霧の中で
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
なまえと話しているが、どうも疲れているようだ。さっきからふとした瞬間にぼんやりしたりを繰り返している。 心配になった私は彼女に問いかけてみた。
「お疲れですか?」
「ええ。どうも仕事が上手くいかなくて……」
「愚痴なら聞きますよ。いつものお店に行きましょう」
ありがとう、と彼女は微笑み、私は彼女の手を取って店へと向かった。
店に着くと席に座り、メニューを広げる。
「お酒を頼んでもいいかしら?」
「いいですけど飲みすぎないようにしてくださいよ」
彼女は酒に強いらしいのできっと大丈夫だとは思いつつも念を押す。
しばらくすると飲み物が運ばれてきた。
「これ、美味しいわね。ついつい沢山飲んじゃいそう」
グラスを傾けながら彼女は呟く。
「それで、どうしたんですか?」
「最近些細なミスを繰り返しちゃって……しかも他人がやったミスの責任を押し付けられたこともあるし」
「疲れてるんじゃないでしょうか?一日くらいゆっくりした方が……」
お酒が回ってきたようで顔がほんのり紅く染っている。
「それが『なまえがいないと仕事が進まない!』とか言われて休むに休めないのよ……」
「それで体を壊しちゃ仕事どころじゃ無くなりますよ」
「分かってはいるんだけど、ねぇ」
「レディに仕事を押し付けるなんて酷いものですね」
私がおどけたように言うと彼女はふふ、と笑った。
その後彼女は酒を飲んでおり、しばらく無言の時間が続いた。出会ったばかりの頃は沈黙が訪れるのが怖くて無理矢理話を続けようとしていたが、今では沈黙も穏やかで心地よいと感じる。
「ねえ、ジャック」
「なんでしょう?」
彼女は酒が入ってとろんとしているが、それでもどこか思い切ったような視線をこちらに向けていた。
「好き」
「は!?」
あまりの驚きに飲もうとしていたジュースを吹き出しそうになった。
「ちょっと、悪酔いしてません!?帰った方がいいんじゃ……!」
顔が紅くとろんとした目の彼女は艶めかしさを感じさせる。酔っているのは明らかだし早く帰した方がいい。
「せっかくジャックとデートしてるのに……帰りたくないわ」
普段は落ち着いて感情をはっきり表に出さない彼女とは全然違う。
「家まで送りますから……!!そんな状態で外にいたら危ないですよ!!」
「それなら良いわ!ジャック大好き!」
今にも抱きついてきそうな勢いで彼女は言う。好意を寄せている女性から好きと連呼されておかしくなってしまいそうだったが、彼女は酔っているだけだ、と必死に自身に言い聞かせた。
なんとか彼女を引き摺るように家まで連れてきた。道中も腕に抱きつかれたりととても大変だったが。
取り敢えず直ぐに寝られるように着替えるように言い、ベッドへと連れていった。彼女はベッドの縁に腰をかけ、私はその前に立つ形になる。
すると、突然彼女が私の手を引いてきたのでバランスを崩し、彼女の隣に勢いよく座ってしまった。
「ねえ、私、ジャックのこととっても好きなの」
「あ、貴女に好かれても何の足しにもなりませんよっ!」
本心と真逆のことだが、こうでも言わないと理性を保てる自信が無い。
「どうして?私はこんなにジャックのことが好きなのに」
目を潤ませ上目遣いで私の手を自分の胸に抱き寄せながら言う彼女の姿を見て理性が悲鳴をあげている。
「とにかく、私はもう帰りますから!酔いが覚めてからお会いしましょう!」
「行かないで、ジャック」
抱き寄せられた手を振りほどいて立ち上がると服の裾を掴まれた。必死に耐えている私の気持ちも知らず……
「大人しく寝てください!でないともう縁切りますよ!」
途端に彼女は焦った表情になった。
「うぅ……寝るからそれはやめて……」
あまりにも悲しげなその姿に罪悪感を感じ始めたが、このままでは私が彼女をどうするか分かったものじゃないので仕方ない。そう、仕方ないんだ。
「でも、1つお願いがあるの……」
「なんでしょう?」
「寝るまで側にいて。お願い……1人じゃ寂しいの」
それくらいなら……大丈夫だろう。
「分かりました。いいですよ」
「やったあ!大好きよ!」
そう言いながらもその目はどこか眠そうできっと眠気を我慢してきたのだろうと思った。
そして彼女は身を横たえ、おやすみなさい、と微笑むとそっと瞳を閉じた。
「おやすみなさい、なまえ」
さて、側にいると言ったはいいものの夜中いてしまうと奴が出て来てしまうかもしれない。鍵を持っていないため帰ることも出来ないし……一晩中起きておくしかないだろう。
