朝食を食べてしばらくしてから、なまえは午前中のゲームに出かけて行った。勿論ミニリッパー……いや、私を連れて。

このゲームの参加者はなまえ、ナワーブ、ウィラ、トレイシーのようだ。

今日のマップは月の河公園だった。彼女は解読を始めようとしたが、ジョゼフのカメラを見つけて急いで隠れる。

眩い光に辺りが覆われた後に彼女が解読を始めてからしばらく経った時、鐘の音が鳴った。

「トレイシー……！きっと奇襲されて恐怖の一撃を貰っちゃったのね。ロボットを出す音もしてなかったし私が解読を頑張らないと。」

このメンバーで写真世界が崩壊する前に解読し切れるのはなまえとトレイシーだけだもんな。ナワーブは救助に行くだろうし当然だろう。

しかし、彼女が解読に励んでいる間に戦況は大きく悪化してしまった。ナワーブが救助狩りされてしまったのだ。

慌ててウィラが向かうも、トレイシーの救助は間に合わず荘園に戻されてしまう。

そしてウィラがナワーブを救助するも、結局上手くトンネルをされてナワーブは直ぐに飛んでいった。

そうしてウィラも拘束されてしまい、なまえが救助に向かうこととなった。

まだ暗号機は残り4台、なまえのやりかけも2割程である。

「私がいる所とほぼ真反対にいる……間に合うかしら……」

彼女は不安げにつぶやいた。

彼女はとても急いで走ったが、どうも間に合いそうもない。そこで彼女にウィラから「早く逃げて！」とチャットが入ったようで、彼女はやりかけの暗号機へ向かった。その間にウィラは飛んでしまった。

彼女が暗号機に触れてからそう時間が経たないうちに瞬間移動でジョゼフがやってきた。

彼女は諦めているのか、逃げる素振りがない。

「ジョゼフさんジョゼフさん。優鬼してくれませんか。」

ジョゼフは無反応だ。

「ダメデスヨネースイマセン。」

彼女は後ずさってジョゼフと距離を取ろうとしている。

「優鬼してあげるよ。あまりにも可哀想だからね。」

するとジョゼフは彼女に微笑んで言った。


そうして彼女は何とか2つ目の暗号機を解読し終わった。

「さあ、ハッチを探しに行こうか。お手をどうぞ。」

困惑する彼女をよそにジョゼフは手を取って歩み始めた。

おい、私のなまえの手を取るな！後で覚えておけよ。


しばらく歩くと2人はハッチを見つけた。

「帰る前に私ともう少し遊んでいかないかい？」

あろうことかデートに誘うなんて……！ジョゼフの誘いに彼女がどう答えるかとてもハラハラしながら返事を待った。

「ごめんなさい。今日はちょっとジャックの様子が心配で。早く会いたいの。せっかくのお誘いだけど本当にごめんなさい。」

「君は……本当にリッパーの事が好きなんだね。」

「ええ。愛しているから。」

彼女の嬉しい答えを聞いて思わず彼女の脚に抱きついた。

すると、顔を綻ばせた彼女が私を抱き上げる。彼女が強く私を胸元で抱いているため柔らかい感触が伝わってきて私はおかしくなってしまいそうだった。

「そうか、なら仕方ないね。」

「さようなら、優鬼してくれてありがとう。」

ジョゼフはどこか悔しそうな表情だ。もし私が元の身体だったら勝ち誇った顔をしていただろう。


ゲームを終えた彼女は部屋に戻ると直ぐに疲れたー！と言ってベッドへダイブした。

ベッドの下に立っていたら

「あれ……？ミニリッパー……？」

と私を呼ぶ声がしたのでベッドに飛び上がると彼女は私を抱きしめキスをして眠りに落ちた。

………待てよ……？

私の様子を見に行くのでは無かったのか……？