始まりの物語
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第二話 ため息
「アリスさん!急いでください!」
しばらく部屋を探索していると廊下(たぶん)側から先ほどの少女の声と二人分の足音が聞こえた
ちなみにクローゼットには何も入っていませんでした
扉がこんこんとノックされる
はい、と返事を返すと「遅くなってすみません」と謝りながら女の子と、もう一人、すらっと背の高い青年が入ってきた
おお、これまた美人さんである
黒髪黒目、端正な顔立ちの美青年。大人というにはほんの少し幼さの残る、高校生高学年くらいの年齢に見える
もしかしたら、少し気崩したウェイター服姿に、より未成年っぽさを感じるのかもしれない
「すっかり目が覚めましたね、お加減はいかがですか?」
「え?あ、特に問題ないと思います」
「それはよかったです!」
少女は表情を緩め、全身で安堵を表した
かと思うと、はたと気づいたような顔をする
青年の顔を覗き見て、再度私の顔を見る
うむ、と一人で何かに納得したような仕草をして、ぱんっと一つ手を叩いた
「そうだ!お茶などいかがでしょう?紅茶は飲めますか?」
「は、はい…飲めます」
「では準備しますね!」
と、少女はまたせわしなく部屋を出て行ってしまった
嵐のような人だ…
そして、先ほどの青年と二人きりで部屋に取り残されてしまった
…どうしよう、この人(アリスさん?)さっきからずっと無表情でちょっと怖いんだけど…。美人の無表情は圧力がある
何か話をしたほうがいいんだろうか…?
しかし、自分がどういう状況でここで寝ていたのかわからない以上、どう話を振っていいものか戸惑う
ちらちらとアリスさん(?)の顔色を窺ってみるも依然表情は変わらず、何を考えているのか全く読めない…どうすればいいんだ!!
「ひとまず座れ」
おお、びっくりした
考えに耽っていて彼の第一声に驚いてしまった
彼はそういうとパンパンと手を叩いて、私に対しては無言で部屋にある一脚の椅子を促してくれた
椅子まで引いていただいてしまったので素直に腰掛ける
そして、少し待つと、扉から椅子が二脚、とことこと歩いて入ってきた
え…?と驚いていると、椅子たちは机の周りで止まり、アリスさん(?)はそのままその椅子の片方に座ってしまった
目が点になるとはまさにこのことである
「あいつは茶の用意に時間がかかる。少し待ってやるといい」
「はあ…」
ため息のような声しか出なかった