恋人編
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『没にした冒頭部分』
「そういや、泉」
「なあに?」
私と光は今日は仕事が休みで私の家で飲んでいた。最も私はお酒に強くないので、お酒に強い光が呑んでる姿を見ながらノンアルコールのチューハイやカクテルを片手にちびちび呑んで食べている。アルコールが入ったものを呑もうとしたら光に取られた。ちなみに光はザルだ。
「付き合って長いけど、結婚しないの?」
光は私の眼を前から捉えた。お酒の席なのに光は真剣な表情をしていた。突然の質問に動揺して、目を逸らした。
「突然だね?」
平然を装って答えるが、光は絶対分かってる。
「あたしは泉が幸せでいるなら、それで良いんだけど」
「そうだねぇ…幸せは幸せだよ。轟さんはあまり言わないけど、愛してくれてるの分かるもん。結婚は…したいけど…轟さんに未来の話すると黙っちゃうからさぁ」
困っちゃうね、と笑うと光は舌打ちをした。
「あいつ独占欲強いくせに…」
はぁ…と深いため息をついて光は飲みかけのハイボールを飲み干した。
「あたしなら泉を幸せにしてあげられるのに」
グラスを置くと、光は頬杖をついた。
「あ」
何か閃いたようで光はニヤニヤしていた。
「させるか、プロポーズ」
「えっ⁉」
「あたしが泉にプロポーズして、本気で結婚しようとするんだよ。さすがの轟でも焦るんじゃない?」
「光が私にプロポーズ…?」
「どう?他に男用意するよりよっぽどときめくだろ?適任だよ」
ニヤッと笑う光を適当に受け流そうとした。適任、と言うのは焦凍さんが私を取られそうだと本気で思うか思わないかの話だ。光だったら取られかねないと本気で思うだろう。
「それはそうだけど…他人事だと思って楽しんでるでしょ。光たちはどうなの?あ、お酒新しいの注ぐ?」
話を逸らそうとして、私は光のグラスに手を伸ばした。光は素早く伸ばした私の手を取った。
「楽しんでないし、あたしのことはどうでもいい。泉、結婚しよ。轟よりあたしの方が泉を幸せに出来る」
「結婚するふりじゃないの?」
「泉となら本気でしても良い」
「…お酒は?」
「いる」
「手を離して」
「やだ」
「この、酔っ払い!」
「…酔ってないんだけど、シラフん時じゃないと冗談だって思うなら出直す」
「えっ…」
「じゃあ明日。ちゃんと考えといて。お酒ごめん。絶対泉は飲んじゃダメだからね」
光は荷物をまとめると、私にハグをして本当に帰ってしまった。呆気に取られた私は焦凍さんが帰ってきたことに気がつかなかった。
「泉」
肩を叩かれて我に帰った。顔を上げて振り返ると、頬に汚れをつけた焦凍さんが立っていた。
「大丈夫か?玄関から呼びかけたのに返事なかったから」
「光が急に帰るっていうから呆気に取られちゃいまして…。おかえりなさい!焦凍さん」
笑顔を作ると焦凍さんはほっとした顔になった。
「ただいま」
焦凍さんの緊張の糸が緩んだ気がした。
「汚れついてます」
私は服の袖を引っ張って焦凍さんの頬の汚れを拭った。
「ありがとな」
「どういたしまして」
「さっき玄関で爆豪妹とすれ違った。覚悟してろよ、って言われたんだが…何だったんだ?」
「光ったら私に結婚しようなんて言ったんですよ」
「…それで?」
「何がです?」
「なんて答えたんだ?」
「返事する前に帰っちゃいました」
ふふふ、と笑いながら言うと、焦凍さんはそうか…と呟いてそれ以上は何も言わなかった。
もっと何かないんですか?
私と結婚するのは俺だ、とか言ってくれても良いのに。結婚したくないのかな。
ねえ、焦凍さん。私のこと好きですか?
私は机の上に置きっぱなしのつまみを口に放り込む焦凍さんを静かに見つめていた。
「泉」
「どうしました?」
「これ、作ったの泉だよな」
そう言いながらまた一口パクり。
「そうですけど…お行儀悪いですよ」
「うまいな」
焦凍さんは優しい表情で笑みを浮かべた。
「好き…」
思わず口から出た言葉にも、焦凍さんは嬉しそうな顔をした。「そうか」なんていつものような返事をしてるのに。
焦凍さんが私を好きでいてくれてるのは明白だ。一緒に暮らす家に帰ってきて、安心した顔になる。私が「好きです」って言えば嬉しそうな顔をする。
あまり好意を口にしなくても、表情や態度でよく分かる。
「あの、焦凍さんはどうですか…?」
意を決して聞いてみる。
.
