霧の中で
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久しぶりにジャックに優鬼をしてもらって彼とお姫様抱っこでデートをした日から、ミニリッパーが何かを作っているようだ。私が彼のために用意したスペースにかなり長い時間いて、プレゼントしたハサミやら画用紙やらを使っている。私が何をしているか見ようとすると、慌てて隠していたので詮索するのも悪いかな、と思ってそっとしておいた。
数日後、ミニリッパーが部屋で読書をしていた私の方に走ってきた。
「へあ!」
「あら、何かしら?」
満足そうな声を上げたミニリッパーはこちらにお尻を向けてきた。そこには、薔薇の杖が着いていた。ああ、今までずっとこれを作っていたのか。流石小さなジャックというべきか、それはとてもよく出来ていて正しくジャックの使っている薔薇の杖のミニチュア版、といった感じだ。
「ふふ、よく出来てるわね。とても上手よ」
私がそう言って頭を撫でるととても嬉しそうに私の手に頭を擦り付けてきた。
それから彼はしばらく両手を広げて私と自身の腕を見比べていたのだが、途端に悲しそうになり、今にも泣き出してしまいそうになった。
「へあぁ……」
「どうしたの?」
私の質問に答えることなくついに彼はじたばたし始めた。
「どうしよう……お散歩でもする?」
無反応だったが嫌ではなさそうだったので私は彼を抱っこして部屋を出た。
丁度部屋を出た時にたまたま歩いていたカートさんに出会った。
「おや、なまえ。どうしたんだい?」
「それが、ミニリッパーが泣いてしまったんですけど理由が分からなくて……散歩すれば気分が良くなるかな、って思ったんです」
「僕には何の感情も読み取れないけど……君には分かるんだね」
カートさんは顎に手を当てて少し考えるような仕草をした。
「そうだ、モウロならミニリッパーの言ってることが分かるんじゃないか?」
「本当ですか?モウロさんがどこにいるか分かります?」
「さっき見かけたよ。連れて行ってあげよう」
「ありがとうございます!」
私はカートさんに着いてモウロさんの所へ向かった。
「ほら、あそこに」
モウロさんは中庭で相棒の猪と戯れていた。
「モウロさん!」
「なまえ。どうしたの?」
「モウロさんってミニリッパーの言ってること分かったりします…?」
「分かると思うヨ。何を聞いてほしいの?」
私がミニリッパーのことを伝えると、彼は聞いて見るネ、とミニリッパーに話しかけた。
「へあへあ、へあっ。へあー!!」
「薔薇の杖があればなまえをお姫様抱っこ出来ると思って作ったのに出来なくて悲しいらしいネ」
「えっ、何それ可愛い……」
「へあっ!!へぁ!!」
「リッパーばっかりずるい!だってサ」
そこにタイミングよくジャックがやってきた。
「ああ、なまえ。ここにいたんですねっていたたたた!!何するんですか急に!!」
ジャックを見るやいなや、ミニリッパーは私の腕を飛び出してジャックを思いっきり引っ掻いた。
「リッパーみたいになまえをお姫様抱っこしたいのに出来ないから腹立ててるんだって」
カートさんが可笑しそうに言う。
「まあ、なまえをお姫様抱っこするのは私の特権ですし?当然で……いたいっ!!」
ミニリッパーはジャックの仮面や足を引っ掻き続けている。
「そうだ。僕のガリバー旅行記を使ってなまえが小さくなればミニリッパーも抱っこ出来るんじゃないかな?」
「わあ、そうですね!!ナイスアイデアです!」
早速カートさんの助けを借りて、私は小さくなった。
小さくなった私を見たミニリッパーはしばらく驚いていたが、嬉しそうに手を伸ばして私をお姫様抱っこした。
「へあぁぁ……!!」
「とても喜んでるネ」
「なまえをお姫様抱っこしていいのは私だけなのに……」
ジャックがそう言うとミニリッパーは見せつけるようにジャックの前へ行き、声を上げた。
「やーいやーい、これでお姫様抱っこ出来ないだろう!だってサ」
「……この本の効果っていつまで続くんでしたっけ?」
「うーん、そんなに長くは出来ないはずだしもう暫くしたら終わると思うよ」
カートさんの言葉通りその少し後に私は徐々に大きくなってミニリッパーは支えきれなくなった。元の大きさに戻った私をミニリッパーは寂しそうに見上げている。私はそんな彼を抱き上げて
「ありがとう、ミニリッパー。とってもかっこよかったわ」
と言って彼の額にキスをした。
「へぁぁぁ……」
ミニリッパーは嬉しそうに私の胸元に抱きついてくる。
「さて、お遊びはこれくらいにして、部屋に戻りましょう」
ジャックがそう言った途端浮遊感に襲われる。今度はジャックにお姫様抱っこされたようだ。
「ありがとうございました、カートさんにモウロさん!」
「おやすい御用さ」
「また何かあったら来るといいネ」
彼らにさようなら、と言って中庭を出た。
ジャックは私を部屋に連れて帰ってくれるのかと思いきや、どうも行く方向が違う。
「そっちは私の部屋の方向じゃないわよ」