翌朝、朝日で目が覚めた。どうも寝てしまっていたようだ。とてつもない不安に襲われ、彼女の様子を見る。
が、それは杞憂だったようで彼女は穏やかな寝息を立てていた。
「お疲れですか?」
「ええ。どうも仕事が上手くいかなくて……」
「愚痴なら聞きますよ。いつものお店に行きましょう」
ありがとう、と彼女は微笑み、私は彼女の手を取って店へと向かった。
店に着くと席に座り、メニューを広げる。
「お酒を頼んでもいいかしら?」
「いいですけど飲みすぎないようにしてくださいよ」
彼女は酒に強いらしいのできっと大丈夫だとは思いつつも念を押す。
しばらくすると飲み物が運ばれてきた。
「これ、美味しいわね。ついつい沢山飲んじゃいそう」
グラスを傾けながら彼女は呟く。
「それで、どうしたんですか?」
「最近些細なミスを繰り返しちゃって……しかも他人がやったミスの責任を押し付けられたこともあるし」
「疲れてるんじゃないでしょうか?一日くらいゆっくりした方が……」
お酒が回ってきたようで顔がほんのり紅く染っている。
「それが『なまえがいないと仕事が進まない!』とか言われて休むに休めないのよ……」
「それで体を壊しちゃ仕事どころじゃ無くなりますよ」
「分かってはいるんだけど、ねぇ」
「レディに仕事を押し付けるなんて酷いものですね」
私がおどけたように言うと彼女はふふ、と笑った。
その後彼女は酒を飲んでおり、しばらく無言の時間が続いた。出会ったばかりの頃は沈黙が訪れるのが怖くて無理矢理話を続けようとしていたが、今では沈黙も穏やかで心地よいと感じる。
「ねえ、ジャック」
「なんでしょう?」
彼女は酒が入ってとろんとしているが、それでもどこか思い切ったような視線をこちらに向けていた。
「好き」
「は!?」
あまりの驚きに飲もうとしていたジュースを吹き出しそうになった。
「ちょっと、悪酔いしてません!?帰った方がいいんじゃ……!」
顔が紅くとろんとした目の彼女は艶めかしさを感じさせる。酔っているのは明らかだし早く帰した方がいい。
「せっかくジャックとデートしてるのに……帰りたくないわ」
普段は落ち着いて感情をはっきり表に出さない彼女とは全然違う。
「家まで送りますから……!!そんな状態で外にいたら危ないですよ!!」
「それなら良いわ!ジャック大好き!」
今にも抱きついてきそうな勢いで彼女は言う。好意を寄せている女性から好きと連呼されておかしくなってしまいそうだったが、彼女は酔っているだけだ、と必死に自身に言い聞かせた。
なんとか彼女を引き摺るように家まで連れてきた。道中も腕に抱きつかれたりととても大変だったが。
取り敢えず直ぐに寝られるように着替えるように言い、ベッドへと連れていった。彼女はベッドの縁に腰をかけ、私はその前に立つ形になる。
すると、突然彼女が私の手を引いてきたのでバランスを崩し、彼女の隣に勢いよく座ってしまった。
「ねえ、私、ジャックのこととっても好きなの」
「あ、貴女に好かれても何の足しにもなりませんよっ!」
本心と真逆のことだが、こうでも言わないと理性を保てる自信が無い。
「どうして?私はこんなにジャックのことが好きなのに」
目を潤ませ上目遣いで私の手を自分の胸に抱き寄せながら言う彼女の姿を見て理性が悲鳴をあげている。
「とにかく、私はもう帰りますから!酔いが覚めてからお会いしましょう!」
「行かないで、ジャック」
抱き寄せられた手を振りほどいて立ち上がると服の裾を掴まれた。必死に耐えている私の気持ちも知らず……
「大人しく寝てください!でないともう縁切りますよ!」
途端に彼女は焦った表情になった。
「うぅ……寝るからそれはやめて……」
あまりにも悲しげなその姿に罪悪感を感じ始めたが、このままでは私が彼女をどうするか分かったものじゃないので仕方ない。そう、仕方ないんだ。
「でも、1つお願いがあるの……」
「なんでしょう?」
「寝るまで側にいて。お願い……1人じゃ寂しいの」
それくらいなら……大丈夫だろう。
「分かりました。いいですよ」
「やったあ!大好きよ!」
そう言いながらもその目はどこか眠そうできっと眠気を我慢してきたのだろうと思った。
そして彼女は身を横たえ、おやすみなさい、と微笑むとそっと瞳を閉じた。
「おやすみなさい、なまえ」
さて、側にいると言ったはいいものの夜中いてしまうと奴が出て来てしまうかもしれない。鍵を持っていないため帰ることも出来ないし……一晩中起きておくしかないだろう。
翌朝、朝日で目が覚めた。どうも寝てしまっていたようだ。とてつもない不安に襲われ、彼女の様子を見る。
が、それは杞憂だったようで彼女は穏やかな寝息を立てていた。