その他短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『黄衣の王』であるハスターは、クトゥルフの邪神…神話生物である。邪神であろうが神話生物であろうが、彼を信仰する人間は必ずしもいないわけではなかった。
憧憬、畏怖、崇拝、様々な感情を彼は見、知り、時に弄んだ。
そんな彼が今、”心から愛し、愛されている”のは________
1人の、人の仔であった。
ハスターの目覚めはまず、腕の中を確かめることから始まる。すうすうと幼子のように寝息をたて、ハスターの触手を抱きしめて離さない人の仔は、もう少ししたら目を覚ますだろう。そしてまた、心地よい微睡みの中、夢と現を行き来するのだ。
「…この人の仔は、斯くも愛いものよな」
起こさないように呟いて、少しだけその髪に触れる。小さく声をあげながら身じろぐ圧倒的に自身より小さい生物を見、ハスターは満足げにその無数の目を細めた。いつもはハスターを見つけるたびに飛びついてくるような仔でも、寝ている時だけは流石に大人しい。この様子を見ることができるのが自分だけであるという事実が、彼に愉悦感を与える。
「ん……はすたぁ、さま…」
薄く目を開け、ハスターの名を呼ぶ人の仔の頬を撫でることで返事をし、ハスターは起き上がる。ここが2人の部屋になって久しいが、部屋がいくら広かろうと、ベッドは1つだ。
「おはよぉございます、はすたぁさまー」
「まだ眠っていてもよいのだぞ?ゲームは午後からなのだし、ゆっくりしていても誰も咎めないのだ」
朝食を取りに行ってやろうかとベッドを降りようとすると、まだ眠いのだろう。ぼんやりとした表情のままハスターを見つめる少女は触手を再度抱きしめて言う。
「でも、はすたぁさまと、いっしょ…ふぇっ⁉」
一緒がいい、と言おうとしたところを抱き上げられ、少女は眠気も忘れて目をぱちくりさせる。
「これなら一緒にいられるのだ」
その言葉と深淵に浮かぶ表情に一切の反論を封じられ、抵抗しようとしていた少女は小さく笑う。
そして封じられた反論の代わりと言わんばかりに、
自身の恋人をぎゅうと抱きしめた。
憧憬、畏怖、崇拝、様々な感情を彼は見、知り、時に弄んだ。
そんな彼が今、”心から愛し、愛されている”のは________
1人の、人の仔であった。
ハスターの目覚めはまず、腕の中を確かめることから始まる。すうすうと幼子のように寝息をたて、ハスターの触手を抱きしめて離さない人の仔は、もう少ししたら目を覚ますだろう。そしてまた、心地よい微睡みの中、夢と現を行き来するのだ。
「…この人の仔は、斯くも愛いものよな」
起こさないように呟いて、少しだけその髪に触れる。小さく声をあげながら身じろぐ圧倒的に自身より小さい生物を見、ハスターは満足げにその無数の目を細めた。いつもはハスターを見つけるたびに飛びついてくるような仔でも、寝ている時だけは流石に大人しい。この様子を見ることができるのが自分だけであるという事実が、彼に愉悦感を与える。
「ん……はすたぁ、さま…」
薄く目を開け、ハスターの名を呼ぶ人の仔の頬を撫でることで返事をし、ハスターは起き上がる。ここが2人の部屋になって久しいが、部屋がいくら広かろうと、ベッドは1つだ。
「おはよぉございます、はすたぁさまー」
「まだ眠っていてもよいのだぞ?ゲームは午後からなのだし、ゆっくりしていても誰も咎めないのだ」
朝食を取りに行ってやろうかとベッドを降りようとすると、まだ眠いのだろう。ぼんやりとした表情のままハスターを見つめる少女は触手を再度抱きしめて言う。
「でも、はすたぁさまと、いっしょ…ふぇっ⁉」
一緒がいい、と言おうとしたところを抱き上げられ、少女は眠気も忘れて目をぱちくりさせる。
「これなら一緒にいられるのだ」
その言葉と深淵に浮かぶ表情に一切の反論を封じられ、抵抗しようとしていた少女は小さく笑う。
そして封じられた反論の代わりと言わんばかりに、
自身の恋人をぎゅうと抱きしめた。