このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

2話 Story of beginning (2)

好きなことは徹底的に。守ると決めたものは指一本触れさせない。それがどんな手段を使おうとも。
ネーヴェが育ってきた家訓とも習性ともいえるやり方だ。
「ほんと、お前んちって全員そういう所そっくりだよな。力があるだけに余計質悪いわ」
「えー、それ皇族の人間に言われたくないんですけれども・・・」
呆れ顔でいうオルガとは対照的に笑いながら返すネーヴェ。
「それは兎も角、確かどっかの全寮制学院に出してたんだろ?遅くなったけど、俺たちが発つよりも前にブライアンの葬儀を行えるとは言え、
学院から帰ってきたらそのまま後継者教育に入るのか?」
「それなんだけど・・・やっぱり、学院は祖苦行させてあげたくてさ。しばらくは公爵家の仕事は私が肩代わりかな。と言っても、1年も残ってないんだ。ただ、私がお隣さんに行っている間はちょっと心配だから、こっちにいてほしくて。それについては、学院にも連絡してるし、本人も理解してるはず」
ネーヴェの言葉に少し安心して「そっか」と一言だけオルガは返した。
彼も、フロスの事は何だかんだと気に入っている。生まれた時から知っているし、かわいい甥っ子みたいなものだ。
イシュメリア公爵家は、皇族と血のつながりがある。皇帝の甥っ子であるイシュメリア公爵家の長男ブライアンと次男のアインは、皇帝に名実ともにかわいがられていた。
ネーヴェのクシュ家は、ネーヴェの父に当たるフィルがブライアンと騎士団で親しかった為、そのつながりで皇族とも親しくなったとも聞いたことがある。そもそも、家系の関係か、娘がなかなか生まれなかったところに、ネーヴェが来たのだ。可愛がらないわけがない。
世界で一番かわいい娘だとフィルも自慢しまくっていたらしい。
話が逸れたが、基本仲が良いので、同年代も仲が良く、また甥っ子姪っ子が出来れば、かわいがっていた。
「退学じゃかわいそうだもんな」
「うん・・・私たちの時はとても楽しかったから、楽しいならそのまま卒業させてあげたいと思ってさ。
それはそうと、結局何しに来たんだっけ?」
「あ、行きたくないから話それまくったな。隣に行くのに、作戦練ろうって話をしようと思ったんだよ。表向きは・・・」
オルガはやっと本題を切り出して、嫌々行く事を伝えつつ、何を本題に隣に持っていくか。何を探るのか。今までの捜査の進展内容などをネーヴェに伝えた。
5/7ページ
スキ