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『No.306の少し後』泉が入学していたら。
お茶子に連れてこられてA組と話をしたすぐあとの続きです。
「時間はかかるが、お前だってデクの力になれる」
かっちゃんが言うと、蛙吹さんが続きを受け取った。
「仮免のことね?爆豪ちゃん」
仮免を取れば….仮免さえ取れれば、制限はあるけどヒーロー活動が出来る。
「泉なら問題ない」
最高の褒め言葉だ。
「まずは力をつける。おい轟」
「なんだ?」
「泉の個性は噴射炎だ。てめぇも手伝え」
「分かった」
「何言ってんの!轟さんの貴重な時間を割くわけにいかないでしょ!」
「俺はいいのかよ」
「だってかっちゃんだし?」
「力をつけたいなら使えるものは使え」
「でも…私じゃ足手まといになるだけかもしれないですよ」
「緑谷を助けたいんだろ。だったら少しでも出来ることを増やした方がいい。それに爆豪が協力するって言ってるんだ。お前は必ず緑谷の力になる」
ストレートな物言いはそのまま受け取るべきだと思った。
「ありがとうございます…!あ、でも、実は噴射炎だけじゃないんです」
「は?」
かっちゃんは驚いていた。
「吸引も出来るの。…えっと…轟さん。すみませんが炎を少し出してもらえますか?」
「これで良いか?」
轟さんは左手に炎を出した。
「ありがとうございます」
私は意識を集中させて、少し離れた轟さんの手のひらから炎を吸い込んだ。口の中に炎が吸い込まれた。
「…お前、2つもらっちまったんか」
「皮肉な話だけどね」
「自分を責めてんじゃねぇぞ」
「…ちょっとそれは難しいかなぁ…」
泣きそうになりながら答えると、かっちゃんは頭を撫でてくれた。
「どっちも炎の個性なら轟が適任だ、全部自分のものにしろ」
「よろしくお願いします!」
「あぁ」
「早速始めんぞ」
「え!?今から!?」
「そうだな。…個性について教えてくれ、緑谷」
歩き出した爆豪と轟に泉は付いていく。
「緑谷だとややこしいので泉で大丈夫です」
「分かった」
「炎噴射・吸引は口からのみです。使わなくても使い過ぎてもオーバーヒートをします。なので、毎朝走ってます。体力には自信あります」
そして…。
「猛々しいわね、泉ちゃん。緑谷ちゃんを思い出すわ」
「だな」
「おせぇ!」
爆豪が泉の背中を蹴った。泉は炎を噴いて体勢を整えようとするが、すでに爆豪が先回りしていた。
「なっ…!?」
「だからおせぇんっつてんだろ!」
爆豪が右手で殴ってきたのを泉は両手でガードすることしかできなかった。そのまま地面に叩きつけられた。
「ちょっと…爆豪。もう少し手加減してやんなよ」
「容赦なさすぎんだろ…」
「うるせぇ」
耳郎と上鳴から言われても爆豪は気にするそぶりを見せない。泉にとっては手加減されずに全力で来てくれる爆豪がありがたかった。手も足も出せないで悔しいことに変わりはないが。
「立て泉」
床の上に大の字になっていた泉に声をかけた。泉はゆっくり身体を起き上がらせる。
「ちょっと休憩しよ!泉ちゃん」
見かねた麗日が声をかけるが、泉は首を振った。
「大丈夫です、もうちょっとやります」
唇が切れて血が出ていた。フラフラしながらも泉は右手で血を拭うと、爆豪に向かって走り出した。
「フラフラしてるのに…」
「オーバーヒートだな」
心配そうにする麗日に轟が口を開いた。
「泉の個性はエンデヴァーと同じで熱を溜め込んじまう。まずは自分の熱に慣れた方がいい」
再び爆豪相手に手も足も出せず、容赦なく叩きのめされた泉は地面に大の字になっていた。
「休憩」
そう言って爆豪は泉の顔の横にスポーツドリンクを置いた。息が上がってすらない幼なじみに、全く歯の立たないことに泉は悔しくて堪らなかった。熱で体が重たくて起き上がれなかった。ちょっとのことでこの様だなんて情けない。
「立てるか」