「知ってますよ。今から私の部屋に行くんです」
「えっ!?」
「当たり前じゃないですか。貴女をお姫様抱っこしていいのは私だけだとよく分かって頂かないといけないので」
先が思いやられるようだったが私はそのまま彼の腕に身を任せた。
数日後、ミニリッパーが部屋で読書をしていた私の方に走ってきた。
「へあ!」
「あら、何かしら?」
満足そうな声を上げたミニリッパーはこちらにお尻を向けてきた。そこには、薔薇の杖が着いていた。ああ、今までずっとこれを作っていたのか。流石小さなジャックというべきか、それはとてもよく出来ていて正しくジャックの使っている薔薇の杖のミニチュア版、といった感じだ。
「ふふ、よく出来てるわね。とても上手よ」
私がそう言って頭を撫でるととても嬉しそうに私の手に頭を擦り付けてきた。
それから彼はしばらく両手を広げて私と自身の腕を見比べていたのだが、途端に悲しそうになり、今にも泣き出してしまいそうになった。
「へあぁ……」
「どうしたの?」
私の質問に答えることなくついに彼はじたばたし始めた。
「どうしよう……お散歩でもする?」
無反応だったが嫌ではなさそうだったので私は彼を抱っこして部屋を出た。
丁度部屋を出た時にたまたま歩いていたカートさんに出会った。
「おや、なまえ。どうしたんだい?」
「それが、ミニリッパーが泣いてしまったんですけど理由が分からなくて……散歩すれば気分が良くなるかな、って思ったんです」
「僕には何の感情も読み取れないけど……君には分かるんだね」
カートさんは顎に手を当てて少し考えるような仕草をした。
「そうだ、モウロならミニリッパーの言ってることが分かるんじゃないか?」
「本当ですか?モウロさんがどこにいるか分かります?」
「さっき見かけたよ。連れて行ってあげよう」
「ありがとうございます!」
私はカートさんに着いてモウロさんの所へ向かった。
「ほら、あそこに」
モウロさんは中庭で相棒の猪と戯れていた。
「モウロさん!」
「なまえ。どうしたの?」
「モウロさんってミニリッパーの言ってること分かったりします…?」
「分かると思うヨ。何を聞いてほしいの?」
私がミニリッパーのことを伝えると、彼は聞いて見るネ、とミニリッパーに話しかけた。
「へあへあ、へあっ。へあー!!」
「薔薇の杖があればなまえをお姫様抱っこ出来ると思って作ったのに出来なくて悲しいらしいネ」
「えっ、何それ可愛い……」
「へあっ!!へぁ!!」
「リッパーばっかりずるい!だってサ」
そこにタイミングよくジャックがやってきた。
「ああ、なまえ。ここにいたんですねっていたたたた!!何するんですか急に!!」
ジャックを見るやいなや、ミニリッパーは私の腕を飛び出してジャックを思いっきり引っ掻いた。
「リッパーみたいになまえをお姫様抱っこしたいのに出来ないから腹立ててるんだって」
カートさんが可笑しそうに言う。
「まあ、なまえをお姫様抱っこするのは私の特権ですし?当然で……いたいっ!!」
ミニリッパーはジャックの仮面や足を引っ掻き続けている。
「そうだ。僕のガリバー旅行記を使ってなまえが小さくなればミニリッパーも抱っこ出来るんじゃないかな?」
「わあ、そうですね!!ナイスアイデアです!」
早速カートさんの助けを借りて、私は小さくなった。
小さくなった私を見たミニリッパーはしばらく驚いていたが、嬉しそうに手を伸ばして私をお姫様抱っこした。
「へあぁぁ……!!」
「とても喜んでるネ」
「なまえをお姫様抱っこしていいのは私だけなのに……」
ジャックがそう言うとミニリッパーは見せつけるようにジャックの前へ行き、声を上げた。
「やーいやーい、これでお姫様抱っこ出来ないだろう!だってサ」
「……この本の効果っていつまで続くんでしたっけ?」
「うーん、そんなに長くは出来ないはずだしもう暫くしたら終わると思うよ」
カートさんの言葉通りその少し後に私は徐々に大きくなってミニリッパーは支えきれなくなった。元の大きさに戻った私をミニリッパーは寂しそうに見上げている。私はそんな彼を抱き上げて
「ありがとう、ミニリッパー。とってもかっこよかったわ」
と言って彼の額にキスをした。
「へぁぁぁ……」
ミニリッパーは嬉しそうに私の胸元に抱きついてくる。
「さて、お遊びはこれくらいにして、部屋に戻りましょう」
ジャックがそう言った途端浮遊感に襲われる。今度はジャックにお姫様抱っこされたようだ。
「ありがとうございました、カートさんにモウロさん!」
「おやすい御用さ」
「また何かあったら来るといいネ」
彼らにさようなら、と言って中庭を出た。
ジャックは私を部屋に連れて帰ってくれるのかと思いきや、どうも行く方向が違う。
「そっちは私の部屋の方向じゃないわよ」
「知ってますよ。今から私の部屋に行くんです」
「えっ!?」
「当たり前じゃないですか。貴女をお姫様抱っこしていいのは私だけだとよく分かって頂かないといけないので」
先が思いやられるようだったが私はそのまま彼の腕に身を任せた。