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3話 Story of beginning (3)

宿屋は、1階が宿の受付と食堂。2階が客室となっていた。
3人は荷物を部屋に置き、すぐに1階に集合する。
「それで、どうする?西にそれらしい場所があるみたいだけど」
「じゃあ、そこに行こうか。行くまでに繁華街も通るみたいだし、1時間ほどで帰ってこないと、食事をくいっぱぐれることになるし。向こうに着いたら、無駄に豪華な食事が出されるはず、、、。その前に、普通の食事して胃の調子を整えとかないと」
「え、お二人ともずるい!俺は食えないのに、、、」
明日からの食事を考え、げんなりするネーヴェとオルガに対し、招待されていない護衛のリックは、食事があっても同じものは食べられない。使用人たちと同じものを出されるという事は、不味くはなくても、そこまで豪華なものでもない、ほどほどのものが出されることが予想される。
「だったら、今日豪華なものを食べておくんだな。というか、そんなに豪華な食事摂りたいか?胃がもたれるほどの、、、」
思い出したのか、オルガが眉間にしわを寄せる。
「たまにはいいじゃないですか!皇族の皆様だってお客さん来た時くらいしか豪華なの食べないですよね?」
「食べないけど、、、あれは1食でいい。3日連続で出たら、まじめに1年はもう見たくない、、、」
うげぇ、、、とこぼしながらオルガが返す。
「リックはさ、知らないんだよ。うちの国の食事と、この国の違いを。というか、あのバカの食の好み?に合わせた食事をさ、、、。
今回は国王陛下の招待じゃなくて、王子殿下の招待だから、食事も王子好みに改悪・・・じゃなくて、その・・・
好み?に寄せてきてると思うんだよね。それがつらいの。陛下は普通の人だから。前来た時は普通だったし・・・」
「学院に居た時のアイツの食事、やばかったよな。。。」
「大概の人間、閉口してたからね。質、量ともに。というか、基本肉。野菜無し。肉だけ食べるダイエットか?って思うほどだわ。
それを大量に食べるの。3人前?肉だけ?君、肉食獣だっけ?って思うよね。」
「今、なんか王子様の事、すっごいディスった?」
ぼそりとリックがつぶやいた。
「とにかく、リックはあの食事食べない方が良いって。犠牲になるのは俺たちだけで、、、いや、むしろリックを俺の代わりに食事の席に」
「そんなに嫌なんですか!?」
「・・・リック、一緒に食事しよう。そうすればわかるよ」
ポンと肩に手を置き憐みのまなざしでリックを見て心底同情するような声音で宣言するネーヴェ。
「ぇ・・・あ・・・あー、そこまで言われたら遠慮しますわ」
「そんなこと言うなって。俺らからちゃんと言っとくから。席を一緒にできなくても、同じもの出してもらうように言うから、3日くらい」
「ぃゃ・・・あの・・・えっと・・・」
この人(オルガ)本気だ。リックはそう思った。
あまりにも酷い言われ様の食事内容に、実際どんなものが出てくるのかもわからないうちから後悔するリックだった。
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