霧の中で
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「あっ、あの……」
「えっ!?あっ、はい。どうしました?」
それが私たちの出会いだった。
友人に本の挿絵を描く仕事を頼んで欲しいと言われ、渋々ながら私は唯一の絵描きの知り合い──いや、きっと私が一方的に知ってるだけね──の所へ声をかけに行った。
きっと彼はいつもの所にいると思って川辺に行ってみるとやっぱりそこにいた。
爽やかな景色の中絵を描く彼はとても綺麗で、まるで彼自身が絵画のようだ、と思う。
彼の筆が止まるタイミングを見計らって私は声をかけた。
「あっ、あの……」
彼は慌てて描いていた絵を隠そうとし、焦った様子で答えた。
「えっ!?あっ、はい。どうしました?」
全然隠せていなかった絵には私のような女性が描かれていた。
「これって、もしかして、私……?」
「見えちゃったんですね……すいません、勝手に描いてしまって。」
とても申し訳なさそうに彼は言った。
「いいのよ。私一度誰かに絵を描いてもらいたかったの。嬉しいわ。でも……」
「でも……?」
彼はとても不安そうにこちらを見ている。
「ちょっと綺麗すぎない……?美化しすぎというか……」
彼は途端に安心した表情になった。
「そんなことないですよ。本物の方が綺麗です。」
彼の発言にとても照れてしまい、私は少し言葉を失ってしまった。そこで慌てて後を続ける。
「お、お世辞が得意なのね。そ、そんなことより、描いて欲しい絵があるのだけど描いてもらうことってできないかしら。」
俯きがちになってしまった目を彼に向け直した。
「頼れる人なんて貴方しか思い付かなくて。お金はいくらでも払うわ。」
すると、彼は美しく微笑んで言った。
「綺麗なお嬢さんの依頼なら断るわけにはいきませんね。お代は要りませんよ。是非やらせてください。」
「ほ、本当にいいの……?ありがとう!本当に嬉しいわ!」
嬉しくてついつい飛び跳ねてしまった。
「私はなまえというの。ところで、お名前を聞いてもいい?」
「私はジャックと言います。なまえさんですね。よろしくお願いします。」
「よろしく、ジャック!」
私たちは硬く握手をした。
「えっ!?あっ、はい。どうしました?」
それが私たちの出会いだった。
友人に本の挿絵を描く仕事を頼んで欲しいと言われ、渋々ながら私は唯一の絵描きの知り合い──いや、きっと私が一方的に知ってるだけね──の所へ声をかけに行った。
きっと彼はいつもの所にいると思って川辺に行ってみるとやっぱりそこにいた。
爽やかな景色の中絵を描く彼はとても綺麗で、まるで彼自身が絵画のようだ、と思う。
彼の筆が止まるタイミングを見計らって私は声をかけた。
「あっ、あの……」
彼は慌てて描いていた絵を隠そうとし、焦った様子で答えた。
「えっ!?あっ、はい。どうしました?」
全然隠せていなかった絵には私のような女性が描かれていた。
「これって、もしかして、私……?」
「見えちゃったんですね……すいません、勝手に描いてしまって。」
とても申し訳なさそうに彼は言った。
「いいのよ。私一度誰かに絵を描いてもらいたかったの。嬉しいわ。でも……」
「でも……?」
彼はとても不安そうにこちらを見ている。
「ちょっと綺麗すぎない……?美化しすぎというか……」
彼は途端に安心した表情になった。
「そんなことないですよ。本物の方が綺麗です。」
彼の発言にとても照れてしまい、私は少し言葉を失ってしまった。そこで慌てて後を続ける。
「お、お世辞が得意なのね。そ、そんなことより、描いて欲しい絵があるのだけど描いてもらうことってできないかしら。」
俯きがちになってしまった目を彼に向け直した。
「頼れる人なんて貴方しか思い付かなくて。お金はいくらでも払うわ。」
すると、彼は美しく微笑んで言った。
「綺麗なお嬢さんの依頼なら断るわけにはいきませんね。お代は要りませんよ。是非やらせてください。」
「ほ、本当にいいの……?ありがとう!本当に嬉しいわ!」
嬉しくてついつい飛び跳ねてしまった。
「私はなまえというの。ところで、お名前を聞いてもいい?」
「私はジャックと言います。なまえさんですね。よろしくお願いします。」
「よろしく、ジャック!」
私たちは硬く握手をした。
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