家族編
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おまけ・何年か後の後日談みたいな話
「どうしましょうか…」
泉は隣に座る夫に尋ねた。
「……」
「私が来た!」
かつての平和の象徴オールマイトの決め台詞を息子が楽しそうに目をキラキラさせて言った。腰に手まで当ててすっかりオールマイト気取りだ。
泉は困り果てため息をついた。
「まさか、ほおくんがこんなに気に入るだなんて…」
愛息子は兄緑谷出久が幼いときに着ていたオールマイトのなりきり衣装に身を包んでいるのだ。
先日母がなりきり衣装を手に尋ねてきた。
「ほおくん着ないかなって思ったんだけど…」
「懐かしい…!お兄ちゃんよく着てたよねぇ!」
衣装は少し古っぽくなっていたが、まだ着れそうだった。
「でも、オールマイトのことよく知らないから着ないかもね…。ほおくーん」
離れたところで積み木遊びをしていた息子に声をかけた。
「なーにー」
「これ着てみる?」
オールマイトのなりきり衣装を持って息子に見せるなり、息子の目が輝いた。
「オールマイトだ!超かっこいいヒーローなんだよね!」
「なんで知ってるの⁉」
「おじちゃんが教えてくれたよ!」
「さすがお兄ちゃん…いつの間に…」
「ママ!着させて!」
「はいはい」
以来すっかりオールマイトのなりきり衣装を気に入ってしまい、朝起きると「オールマイト着る!」と言うのだ。
そして、今何を困っているのかと言うと…。
「ほおくん!おじいちゃんに会うのにオールマイトは着ていけないの!」
「やだ!」
祖父エンデヴァーに会いに行くことになっているのに、オールマイトの衣装を脱いでくれないのだ。エンデヴァーのなりきり衣装ならまだしも、オールマイトの衣装を着せていくのは…。
ちなみにエンデヴァーのなりきり衣装も探し出して購入したのだが、全く着てくれない。
「…いや、そのまま行こう」
「えっ⁉」
「気に入ってんだし、いいだろ」
「やったー!」
喜ぶ息子とは裏腹に、泉は呆れたように疑いの眼差しを夫に向けた。
「焦凍さん」
「ん?」
「嫌がらせですか」
「何のことだ?…子どもの意見だって尊重してやんねぇとな」
轟は軽く受け流すと、息子を抱き上げた。
「さ、行くぞ」
「おー!」
「もう…!」
「じいじ!」
「おぉ…!来た…か……⁉」
玄関で孫が来るのを待ち侘びていたエンデヴァーは孫の姿に驚いた。
「見て!オールマイト!」
「焦凍!!!!これはどっ…どういうことだ!!?」
「可愛いだろ。おじいちゃん?」
轟は少し楽しそうに笑った。
「ぐっ…」
「ねぇじいじ!かっこいいでしょ!」
「……ぐぬっ……」
エンデヴァーは可愛い孫息子になんと言うべきか、顔を歪めた。泉が慌てて謝った。
「ご無沙汰してすみません、お義父さん。着替えさせるつもりだったのですが、脱いでくれなくて…すみません」
「僕はこれが好きなの!」
息子が頬を膨らまして反抗すると、エンデヴァーは諦めたようだ。
「…いや良い。体調を崩していたと聞いたが」
「はい、ずいぶん落ち着きました。ご心配いただきありがとうございます」
「復帰は」
「しばらく休みだ」
靴を脱ぎながら、轟が口を挟んだ。
「そんなに悪いのか。元気そうに見えるが」
心配そうに問う義父に泉は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「実は…家族が増えることになりまして…今日はそのご報告も兼ねて…」
「僕お兄ちゃんになるの!」
エンデヴァーはどう答えるか悩んだ末に
「そうか、良かったな」と答えたのだった。
--------
一番最初に書き上げたときは、轟くんはオールマイトの服を脱がない息子を見て、あからさまにエンデヴァーへの嫌がらせを発言していました。
「あいつが嫌がるところを見たい」
.
