霧の中で
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研究につい熱中してしまって、帰るのが遅くなってしまった。物事に熱中できるのはいい事だけど周りが見えなくなるのは悪い癖ですよ、とジャックからよく言われたのを思い出す。辺りは薄暗い。最近物騒な噂を聞くので早く帰らなければ。そう思って私は足を速めた。
…路地から物音がする。何かを振り下ろすような音、そして、液体の飛び散る音。頭のどこかが警報を鳴らしていたが、私の好奇心の前ではそんなもの無意味に等しかった。
路地を覗いてみると、そこには人くらいの大きさの物が横たわり、誰かがそれを見下ろしていた。その人が何かを振り下ろすと、また液体の飛び散る音がする。…人くらいの大きさのもの?液体の飛び散る音?その瞬間、私はあることを思い出した。友人が言っていた、切り裂き魔の噂を。間違いない。これがその切り裂き魔だ。逃げた方が良いのかもしれないが、顔を見たいという好奇心に逆らえず、そのまま様子を見ていた。
「ジャック…?」
一瞬だけ見えた横顔は、間違いなくジャックそのものだった。なぜ?私の前ではあんなに紳士的なジャックが、信じられない。これは夢に違いない。そんな訳ないと分かっていながらも、私の頭はその事実を否定しようとしている。とにかく逃げよう。家に帰るのが先だ。見つからないように足を忍ばせながら早足で私は家路についた。
家に着いたら倒れ込むようにベッドに入ってついさっき見たものについて考えた。あれはジャックだ。それは間違いない。私もいつか殺されるのだろうか?日頃の紳士的なジャックの姿との差に混乱してしまう。
私を殺そうとしているならなぜ私に優しくしているの?信頼関係を築いてから殺すつもりなのだろうか。そういう趣向の殺人鬼がいると聞いたことがある。でもいつもの彼はそんな様子は無いし、さっきのジャックはまるで別人のようだった。
考え事をしていたらいつの間にか寝ていたようで、朝になっていた。昨晩色々考えたが、一つだけ確かなことがある。私のジャックへの気持ちは変わっていなかったのだ。我ながらおかしなものだとは思うけど、今まで積み重ねられたものはそう簡単に崩れなかった。
今日会ったら聞いてみようか。でも、どうやって?まさか「昨夜人を殺してた?」と聞くわけにはいかないだろう。そうだ、しばらく様子を見てはどうだろうか。やっぱり何かの間違いかもしれないし、話をするのは確かめてからでも遅くはないのでは?
そういう訳で私は今夜もあの付近へ行くことに決め、仕事へ向かった。
…路地から物音がする。何かを振り下ろすような音、そして、液体の飛び散る音。頭のどこかが警報を鳴らしていたが、私の好奇心の前ではそんなもの無意味に等しかった。
路地を覗いてみると、そこには人くらいの大きさの物が横たわり、誰かがそれを見下ろしていた。その人が何かを振り下ろすと、また液体の飛び散る音がする。…人くらいの大きさのもの?液体の飛び散る音?その瞬間、私はあることを思い出した。友人が言っていた、切り裂き魔の噂を。間違いない。これがその切り裂き魔だ。逃げた方が良いのかもしれないが、顔を見たいという好奇心に逆らえず、そのまま様子を見ていた。
「ジャック…?」
一瞬だけ見えた横顔は、間違いなくジャックそのものだった。なぜ?私の前ではあんなに紳士的なジャックが、信じられない。これは夢に違いない。そんな訳ないと分かっていながらも、私の頭はその事実を否定しようとしている。とにかく逃げよう。家に帰るのが先だ。見つからないように足を忍ばせながら早足で私は家路についた。
家に着いたら倒れ込むようにベッドに入ってついさっき見たものについて考えた。あれはジャックだ。それは間違いない。私もいつか殺されるのだろうか?日頃の紳士的なジャックの姿との差に混乱してしまう。
私を殺そうとしているならなぜ私に優しくしているの?信頼関係を築いてから殺すつもりなのだろうか。そういう趣向の殺人鬼がいると聞いたことがある。でもいつもの彼はそんな様子は無いし、さっきのジャックはまるで別人のようだった。
考え事をしていたらいつの間にか寝ていたようで、朝になっていた。昨晩色々考えたが、一つだけ確かなことがある。私のジャックへの気持ちは変わっていなかったのだ。我ながらおかしなものだとは思うけど、今まで積み重ねられたものはそう簡単に崩れなかった。
今日会ったら聞いてみようか。でも、どうやって?まさか「昨夜人を殺してた?」と聞くわけにはいかないだろう。そうだ、しばらく様子を見てはどうだろうか。やっぱり何かの間違いかもしれないし、話をするのは確かめてからでも遅くはないのでは?
そういう訳で私は今夜もあの付近へ行くことに決め、仕事へ向かった。