2話 Story of beginning (2)
あれから1週間が経った。
オルガの執務室のソファには、オルガとネーヴェの二人が緊張感のかけらもなく向かい合って座り、茶をすすりながら手紙を手にしている。
「というわけだから」
ネーヴェが手紙を読み終わったであろうタイミングでオルガが声をかける。
「・・・アイツ、なんだって?」
「なんだってって・・・書いてあるだろ!?『手合わせできるその日を心待ちにしている』って」
「・・・別に手合わせしに行くわけじゃないよな?」
「違うよ!仕事しに行くにきまってるだろ!アイツは今回の仕事は手合わせだと思ってるみたいだけど、俺たちの仕事は視察!怪しい動きがないかと王族に協力を要請する視察!手合わせじゃない!」
「・・・殿下、機嫌悪すぎじゃない?」
ネーヴェといる時、仕事以外の時間は決して綺麗とは言えない言葉遣いをするオルガとネーヴェだが、いつも以上に適当な言葉遣いに、少々面食らったネーヴェは、何事かとオルガに言葉をかける。
「~~~・・・完全に貧乏くじ引かされてるだろ!交渉事だったら、絶対兄上が表も裏もうまくやるのに、俺に声がかかったってことは、ネーヴェ!お前を連れてけって意味以外にないだろ?
ただでさえ、命を狙われるかもしれないっていうのに、、、
それに・・・出発よりちょっと前に、帰ってくるんだろ?お前の息子が」
オルガの最後の言葉に反応して、きらきらとした目でネーヴェが口を開く
「そうなんだよ!フロスが帰ってくるんだよ!もう17歳でしょ?ブライアンがあんな事になっちゃって、後継者の引継ぎが早まって申し訳ないんだけど、我が愛しの君が帰ってくるかと思うと、盛大なパーティ開きたくなる気分なんだ!」
「相変わらずだな・・・でも大丈夫なのか?彼も命を狙われる可能性があるんだろ?」
「ん?何言ってるんだ?そんな可能性叩き潰してから家を出るにきまってるだろ?」
既に何か握っているらしいネーヴェは悪い顔をしてニコニコと笑った。
「・・・ご愁傷様だな」
小さな声で呟いて、苦笑するオルガは、まぎれもなくあの親兄弟に育てられた娘なんだな、と内心納得する。
オルガの執務室のソファには、オルガとネーヴェの二人が緊張感のかけらもなく向かい合って座り、茶をすすりながら手紙を手にしている。
「というわけだから」
ネーヴェが手紙を読み終わったであろうタイミングでオルガが声をかける。
「・・・アイツ、なんだって?」
「なんだってって・・・書いてあるだろ!?『手合わせできるその日を心待ちにしている』って」
「・・・別に手合わせしに行くわけじゃないよな?」
「違うよ!仕事しに行くにきまってるだろ!アイツは今回の仕事は手合わせだと思ってるみたいだけど、俺たちの仕事は視察!怪しい動きがないかと王族に協力を要請する視察!手合わせじゃない!」
「・・・殿下、機嫌悪すぎじゃない?」
ネーヴェといる時、仕事以外の時間は決して綺麗とは言えない言葉遣いをするオルガとネーヴェだが、いつも以上に適当な言葉遣いに、少々面食らったネーヴェは、何事かとオルガに言葉をかける。
「~~~・・・完全に貧乏くじ引かされてるだろ!交渉事だったら、絶対兄上が表も裏もうまくやるのに、俺に声がかかったってことは、ネーヴェ!お前を連れてけって意味以外にないだろ?
ただでさえ、命を狙われるかもしれないっていうのに、、、
それに・・・出発よりちょっと前に、帰ってくるんだろ?お前の息子が」
オルガの最後の言葉に反応して、きらきらとした目でネーヴェが口を開く
「そうなんだよ!フロスが帰ってくるんだよ!もう17歳でしょ?ブライアンがあんな事になっちゃって、後継者の引継ぎが早まって申し訳ないんだけど、我が愛しの君が帰ってくるかと思うと、盛大なパーティ開きたくなる気分なんだ!」
「相変わらずだな・・・でも大丈夫なのか?彼も命を狙われる可能性があるんだろ?」
「ん?何言ってるんだ?そんな可能性叩き潰してから家を出るにきまってるだろ?」
既に何か握っているらしいネーヴェは悪い顔をしてニコニコと笑った。
「・・・ご愁傷様だな」
小さな声で呟いて、苦笑するオルガは、まぎれもなくあの親兄弟に育てられた娘なんだな、と内心納得する。