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目が覚めると見慣れぬ天井が見えた。それに、足にガチャガチャとした感触がある。どうやら足枷をされているようだ。自分の置かれている状況が理解出来ずにしばらく考えていたが、思い出した。
私は、クローと呼ばれる男の暗殺を命じられ、実行しようとしたものの失敗したのだった。
物陰から様子を伺っていた時に一瞬にしてクローが消え、背後に回って頭部を殴られて気絶させられたのを思い出し、頭が鈍く痛み始めた。
てっきり殺されるものだとばかり思っていたのだが、まさか再び目が覚めるとは。まあ、どうせ組織の情報を吐けとでも言われてその後に結局バラされるのだろう。持って数時間──いや、1時間といったところか。
銀鎌組の人間に気付かれる前に逃げ出さなければ。上半身は自由に動かせたので、起き上がって足枷を外そうとした。触ったことによって足枷がガチャリと音を立てる。
「おや、目が覚めたんですね。おはようございます」
どこからともなく現れたのは、クローだった。
「お前は……!」
思わず殴りかかろうとした私の腕をクローはいとも容易く捕らえ、後ろ手に縛り上げた。
「おお、怖い怖い」
わざとらしくそう言う姿に心底腹が立つ。
「でも、強気な女性は嫌いじゃないですよ」
鉤爪で顎を掬い上げられながら囁かれ、嫌悪感で肌が粟立った。
「それで、私をどうするつもりなの?組織の秘密を吐けって言われても絶対に吐かないから」
「そんなつまらないことはしませんよ」
「え?」
「貴女はとても美しい。敵ながらずっと触れてみたいと思っていたんです。貴女の方から来てくださるなんて、いい事もあるものですね」
そのまま私は押し倒された。逃げ出そうともがいてみるものの手を縛られ片足を拘束されている状態では大した抵抗にもならず、クローにとっては小動物が暴れている程度でしか無かったのだろう。それどころかそのささやかな抵抗はクローを興奮させるだけだったようだ。
それから先は悪夢のようだった。クローに体を暴かれたのだ。
どうせ性欲処理の道具のように扱われるだけだと思っていたのにクローは私の様子を伺いながらまるで恋人かのように優しくしてきて、快感を感じ、何度も達しててしまう自分への嫌悪が抑えきれなくて最悪の気分だった。
「おねがい、もう、ころして……」
「おや、さっきまでの威勢の良さはどうしたんですか」
「おねがい」
「ふふ、絶対に殺したりなんかしませんよ」
クローは私の頭を撫でて私の目に浮かんだ涙を拭った。
「これは外してあげますから」
クローに手を縛っていた紐を解かれ、手が力なく動く。
任務に失敗し、あろうことが敵に囚われ、更には殺してももらえないなんて私はどうすれば────
「ほら、水です。飲んだら落ち着きますよ」
ぼんやりしているうちにクローが水を持ってきていたようで、横になっていた私の上半身を起こすとコップを目の前に差し出してきた。なんとなく飲む気が起きず、目の前のコップをぼんやりと見つめる。
「そんなに警戒しなくても毒なんて入っていませんよ。なんなら毒見しましょうか?」
その言葉を信用した訳では無いがクローは私が水を飲むまで引き下がりそうも無かったし、毒が入っていたら入っていたで別に構わないと思ったのでとりあえずコップを受け取って水を飲んだ。
しばらくすると酷く眠くなってきた。寝てはいけないと思いつつも眠気には逆らえずうとうとしてしまう。
「毒は入ってないですけど、よく眠れる薬は入れましたから。処理は私がしておくのでゆっくり眠ってくださいね」
そう言うとクローは私の体を優しく横たえた。依然として最悪な気持ちではあったが、私はそのまま引きずり込まれるように眠りに落ちた。
私は、クローと呼ばれる男の暗殺を命じられ、実行しようとしたものの失敗したのだった。
物陰から様子を伺っていた時に一瞬にしてクローが消え、背後に回って頭部を殴られて気絶させられたのを思い出し、頭が鈍く痛み始めた。
てっきり殺されるものだとばかり思っていたのだが、まさか再び目が覚めるとは。まあ、どうせ組織の情報を吐けとでも言われてその後に結局バラされるのだろう。持って数時間──いや、1時間といったところか。
銀鎌組の人間に気付かれる前に逃げ出さなければ。上半身は自由に動かせたので、起き上がって足枷を外そうとした。触ったことによって足枷がガチャリと音を立てる。
「おや、目が覚めたんですね。おはようございます」
どこからともなく現れたのは、クローだった。
「お前は……!」
思わず殴りかかろうとした私の腕をクローはいとも容易く捕らえ、後ろ手に縛り上げた。
「おお、怖い怖い」
わざとらしくそう言う姿に心底腹が立つ。
「でも、強気な女性は嫌いじゃないですよ」
鉤爪で顎を掬い上げられながら囁かれ、嫌悪感で肌が粟立った。
「それで、私をどうするつもりなの?組織の秘密を吐けって言われても絶対に吐かないから」
「そんなつまらないことはしませんよ」
「え?」
「貴女はとても美しい。敵ながらずっと触れてみたいと思っていたんです。貴女の方から来てくださるなんて、いい事もあるものですね」
そのまま私は押し倒された。逃げ出そうともがいてみるものの手を縛られ片足を拘束されている状態では大した抵抗にもならず、クローにとっては小動物が暴れている程度でしか無かったのだろう。それどころかそのささやかな抵抗はクローを興奮させるだけだったようだ。
それから先は悪夢のようだった。クローに体を暴かれたのだ。
どうせ性欲処理の道具のように扱われるだけだと思っていたのにクローは私の様子を伺いながらまるで恋人かのように優しくしてきて、快感を感じ、何度も達しててしまう自分への嫌悪が抑えきれなくて最悪の気分だった。
「おねがい、もう、ころして……」
「おや、さっきまでの威勢の良さはどうしたんですか」
「おねがい」
「ふふ、絶対に殺したりなんかしませんよ」
クローは私の頭を撫でて私の目に浮かんだ涙を拭った。
「これは外してあげますから」
クローに手を縛っていた紐を解かれ、手が力なく動く。
任務に失敗し、あろうことが敵に囚われ、更には殺してももらえないなんて私はどうすれば────
「ほら、水です。飲んだら落ち着きますよ」
ぼんやりしているうちにクローが水を持ってきていたようで、横になっていた私の上半身を起こすとコップを目の前に差し出してきた。なんとなく飲む気が起きず、目の前のコップをぼんやりと見つめる。
「そんなに警戒しなくても毒なんて入っていませんよ。なんなら毒見しましょうか?」
その言葉を信用した訳では無いがクローは私が水を飲むまで引き下がりそうも無かったし、毒が入っていたら入っていたで別に構わないと思ったのでとりあえずコップを受け取って水を飲んだ。
しばらくすると酷く眠くなってきた。寝てはいけないと思いつつも眠気には逆らえずうとうとしてしまう。
「毒は入ってないですけど、よく眠れる薬は入れましたから。処理は私がしておくのでゆっくり眠ってくださいね」
そう言うとクローは私の体を優しく横たえた。依然として最悪な気持ちではあったが、私はそのまま引きずり込まれるように眠りに落ちた。