轟がやってきて右手を差し出してくれた。手を借りてなんとか起き上がるも視界が歪んでいた。呼吸も荒く、苦しかった。
「熱に慣れろ」
そう言って轟は泉の横に氷の山を作った。
「きもちいい…」
泉が氷にもたれかかると、湯気が上がった。
「体を冷やしたら、また限界まで個性使って熱さを身体に馴染ませろ」
「個性伸ばし…ですか」
「そうだ、体が熱に慣れれば火力をあげられるはずだ」
「何か改善した方が…良いところはありますか」
泉は肩で息をしながら尋ねた。兄のためになるために強くなりたいという貪欲さが見てとれた。
「…炎が散漫になってるから点か線か、力を意識した方が良いな」
「分かり、ました」
泉は深く息を吐いた。爆豪が置いていったスポーツドリンクを勢いよく半分近く飲むと、立ち上がった。
「…かっちゃん!もう一回!」
フラつきながらも、ぐっと足で身体を支えた。
「今日はもう終いだ」
何度目かの手合わせのあとに爆豪が床に伸びていた泉を見て判断した。
「…ありがとうございました…」
泉は悔しそうに唇を噛む。
「しっかり体冷やしてから帰るぞ」
轟は泉の横に氷の山を作った。泉は氷の山を抱き抱え、おでこを当てた。
「…悔しい」
泉は思わず口にしていた。自分で言ったことに驚いて、顔を上げると轟と目があった。
「学んでる時間が違ぇから、敵わなくて当然だ」
「お前が俺に勝てるわけねぇだろ」
「そんなの、分かってるもん」
悔しそうに顔を歪める泉に爆豪はため息をついて、頭をくしゃくしゃと撫でた。
「力はちゃんとついてる。焦るんじゃねぇぞ」
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あくまで幼なじみのやりたいことに力を貸してくれるかっちゃんは、お兄ちゃんです。
『初恋の話』でも書きましたが、彼女とかっちゃんの間に恋愛感情は絶対に生まれません。
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お茶子に連れてこられてA組と話をしたすぐあとの続きです。
「時間はかかるが、お前だってデクの力になれる」
かっちゃんが言うと、蛙吹さんが続きを受け取った。
「仮免のことね?爆豪ちゃん」
仮免を取れば….仮免さえ取れれば、制限はあるけどヒーロー活動が出来る。
「泉なら問題ない」
最高の褒め言葉だ。
「まずは力をつける。おい轟」
「なんだ?」
「泉の個性は噴射炎だ。てめぇも手伝え」
「分かった」
「何言ってんの!轟さんの貴重な時間を割くわけにいかないでしょ!」
「俺はいいのかよ」
「だってかっちゃんだし?」
「力をつけたいなら使えるものは使え」
「でも…私じゃ足手まといになるだけかもしれないですよ」
「緑谷を助けたいんだろ。だったら少しでも出来ることを増やした方がいい。それに爆豪が協力するって言ってるんだ。お前は必ず緑谷の力になる」
ストレートな物言いはそのまま受け取るべきだと思った。
「ありがとうございます…!あ、でも、実は噴射炎だけじゃないんです」
「は?」
かっちゃんは驚いていた。
「吸引も出来るの。…えっと…轟さん。すみませんが炎を少し出してもらえますか?」
「これで良いか?」
轟さんは左手に炎を出した。
「ありがとうございます」
私は意識を集中させて、少し離れた轟さんの手のひらから炎を吸い込んだ。口の中に炎が吸い込まれた。
「…お前、2つもらっちまったんか」
「皮肉な話だけどね」
「自分を責めてんじゃねぇぞ」
「…ちょっとそれは難しいかなぁ…」
泣きそうになりながら答えると、かっちゃんは頭を撫でてくれた。
「どっちも炎の個性なら轟が適任だ、全部自分のものにしろ」
「よろしくお願いします!」
「あぁ」
「早速始めんぞ」
「え!?今から!?」
「そうだな。…個性について教えてくれ、緑谷」
歩き出した爆豪と轟に泉は付いていく。
