霧の中で
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暗号機が残り2台の時点でライリーさんがダウンしているだけ。まあまあ順調だ。そう思っていたのだが────
「おい!!なまえ!」
大きな足音が聞こえたと思ったらカヴィンさんが走って来た。
「えっ、な、何!?」
「さっき、リッパーの奴を見かけたんだが、あいつなんかぶつぶつと君の名前を呟きながら歩いてたぞ。目が死んでたから気を付けた方がいい」
「何それ怖い」
「しかもライリーを追いかけてるリッパーの目の恐ろしさ、レオ並だったぞ。取り敢えず俺はライリーを助けに行ってくるから解読を頼む」
「ええ、ありがとう。ここは任せておいて」
そう言うとカヴィンさんは走っていったのだが、そこでイライの悲鳴が聞こえてきた。ダウンしたようだ。
「やべっ。じゃあな!」
2人はカヴィンさんに任せておいて解読を続けたのだが……
しばらくしたらカヴィンさんの悲鳴が聞こえた。
「うそ……」
私が助けなければと思って駆け出そうとしたその時、瞬間移動でジャックがやって来た。
「やっと見つけましたよ、なまえ」
仮面で見えないが、ニタァっと笑ったのが分かるかのような言い方だった。
「ど、どうしたの。いつもの貴方じゃないわ」
「いえ、貴女がいると知って張り切って薔薇の杖を持ってきたのですが、男共しか見つからなくてね」
「でもだからってなんでダウン放置……?」
「男には興味ないです」
当然のことを聞くな、という空気を醸し出しながら彼は言った。
「私のことは後で好きなだけ殴っていいから彼らを助けさせて」
「貴女があいつらを助けるのは気に食いませんが……そういうことならまあいいでしょう」
私は倒れている彼らの元へ走り、3人の治療を終えた。
解読をして、と彼らに伝えてからジャックの元へ戻る。
「さあどうぞ」
好きなだけ殴ってもいいとは言ったものの、不安が募る。
しばらくジャックは私を見つめたまま黙っていた。
そうこうしているうちに通電し、私が「早く逃げて!」とチャットを送ると、彼らは脱出した。
「いきますよ」
次に身体に来るであろう衝撃に備える。
しかし、備えていた衝撃は来なかった。その代わりにジャックは私を抱きあげた────お姫様抱っこで。
「えっえっなにこれ!?こんなの知らない!」
顔に熱が集まる。
「薔薇の杖の効果ですよ。お姫様抱っこでサバイバーを運べるんです。普通はダウンさせないと出来ないのですが────」
「……私以外に使うの禁止ね」
「えっ、結構気に入ってるんですよ。どうしてですか?」
「……想像したら嫉妬……した」
羞恥心からろくに目を合わせることが出来ない。
「また可愛らしいことを……愛しい貴女の願いなら貴女以外には使わないと約束しますよ」
「ありがとう……」
「ちょっと待ってください。いいこと思いつきました。ゲーム外でも普段からお姫様抱っこすればいいんじゃないですか?」
「そっ、それは流石に、は、恥ずかしいわ」
嬉しいけど、と小声で付け加える。ジャックには聞こえていない……だろう。
ジャックは少し何かを企んでいるような微笑みを向けた。
その日から、私はジャックにやたらとお姫様抱っこされることになるのである。
「おい!!なまえ!」
大きな足音が聞こえたと思ったらカヴィンさんが走って来た。
「えっ、な、何!?」
「さっき、リッパーの奴を見かけたんだが、あいつなんかぶつぶつと君の名前を呟きながら歩いてたぞ。目が死んでたから気を付けた方がいい」
「何それ怖い」
「しかもライリーを追いかけてるリッパーの目の恐ろしさ、レオ並だったぞ。取り敢えず俺はライリーを助けに行ってくるから解読を頼む」
「ええ、ありがとう。ここは任せておいて」
そう言うとカヴィンさんは走っていったのだが、そこでイライの悲鳴が聞こえてきた。ダウンしたようだ。
「やべっ。じゃあな!」
2人はカヴィンさんに任せておいて解読を続けたのだが……
しばらくしたらカヴィンさんの悲鳴が聞こえた。
「うそ……」
私が助けなければと思って駆け出そうとしたその時、瞬間移動でジャックがやって来た。
「やっと見つけましたよ、なまえ」
仮面で見えないが、ニタァっと笑ったのが分かるかのような言い方だった。
「ど、どうしたの。いつもの貴方じゃないわ」
「いえ、貴女がいると知って張り切って薔薇の杖を持ってきたのですが、男共しか見つからなくてね」
「でもだからってなんでダウン放置……?」
「男には興味ないです」
当然のことを聞くな、という空気を醸し出しながら彼は言った。
「私のことは後で好きなだけ殴っていいから彼らを助けさせて」
「貴女があいつらを助けるのは気に食いませんが……そういうことならまあいいでしょう」
私は倒れている彼らの元へ走り、3人の治療を終えた。
解読をして、と彼らに伝えてからジャックの元へ戻る。
「さあどうぞ」
好きなだけ殴ってもいいとは言ったものの、不安が募る。
しばらくジャックは私を見つめたまま黙っていた。
そうこうしているうちに通電し、私が「早く逃げて!」とチャットを送ると、彼らは脱出した。
「いきますよ」
次に身体に来るであろう衝撃に備える。
しかし、備えていた衝撃は来なかった。その代わりにジャックは私を抱きあげた────お姫様抱っこで。
「えっえっなにこれ!?こんなの知らない!」
顔に熱が集まる。
「薔薇の杖の効果ですよ。お姫様抱っこでサバイバーを運べるんです。普通はダウンさせないと出来ないのですが────」
「……私以外に使うの禁止ね」
「えっ、結構気に入ってるんですよ。どうしてですか?」
「……想像したら嫉妬……した」
羞恥心からろくに目を合わせることが出来ない。
「また可愛らしいことを……愛しい貴女の願いなら貴女以外には使わないと約束しますよ」
「ありがとう……」
「ちょっと待ってください。いいこと思いつきました。ゲーム外でも普段からお姫様抱っこすればいいんじゃないですか?」
「そっ、それは流石に、は、恥ずかしいわ」
嬉しいけど、と小声で付け加える。ジャックには聞こえていない……だろう。
ジャックは少し何かを企んでいるような微笑みを向けた。
その日から、私はジャックにやたらとお姫様抱っこされることになるのである。