイノセンスが浸透しているのかもしれないけれど…だから映らなかったのかな?」
なるほど、と感嘆した
身体がイノセンスに侵されているから映らなかったのなら確かにつじつまが合う
逆に言ってしまえば、シャナの身体はもう人とは逸脱した存在であるとも言える
それは少し嫌だと思いつつ、シャナは深く考えないようぶんと頭を振った
暫く天井のシミを数えていた頃、リナリーにこっちと促されて別室に通された
先ほどの医務室とは違い、机と椅子のみ置かれた、まるで尋問室のような殺風景な部屋だった
ここでふと、門番の言っていたことを思い出す
お前はレントゲンに映らなかったんだ…再び、引っ込んだ冷や汗が垂れてきた
「あれ、シャナちゃんじゃなかった…?」
焦りでリナリーの声が聞こえていなかったシャナははっと我に返った
慌てて首を横に振って自分の名前を肯定する
「よかった。で、ここに呼んだ理由なんだけど一度武器を発動してもらおうと思って」
「…え?」
弟弟子同様、シャナは素っ頓狂な声をあげた
「シャナちゃんの武器って大きそうだから別室で見せてもらおうと思ったのよ」
「あ…そうなんですね」
ふっと安堵のため息をつく
一応敵として疑われているわけではないようだった
リナリーはテキパキと机や椅子を端に避け、十分なスペースが確保してからお願いねとシャナに笑いかけた
いつも危機的状況で義務的に発動していた武器なだけに、改めて発動するのはどうにも緊張した
再度息を吐いて、ゆっくりと力を抜く
すると、ばさっと一つ大きな音を立ててシャナの背に美しい純白の翼が姿を現した
数枚の羽根を床に撒き、その存在を見せつけるように緩慢な動作で翼は静かに首を垂れた
「綺麗な羽ね…一枚貰っても大丈夫?」
「どうぞ」
「硬くならなくていいからね」
リナリーはそういうと床に落ちた一枚の羽根を手に取り、じっくりと眺めてから持っていた瓶に詰めた
その中でも光沢を失うことなく、羽根は存在を主張している
「発動を解いてみてくれる?」
そういわれて羽をしまうと瓶の中の羽根も一緒に姿を消した
「もう一度発動して」
発動すると瓶に羽根が現れることはなく、その代わりに再度翼は床に羽根を撒き散らした
なるどね…とリナリーは唸るとサラサラとペンを走らせた
書き終えると今度は普段どのように武器を扱っているのかを聞いてきた
「普段は形を変えて戦闘に使っています」
「例えばどんな形?」
「そうですね…斧の形をとったり、盾の形をとったり、羽形状を保ったまま刃物として扱うこともあります」
言葉に合わせて羽の形状をコロコロと変えていくとリナリーはへーと感心したように一声上げた
「武器として使うと飛行能力は失われるみたいです。あと、身体から一瞬でも離れると羽に強制的に戻ります」
「てことは、シャナちゃんは寄生型なのね」
「寄生型、ですか?」
クロス師匠の修行中に一度として聞いたことのない言葉にオウム返しに尋ねる
「人体を武器化する適合者のことを言うの。シャナちゃんの場合は多分内臓に寄生しているんだと思うわ
もしかしたら、臓器をイノセンスが肩代わりしていて、身体全体にイノセンスが浸透しているのかもしれないけれど…だから映らなかったのかな?」
なるほど、と感嘆した
身体がイノセンスに侵されているから映らなかったのなら確かにつじつまが合う
逆に言ってしまえば、シャナの身体はもう人とは逸脱した存在であるとも言える
それは少し嫌だと思いつつ、シャナは深く考えないようぶんと頭を振った