1話 Story of beggining.
ネーヴェがイシュメリア家当主の仕事を代理で行い、その仕事にも少しずつ慣れてきたある日、ネーヴェは皇宮から呼び出された。
「ネーヴェ・イシュメリア、皇帝陛下に拝謁いたします」
「うむ、面をあげよ。ネーヴェ、この度は大変だったな」
「お気遣いいただきありがとうございます」
「今日は捜査に進展があったため、そなたを呼び出したのだ」
「進展・・・でございますか?」
「あぁ・・・そなたもこの国では大きく皇族派、貴族派に分かれるのは知っておろう」
言いにくいことなのか、皇帝は口を開くが、結論から話すことは無かった。
「知っての通り、我々もイシュメリア卿には世話になっていたからな、最優先事項として捜査を続けていたが、どうやら犯人は我が国の者だけではないようなのだ」
「・・・隣国が関係していると?」
思わず眉間にしわを寄せ、言葉に力が入る。
「まだ確証は得られていないが、その可能性が高い。高い以上はそのつもりで動かねばならない。証拠をそろえるのに時間がかかるのは言うまでもないが、次はネーヴェ、そなたが狙われる可能性もある。」
「わたくしが・・・でございますか?陛下、お言葉ですが、私を殺しても、公爵家が没落するわけではなく、実家の侯爵家も黙っているはずがありません。私が言うのもなんですが、うちの家族は相当の親ばかですよ!?」
ネーヴェの言葉に皇帝は苦笑を漏らす。
「殺すというよりは、そなたの力を狙っている可能性がある。そなたの持つ治癒能力だ。それがあれば、不死も可能と考えているのやもしれん。」
「・・・この力は、多くの人間が知っている情報ではないと思いますが」
「だからと言って、緘口令は布いていない。たまたま知っていた者が誰かに言った可能性もある。皇族のみ知っている情報でもないしな」
「それでも、多くの貴族が知っているとは思えません。」
「そうだ。なので、他方とともにこの線も含めて捜査しなければならん。なので、もうしばらくは屋敷で仕事をしていてくれ、ということを言いたかった。」
「・・・陛下の仰せの通りに」
皇帝の言葉に礼をし、その場を離れようとしたとき、皇帝がもう一度口を開いた。
「ネーヴェ、オルガに会ってから帰ってくれないか。やつもそなたを気に掛けておるのでな」
「・・・承知いたしました」
わざわざあってくれと頼む皇帝に、何かあるのかと思いながら、ネーヴェはその場をあとにした。
「ネーヴェ・イシュメリア、皇帝陛下に拝謁いたします」
「うむ、面をあげよ。ネーヴェ、この度は大変だったな」
「お気遣いいただきありがとうございます」
「今日は捜査に進展があったため、そなたを呼び出したのだ」
「進展・・・でございますか?」
「あぁ・・・そなたもこの国では大きく皇族派、貴族派に分かれるのは知っておろう」
言いにくいことなのか、皇帝は口を開くが、結論から話すことは無かった。
「知っての通り、我々もイシュメリア卿には世話になっていたからな、最優先事項として捜査を続けていたが、どうやら犯人は我が国の者だけではないようなのだ」
「・・・隣国が関係していると?」
思わず眉間にしわを寄せ、言葉に力が入る。
「まだ確証は得られていないが、その可能性が高い。高い以上はそのつもりで動かねばならない。証拠をそろえるのに時間がかかるのは言うまでもないが、次はネーヴェ、そなたが狙われる可能性もある。」
「わたくしが・・・でございますか?陛下、お言葉ですが、私を殺しても、公爵家が没落するわけではなく、実家の侯爵家も黙っているはずがありません。私が言うのもなんですが、うちの家族は相当の親ばかですよ!?」
ネーヴェの言葉に皇帝は苦笑を漏らす。
「殺すというよりは、そなたの力を狙っている可能性がある。そなたの持つ治癒能力だ。それがあれば、不死も可能と考えているのやもしれん。」
「・・・この力は、多くの人間が知っている情報ではないと思いますが」
「だからと言って、緘口令は布いていない。たまたま知っていた者が誰かに言った可能性もある。皇族のみ知っている情報でもないしな」
「それでも、多くの貴族が知っているとは思えません。」
「そうだ。なので、他方とともにこの線も含めて捜査しなければならん。なので、もうしばらくは屋敷で仕事をしていてくれ、ということを言いたかった。」
「・・・陛下の仰せの通りに」
皇帝の言葉に礼をし、その場を離れようとしたとき、皇帝がもう一度口を開いた。
「ネーヴェ、オルガに会ってから帰ってくれないか。やつもそなたを気に掛けておるのでな」
「・・・承知いたしました」
わざわざあってくれと頼む皇帝に、何かあるのかと思いながら、ネーヴェはその場をあとにした。