「そういや、泉」
「なあに?」
私と光は今日は仕事が休みで私の家で飲んでいた。最も私はお酒に強くないので、お酒に強い光が呑んでる姿を見ながらノンアルコールのチューハイやカクテルを片手にちびちび呑んで食べている。アルコールが入ったものを呑もうとしたら光に取られた。ちなみに光はザルだ。
「付き合って長いけど、結婚しないの?」
光は私の眼を前から捉えた。お酒の席なのに光は真剣な表情をしていた。突然の質問に動揺して、目を逸らした。
「突然だね?」
平然を装って答えるが、光は絶対分かってる。
「あたしは泉が幸せでいるなら、それで良いんだけど」
「そうだねぇ…幸せは幸せだよ。轟さんはあまり言わないけど、愛してくれてるの分かるもん。結婚は…したいけど…轟さんに未来の話すると黙っちゃうからさぁ」
困っちゃうね、と笑うと光は舌打ちをした。
「あいつ独占欲強いくせに…」
はぁ…と深いため息をついて光は飲みかけのハイボールを飲み干した。
「あたしなら泉を幸せにしてあげられるのに」
グラスを置くと、光は頬杖をついた。
「あ」
何か閃いたようで光はニヤニヤしていた。
「させるか、プロポーズ」
「えっ⁉」
「あたしが泉にプロポーズして、本気で結婚しようとするんだよ。さすがの轟でも焦るんじゃない?」
「光が私にプロポーズ…?」
「どう?他に男用意するよりよっぽどときめくだろ?適任だよ」
ニヤッと笑う光を適当に受け流そうとした。適任、と言うのは焦凍さんが私を取られそうだと本気で思うか思わないかの話だ。光だったら取られかねないと本気で思うだろう。
「それはそうだけど…他人事だと思って楽しんでるでしょ。光たちはどうなの?あ、お酒新しいの注ぐ?」
話を逸らそうとして、私は光のグラスに手を伸ばした。光は素早く伸ばした私の手を取った。
「楽しんでないし、あたしのことはどうでもいい。泉、結婚しよ。轟よりあたしの方が泉を幸せに出来る」
「結婚するふりじゃないの?」
「泉となら本気でしても良い」
「…お酒は?」
「いる」
「手を離して」
「やだ」
「この、酔っ払い!」
「…酔ってないんだけど、シラフん時じゃないと冗談だって思うなら出直す」
「えっ…」
「じゃあ明日。ちゃんと考えといて。お酒ごめん。絶対泉は飲んじゃダメだからね」
光は荷物をまとめると、私にハグをして本当に帰ってしまった。呆気に取られた私は焦凍さんが帰ってきたことに気がつかなかった。
「泉」
肩を叩かれて我に帰った。顔を上げて振り返ると、頬に汚れをつけた焦凍さんが立っていた。
「大丈夫か?玄関から呼びかけたのに返事なかったから」
「光が急に帰るっていうから呆気に取られちゃいまして…。おかえりなさい!焦凍さん」
笑顔を作ると焦凍さんはほっとした顔になった。
「ただいま」
焦凍さんの緊張の糸が緩んだ気がした。
「汚れついてます」
私は服の袖を引っ張って焦凍さんの頬の汚れを拭った。
「ありがとな」
「どういたしまして」
「さっき玄関で爆豪妹とすれ違った。覚悟してろよ、って言われたんだが…何だったんだ?」
「光ったら私に結婚しようなんて言ったんですよ」
「…それで?」
「何がです?」
「なんて答えたんだ?」
「返事する前に帰っちゃいました」
ふふふ、と笑いながら言うと、焦凍さんはそうか…と呟いてそれ以上は何も言わなかった。
もっと何かないんですか?
私と結婚するのは俺だ、とか言ってくれても良いのに。結婚したくないのかな。
ねえ、焦凍さん。私のこと好きですか?
私は机の上に置きっぱなしのつまみを口に放り込む焦凍さんを静かに見つめていた。
「泉」
「どうしました?」
「これ、作ったの泉だよな」
そう言いながらまた一口パクり。
「そうですけど…お行儀悪いですよ」
「うまいな」
焦凍さんは優しい表情で笑みを浮かべた。
「好き…」
思わず口から出た言葉にも、焦凍さんは嬉しそうな顔をした。「そうか」なんていつものような返事をしてるのに。
焦凍さんが私を好きでいてくれてるのは明白だ。一緒に暮らす家に帰ってきて、安心した顔になる。私が「好きです」って言えば嬉しそうな顔をする。
あまり好意を口にしなくても、表情や態度でよく分かる。
「あの、焦凍さんはどうですか…?」
意を決して聞いてみる。
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