このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

2話 Story of beginning (2)

「とにかく、向こうが何を考えているのかわからない。敵か味方かもわからない。そして面倒なことに絶対にヤズと手合わせすることになる・・・お前が」
「そこは、俺が代わりに盾になってやるくらいの気概は見せてほしかったです、第二皇子」
「いったところで、向こうが俺の話なんて聞きゃしないからな・・・」
どこか遠くを見つめてオルガは言った。
「・・・それはそれとして」
コホンと咳ばらいをし、話を逸らすネーヴェ
「王都の街の様子を見ること。貴族連中の顔色うかがい。あとついでに貿易関係の事について、ちょっと話がしたいな。ヤズの手腕のうわさは聞いてるから、いい貿易商を紹介してくれないかなぁ…。」
せっかく行くのだから、ついでに何か持ち帰りたい。それは、物であっても、契約であってもかまわなかった。
「お隣さんとは作物の輸出入に関しては頻繁に取引してるけど、それ以外がイマイチなんだよね。うちの宝石業でも、何でもいいから何かもう一つくらいお互いの技術を行き来させるようなものがあればいいと思ってるんだけど」
「お互い、豊かな国だしな。それに隣は、うちと違って、いろんな種族がいるもんな。獣人が結構いるだろ。そうなると、うちじゃ使い道のなかったものも、獣人相手に商売になりますってこともあり得るもんなぁ・・・」
うーん、と考え込むオルガ。
「少し考えたいところですね、将来の宰相様」
「やめろ、最小はあんまりなりたくない。できることなら何にもしたくない」
「それは皆考えることだからあきらめろ」
首を横に振って残念そうに告げるネーヴェ。
隣国にはこの国にはいない種類の種族が住んでいる。それは獣人と呼ばれるものたちだ。
読んで字の如く、と言ってもいいが獣の血と人の血が混ざったような姿であるが、進化の過程で人と似た姿になったとされる。
獣人の姿は様々で、ほぼ人と変わらないものもいれば、獣と変わらないものもいる。
6/7ページ
スキ