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2話 Story of beginning (2)

「ヒト、獣人、龍、魔人、魔獣、獣・・・種類多すぎじゃない?」
「それに加えて、精霊に妖精・・・は精霊の一種か?」
「精霊も妖精も実態はないからね。ジュール(?)はよくあんなの一括で統括してるよね。国王様の手腕には本当恐れ入るわ」
「まぁ、あそこの王様、龍だし。ヒトじゃないし。ヒト、少数派じゃん。力で統括できるんだから、あの国はあの王様があってるんじゃないの・・・ジュール(?)はさ」
ジュールとは隣国の名前だ。オルガもネーヴェも自国の発音はできるものの、発音が違うと散々ヤズに直された挙句一度も正しい発音が出来なかったため、お隣さん、隣国と名前を呼ぶことを避けている。
「でも、国王様もさ、穏健派というか、争いを好まずずっと来てるからわざわざうちに喧嘩売るようなことする意味ないんだよな」
「そうなってくると、益々ほかの貴族が関係してると思うけど・・・そもそも、公爵家に喧嘩売ってるこの国の貴族はどこのどちら様なのさ」
「あー・・・それな。それなんだけどさぁ・・・バハル侯爵家が絡んでるらしい」
「・・・は?あそこの当主、頭いかれたの?」
「本音出てるぞ」
「おっといけない。あそこの当主様、気がふれたのですか?」
「変わんねぇよ」
驚いて目を丸くし、思っていることが出たのか、指摘されて言い直すも、言い直せていないネーヴェ。ショックは大きいらしい。
「いや、いつも喧嘩売ってくるなとは思ってたけど、公爵家に侯爵家ごときが手を出すっていうか、、、一線超えるのはちょっと考えが及ばなかったな。裏で手を引いてるのがそんなに大物ってこと?」
ばれてもいいと思ったのか、それとも絶対にばれないと思ったのか。
侯爵家と公爵家の差は天と地ほど大きい。
それを考えれば、手を出してくても出せないのだ。だからこそ、何かの行事で会った時に公爵家に嫌味を言ってはそれ以上に返され立つ瀬がなく去っていくバハル家を憐みの感情をこめてみていたネーヴェだった。
しかし、虚勢を張って終わりだと思っていたが、それで終わらなかったというのは意外も意外だったのだ。
「ただで済むとは思っていないにしても、まさか・・・いや、裏で巧妙に手を引いて、罪を擦り付けたと考えるほうが自然なのかも」
「だろうな。バハル家はイシュメリア卿も苦笑する程度の嫌味を言っていつも一蹴されていたし、卿も彼らにそこまで酷い仕返しをしていたわけじゃない。言い返して終わりだった。それが殺人をすようだなんて思い立つはずがない。なら、必ず裏で手をまわしていた者がいるはずだ」
今のところ真相はわからない。わからないが、証拠を集めるしかないとの結論に至り、この話題はそこまでとなった。
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