「緑谷だとややこしいので泉で大丈夫です」
「分かった」
「炎噴射・吸引は口からのみです。使わなくても使い過ぎてもオーバーヒートをします。なので、毎朝走ってます。体力には自信あります」
そして…。
「猛々しいわね、泉ちゃん。緑谷ちゃんを思い出すわ」
「だな」
「おせぇ!」
爆豪が泉の背中を蹴った。泉は炎を噴いて体勢を整えようとするが、すでに爆豪が先回りしていた。
「なっ…!?」
「だからおせぇんっつてんだろ!」
爆豪が右手で殴ってきたのを泉は両手でガードすることしかできなかった。そのまま地面に叩きつけられた。
「ちょっと…爆豪。もう少し手加減してやんなよ」
「容赦なさすぎんだろ…」
「うるせぇ」
耳郎と上鳴から言われても爆豪は気にするそぶりを見せない。泉にとっては手加減されずに全力で来てくれる爆豪がありがたかった。手も足も出せないで悔しいことに変わりはないが。
「立て泉」
床の上に大の字になっていた泉に声をかけた。泉はゆっくり身体を起き上がらせる。
「ちょっと休憩しよ!泉ちゃん」
見かねた麗日が声をかけるが、泉は首を振った。
「大丈夫です、もうちょっとやります」
唇が切れて血が出ていた。フラフラしながらも泉は右手で血を拭うと、爆豪に向かって走り出した。
「フラフラしてるのに…」
「オーバーヒートだな」
心配そうにする麗日に轟が口を開いた。
「泉の個性はエンデヴァーと同じで熱を溜め込んじまう。まずは自分の熱に慣れた方がいい」
再び爆豪相手に手も足も出せず、容赦なく叩きのめされた泉は地面に大の字になっていた。
「休憩」
そう言って爆豪は泉の顔の横にスポーツドリンクを置いた。息が上がってすらない幼なじみに、全く歯の立たないことに泉は悔しくて堪らなかった。熱で体が重たくて起き上がれなかった。ちょっとのことでこの様だなんて情けない。
「立てるか」
轟がやってきて右手を差し出してくれた。手を借りてなんとか起き上がるも視界が歪んでいた。呼吸も荒く、苦しかった。
「熱に慣れろ」
そう言って轟は泉の横に氷の山を作った。
「きもちいい…」
泉が氷にもたれかかると、湯気が上がった。
「体を冷やしたら、また限界まで個性使って熱さを身体に馴染ませろ」
「個性伸ばし…ですか」
「そうだ、体が熱に慣れれば火力をあげられるはずだ」
「何か改善した方が…良いところはありますか」
泉は肩で息をしながら尋ねた。兄のためになるために強くなりたいという貪欲さが見てとれた。
「…炎が散漫になってるから点か線か、力を意識した方が良いな」
「分かり、ました」
泉は深く息を吐いた。爆豪が置いていったスポーツドリンクを勢いよく半分近く飲むと、立ち上がった。
「…かっちゃん!もう一回!」
フラつきながらも、ぐっと足で身体を支えた。
「今日はもう終いだ」
何度目かの手合わせのあとに爆豪が床に伸びていた泉を見て判断した。
「…ありがとうございました…」
泉は悔しそうに唇を噛む。
「しっかり体冷やしてから帰るぞ」
轟は泉の横に氷の山を作った。泉は氷の山を抱き抱え、おでこを当てた。
「…悔しい」
泉は思わず口にしていた。自分で言ったことに驚いて、顔を上げると轟と目があった。
「学んでる時間が違ぇから、敵わなくて当然だ」
「お前が俺に勝てるわけねぇだろ」
「そんなの、分かってるもん」
悔しそうに顔を歪める泉に爆豪はため息をついて、頭をくしゃくしゃと撫でた。
「力はちゃんとついてる。焦るんじゃねぇぞ」
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あくまで幼なじみのやりたいことに力を貸してくれるかっちゃんは、お兄ちゃんです。
『初恋の話』でも書きましたが、彼女とかっちゃんの間に恋愛感情は絶対に生まれません。
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