霧の中で
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それは、私たちが再会を果たした夜のこと。
ふいに扉をノックする音がした。皆眠り始めているこの時間帯にどうしたものかと不審に思いながらも、返事をした。
「あのっ、ジャック?」
なまえの声だと分かり、私は扉を開いた。
「どうしました?」
「あの、えっと、その……」
彼女は躊躇うように一度言葉を切ったが、勇気を出したように続けた。
「一緒に寝て!」
その発言に心底驚いて一瞬言葉を失ってしまう。
「へあ!?何かあったんですか?」
「何も無いわ。ただ、その、ちょっと寂しくて顔が見たくなったの……」
恥ずかしそうに頬を薔薇色に染めならが伏し目がちに話す彼女はなんとも可愛らしかった。
「他でもないなまえさんの願いですしそういうことならどうぞ」
彼女は寝巻きでいたため、普段より身に付けている布の量がとても少ない。その上、胸の当たりが心もとなく揺れていて──
頭を支配し始めたその考えを振り払って私は彼女を部屋に招き入れた。
「お邪魔します」
「なまえさんはベッドに寝てください。私はソファで寝ますよ」
「えっ、それは嫌よ。一緒に寝たいの」
当然のことのようにあっさりと彼女は言ってのけた。
「ええっ!?」
あまりの動揺に大きな声を上げてしまう。
「だめ、なの……?」
とても悲しそうに彼女は瞳を揺らしながらこちらを見つめた。
「だめなんてそんなこと全然ないですよ!ただ、少し驚いてしまっただけで──」
「本当!?ありがとうジャック!大好き!」
さっきの悲しげな表情は演技だったのか……?
1人で使うとやたら広く感じていたベッドだが、2人で入ると少し狭く感じた。
脚と脚が触れ合っており、その熱のせいで眠れなくなってしまいそうだ。
彼女にはそんな意図は無いだろうし、我慢しなければ。
彼女はどうもこういうことに疎いというか、こちらからするととんでもない事を今まで何度もしてきたのだ。今回もその1つだろう。
────いや、果たしてそうだろうか?
いくら鈍い彼女でもそのくらいのことは分かっているのでは?
私達も晴れて恋人になれたのだ。少し早いかもしれないが、この際関係ないだろう。
もし彼女が誘っているのだとしたら私がその誘いに乗らないのは彼女を悲しませてしまうのでは?
ああ、私のなまえ。きっと楽しませてあげると約束しよう。
私は彼女を抱きしめようと腕を伸ばした────
「おやすみなさい、ジャック」
……は?
彼女は幸せそうな顔をして直ぐにすうすう規則的な呼吸を始めた。
そうか、やはり彼女はなんの意図も無かったのだ。純粋に私と一緒に寝たかった、ただそういうことだ。
それはそれでとても嬉しいが、なんというか、その、ショックだな。
だがこの位は許してくれ。
私は彼女の額にそっと口付けた。
「おやすみ、私の愛しい人」
彼女が微笑んだ気がした。
ふいに扉をノックする音がした。皆眠り始めているこの時間帯にどうしたものかと不審に思いながらも、返事をした。
「あのっ、ジャック?」
なまえの声だと分かり、私は扉を開いた。
「どうしました?」
「あの、えっと、その……」
彼女は躊躇うように一度言葉を切ったが、勇気を出したように続けた。
「一緒に寝て!」
その発言に心底驚いて一瞬言葉を失ってしまう。
「へあ!?何かあったんですか?」
「何も無いわ。ただ、その、ちょっと寂しくて顔が見たくなったの……」
恥ずかしそうに頬を薔薇色に染めならが伏し目がちに話す彼女はなんとも可愛らしかった。
「他でもないなまえさんの願いですしそういうことならどうぞ」
彼女は寝巻きでいたため、普段より身に付けている布の量がとても少ない。その上、胸の当たりが心もとなく揺れていて──
頭を支配し始めたその考えを振り払って私は彼女を部屋に招き入れた。
「お邪魔します」
「なまえさんはベッドに寝てください。私はソファで寝ますよ」
「えっ、それは嫌よ。一緒に寝たいの」
当然のことのようにあっさりと彼女は言ってのけた。
「ええっ!?」
あまりの動揺に大きな声を上げてしまう。
「だめ、なの……?」
とても悲しそうに彼女は瞳を揺らしながらこちらを見つめた。
「だめなんてそんなこと全然ないですよ!ただ、少し驚いてしまっただけで──」
「本当!?ありがとうジャック!大好き!」
さっきの悲しげな表情は演技だったのか……?
1人で使うとやたら広く感じていたベッドだが、2人で入ると少し狭く感じた。
脚と脚が触れ合っており、その熱のせいで眠れなくなってしまいそうだ。
彼女にはそんな意図は無いだろうし、我慢しなければ。
彼女はどうもこういうことに疎いというか、こちらからするととんでもない事を今まで何度もしてきたのだ。今回もその1つだろう。
────いや、果たしてそうだろうか?
いくら鈍い彼女でもそのくらいのことは分かっているのでは?
私達も晴れて恋人になれたのだ。少し早いかもしれないが、この際関係ないだろう。
もし彼女が誘っているのだとしたら私がその誘いに乗らないのは彼女を悲しませてしまうのでは?
ああ、私のなまえ。きっと楽しませてあげると約束しよう。
私は彼女を抱きしめようと腕を伸ばした────
「おやすみなさい、ジャック」
……は?
彼女は幸せそうな顔をして直ぐにすうすう規則的な呼吸を始めた。
そうか、やはり彼女はなんの意図も無かったのだ。純粋に私と一緒に寝たかった、ただそういうことだ。
それはそれでとても嬉しいが、なんというか、その、ショックだな。
だがこの位は許してくれ。
私は彼女の額にそっと口付けた。
「おやすみ、私の愛しい人」
彼女が微笑んだ気がした。