霧の中で
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彼女達の姿が見えなくなると、ジャックはするりと手を解いた。離れる体温に名残惜しさを感じる。
「すみません、勝手に触れてしまって……」
ジャックが眉を下げながら申し訳なさそうに言った。
「いいのよ。私が不用意に近付いたのが悪かったんだし……」
「そんな!寧ろ有難かったですよ。追い払う口実が出来ました」
にこやかに話すジャックに、彼女達と仲良くしていた訳では無いんだな、と少し安心感を覚えた。
「良ければこれからお茶でもしませんか?」
「良いの?」
「もちろん。いつものカフェに行きましょう」
「嬉しいわ。喜んで」
それから私達はカフェでお茶をしながら色々な話をした。
「ありがとう、ジャック。楽しかったわ」
「こちらこそお付き合い頂いてありがとうございました」
「さようならー」
「では、また」
私達は手を振りながら別れた。
次の日。
職場で例の女の子たちに面倒な絡まれ方をした。
聞こえる声で悪口を言われたり、席を外した隙に散らかされたりしたのだ。
それくらいなら無視できるのだが、
「あなたみたいな陰気で不細工な女、すぐに相手にされなくなるわよ!」
「あなたみたいな女と並んで歩くなんて彼も可哀想ね」
と直接言われてしまい、やっぱり私ごときじゃ彼とは吊り合わないのね、と相当落ち込んでしまった。
ぼうっとしていたらいつの間にか日が落ちていたようで、私は慌てて職場を出た。
すると、ジャックが来ていたようで私に声をかけてきた。
「なまえ!」
「ジャック?どうしたの?」
「いえ、帰りが遅かったので心配して迎えに来たんです」
「本当?ありがとう、ジャック」
ジャックはいえいえ、と答えると私の顔を覗き込んだ。
「暗い顔をしていますがどうかされたんですか?」
「ううん、なんでもないの。大丈夫よ」
「嘘をついても無駄ですよ。私には分かります」
ジャックは誤魔化せないようだ。私は嘘をつくことを諦め、今日あったことを全て話す。
「そんなことが……」
彼は顎に手を置きながら言った。
「私が余計なことをしたばかりに……申し訳ありません」
「いいえ、貴方は悪くないわ」
「そんな……でも大丈夫ですよ」
そう言った彼に私はどうして、と首を傾げた。
「彼女たち、もうすぐ引っ越すって言ってましたから。もうじき居なくなりますよ」
そうなのか。そんな話は初めて聞いた。
「なら大丈夫ね。送ってくれてありがとう、ジャック」
「いえいえ、さようなら」
「さようならー」
その数日後、確かに彼女達の姿は見なくなった。
──────────
補足
なまえは殺人鬼の方と会ってるけど殺人鬼は上手く隠して全然気付いてない感じ
お察しでしょうけどなまえをいじめた子達は殺されてます
「すみません、勝手に触れてしまって……」
ジャックが眉を下げながら申し訳なさそうに言った。
「いいのよ。私が不用意に近付いたのが悪かったんだし……」
「そんな!寧ろ有難かったですよ。追い払う口実が出来ました」
にこやかに話すジャックに、彼女達と仲良くしていた訳では無いんだな、と少し安心感を覚えた。
「良ければこれからお茶でもしませんか?」
「良いの?」
「もちろん。いつものカフェに行きましょう」
「嬉しいわ。喜んで」
それから私達はカフェでお茶をしながら色々な話をした。
「ありがとう、ジャック。楽しかったわ」
「こちらこそお付き合い頂いてありがとうございました」
「さようならー」
「では、また」
私達は手を振りながら別れた。
次の日。
職場で例の女の子たちに面倒な絡まれ方をした。
聞こえる声で悪口を言われたり、席を外した隙に散らかされたりしたのだ。
それくらいなら無視できるのだが、
「あなたみたいな陰気で不細工な女、すぐに相手にされなくなるわよ!」
「あなたみたいな女と並んで歩くなんて彼も可哀想ね」
と直接言われてしまい、やっぱり私ごときじゃ彼とは吊り合わないのね、と相当落ち込んでしまった。
ぼうっとしていたらいつの間にか日が落ちていたようで、私は慌てて職場を出た。
すると、ジャックが来ていたようで私に声をかけてきた。
「なまえ!」
「ジャック?どうしたの?」
「いえ、帰りが遅かったので心配して迎えに来たんです」
「本当?ありがとう、ジャック」
ジャックはいえいえ、と答えると私の顔を覗き込んだ。
「暗い顔をしていますがどうかされたんですか?」
「ううん、なんでもないの。大丈夫よ」
「嘘をついても無駄ですよ。私には分かります」
ジャックは誤魔化せないようだ。私は嘘をつくことを諦め、今日あったことを全て話す。
「そんなことが……」
彼は顎に手を置きながら言った。
「私が余計なことをしたばかりに……申し訳ありません」
「いいえ、貴方は悪くないわ」
「そんな……でも大丈夫ですよ」
そう言った彼に私はどうして、と首を傾げた。
「彼女たち、もうすぐ引っ越すって言ってましたから。もうじき居なくなりますよ」
そうなのか。そんな話は初めて聞いた。
「なら大丈夫ね。送ってくれてありがとう、ジャック」
「いえいえ、さようなら」
「さようならー」
その数日後、確かに彼女達の姿は見なくなった。
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補足
なまえは殺人鬼の方と会ってるけど殺人鬼は上手く隠して全然気付いてない感じ
お察しでしょうけどなまえをいじめた子達は殺されてます