L&H 学生編(本編)
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「あら、緑谷ちゃん。おかえりなさい。インターンお疲れさま」
「蛙吹さん。ありがとう。…ただいま…ってなんか照れるね…」
「もう2年近く一緒に生活してるのに今更だわ、緑谷ちゃん」
「そうだね」
「最近泉ちゃんに会った?」
「さっき会ってきたよ。どうかした?」
最近ね、気になることがあったのよ。…もしかしてってことは他にも?…瀬呂ちゃんが?…そうなの。最近良い雰囲気なのよね。前は泉ちゃんの方が好き!って感じだったのが、今はそうじゃなくなった気がするわ。
一昨日ね、轟ちゃんと日直だったの。放課後、日誌を届けに職員室に向かって歩いていたら、轟ちゃんが「あ」って何かに気がついてね、急に早足になったの。私は置いてけぼり。…どうしたのかしらって見てたら、泉ちゃんが歩いてきてね、轟ちゃんは声をかけていたわ。
私てっきり泉ちゃんがいつもみたいに嬉しそうに笑うんだと思っていたんだけど、なんだかいつもと様子が違ったの。泉ちゃんは轟ちゃんに話しかけられて、とてもびっくりしていたわ。…緊張していたのかしら全身を強ばらせて…言い表すのが難しいんだけど、とにかく変だった。轟ちゃんに会えたのに、泉ちゃんはにこりともしなかったのよ?それなのに、轟ちゃんの方は泉ちゃんに会えて嬉しそうで、ウキウキしてる感じだったわ。
…あのね、これは完全に私の主観的な意見だから間違っていたら良くないなって思うんだけれど…、言って良いかしら?…え?瀬呂ちゃんも言ってたの?それなら遠慮なく。轟ちゃん、泉ちゃんを好きになったのね。
…そうね、今までも好きだったと思うわ。でも、それってお友だちの、緑谷ちゃんの妹だったからでしょう?そうじゃないのよ、泉ちゃんと同じか近い感情になったんじゃないかしら。緑谷ちゃんも2人一緒にいるところを見たら分かるわ。
それでね、私、もう少し黙って2人を見てたの。轟ちゃんが微笑むたびに泉ちゃんはぎこちなく返事をしていたんだけど、そのうちに緊張が解けていつもの調子に戻ったみたいだったわ。それから「轟ちゃん、職員室に行かなくちゃいけないんだけど、忘れちゃった?」って声をかけたら、振り返って私の存在を忘れてたって表情をしてたのよ。轟ちゃんたら好きな子のことで頭がいっぱいになっちゃったのね。
「少し前は轟ちゃんが泉ちゃんに対してぎこちなかったから、ちょっと安心したわ」
「あぁ、夏ぐらいだよね?」
「ほら、泉ちゃんが教室で泣いちゃったときがあったでしょう?」
「あったね…」
「轟ちゃんに泉ちゃんが泣いてたって言ったら、飛び出して行っちゃったのよ。その辺りからかしら?時々違和感を感じることがあって。…前に上鳴ちゃんに第三者が何か言うもんじゃないわって窘めたんだけれど、本当は私も気になってて…。上鳴ちゃんには内緒よ」
「そうだよね、僕も気になってるもん」
「2人のペースで良い方向に進むことを祈ってるわ」
「ありがとう、蛙吹さん」
「たまには、梅雨ちゃんと呼んでほしいわ」
2021.11.25