妹とモブ子さん
名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~おまけ~
『お兄ちゃんとモブ子さん』
新学期。
「あれっ?もしかして花さん?」
授業の合間の教室移動中に声をかけられて振り返ると
「緑谷くん」
驚いて返事をするよりも先に彼の名前を呼んでしまいました。
「えっ⁉」
自分が知られてないとでも思ったのでしょうか?
「体育祭であんなに目立ってた人を知らないとでも?」
「あっ!そうか…あはは、恥ずかしい…」
緑谷くんは照れて頭をかきました。
「いつも泉がお世話になってます。兄の出久です」
緑谷くんはそう言って深々と頭を下げたので、私も丁寧に返事をすることにしたのです。
「はじめまして、花です。泉ちゃんからいつも話を聞いてます。私のこと知ってるなんて思わなかったけれども」
「そっそうだよね!突然ごめんね。泉が一緒に撮った写真見せてくれたんだよ。泉がよく花さんの話をしてくれるから、僕も一度話をしてみたいって思ってたんだ」
泉ちゃんの誕生日…ひまわりが咲いた日に、泉ちゃんはそれはそれははしゃいで「ひまわりを背景に花さんと写真撮りたいです!」と提案してきたのです。その写真を泉ちゃんは私にも送ってくれました。元気がないときにはこの写真を見ようかしら、なんて考えているくらいです。
「泉おしゃべりだから困ってない?よく僕の知り合いに話しかけては、一方的に話してどこか行っちゃうみたいで…」
「そうね、そういうときもあるわ。でも大丈夫よ、泉ちゃんの話はいつも面白いし、何より泉ちゃんが楽しそうだから嫌じゃないの」
「良かった…。ひまわり、ありがとう。泉すごく喜んでて、電話の向こうで大興奮でさ、僕が口を挟む余裕ないくらいだったよ」
「嬉しいわ。喜んでる泉ちゃん、ひまわりみたいな綺麗な眩しい笑顔をしてたのよ。泉ちゃんが笑うと元気出るの」
「分かる。泉が笑うと、周囲がぱっと明るくなるんだよね。僕もいつも元気もらってる」
泉ちゃんの笑顔を想像しているのか、愛おしそうに目を細めて緑谷くんは言いました。
あら。予想外の反応です。
「泉ちゃんの笑顔はかわいいわよね」
「うんうん」
緑谷くんは首を縦にブンブン大袈裟に振りながら頷きました。
「緑谷くんは泉ちゃんのことが好きなのね」
「…うん、そうなんだ。皆には距離感おかしいって言われちゃうけどね」
気恥ずかしそうに笑う姿に、泉ちゃんがどれほど想われているのかわかる気がしました。
「今度一緒に見てあげてね。緑谷くんと一緒ならなんだって嬉しいでしょうから」
「あはは、そうかも。今度見に行ってみるよ」
泉ちゃんと一緒に見ているところを想像したのか、緑谷くんは照れながら笑いました。
「泉と仲良くしてくれてありがとう。それだけ言いたくて…。これからも泉と仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろんよ。私、泉ちゃんが好きだもの」
「それじゃあ」
そう言って緑谷くんは振り返りながら、何回か頭を下げて去って行きました。
…そう言えば、緑谷くんずっと笑っていたわね…と思い返し、つい笑みが溢れました。泉ちゃんが緑谷くんを大好きなのは知ってたけど、私が想像してたよりもずっと緑谷くんは泉ちゃんのことが好きなのね。
2020.12.05
『お兄ちゃんとモブ子さん』
新学期。
「あれっ?もしかして花さん?」
授業の合間の教室移動中に声をかけられて振り返ると
「緑谷くん」
驚いて返事をするよりも先に彼の名前を呼んでしまいました。
「えっ⁉」
自分が知られてないとでも思ったのでしょうか?
「体育祭であんなに目立ってた人を知らないとでも?」
「あっ!そうか…あはは、恥ずかしい…」
緑谷くんは照れて頭をかきました。
「いつも泉がお世話になってます。兄の出久です」
緑谷くんはそう言って深々と頭を下げたので、私も丁寧に返事をすることにしたのです。
「はじめまして、花です。泉ちゃんからいつも話を聞いてます。私のこと知ってるなんて思わなかったけれども」
「そっそうだよね!突然ごめんね。泉が一緒に撮った写真見せてくれたんだよ。泉がよく花さんの話をしてくれるから、僕も一度話をしてみたいって思ってたんだ」
泉ちゃんの誕生日…ひまわりが咲いた日に、泉ちゃんはそれはそれははしゃいで「ひまわりを背景に花さんと写真撮りたいです!」と提案してきたのです。その写真を泉ちゃんは私にも送ってくれました。元気がないときにはこの写真を見ようかしら、なんて考えているくらいです。
「泉おしゃべりだから困ってない?よく僕の知り合いに話しかけては、一方的に話してどこか行っちゃうみたいで…」
「そうね、そういうときもあるわ。でも大丈夫よ、泉ちゃんの話はいつも面白いし、何より泉ちゃんが楽しそうだから嫌じゃないの」
「良かった…。ひまわり、ありがとう。泉すごく喜んでて、電話の向こうで大興奮でさ、僕が口を挟む余裕ないくらいだったよ」
「嬉しいわ。喜んでる泉ちゃん、ひまわりみたいな綺麗な眩しい笑顔をしてたのよ。泉ちゃんが笑うと元気出るの」
「分かる。泉が笑うと、周囲がぱっと明るくなるんだよね。僕もいつも元気もらってる」
泉ちゃんの笑顔を想像しているのか、愛おしそうに目を細めて緑谷くんは言いました。
あら。予想外の反応です。
「泉ちゃんの笑顔はかわいいわよね」
「うんうん」
緑谷くんは首を縦にブンブン大袈裟に振りながら頷きました。
「緑谷くんは泉ちゃんのことが好きなのね」
「…うん、そうなんだ。皆には距離感おかしいって言われちゃうけどね」
気恥ずかしそうに笑う姿に、泉ちゃんがどれほど想われているのかわかる気がしました。
「今度一緒に見てあげてね。緑谷くんと一緒ならなんだって嬉しいでしょうから」
「あはは、そうかも。今度見に行ってみるよ」
泉ちゃんと一緒に見ているところを想像したのか、緑谷くんは照れながら笑いました。
「泉と仲良くしてくれてありがとう。それだけ言いたくて…。これからも泉と仲良くしてくれると嬉しいな」
「もちろんよ。私、泉ちゃんが好きだもの」
「それじゃあ」
そう言って緑谷くんは振り返りながら、何回か頭を下げて去って行きました。
…そう言えば、緑谷くんずっと笑っていたわね…と思い返し、つい笑みが溢れました。泉ちゃんが緑谷くんを大好きなのは知ってたけど、私が想像してたよりもずっと緑谷くんは泉ちゃんのことが好きなのね。
2020.12.05