「どうしましょうか…」
泉は隣に座る夫に尋ねた。
「……」
「私が来た!」
かつての平和の象徴オールマイトの決め台詞を息子が楽しそうに目をキラキラさせて言った。腰に手まで当ててすっかりオールマイト気取りだ。
泉は困り果てため息をついた。
「まさか、ほおくんがこんなに気に入るだなんて…」
愛息子は兄緑谷出久が幼いときに着ていたオールマイトのなりきり衣装に身を包んでいるのだ。
先日母がなりきり衣装を手に尋ねてきた。
「ほおくん着ないかなって思ったんだけど…」
「懐かしい…!お兄ちゃんよく着てたよねぇ!」
衣装は少し古っぽくなっていたが、まだ着れそうだった。
「でも、オールマイトのことよく知らないから着ないかもね…。ほおくーん」
離れたところで積み木遊びをしていた息子に声をかけた。
「なーにー」
「これ着てみる?」
オールマイトのなりきり衣装を持って息子に見せるなり、息子の目が輝いた。
「オールマイトだ!超かっこいいヒーローなんだよね!」
「なんで知ってるの⁉」
「おじちゃんが教えてくれたよ!」
「さすがお兄ちゃん…いつの間に…」
「ママ!着させて!」
「はいはい」
以来すっかりオールマイトのなりきり衣装を気に入ってしまい、朝起きると「オールマイト着る!」と言うのだ。
そして、今何を困っているのかと言うと…。
「ほおくん!おじいちゃんに会うのにオールマイトは着ていけないの!」
「やだ!」
祖父エンデヴァーに会いに行くことになっているのに、オールマイトの衣装を脱いでくれないのだ。エンデヴァーのなりきり衣装ならまだしも、オールマイトの衣装を着せていくのは…。
ちなみにエンデヴァーのなりきり衣装も探し出して購入したのだが、全く着てくれない。
「…いや、そのまま行こう」
「えっ⁉」
「気に入ってんだし、いいだろ」
「やったー!」
喜ぶ息子とは裏腹に、泉は呆れたように疑いの眼差しを夫に向けた。
「焦凍さん」
「ん?」
「嫌がらせですか」
「何のことだ?…子どもの意見だって尊重してやんねぇとな」
轟は軽く受け流すと、息子を抱き上げた。
「さ、行くぞ」
「おー!」
「もう…!」
「じいじ!」
「おぉ…!来た…か……⁉」
玄関で孫が来るのを待ち侘びていたエンデヴァーは孫の姿に驚いた。
「見て!オールマイト!」
「焦凍!!!!これはどっ…どういうことだ!!?」
「可愛いだろ。おじいちゃん?」
轟は少し楽しそうに笑った。
「ぐっ…」
「ねぇじいじ!かっこいいでしょ!」
「……ぐぬっ……」
エンデヴァーは可愛い孫息子になんと言うべきか、顔を歪めた。泉が慌てて謝った。
「ご無沙汰してすみません、お義父さん。着替えさせるつもりだったのですが、脱いでくれなくて…すみません」
「僕はこれが好きなの!」
息子が頬を膨らまして反抗すると、エンデヴァーは諦めたようだ。
「…いや良い。体調を崩していたと聞いたが」
「はい、ずいぶん落ち着きました。ご心配いただきありがとうございます」
「復帰は」
「しばらく休みだ」
靴を脱ぎながら、轟が口を挟んだ。
「そんなに悪いのか。元気そうに見えるが」
心配そうに問う義父に泉は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「実は…家族が増えることになりまして…今日はそのご報告も兼ねて…」
「僕お兄ちゃんになるの!」
エンデヴァーはどう答えるか悩んだ末に
「そうか、良かったな」と答えたのだった。
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一番最初に書き上げたときは、轟くんはオールマイトの服を脱がない息子を見て、あからさまにエンデヴァーへの嫌がらせを発言していました。
「あいつが嫌がるところを見たい」
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